2012年03月16日

和歌山地裁:司法書士の訴訟代理上限額、「総額説」採用せず 損賠訴訟で判決

和歌山県の元夫婦が債務整理を依頼した司法書士に対し、訴訟代理権がないのに業務を行ったなどとして計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、和歌山地裁であった。争点となった代理できる業務範囲の「訴額140万円以内」について、高橋善久裁判長は「個々の債務ごとに考えるべきで、(日本弁護士連合会が主張する)総額説は採用できない」と指摘。請求額を減額し約120万円の支払いを命じた。

 簡易裁判所で訴訟手続きができる訴訟代理権は03年の法改正で、訴額140万円以内で司法書士にも認められた。しかし、額の解釈を巡って、日弁連は債務者(依頼人)の「借入総額」、日本司法書士会連合会は「借入先ごとの個別債務額」と、見解が分かれている。

 訴訟では、元夫婦が600万円を超す過払い金返還や約500万円の債務の整理について訴訟や示談を司法書士に依頼したとし、「借入総額が140万円を超え、司法書士は本来、受任できなかった」と主張。司法書士側は「個別債務が140万円以内なら受任できる。それ以外は書類作成だけ」と反論していた。

 高橋裁判長は「相談者は個々の債務ごとに訴えを提起するのが基本で、個々の相談者の債務ごとに考えるべきだ」として「総額説」を退けた。ただ、一部の受任案件については過払い金元本が140万円を超え、司法書士に認められる代理権の範囲外だったとして、賠償を命じた。

 日弁連の業際・非弁問題等対策本部長代行の高中正彦弁護士は「想定した権限を拡大解釈しており、立法趣旨に反している」とコメント。和歌山県司法書士会の西櫻順子会長は「日司連の従来の主張が認められ喜ばしい」と話した。【岡村崇】

毎日新聞 2012年3月14日 大阪朝刊



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