2019年05月12日

植物観察会「狭山丘陵の春をたずねて」実施報告

実施日:2019年4月23日(火曜)
場 所:東京都武蔵村山市 都立野山北・六道山公園
参加者:22名
講 師:田中徳久学芸員
スタッフ:友の会植物グループ

 八高線「箱根ヶ崎」駅からバスで「岸」停留所下車。バス通りから10分ほど歩くと、目の前にはこんもりと新緑をまとった丘陵地が現れた。「里山民家」の脇から田んぼに沿った樹林地に近づくと、頭上にはウワミズザクラが満開。その下の茂みには、ニワトコ、アオキ、オトコヨウゾメが咲いていた。ウワミズザクラの多い林だ。田んぼとの境の足元には、セリバヒエンソウ、ムラサキサギゴケ、カキドオシが満開。外来種セリバヒエンソウは一気に分布を広げている。日本では“飛燕”と言うが、西洋では“ドルフィン”と入った名。その違いは、花が咲けば飛燕に見え、咲く前の形はイルカに似ていた。次々と気になる植物が現れるので、歩みは遅々として進まない。
 配布資料に「ガマズミの仲間を見分けてみよう」とある。オトコヨウゾメ、ガマズミ、コバノガマズミ、ミヤマガマズミの特徴、見極め点が図解されている。葉の形、腺点、毛など、ルーペで確かめなければならいものが多いが、一番分かりやすいのは、オトコヨウゾメは花数が少なく、長い花柄で横向きに咲くこと。道々ガマズミの仲間が現れる。ガマズミの葉の手触りが柔らかいことが意外だった。ウグイスカグラは若い果実になっていた。
 茂みの奥でヤマツツジのオレンジ色が目立つ。足元には、カンアオイの葉、オオバノトンボソウの葉が出てきているので気を付けよう。あまり見ることのないタチシオデに蕾。ヒトリシズカの群生地では果実になりかかっていた。
 行く先々で感嘆の声が上がる。塊状態に盛り上がって咲くツボスミレ、一面のムラサキサギゴケ。チゴユリの花が星型に大きく開ききっている。オニタビラコの2系統の説明、タチヤナギの見分け点。参加者から「植物は光合成で成長するが単独で生きているのではない。地中の菌と共生して、取り入れにくいリンなどを根に送るキノコの力を知ってほしい」と説明があった。
 詳しい観察に時間を忘れる参加者に、リーダーの方は時間が気がかりでしたでしょう。樹林下の尾根道先の山頂草原、木陰でお弁当。ここのウワミズザクラはまだ蕾だった。
 明るい林、放置され遷移の進んだ暗い森、ササの間の道、田んぼ脇、湿地等、多様な環境を上手に配置した自然を見ることができた。配布資料には、見られる可能性のある植物58種の一覧表があったが、西田が確認したのは44種、表にない木本6種・草本10種だった。
 好天気に恵まれて、素晴しい自然が都市の近くに残っていることに感動した一日だった。 (文:西田和子)

20190423ウワミズザクラ
ウワミズザクラ

20190423コバノガマズミ
コバノガマズミ

20190423チゴユリ
チゴユリ

20190423ヤマツツジ
ヤマツツジ

20190423観察風景    (1)
観察風景

20190423里山の芽吹き
里山の芽吹き