2019年07月28日

植物観察会「玉原の湿原を歩く」実施報告

実施日:2019年7月10日(水曜日)
場 所:群馬県沼田市 玉原
参加者:38名
講 師:田中徳久学芸員

 梅雨の長雨の合間に玉原高原・湿原の植物観察に行くことができました。海老名を出たバスが玉原高原に入り、標高1000mを超えるとシラカンバとブナが出始め、道脇にはエゾアジサイの空色の綺麗な花が沢山咲いていました。花も葉も大きく、地味なヤマアジサイと変種関係とは思えませんでした。        
 10時半に玉原のセンターハウスに着き、早めの昼食を済ませてブナ平に。霧の中に大きなブナが天に向かって枝を広げる様は幻想的で皆が目を見張りました。玉原は関東ですが、ここは豪雪地帯であるため、日本海側の植生で、田中先生の説明では植物社会学的にはチシマザサーブナ群集に入るそうです。歩き始めから出てきたアカイタヤ、タムシバ、クロヅル、ヤチダモ、オオバクロモジ、ヒロハツリバナ、アクシバ、ヤマモミジ、テツカエデなどや、林床に出てきた雪の下で越冬する常緑樹のヒメモチ、エゾユズリハ、ハイイイヌガヤ等の多くもこの群集で出現する種。登るに従いブナとともにテツカエデ、カラスシキミ、ミズナラ、シナノキ、ハウチワカエデが出現して、林床にはナルコユリ、ミヤマワラビ、オシダ、シラネワラビやミヤマスミレが見られました。
 「ブナ平のミズメ(ヨグソミネバリ)」と呼ばれる大木の前まで来て、時間がかかりすぎたとわかり、ブナ地蔵まで急いで歩き、アスナロやコミネカエデ、オガラバナを見ながら沢沿いに玉原湿原に下りました。続いた長雨のため登山道がぬかるみ、渡渉も大いに手こずりました。それでも玉原湿原に予定通り着き、ムラサキヤシオ、ハナヒリノキ、ウラジロヨウラクなどを見て木道を進みました。湿原は花が少なかったが、ミズチドリの蕾、ハクサンタイゲキ、キンコウカ、トキソウ、咲き残ったヒオウギアヤメの他、木道の下にツルコケモモの花やサワランも見つかり大喜びしました。残念な事にニホンジカの採食がひどく、ミズバショウやヒメザゼンソウを見ることはできませんでした。
 友の会に入って2回目の植物観察でしたが、会員の方々の植物に対する知識の詳しさには今回も脱帽しました。久しぶりに日本海型の植生をゆっくり教えてもらいながら歩けて幸せな植物観察でした。
(長谷川秀三)

1、キンコウカ20190710玉原湿原
キンコウカ

2,ヒオウギアヤメ20190710玉原湿原 (1)
ヒオウギアヤメ

3、ショウキラン20190717玉原湿原 (1)
ショウキラン

4,ミタケスゲ20190710玉原湿原
ミタケスゲ

5,ツルコケモモ20190710玉原湿原  (1)
ツルコケモモ

6,トキソウ20190710玉原湿原
トキソウ

7、観察会風景(1)20190710玉原湿原(1)
観察会風景(1)

8,観察会風景(2)20190710玉原湿原
観察会風景(2)