2019年08月27日

ハルネ小田原「出張よろずスタジオ」実施報告

実施日:2019年8月17日(土)13:00〜15:00、18日(日)11:00〜15:00
場 所:HaRuNe(ハルネ)小田原 地下1階 うめまる広場
担 当:友の会スタッフ・博物館 友の会担当職員
参加者:17日(土) 91名(おとな63名・こども28名)、18日(日) 133名(おとな82名・こども51名)、2日間合計224名

【出張よろず2019】写真1


8月17日(土)・18日(日)にHaRuNe小田原 地下1階のうめまる広場にて「出張よろずスタジオ」を開催しました。よろずスタジオとは、県立生命の星・地球博物館で毎週日曜日(13時〜15時)に無料で開催している体験型イベントのことです。
 今回は、初めて博物館を飛び出しての出張開催となりました。

【開催内容】
1.葉っぱの身元捜し
2.この足跡、だれのもの?
3.パズルで昆虫とご対面
4.キノコの観察
5.博物館・友の会紹介パネル展示

【出張よろず2019】写真2
葉っぱの身元捜しコーナー


「葉っぱの身元捜し」は、木の葉を1枚を選んで、テーブルに用意された木の中から、どの木(枝)の葉かを見つけるゲームコーナーです。ゲームの後は、選んだ葉をクレヨンでこすり出す技法でオリジナルポストカード作りも体験できました。

【出張よろず2019】写真3
この足跡、だれのもの?コーナー


「この足跡、だれのもの?」は、動物の足の標本や足跡が描かれた暖簾(のれん)、スクリーン画面などを見て、動物全体と足の裏・足跡を見比べて足跡の持ち主を知るクイズコーナーです。みなさん、ゴリラの手の大きさにびっくりされていました。

【出張よろず2019】写真4
パズルで昆虫とご対面コーナー


「パズルで昆虫とご対面」は、「昆虫」や「キノコ」の写真のジグソーパズルコーナーです。パズルのピース自体は多くないのですが、大事な四隅が全部同じ色をしているなど一筋縄ではいかないパズルに、学びながらとても盛り上がりをみせていました。

【出張よろず2019】写真5
キノコの観察コーナー


 「キノコの観察」は、友の会スタッフなどが採取してきた本物のキノコをファーブル顕微鏡や実態顕微鏡を使って観察するコーナーです。キノコのひだや管孔(かんこう※)に、みなさん興味津々でした。
※キノコの傘の裏側のチューブ状の器官

【出張よろず2019】写真6
博物館と友の会の紹介展示ポスター


博物館や友の会の紹介展示ポスターは、友の会スタッフの力作です。

【出張よろず2019】写真7
「いつもはない企画があって、すごく良かった。」(小3)と言ってくれました。

その他、
●出張してくれると足が運びやすく、詳しい人にも会えて嬉しい。
(中1・女子)
●こういう場所で開催してくれると、博物館が身近に感じられる。
(おとな・女性)

というご感想も頂きました。
この2日間はお買い物中の方や観光中の方など、たくさんの方に足を止めて頂いたり、「何のイベントをやってるんですか?」と興味を持って頂いたりしました。
ご来場・ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

通常、よろずスタジオは毎月第1・2・4日曜日は博物館主催の博物館よろずを、第3日曜日は友の会共催の友の会よろずとして、毎回内容を変えて開催しております。
これを機にぜひ「本家よろずスタジオ」の方へもお越しください。
お待ちしております。

(報告:企画普及課 本杉弥生、写真:本杉弥生、佐藤武宏)
  

Posted by kpmtomo at 22:07Comments(0)

2019年08月26日

おとなの昆虫講座「チョウはベストドレッサー」実施報告

実施日:2019年8月20日(火)
場所: 博物館実習実験室
参加者:22名
講師:渡辺恭平学芸員

 チョウは私にとって、いつもウオーキングを楽しくしてくれる昆虫です。里山を歩いていると春から秋にかけて必ず何頭かは出会います。モンシロチョウ モンキチョウ、アゲハチョウ、小さなシジミ、かわいい!! チョウの名前が知りたくなります。博物館で標本を見たり図鑑で調べたりしますがなかなかひとりでは判断できません。昆虫講座は子ども中心のものが目につきます。そんな時にこの講座を見つけました。おとなの昆虫講座だから座学かな?と思っていたのですが返信はがきに外をあるきますとあり、ラッキー!です。本物にも出会える!まず博物館近くでチョウの観察。天気は曇り。渡辺学芸員とチョウのいそうなところを教わりながら歩くこと数分。「いました!」ツバメシジミ、カラスアゲハ、アゲハ、渡辺さんは素早く網で捕獲して見せて下さいました。その中にミヤマカラスアゲハがいたので博物館に持ち帰り標本の材料に。実際に展翅をして見せて頂きました。野外観察後は博物館の標本を見ながらチョウの種類、見分け方、神奈川県に見られるチョウ、レアなものなど標本を前にすると違いが歴然です。それでも判断に苦しむものがあるとのこと、こんどは図鑑で調べる。図鑑の選び方、読み方を教わりました。チョウの写真を持参された方の写真を見ながら同定に挑戦。とても内容の濃い講座でした。最後にチョウの美しい鱗粉を顕微鏡で見て終了となりました。チョウに会うのがますます楽しみです。ありがとうございました。(友の会 赤木恵)

外観察
外観察

外観察吸水中のクロアゲハと
吸水中のクロアゲハとミヤマカラスアゲハ

外観察・ツバメシジミ
ツバメシジミ

アゲハチョウの説明
標本によるアゲハチョウの説明

展翅実演
展翅実演

 講義・写真による同定
写真による同定

顕微鏡で鱗粉を見る
顕微鏡で鱗粉を見る



  
Posted by kpmtomo at 20:56Comments(0)

2019年07月28日

植物観察会「玉原の湿原を歩く」実施報告

実施日:2019年7月10日(水曜日)
場 所:群馬県沼田市 玉原
参加者:38名
講 師:田中徳久学芸員

 梅雨の長雨の合間に玉原高原・湿原の植物観察に行くことができました。海老名を出たバスが玉原高原に入り、標高1000mを超えるとシラカンバとブナが出始め、道脇にはエゾアジサイの空色の綺麗な花が沢山咲いていました。花も葉も大きく、地味なヤマアジサイと変種関係とは思えませんでした。        
 10時半に玉原のセンターハウスに着き、早めの昼食を済ませてブナ平に。霧の中に大きなブナが天に向かって枝を広げる様は幻想的で皆が目を見張りました。玉原は関東ですが、ここは豪雪地帯であるため、日本海側の植生で、田中先生の説明では植物社会学的にはチシマザサーブナ群集に入るそうです。歩き始めから出てきたアカイタヤ、タムシバ、クロヅル、ヤチダモ、オオバクロモジ、ヒロハツリバナ、アクシバ、ヤマモミジ、テツカエデなどや、林床に出てきた雪の下で越冬する常緑樹のヒメモチ、エゾユズリハ、ハイイイヌガヤ等の多くもこの群集で出現する種。登るに従いブナとともにテツカエデ、カラスシキミ、ミズナラ、シナノキ、ハウチワカエデが出現して、林床にはナルコユリ、ミヤマワラビ、オシダ、シラネワラビやミヤマスミレが見られました。
 「ブナ平のミズメ(ヨグソミネバリ)」と呼ばれる大木の前まで来て、時間がかかりすぎたとわかり、ブナ地蔵まで急いで歩き、アスナロやコミネカエデ、オガラバナを見ながら沢沿いに玉原湿原に下りました。続いた長雨のため登山道がぬかるみ、渡渉も大いに手こずりました。それでも玉原湿原に予定通り着き、ムラサキヤシオ、ハナヒリノキ、ウラジロヨウラクなどを見て木道を進みました。湿原は花が少なかったが、ミズチドリの蕾、ハクサンタイゲキ、キンコウカ、トキソウ、咲き残ったヒオウギアヤメの他、木道の下にツルコケモモの花やサワランも見つかり大喜びしました。残念な事にニホンジカの採食がひどく、ミズバショウやヒメザゼンソウを見ることはできませんでした。
 友の会に入って2回目の植物観察でしたが、会員の方々の植物に対する知識の詳しさには今回も脱帽しました。久しぶりに日本海型の植生をゆっくり教えてもらいながら歩けて幸せな植物観察でした。
(長谷川秀三)

1、キンコウカ20190710玉原湿原
キンコウカ

2,ヒオウギアヤメ20190710玉原湿原 (1)
ヒオウギアヤメ

3、ショウキラン20190717玉原湿原 (1)
ショウキラン

4,ミタケスゲ20190710玉原湿原
ミタケスゲ

5,ツルコケモモ20190710玉原湿原  (1)
ツルコケモモ

6,トキソウ20190710玉原湿原
トキソウ

7、観察会風景(1)20190710玉原湿原(1)
観察会風景(1)

8,観察会風景(2)20190710玉原湿原
観察会風景(2)


  
Posted by kpmtomo at 08:43Comments(0)

2019年07月16日

「小さいチャワンタケから菌類ワールドを覗く」実施報告

実施日:2019年6月1日(土曜)
場 所:博物館実習実験室
参加者:19名
講 師:東京大学大学院理学系研究科 栃原行人氏

 友の会の活動グループ「菌事勉強会」主催の講座は、東京大学大学院栃原行人さんの指導によるシロヒナノチャワンタケ(科)の観察でした。
 普段、変形菌を探していることが多いので同じようなサイズ感のシロヒナノチャワンタケは目にする事が時々ありました。
 はじめの頃は変形菌だと思い採集していたのですが、実体顕微鏡で見てみると違うものだと分かりました。ルーペや実体顕微鏡で見ると造作がとても可愛く美しいシロヒナノチャワンタケは気になる存在ではあったものの、観察の仕方がわからず名前以外の詳細は謎のままになっておりました。
 そんな中、菌事勉強会でシロヒナノチャワンタケの講義と採集、観察の仕方を学べるとの事で喜び勇んで参加させて頂きました。
 栃原先生にフィールドでの採集の仕方を現地で直に教えて頂き、それを持ち帰り、スライスの仕方、プレパラートの作成方法、顕微鏡観察した際の見る(同定)ポイントなど、盛りだくさんの充実した内容を学び、時間を忘れてじっくりと観察する事ができた貴重な学びの一日となりました。
 しかしながら、一度ではすぐに忘れてしまう自分にとって、次回の菌事勉強会でシロヒナノチャワンタケの観察の復習の機会があるのはとても有り難い事です。次回の菌事勉強会も楽しみです。(友の会:柴田)

1.可愛いでしょ
可愛いでしょ

2.見えるかな?
見えるかな?

3.講師の栃原さん
講師の栃原さん

4.皆熱心に観察
皆熱心に観察

5.話に花が咲いた茶話会
話に花が咲いた茶話会

  
Posted by kpmtomo at 16:18Comments(0)

2019年07月01日

植物観察会「毘沙門海岸の植物」実施報告

実施日:2019年6月12日(水曜)
場 所:神奈川県三浦市 毘沙門海岸
参加者:28名
講 師:田中徳久学芸員
スタッフ:友の会植物グループ

 梅雨空の中に少しずつ日が差してきて穏やかな好天気になりました。
 毘沙門バス停からスイカ畑を通って路傍のキケマン、ツルオオバマサキ、オオバイボタ、ハマウドを見ながら海岸へ出ました。コメツブウマゴヤシの小群落があり、皆集まってきて、ルーペを覗くと早速活動が始まりました。そこにはウマゴヤシもあり、違いをチェックし確認しました。
 砂地にはハマエンドウ、ヒロハクサフジ、ミヤコグサ、テリハノイバラが花盛りでした。お目当てのハマナタマメが蕾をつけていました。
 ハマナタマメ、ハマゴウ、ツルナなどは種が熱帯から黒潮に運ばれて日本に流れつき分布を広げたと考えられています。そう思うと大事にしたいような気がしてきます。
 潮風や強い日ざしにたえてスカシユリが断崖にも砂浜にも豊富にありましたが花期にはまだ早いようでした。
 千畳敷とよばれる広々とした岩場では、迫ってくるような断崖絶壁に目を見張りました。花期には少し早いシナガワハギも沢山目につきました。
 ホコガタアカザは若苗。鮮やかな黄色の花をつけたオキジムシロを見てから楽しく散会しました。
 崖路がせまい難所もありましたが、のんびりと海岸植物を満喫した良い一日でした。(金子 龍次)

20190612  毘沙門海岸
ウマゴヤシの果実

20190612 毘沙門海岸
テリハノイバラ

20190612 H沙門海岸
ヒロハクサフジ

20190612 と沙門海岸 
ハマボッス

2019012  毘沙門海岸
ハマウド

20190613 θ沙門海岸
田中先生の説明


  
Posted by kpmtomo at 21:09Comments(0)

2019年06月23日

よろずスタジオ「葉脈標本をつくろう」実施報告

日 時:2019年6月16日(日)13:00〜15:00
場 所:3階実習実験室
担 当:友の会スタッフ 9名
参加人数:102名(大人52名、 子ども50名)

 今回の葉脈標本はひと手間加えて栞に仕上げました。
 ヒイラギ、ツバキは葉肉がはがれやすい葉、ブナとキンモクセイは少し時間がかかる葉です。参加者は頑張って作り上げた自分の作品を見て誇らしげな笑顔を見せていました。2,3人の方が、下処理の仕方や使った薬品について詳しく尋ねられとても興味を持っていただいた様子でした。
 標本になると葉脈の細かいところまでよく見え、違いがよく分かりまたその美しさに見とれてしまいます。出来た標本を栞として利用したりへやに飾ったりして植物と友達になってほしいと思いました。         

作り方手順
1.葉肉がはがれやすいように下処理した5種類の葉(ブナ、ヒイラギ、ヒイラギモクセイ、ツバキ、キンモクセイ)から2枚の葉を選ぶ
2.水を入れた容器の中で歯ブラシで叩いて葉肉をはがしていく
3.ほぼ葉脈だけが残ったらアイロンで乾かす
4.ラミネートフィルムにできた葉を挟みラミネートする
5.パンチで穴をあけ、リボンを通してしおりにする
(友の会 浜岡史子)


201906161材料となった葉っぱ
材料となった葉っぱ

201906162家族でトントン
家族でトントン

201906163上手にできたね
上手にできたね

201906164リボンをつけて、しおり完成
リボンをつけて、しおり完成

201906165親子で参加
親子で参加


  
Posted by kpmtomo at 17:37Comments(0)

2019年06月18日

第134回サロン・ド・小田原『海底の地質はどのように調べるのか?〜近年の調査航海の経験から』実施報告

実施日:2019年5月18日(土曜)14:00〜16:20
場 所:博物館西講義室
参加者:31人
話題提供者:山下浩之 氏(当館主任学芸員)

 今回のサロン・ド・小田原には、お子さんが二人参加していた。トークセッション,任蓮海底地形の調べ方について、その方法をいろいろと紹介していただいた。簡単なものではロープを使って水深を調べる。きりは、人工衛星を利用してマルチファンビームなる手法を利用すると海底200メートルの深さで5个留凸が分かるものまであった。
 今回は山下さんが2度目の乗船となった「しんかい6500」のお話も聞かせて頂いた。「しんかい6500」への乗船条件はいろいろとあるようだが、普通救命士の免許を取得しなければ乗れないと言う事が今回判明した。狭い「しんかい6500」の中には3人しか乗れないからだ。何かあった時は、誰もが救命処置できる事が条件となる。「しんかい6500」への乗船風景が音入りの動画で紹介された。中の酸素は、1週間の乗船に対応できるとの事。潜るスピードは分速50メートル。時速にすると3辧人の歩く速さより遅い事になる。浮上する時も同じくらいの速さとなるので、ずいぶんと時間をかけて下がり上がりすることになる。浮上していくと窓ガラスがすべて曇るそうだ。理科の教師であった私には、その現象に合点がいった。しかし、トークセッション△貌り、キーワードとして出てきた「メガムリオン」なる地下構造の説明は、その時は、何となく分かったような気がしたが、今では、とんと覚えていない。グワム、サイパン辺りには、この巨大構造物の「ゴジラ・メガムリオン」があるようだが、関心のある方は、調べてみてほしい。(文章:飯島俊幸)

DSC_0527
話題提供者の山下浩之主任学芸員

DSC_0533
会場風景


  
Posted by kpmtomo at 20:16Comments(0)

2019年06月12日

よろずスタジオ「哺乳類ってなあに?」実施報告

日 時:2019年5月19日(日)13:00〜15:00
場 所:博物館東側講義室
講 師:鈴木学芸員
担 当:よろずスタジオスタッフ 6名
参加人数:77名(大人41名、子ども36名)

今回の動物分野は、3年続けた「動物の足跡」を休止して、新しい切り口に挑戦しました。分かっているようでちゃんと答えられない「哺乳類とはどんな動物」を知ってもらう取り組みです。事前に鈴木学芸員から哺乳類の定義‖硫垢魄貭蠅吠櫃弔海箸できる ◆峪の形が生える場所によって違う」を解説付きで教えて頂き、本番に備えました。

当日は4つのコーナー
1.いろんな哺乳類を剥製で見てもらう
2.あごの骨の標本やレプリカで歯を見てもらう  
3.体温調節のしくみを毛の長さや質感で実感してもらう
4.お土産に哺乳類の写真でモビールを作る  
を設えました。

当日は博物館の来館者も少なく、よろずスタジオへのお客さんも少なかったですが、やはり本物の剥製の標本や頭蓋骨の標本はアピール力がありました。参加者は哺乳類の中でも食べ物による歯の形の違いや、住む場所による毛の長さや質感さの違いなど、実際に触って体験できたことの良さを述べておられました。新しい試みはまずまずの成果と言えるでしょう。
ただモビール作りは不発に終わり、次回は哺乳類パズルがよいのではと、スタッフの反省事項でした。

今後もよろずスタジオの基本姿勢、「博物館だからできること」を忘れず、新しいプログラムを増やしてゆきたいと思います。プログラムを学芸員さんと考えることも、当日の子供達の反応を見ることも楽しいですから、多くの方に関わって頂き、その楽しさを味わって頂きたいです。(友の会 赤堀)


よろず哺乳類看板とモビール
よろず哺乳類看板とモビール

剥製と骨格標本
剥製と骨格標本
歯の違いを見るための頭蓋骨標本
歯の違いを見るための頭蓋骨標本

どれどれ暖かい?
どれが暖かい?

体温を守る毛皮
体温を守る毛皮




  
Posted by kpmtomo at 19:44Comments(0)

2019年06月08日

樹木観察基礎講座<第28回>「八田先生と樹木観察に行こう 〜多摩森林科学園〜」実施報告

実施日:2019年5月18日(土)
場 所:多摩森林科学園(八王子市)
参加者:16名
講 師:樹形研究会代表、国立科学博物館名誉研究員 八田洋章氏

16人の参加で、屋外での講座にしては多いかなと思いましたが、参加者は詳しい方が多かったので問題なく、またそのため、基礎講座とはいえレベルの高い話にまで発展することもありました。写真などではなく、実物を見ることの重要性を再確認した、楽しく充実した一日でした。
午前はまず基本構造、次にめぐりあえた樹の特徴を先生の丁寧な説明で聴き、樹の見方を理解していきます。草は見ずにひたすら樹を眺めました。例えば、アスナロやクヌギなどを素材に取り上げ、枝や花は葉の脇から伸びることをじっくり確認しあいました。午後は一緒に歩きながら各自かなり自由に観察。2時を過ぎて疲れが出てきた時には満開のマルバウツギが癒してくれました。
(友の会 本原裕文)

観察会046 観察風景s
撮影会風景(ヒメコウゾ)

観察会059 ヒメコウゾ 雄花、雌花s
ヒメコウゾ雄花、雌花

観察会039 クヌギ どんぐりの赤ちゃんs
どんぐりの赤ちゃん(クヌギ)

観察会221s マルバウツギ
マルバウツギ

観察会020 観察会風景s
観察会風景(アワブキ)
  
Posted by kpmtomo at 11:48Comments(0)

2019年05月23日

昆虫観察会「あっ見っけ!春の里山で虫を楽しむ」実施報告

実施日:2019年5月15日(水)9:40〜14:40
場 所:足柄上郡中井町
参加者:14名
講 師:渡辺恭平学芸員

 前日の雨も上がり観察日よりでした。始めに、渡辺学芸員から、すべての昆虫を覚えようとはせず、虫に関心を持って接することとの説明がありました。川沿いで早速虫探し、オニグルミの葉の上で、光沢のある赤と黒の美しいカメノコテントウを観察、成虫も幼虫もクルミハムシを食べて生活しています。赤く透き通った卵塊が葉裏に産み付けられていました。こんなに目立つと天敵に襲われるのではないかなと思いました。
 クリの木のそばで、ウマノオバチを採集、長く細い産卵管でクリの木に潜むカミキリムシに卵を産み付けます。この季節にしか観ることができません。ひとの手が入らなくなった栗林の衰退により一時的の生活にも影響を与えていると考えると複雑な思いがしました。
 スッタフの皆さんが一週間前に林の中に仕掛けたというトラップには、たくさんのアオオサムシがかかっていて、自然環境が良いことがわかりました。
 ハエトリグモがアリを、テントウムシの幼虫がカイガラムシの幼虫を食べている場面にであい、虫たちの食うか食われるかの世界を覗かせてもらいました。
 主催してくださった渡辺学芸員、スタッフの皆さんのおかげで楽しく、貴重な体験ができました。有難うございました。(友の会 中沢和子)

観察会風景1
側溝での虫探し

観察会風景3
のハチは…

カメノコテントウ・ペア
オニグルのミカメノコテントウペア

ウマノオバチ1029年5月ブログ用
ウマノオバチ♀

アオオサムシとヒメマイマイカブリ
トラップ内のアオオサムシとヒメマイマイカブリ

オオワラジカイガラムシ♂♀ (1)
オオワラジカイガラムシ♂♀(有翅が♂)

マドガ
マドガ

ダビドサナエ♀
ダビドサナエ♀





  
Posted by kpmtomo at 17:53Comments(0)

2019年05月12日

植物観察会「狭山丘陵の春をたずねて」実施報告

実施日:2019年4月23日(火曜)
場 所:東京都武蔵村山市 都立野山北・六道山公園
参加者:22名
講 師:田中徳久学芸員
スタッフ:友の会植物グループ

 八高線「箱根ヶ崎」駅からバスで「岸」停留所下車。バス通りから10分ほど歩くと、目の前にはこんもりと新緑をまとった丘陵地が現れた。「里山民家」の脇から田んぼに沿った樹林地に近づくと、頭上にはウワミズザクラが満開。その下の茂みには、ニワトコ、アオキ、オトコヨウゾメが咲いていた。ウワミズザクラの多い林だ。田んぼとの境の足元には、セリバヒエンソウ、ムラサキサギゴケ、カキドオシが満開。外来種セリバヒエンソウは一気に分布を広げている。日本では“飛燕”と言うが、西洋では“ドルフィン”と入った名。その違いは、花が咲けば飛燕に見え、咲く前の形はイルカに似ていた。次々と気になる植物が現れるので、歩みは遅々として進まない。
 配布資料に「ガマズミの仲間を見分けてみよう」とある。オトコヨウゾメ、ガマズミ、コバノガマズミ、ミヤマガマズミの特徴、見極め点が図解されている。葉の形、腺点、毛など、ルーペで確かめなければならいものが多いが、一番分かりやすいのは、オトコヨウゾメは花数が少なく、長い花柄で横向きに咲くこと。道々ガマズミの仲間が現れる。ガマズミの葉の手触りが柔らかいことが意外だった。ウグイスカグラは若い果実になっていた。
 茂みの奥でヤマツツジのオレンジ色が目立つ。足元には、カンアオイの葉、オオバノトンボソウの葉が出てきているので気を付けよう。あまり見ることのないタチシオデに蕾。ヒトリシズカの群生地では果実になりかかっていた。
 行く先々で感嘆の声が上がる。塊状態に盛り上がって咲くツボスミレ、一面のムラサキサギゴケ。チゴユリの花が星型に大きく開ききっている。オニタビラコの2系統の説明、タチヤナギの見分け点。参加者から「植物は光合成で成長するが単独で生きているのではない。地中の菌と共生して、取り入れにくいリンなどを根に送るキノコの力を知ってほしい」と説明があった。
 詳しい観察に時間を忘れる参加者に、リーダーの方は時間が気がかりでしたでしょう。樹林下の尾根道先の山頂草原、木陰でお弁当。ここのウワミズザクラはまだ蕾だった。
 明るい林、放置され遷移の進んだ暗い森、ササの間の道、田んぼ脇、湿地等、多様な環境を上手に配置した自然を見ることができた。配布資料には、見られる可能性のある植物58種の一覧表があったが、西田が確認したのは44種、表にない木本6種・草本10種だった。
 好天気に恵まれて、素晴しい自然が都市の近くに残っていることに感動した一日だった。 (文:西田和子)

20190423ウワミズザクラ
ウワミズザクラ

20190423コバノガマズミ
コバノガマズミ

20190423チゴユリ
チゴユリ

20190423ヤマツツジ
ヤマツツジ

20190423観察風景    (1)
観察風景

20190423里山の芽吹き
里山の芽吹き



  
Posted by kpmtomo at 06:59Comments(0)

2019年05月08日

友の会総会イベント『身近な自然観察会「入生田の春を楽しむ」地学グループ』実施報告

日 時:2019年4月28日(日)
場 所:博物館周辺
参加者:15人
講 師:山下学芸員・西沢学芸員・田口学芸員

観察コースは、博物館→入生田駅→山神神社→太閤橋→関白沢城石垣石材遺跡→早川河原でした。
博物館周辺は、箱根火山生成史が観察できるポイントがいくつかあり、地学のフィールドワークでは必須の露頭観察ができなくても、石そのものを観察することでそれを知ることがわかりました。
博物館前庭では箱根ジオパークの概要と箱根火山生成史の解説、山神神社では風祭石や久野石で製作された祠を観察し、これらの石材の生成と箱根火山との関係を解説いただきました。太閤橋では箱根中央火口丘の生成と箱根火山の火砕流の解説があり、その規模には驚きました。関白沢にある花崗岩の城石垣石材が、江戸城の石垣に使用されている可能性に一同、感心しきりでした。最後は早川河原にて山下さんオリジナルのワークシートを用いて、箱根火山由来の岩石を探し、その特徴について学びました。
参加された会員の皆さんとお三方の学芸員さんとのやり取りや、本日初めて会った会員の方がたどうしの会話も弾み、大変有意義で楽しいい観察会となりました。(友の会 関口康弘)

太閤橋より中央火口丘を見る
太閤橋より中央火口丘を見る

山神神社境内の風祭石の祠
山神神社境内の風祭石の祠

早川河原で石の観察をする皆さん
石の観察をする皆さん
  
Posted by kpmtomo at 23:06Comments(0)

2019年05月01日

よろずスタジオ「アンモナイトのレプリカを作ろう」活動報告

日 時:2019年4月21日(日)13:00〜15:00
場 所:博物館東側講義室
講 師:田口学芸員
担 当:よろずスタジオスタッフ 7名
参加人数:85名(大人36名、子ども49名)

 ここ数年恒例になりつつある「アンモナイトのレプリカつくり」、今回もアンモナイトを作ろうとやってきた方、ちょっと覗いたら楽しそうなので参加された方など多くの方がアンモナイトのレプリカつくりを体験されました。
 受付がすんだ参加者は材料のワンセットを受け取って席へ。スタッフの説明や手助けで、早速作業開始。レプリカつくりの最初のポイントは水の入れ方、ゆっくり石膏の粉になじませながら・・・そしてなじんだら素早くまんべんなくかき混ぜる、簡単そうで難しい。よくかき混ぜて型に流し込みトントンとトレーを上下させ、空気抜きをする。これで流し込み完了、石膏が固まるまで20〜30分待ちます。
 固まるまで待っている間に次の作業です。館内にあるアンモナイトの壁のアンモナイトさがし。田口先生の説明を聞いてカードを1枚持って、いざカードと同じアンモナイトさがしに出発。すぐ戻ってくる人もいれば、なかなか戻らない人もいる。24枚のカードがそろって1枚のパネルになったらみんなでそれぞれのカードの隅に書かれているひらがなを読みあげる。「イギリスの古い地層から見つかったアンモナイト・・・」こんな文が読み上げられました。ここではカードを持って探しに行ったきり戻ってこない参加者がいたというハプニングあり。
 そろそろアンモナイトのレプリカも完成です。自分の番号の作品を探します。そして壊れないように気を付けて用意された袋に入れてお土産です。
 何人かの参加者の作品が良く固まらず、割れてしまうハプニングもありましたが、再度挑戦、また再挑戦の時間の無い方には見本の作品を差し上げて、皆さん作品を持ち帰ることができました。スタッフもほっとしました。
 講座を終えて「アンモナイトのレプリカづくり」をより皆さんに楽しんでいただくために、どの点に注意して説明や手助けをしたら良いかを、今後もスタッフの皆さんと話し合っていこうと思いました。
(よろずスタッフ 佐々木)

石膏をよくかき混ぜてゆっくり流し込んで
石膏をよくかき混ぜて、ゆっくり流し込んでね

アンモナイトつくりお父さんと
アンモナイトつくり お父さんと

これから乾かしまーす
これから乾かしまーす

「私のはこれだよ」
私のはこれだよ

アンモナイトのレプリカ完成でーす!
アンモナイトのレプリカ完成でーす

アンモナイトをさがそう
アンモナイトをさがそう!「もう少しでパネルが完成だね」
  
Posted by kpmtomo at 19:54Comments(0)

2019年04月30日

友の会総会イベント『身近な自然観察会「入生田の春を楽しむ」』実施報告

日 時:2019年4月28日(日)
場 所:博物館周辺
参加者:21人
講 師:田中徳久学芸員・石田祐子学芸員

植物班は〜山神神社~長寿園〜長興山〜のコースを歩きました。
入生田の春は真っ盛り。どこを歩いても、どこを見ても、今を盛りの花が続々出てきます。
シャガの花の作り、ヤハズエンドウ・カスマグサ・スズメノエンドウの見分け、などなど盛りだくさんの内容でした。
また、イネ科やシダなど、地味な植物に興味を示される方もいて、あちらこちらで頭を突き合わせて植物を観察するグループができていました。
あそこでは何が話題になっているのかな、と気になったこともたびたび。
スダジイが主となる常緑樹林内では、ヒヤッとする冷気を肌で感じながらクスノキの赤い落ち葉に目を留め、陽光一杯のミカン畑からは青い春の海も遠望しました。
コースの最後にシロバナハンショウヅルの花が待っていてくれました。ちょうど見ごろで、ひとしきり撮影会となりました。
今日は図鑑を携えて臨んだ小学生や、お母さんと一緒に参加した兄弟お二人もいて、老若男女入り交じり、終始和やかに植物を楽しみ、大満足で散会しました。(田畑節子)

植物班図鑑
図鑑片手に花の作りをみる

植物班土手
土手には春の植物がいっぱい

シロバナハンショウヅ_
見ごろのシロバナハンショウヅルの花


  
Posted by kpmtomo at 09:54Comments(0)

2019年04月29日

2019年度友の会総会報告

実施日:2019年4月28日(日)16:00〜17:00
場 所:博物館 SEISAミュージアムシアター
参加者:29名

 今年は友の会総会が行われる前にイベントとして 12時半から15時半まで「身近な自然観察会」が地学グループ、昆虫グループ、植物グループの3班に分かれ行われました。
 その後、16時からSEISAミュージアムシアターで総会が開催され、2018年度の事業報告、2019年度の事業計画案と予算案が審議され、承認されました。
 役員選出では、新たに植物グループからの浜岡史子さん(幹事)と、北浦明三さん(会計監査)が加わり、幹事の田畑節子さん、中村良さんが退任となりました。
 又、新年度の博物館友の会担当職員は佐藤武宏企画普及課長、山下裕之学芸員、渡辺恭平学芸員、本杉弥生企画普及課職員です。松本涼子学芸員が担当外となりました。終了されました皆様、ありがとうございました。
 博物館の新任学芸員の紹介がありました。植物担当の石田祐子学芸員、地球環境担当の西澤文勝学芸員のお二人です。
 2018年度からは友の会通信もカラー版になりました。友の会役員会の様子も通信に掲載したり、一般会員の通信発送作業や、通信発行のパソコン作業などへのお手伝いなども呼びかけております。9月末から10月には企画参加(単発でも通年でも可)していただける会員への呼びかけも積極的にするなど、広報に力を入れ会員数の増加に努めるようにします。これからも会員皆様のより多くの積極的な参加・ご協力をお願いします。(佐々木シゲ子)

DSC_0186
総会イベント「身近な自然観察会」に集まった人々

DSC_0190
昆虫グループで説明する渡辺恭平学芸員

DSC_0224
観察されたハートを背負ったカメムシ

DSC_0238
総会事業報告

DSC_0248
総会決算報告

DSC_0258
新年度役員紹介

DSC_0261
友の会担当の博物館職員紹介




  
Posted by kpmtomo at 23:59Comments(0)

地学G 地話懇話会『−1300頁余の地学巡検資料から見た− 友の会地学グループ20年の足跡』実施報告

日 時:2019年3月27日(水)
場 所:博物館西講義室
参加者:23人
講 師:蛯子貞二 氏(友の会)

当日は講師の蛯子さんご夫婦の結婚50年の記念日、金婚式を地話懇の講師として当博物館で迎えられることになった。おめでとうございます。
蛯子さんとは友の会発足時の地学担当で、それ以来のお付き合い。友の会行事の前半は私も携わっていたので懐かしい思いで蛯子さんの話に耳を傾けていた。巡検で現地に立つ度に非常に興味をそそられていたことを思い出していた。特に印象深いのは宿泊巡検で館での予習、現地での実習、帰宅後の各自に定められた事項のまとめ、そして報告会。活動の多さに驚くと共に資料を集大成されていることに感謝しています。(長山武夫)

図1
<今回まとめられた資料集は博物館の地学・学芸員室で閲覧できます。>

私は2014年の大鹿村中央構造線巡検が初参加でしたが、蛯子先生の車中での地形の説明により、今迄何となく見ていた風景が実は壮大なドラマの結果である事を気付かせてくれました。今回20年間の行事の見所&魅力を、開催時期を追い先生から解説していただき、改めて行事が神奈川県内の地形・地学の代表地の一覧表となっており、もっと早くから参加しておけば良かったと残念にも思いました。
講座はゴーギャンの「我々はどこから来たか 〜 どこへ行くのか」の美しい画面で締めくくられた一時間半でした。(飯嶋 晃)
2019_04032018_05220027
蛯子貞二氏による地話懇話会風景
  
Posted by kpmtomo at 23:37Comments(0)

2019年03月23日

第133回サロン・ド・小田原『活火山・箱根の発見』実施報告

実施日:2019年2月23日(土曜)
場 所:博物館東西講義室
参加者:67人
話題提供者:萬年一剛 氏(神奈川県温泉地学研究所 主任研究員)

今回のサロン・ド・小田原は箱根火山の地質に関するお話。
箱根火山は大涌谷の噴気活動があるにもかかわらず、不活発な火山であると考えられており、将来の噴火の可能性は懐疑的な見方さえあった。ところが2015年にごく小規模ではありますが噴火が発生している。噴火した箱根火山の地下がどうなっているのか、火山の基礎のお話を踏まえた上で、箱根火山の最新の研究成果を伺うことができた。

前半は火山活動が活発化するとなぜ地震が起きるのかという問いをテーマに、地下の岩石と水にかかる圧力について勉強できた。通常地下深くになるほど岩盤にかかる圧力が大きくなるため断層は動きにくい。しかし断層面には水が存在している。その水が岩盤を押す力(間隙水圧)が大きくなることで断層が動きやすくなり、地震の発生に繋がっている。火山活動の活発化と地震の増加には、間隙水圧が関係しているという内容だった。

後半は前半の内容をもとに最新の研究成果を伺うことができた。
まとめると今回の箱根火山の活動活発化は、シーリング層が破壊され、圧力の高い熱水が地上近くに流入したことにより引き起こされたというものだった。火山の地下深くにはシーリング層と呼ばれる水を通さない層がある。通常の地下水には何かしらのルートで地上とつながっているため静水圧が掛かっている。しかし、シーリング層より深くに存在する水は地上と繋がっていないため、静水圧よりも大きな静岩圧という圧力が掛かっている。シーリング層が破壊されることにより、シーリング層より上部の間隙水圧が大きくなり、地震が頻繁に起きるのではないかということであった。このシーリング層が破壊された根拠は温泉の成分にあり、塩化物イオンが2016年以降増加していることをあげられていた。
箱根火山のシーリング層はおぼろげながら分かってきたが、噴火の前兆現象を正確に解釈するために必要なシーリング層の厚さや性質などは今後の課題であるとまとめられていた。

(文章:高須賀俊文、写真:飯島俊幸)

DSC_0125
話題提供者の萬年一剛氏

DSC_0138
分かりやすかった説明資料

DSC_0151
会場いっぱいの参加者

  
Posted by kpmtomo at 10:08Comments(0)

2019年03月02日

よろずスタジオ「セミの体を見てみよう」実施報告

日 時:2月17日(日)13:00〜15:00
場 所:博物館講義室 
参加者:165名(大人85名、小人80名)
講 師:渡辺学芸員
スタッフ:6名

 昆虫分野では三年間チョウの体を取り上げてきましたので、今年はセミの体を見ることにしました。スタッフも気分新たにセミのパズルを作り、渡辺学芸員のミニ講義を受けて、当日に臨みました。

 取り上げた主題は、「セミの口」「鳴き声はどうやって出すのか」「セミの一生」です。
これらを3つのコーナーに分けて実体顕微鏡と共に設らえ、スタッフが付いてセミの標本を題材に、観察してもらいました。
 木の汁を吸うための細い管の口、震わせる筋肉と共鳴箱に当たるお腹を、図と本物を見比べて顕微鏡下で観察。「セミの一生」のコーナーでは、樹皮の下に産み付けられた卵と幼虫の形も写真で紹介しました。土に潜るため前足が太くなっていることや、ひと冬樹皮の下で過ごして幼虫になる種類もいること、オスしか鳴くことができないのは、メスのお腹には卵が入っていて、響かせる場所がないからという事など、参加の皆さんには豆知識となりました。
 加えてヒメハルゼミというセミは県内では数か所しか生息地がなく、たくさん見られる場所は博物館近くのお寺の森しかない、貴重なセミということも紹介しました。

 アブラゼミ、クマゼミ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ツクツクホウシ、エゾゼミなど、神奈川県で身近なセミを並べた標本は、色や大きさを比べることができ、参加の皆さんも標本の価値を体感なさったのではないでしょうか。

 「よろずスタジオ実施日なので来ました」という来館者もちらほら聞かれ、スタッフには嬉しいことでした。
(友の会 赤堀)

セミの口のコーナー
セミの口のコーナー

これが震えて音がでるのよ
これが震えて音がでるのよ

スタッフもお勉強
スタッフもお勉強

どのセミ捕まえたことある?
どのセミ捕まえたことある?

セミのパズル (2)
セミのパズル

目がキラキラ
目がキラキラ
  
Posted by kpmtomo at 09:40Comments(0)

2019年02月03日

地学G 地話懇話会『三浦縦貫道路の工事露頭について』実施報告

日 時:2019年1月23日(水)
場 所:博物館西講義室
参加者:24人
講 師:笠間友博学芸員

「三浦縦貫道路頭と宮田層」について、笠間先生の研究の講話でした。昨年2月、地質観察会で三浦縦貫道延伸工事の露出した大露頭を実際に見た方が多く、皆さん興味を持って聞いていました。露頭の画像を見ながら露頭面の読み取りの話がありました。
 宮田層の年代は採取した火山灰をジルコン結晶のレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析によって、41万年前と判明されたということでした。宮田層の年代は今までに、ナウマン象化石、ナノ化石、サンゴ化石などから年代測定されていますが、同じような年代結果が得られたということです。41万年前の火山爆発はどんなに大きかったのでしょうか?想像しながら聞きました。笠間先生のもとで、学芸員ボランティアとして火山灰を洗っている私は、宮田層の火山灰を洗っていたこともあり、とても感慨深い講話でした。(金子早智子)

図1
笠間友博学芸員による地話懇話会風景
  
Posted by kpmtomo at 18:45Comments(0)

2019年01月31日

植物観察会「新林公園の冬のすがた」実施報告

実施日:2019年1月14日(月・祝)
場 所:神奈川県藤沢市川名 新林公園
参加者:42名
講 師:勝山輝男学芸員
スタッフ:友の会植物グループ

 穏やかな冬の日、カツラの木を囲み冬姿さまざまの説明をいただいた後、大きなムクロジを見上げながらいざ山道へ!秋の台風の塩害で傷つき再び芽吹いたコナラは黄や赤に色づいたものがありましたが、たくさんの側芽を頂いた頂生側芽の冬芽もしっかり観察できました。
 対生と互生、葉痕と托葉痕、鱗芽と裸芽、頂芽と仮頂芽等々ひとつひとつを反芻しながら山道を行けば、先頭の方から木霊のように説明が飛んできて、小気味よく楽しかったです。裸芽のニガキの手を合わせたような姿は道祖神のようでほほえましく、ムクノキの年齢を重ね剥がれた樹皮には我が身を重ねました。
 オニシバリは蕾、ウグイスカグラは開花、オオハナワラビは胞子を飛ばしていて確実に冬から春に向かっていることを実感しました。ヤナギ類も落とした葉でその存在を教えてくれましたし、林の向こうの街がみえるような冬ですが、これが「冬姿」ですね。静かさの中にかすかな息づかいを感じる観察会でした。(文:浅野牧子)

【冬芽をじっくりと見てみましょう】
20190114アオギリの冬芽
アオギリの冬芽(撮影者:山田隆彦)

20190114イヌビワの冬芽
イヌビワの冬芽(撮影者:山田隆彦)

20190114ゴンズイの冬芽
ゴンズイの冬芽(撮影者:浜岡史子)

20190114ニガキの冬芽
ニガキの冬芽(撮影者:山田隆彦)

20190114ムラサキシキブの冬芽
ムラサキシキブの冬芽(撮影者:山田隆彦)

20190114ヤマザクラの冬芽
ヤマザクラの冬芽(撮影者:山田隆彦)


  
Posted by kpmtomo at 07:57Comments(0)

2019年01月24日

よろずスタジオ「「砂でお絵描き」実施報告

日 時:1月20日(日)13:00〜15:00
場 所:博物館講義室 
参加者:184名(大人91名、小人93名)
講 師:笠間学芸員
スタッフ:8名

 地学ボランティア金曜日グループが担当している1月のよろずスタジオは、「砂とあそぼう」というテーマのものと合わせると2010年から続けて10回目となりました。今回は人気の「砂でお絵かき」を実施ました。神奈川県の砂で稲村ケ崎(砂鉄に富む黒い砂)と中津川(緑色凝灰岩の砕屑物に富む緑色の砂)、中川(花崗岩質岩石由来の白っぽい砂)真鶴岩海岸(赤色酸化された火山岩由来の赤っぽい砂)の4種類とサハラ砂漠の砂(風化酸化されたオレンジ色の砂)の5色を使って砂絵を制作してもらいました。
 色画用紙にスティックのりで絵を描き、その上に好みの砂を上からパラパラとかけ、余分な砂をとると砂絵ができます。砂の粒子は同じ産地でもよく見るとそれぞれ違った色で、変化のある芸術的な絵になります。子どもも大人も真剣に絵を描き楽しんでいました。それぞれ力作で、ラミネートして持ち帰った砂絵は良い記念となり、自然の砂と親しんだ時間になったと思います。(金子早智子)

CIMG3791
大入り満員

CIMG3893
親も子も熱心

P1201012
完成まじか

P1201005
どの色の砂が良いかな

P1201013
僕の顔に似てるね〜

砂絵ー1
砂絵1

砂絵ー2
砂絵2

砂絵ー3
砂絵3



  
Posted by kpmtomo at 18:50Comments(0)

2018年12月26日

よろずスタジオ「ミツクリザメを見てみよう」実施報告

日 時:12月16日(日)13:00〜15:00
場 所:博物館講義室 
参加者:247名(大人157名、小人90名)
講 師:瀬能学芸員
スタッフ:魚類ボランティア、よろずスタジオスタッフ

12月のよろずは魚、サメの登場です。「サメが見られるよ、サメに触ってみよう、本物のサメだよ!」の呼びかけで入ってくる参加者、テーブルに用意されたサメの種類はミツクリザメ、ラブカ、シロシュモクザメ、ネコザメ、アオザメ、ダルマザメの6種類、「ラブカって知ってる」「テレビに出ていたよ」「ミツクリザメもいる」すぐに興味を示すのは子供たち。さあ、見たり触ったりしてみてね。

本物の鮫を触ってみる
「触ってもいいよ」と促されて恐る恐る触ってみると、ざらざらした感触が伝わってくる。サメ肌という言葉がすぐ出てくる方もいれば、これをサメ肌っていうんだという方もいる。皆さん、とにかくあちこちのサメを触ってなでて感触を確かめている。まさしく本物のサメ肌を体感。

好きなサメを見つけて絵にする
人気のサメは大きなミツクリザメやラブカ、「これテレビで見たことあるよ」また、「シロシュモクザメって変な形してるね」「どこが顔?口の中はどうなっているの?」と言いながら鉛筆を動かす。スタッスの方がそっと口を開けて中を見せてくださる。どのサメもすごい歯だ。口の中を熱心に絵にしたり、体の模様を丁寧に書いたりと興味の箇所はいろいろ。

カグラザメの歯を観察する 
尖った歯が沢山並んでいるサメの口、上の歯と下の歯では形が違う。また歯の下にもたくさんの歯が並んでいる。ここで瀬能学芸員がお話をしてくださる。上の歯は捉えた獲物を抑えておく役目、下の歯でそれをかみちぎる役目だそうで鋭く尖った歯に納得、そして歯の下もたくさんの歯が並んでいることについても教えていただきました。使っている歯がだめになると下に準備されていた歯が出てくるそうで、歯は次々に生え変わるんだそうです。こんな歯を持っているなんてすごいです。

イタチザメとナヌカザメのはく製標本を見る
このサメが人食いサメとして話題になっているサメだと聞いて、「もっと大きくなるの?」「どこにいるの?」なども質問も出る。ここにあるのはまだ子供のサメで大人になると4mくらいになるというお話に「やっぱり人食いザメだもんね」と。

サメの卵や赤ちゃんのお話を聞く
魚類ボランティアの方がアルコール漬けの標本を前にしてお話をしてくださる。サメは卵で生まれてくるサメや赤ちゃんで生まれてくるサメもあるそうです。卵もいろいろな形をしていて、握りこぶしくらいの大きさの卵がありました。

サメに触れるんだってと入ってきた参加者もいろいろなサメを見たり触ったりそして説明を聞いたりできて満足そう、生き物好きの子供もいて私たちスタッフに熱心にいろいろ教えてくれました。会場を訪れた方も気軽に参加できる『よろずスタジオ』に興味を持ってくださり、これからの予定を聞いて帰る方もいて、また入口に準備した行事予定表ははやくに無くなってしまいました。(友の会 佐々木)

イタチザメとナヌカザメの標本
イタチザメとナヌカザメの標本

カグラザメのあごDSCN7707
カグラザメのあご

歯の下に準備されているたくさんの歯
歯の下に準備されているたくさんの歯

テーブルの上に並べられたサメ
テーブルの上に並べられたサメ

スタッフの説明を聞く参加者
スタッフの説明を聞く参加者

ミツクリザメを見る参加者
ミツクリザメを見る参加者

好きなサメを絵にする
好きなサメを絵にする参加者

会場風景20181216よろず魚PC160395
会場風景


  
Posted by kpmtomo at 20:06Comments(0)

2018年12月02日

樹木観察基礎講座第2回「樹木観察に基づくヤマボウシの開花周期や樹形形成」活動報告

実施日:2018年11月17日(土)
場 所:横浜市こども植物園
参加者:12名
講 師:樹形研究会代表、国立科学博物館名誉研究員 八田洋章氏

 八田先生のご専門分野の一つであるヤマボウシについて、これまでの研究成果を研究活動のエピソードも交えて講義していただきました(今回はその2回目)。前半は、スライドを見ながら、後半は、ヤマボウシの枝を実際に観察しながら、お話を伺いました。
 美しい画像を見ながら、ヤマボウシに着眼したきっかけに始まり、長い時間をかけて積み上げてこられた研究観察のご苦労・忍耐、そして、観察することの喜びが伝わってくる内容でした。途中、質問も挟みながら、和やかな雰囲気の中で講義は進み、後半は、先生ご持参のヤマボウシの枝を各自観察しました。画像だけでは分かりづらいことも、実際に枝を見ながらご説明いただくと理解しやすく、参加者同士の意見交換も活発で、とても楽しい時間を過ごしました。
 「一本の枝でもじっくりと眺めればいろいろなことが見えてくる」という先生の言葉は、先生のご研究そのものであり、又、私たちが樹木を観察する際に心すべきこととして印象に残りました。
(友の会 水口)

○20181117  樹木講座 講座風景004s
講座風景

○20181117  樹木講座 講座風景007s
ヤマボウシの枝を手に解説中の八田先生

○20181117  樹木講座 講座風景009s
八田先生を中心に会話がはずみました

ヤマボウシ 分枝観察
ヤマボウシ 枝観察

  
Posted by kpmtomo at 09:17Comments(0)

2018年11月23日

第132回サロン・ド・小田原『海中を彩るスターたち〜フィールドの棘皮動物学〜』実施報告

実施日:2018年11月17日(土)14:00〜16:30
場 所:博物館西講義室
参加者:20名
話題提供者:小渕正美 氏(真鶴町立遠藤貝類博物館 学芸員)

 昨年(2017)7月より遠藤貝類博物館学芸員として着任された小渕学芸員の専門は棘皮動物。中でも沖縄の海で出会った「ウミシダ」の魅力に取りつかれ研究されている。今回は、ウミシダ類を中心とした棘皮動物の魅力についてお話しいただいた。
 棘皮動物とは・・・というところから、仕込んできた棘皮動物がプリントされたTシャツ姿となり、日頃博物館事業の一環として真鶴の海で実施されている「磯の生物観察会」にて、参加した子どもたちから飛び出す疑問・質問の話を交えながら、ヒトデ・ウニ・クモヒトデ・ナマコ・ウミシダの不思議と特徴について解説。基本の形は5放射相称・炭酸カルシウムで作られ、管足を持つ棘皮動物の学名の解説からは、それぞれをイメージし易く生き物に対する愛情が伝わってくるようだった。
 第2部のハンズオンでは朝、採取してきたというムラサキクルマナマコの骨片を顕微鏡で覗いてみたり、美しいウニやウミユリの骨格標本を手に取りながら、じっくりと観察したり、スマホで写真に収めたりするなど、小渕学芸員に質問しながら思い思いの時間を楽しむことができた。
 最後は、実際に小渕学芸員が沖縄の海で研究してきた「ウミシダ」について、生活史の観点からの研究結果とその魅力について報告。大変興味深いお話しだったが時間切れとなり、現在の研究につながる話しまで伺うことはできなかった。是非、続きを聴く機会がどこかで設けられることを期待しながら・・・。
今回、棘皮動物について、そして小渕学芸員に興味を持たれた方は是非、真鶴町の町立遠藤貝類博物館に足を運んでみては如何でしょうか。海岸での磯の生物観察はシーズンは過ぎたものの、色々と楽しめそうです。(文 刀称由美子、写真 飯島俊幸 )

DSC_0688
小渕正美学芸員

DSC_0771
ウミユリのシャツに変身して、ナマコの骨片を採取

DSC_0782
顕微鏡で見たクルマナマコの骨片をスマホでゲット

DSC_0744
骨格標本を片手に説明

  
Posted by kpmtomo at 15:53Comments(0)

2018年11月20日

よろずスタジオ”「木の実・草の実で楽しい工作」実施報告

実施日:2018年11月18日(日)13:00〜15:00
場 所:博物館講義室
参加者:64名(大人34名、子供30名)
講 師:スタッフ7名

11月のよろずスタジオではここ数年、木の実・草の実を使ったリースやコマを作っています。
参加者には最初に木の実・草の実が次に芽生えるところまでどのように運ばれるかについて考えてもらいました。
今年は特に動物に引っ付いて運ばれる実に注目しました。オオオナモミ、コセンダングサ、ヌスビトハギの実をフェルトにくっつけて、はがしにくさを実感し、実についた毛や刺をルーペなどで確かめました。この毛や刺でしっかりくっつくんですね。
1、20181118ひっつき虫を観察
ひっつき虫を観察

次はいよいよリースづくりです。
使う実を選び、どれをどんなふうに使って私だけのリースを作ろうかと、子供も大人も夢中になりました。(どちらかというと親御さんの方が夢中かな?)
また、コマづくりを楽しんだご家族は、作るのはもちろん、コマの回し方もいろいろ工夫して盛り上がっていました。
2、20181118一緒にリースづくり
一緒にリースづくり

3、20181118コマを回そう
コマを回そう

出来上がったリースです。スタッフが集めた身近な野山の素材からこんな素敵な作品が出来ました。
4、20181118リースその1
リースその1

5、20181118リースその2
リースその2

6、20181118リースを彩る実のいろいろ
リースを彩る実のいろいろ


眠った赤ちゃんを抱いたお父さんは帰りがけに「とっても楽しかったです」と声をかけてくださいました。毎月第3日曜日(予定)午後、皆さんぜひよろずスタジオで楽しいひと時をお過ごしください、お待ちしています。(田畑節子)
  
Posted by kpmtomo at 22:40Comments(0)

2018年11月18日

生物間共生講演会NO6「私たちと共に生きるウイルス」実施報告

実施日:11月10日(土)10:30〜14:30
場 所:博物館東講義室
参加者:17名
担 当:生田和史氏(東北医科薬科大学、准教授)

ウイルスは怖い、小さくてよくわからない形。そんなものだと思っていたので今回の講座はびっくりでした。
まずどこにでもいること。私たちの体の中にも普通にいて悪さしない。菌類と同じ!と思いました。
形が美しいこと。ガラスで作った作品を見て感動でした。カビも美しいけれどウイルスも!細菌も美しかったので、今まで細菌やウイルスはつまらない形と思い込んでいた誤解が消えました。生物は全て美しいということがわかった日でした。・・ウイルスを生物とした場合。
進化の歴史の中でウイルスは(私の中では)別の位置に追いやられてしまっていましたが、遺伝子に入り込むが如く進化の歴史の中に入ってきました。
ウイルスの構造とどうして薬が効くかを知ることができました。
ヒトゲノムの2%だけが遺伝子であることもびっくりでした。色々なものを取り込んでいるから、ここまで来られたのだと思いました。
全部わかりやすく話してくださったので本当に楽しい講義でした。
生田先生、ありがとうございました。(友の会 杉本泉)

「熱意ある生田先生」ウイルス講演会
熱意ある生田先生

「いろんなウイルス」  ウイルス講演会20181110 (10)
いろんなウイルス

ウイルスのガラス模型20181110 (8)
ウイルスのガラス模型

「板書に魅せられて」ウイルス講演会20181110 (2)
板書に魅せられて



  
Posted by kpmtomo at 08:13Comments(0)

2018年10月24日

よろずスタジオ「どうぶつのあしあと」実施報告

実施日:2018年10月21日(日曜)13:00〜15:00
場 所:博物館東講義室
参加者:80名(大人37名、子ども43名)
担 当:鈴木聡学芸員、友の会よろずスタッフ4名

あしあとマットの上を歩く
 会場入口に敷かれたニホンザルの足跡マット、その長いニホンザルの足跡の上を、左足、右足、左手、右手と足跡マークに添って順に進む、そして参加者は今日のよろずスタジオ「どうぶつのあしあと」の会場へと入っていく。会場の床にもヒグマ、ウサギ、シカの長い足跡マットが敷かれていて、またまた左足右足・・・・と挑戦。最初はヒグマ、歩幅が70cmと広いので、思いっきり足を延ばし、手をついて、やっとの思いで進み、ゴールイン。「ヒグマになれたね」のスタッフやお母さん、お父さんの声に自信をもらった子供たちはウサギやシカの足跡の上を歩こうと、意欲満々。マットの上を歩いている子供たちに右手、左手・・・・と声をかけているお父さんに「やってみませんか?」と声をかけるも声援に専念。しかし、なかには子供たちの後から挑戦された方もいて、「思ったよりきついよ」の声。ここは考えて足を出す大人の方たちより、ストレートに体で動く子供たちの方が慣れてくるとスムーズに進める。ぴょんぴょんウサギになったり、のっそりヒグマになったりと、「疲れる」、「大変」、「足が届かない」と言いながらも、とても満足そうでした。

クイズに挑戦!だれの手?だれの足?
 ライオンやカンガルー、シカなど、石膏で作られた足型を見ながらクイズに挑戦、これがなかなか難しい、手の指は何本に見える?手の形は丸い?長い?スタッフのヒントを聞きながら鉛筆を動かす。大きな石膏のライオンの手を見てびっくりしていた参加者も、これが子供のライオンのものだと聞いて、さらにびっくり。そしてクイズの正解は、鈴木学芸員の解説コーナーで。学芸員がタヌキやハクビシン、モグラなどのはく製を前にお話ししてくださいます。手の指は細くて長いのはモグラだよ、手の爪が良く見えるね、土を掘るためなんだ。二つの大きな爪が目立つのはシカだね、足も手も大体同じような形をしているんだよ。はく製を見ながら話を聞きながらクイズの答え合わせをしていきます。そして赤丸をもらって、子供たちは嬉しそうに会場を出ていきました。(佐々木あや子)

ニホンザルの足あとマットに誘われてよろずの会場へ
ニホンザルの足あとマットに誘われてよろずの会場へ

ウサギ、シカの足あとマット歩きに挑戦!PA210405
ウサギ、シカの足あとマット歩きに挑戦!
石膏の足型をヒントにクイズを考える参加者PA210407
石膏の足型をヒントにクイズを考える参加者

はく製を前に学芸員とあしあとクイズのこたえあわせA210401
はく製を前に学芸員と「あしあとクイズ」のこたえあわせ

  
Posted by kpmtomo at 20:58Comments(0)

2018年10月22日

地学G講座『日本地質学発祥の地埼玉県長瀞の地形・地質観察会』活動報告

日 時:2018年9月1日(土)
場 所:埼玉県長瀞町
参加者:39名
講 師:河田早苗 氏(長瀞町観光協会ガイド)、山下浩之 学芸員

9/1岩石学愛好者39名は厚木北方80キロある秩父長瀞の地学観察会に向かう。10時半より聖地日本地質学発祥地の石碑に拝礼し、全ての展示鉱物標本が純国産という埼玉県立自然の博物館展示品の三波川帯変成岩鉱物標本を見学しました。ボランティアスタッフから三波川帯変成岩の成り立ちを懇切丁寧に説明して頂きました。その後荒川の河原で総天然記念物の結晶片岩(虎岩)を観察、バス移動し皆野中学校裏の蛇紋岩を、また紅簾石片岩上では直径が60儖未發△誅天風呂のような穴(ポットホール)を観察しました。昼食後長瀞岩畳に移動し、結晶片岩の岩畳上を約0.8卍歩行しながら和船やゴムボートが川下りしている河畔岸壁の絶景を観察しました。最後の法善寺では寺宝として祀られている“和銅”という年号の基になった自然銅の鉱石を拝観し、帰路につきました。当日は雨模様を覆す好天に恵まれ、また往復の渋滞にも遭うことなく長瀞の地を充分堪能できました。==回向文(修めた功徳を自他に振り向ける):“願(ねがわく)は…皆共に鉱物道を成るぜんことを。” (小林正行)

参加者集合写真
参加者集合写真

天然記念物の結晶片岩
天然記念物の結晶片岩

埼玉県立自然の博物館展示品解説風景
埼玉県立自然の博物館展示品解説風景

長瀞を代表する岩畳
日本地質学発祥の地長瀞を代表する岩畳

  
Posted by kpmtomo at 20:47Comments(0)

2018年10月03日

第131回サロン・ド・小田原『神奈川県植物誌2018』でわかったこと実施報告

[開催日]   2018年09月08日(土曜)
[会  場]  博物館西講義室と特別展会場
[話題提供]  田中徳久 氏 (当博物館学芸員)
[参加者数]  47名

 特別展 植物誌をつくろう!〜『神奈川県植物誌 2018』のできるまでとこれから〜に連携して開催期間中に開かれたサロン・ド・小田原には、47名もの植物愛好家が参加した。
 最初に、田中徳久学芸員が、この大勢の参加者を引き連れて、特別展会場を解説して回ってくれた。田中学芸員は面白おかしく展示物を説明してくれたが、私は今迄に発刊された1988年と2001年の2冊の植物誌が恭しく展示されていたのと、サガミジョウロウホトトギスの大きな写真が心に残った。
 解説の中で、特別展の図録700円の紹介もされ、この後ショップにて購入された方も多くお見受けした。
 後段は、講義室に戻って、田中学芸員より、植物誌を作成する苦労話と今回の調査・まとめから見えてきたことなどが話された。
 『神奈川県植物誌 2018』のまとめは、かなり難解のようで、発刊は未だ先になりそうだ。今迄の植物誌編纂の歴史と今回の植物誌発行までの取り組みを伺って、県下111箇所の調査区踏査のご苦労などを感じ取ることが出来た。
 また、今迄の積み重ねの中から過去と現在の植物の変遷が見て取れるのも面白いと思った。特に、帰化植物は、あれほど繁茂した種が今はほとんど見られなくなっているものもあると言うのも印象的であった。
 『神奈川県植物誌 2018』は従来の紙媒体以外に電子版も出されると伺っている。私は1988年と2001年の2冊の植物誌を何故か所有している。さて、今回はどちらにしようかと悩んでいる。
 実は、特別展の図録がたくさん売れて、サロン・ド・小田原終了後、関係学芸員による図録へのサイン会が突発的にもたれた。

 この報告をご覧になって、植物誌に関心をもたれた方が居ましたら、是非、開催中の特別展に足を運んで頂きたい。
DSC_0646
特別展の図録
DSC_0630
話題提供の田中徳久学芸員
DSC_0671
特別展会場での解説風景
  
Posted by kpmtomo at 09:43Comments(0)

2018年09月23日

よろずスタジオ「キノコを楽しもう」実施報告

日 時:2018年9月16日(日)
場 所:博物館1階講義室
参加者:170名(大人113人・子ども57人)
担 当:友の会スタッフ5名

菌類分野ではここ3年、菌類の中でもキノコではない「カビや植物病原菌」を紹介する内容でしたが、今年は受けの良さを狙って、キノコを中心に据えました。
スタッフの協力で、大小20種ほどの本物のキノコを並べることができ、会場が賑やかになって、開催側はは大いに助けられました。
紙芝居でゞ殞爐寮犬方(体は糸で、キノコはその集合体で、胞子を作る器官(花))、△い蹐鵑覆發里鯤解する生物としての働き、しょうゆ、みそ、薬など人間にためになる働きもすることを紹介し、本物コーナーで様々な形・色の雰囲気の違うキノコを見比べてもらい、その後実体顕微鏡の下で、キノコのひだや、孔を拡大して観察してもらったが、皆さん一様に、「きれいだ」とか「すごい」とか感想をもらしておられた。
最後は、恒例のパズルやスタンプで遊んでもらったが、パズルはなぜか毎年人気がある。
大人も引き込まれる人が多いのは、パズルには不思議な魅力があるからだろう。

今回、来館の方から、「日曜日は何かやってるから」とか「第三日曜日を狙って来た」との言葉が聞かれ、とても嬉しかった。この言葉は、爐茲蹐坤好織献″が定着してきた証しと思われるし、博物館は展示だけではないということが市民に浸透した証でもあると思われる。7年間の成果が出始めているとすると、ここでやめてはだめだと背中を押された気がする。博物館に複数回来られている方も多く聞くので、博物館が市民権を得たのではないでしょうか。(友の会:赤堀)

[並べられた主なキノコ]
ひだのある大きいものは、タマゴタケ(卵も)、シロオニタケ、テングツルタケなど。
傘の下が孔のキノコは、ニガイグチモドキ、ひだも孔もないものは、キホコリタケ、ノウタケ、エリマキツチグリキノコらしくない形の、冬虫夏草、ニカワホウキタケ、コウジタケ、ビョウタケなど。

[来館者の感想]
生のキノコが見れてよかった。(20才女)
顕微鏡でいろいろ見比らべられて良かった。(多数)
顕微鏡がきれいだった。面白かった。(多数)

新デザインのキノコを付けた看板
新デザインのキノコを付けた看板

これもキノコか〜〜
これもキノコか〜

シロオニタケ
シロオニタケ

冬虫夏草
冬虫夏草

紙芝居コーナー
紙芝居コーナー

拡大してみるとなんでも綺麗だね〜
拡大してみるとなんでも綺麗だね〜

大人気パズルコーナー
大人気パズルコーナー

1-タマゴタケとマンネンタケ
タマゴタケとマンネンタケ



  
Posted by kpmtomo at 09:16Comments(0)

2018年09月12日

地学G地話懇話会『ゴンドワナ大陸の誕生と分裂―ナミビアの地質調査−』活動報告

日 時:2018年8月22日(水)
場 所:生命の星・地球博物館 西側講義室 
参加者:47名
講 師:有馬 眞 先生


 昨年のジルコンやダイヤで太古の出来事を知るという講義に引き続き、今回は有馬先生のナミビアでの調査に基づいたゴンドワナ大陸を中心とした超大陸の形成と分裂について、プレートテクトニクス理論の説明から大西洋底のホットスポットによって形成された海嶺などについて、詳しく解説して頂きました。
 またダマラ変動帯のマッケレス角閃岩の説明など、専門的ではありましたが大変興味深い話を先生のナミビアでの珍しい体験を交えながら楽しく聴くことができた等、次回の話題が大いに楽しみになる話題でした。 (大内義一)

有馬眞先生の解説風景
有馬 眞先生による地話懇話会解説風景

有馬先生地話懇話会の会場風景
地話懇話会の会場風景
  
Posted by kpmtomo at 23:32Comments(0)

地学G講座『箱根火山の火山灰を調べてみよう』活動報告

日 時:2018年8月22日(金)
場 所:生命の星・地球博物館 西側講義室 
参加者:301名
講 師:笠間 友博 学芸員

 火山灰を自らの手で洗い観察するという内容の講座でした。日常生活ではなかなか行う事のない火山灰を洗うという作業を、参加された方が苦戦しながらも楽しげに行っているのがとても印象的でした。また洗った火山灰を顕微鏡で覗いているときにも、配布した資料を見ながらどんな鉱物があるかをキラキラとした笑顔で探していらっしゃいました。実際に体験しながら学ぶことで、火山灰に対する興味をより一層深めることができたのではないかと思います。(瀬戸千紘)

参加者で一杯の会場風景
参加者で一杯の会場風景

今回も人気No.1の顕微鏡
今回も子ども達に人気N0.1の顕微鏡観察

親子で一生懸命のテフラ洗い
親子で一生懸命のテフラ洗い風景

今回お手伝いを頂いた実習生
今回お手伝いを頂いた大学実習生の皆さん

  
Posted by kpmtomo at 23:30Comments(0)

地話懇話会『ドイツゾルンフォーフェン化石発掘・博物館巡り』活動報告

日 時:2018年6月27日(水)
場 所:生命の星・地球博物館 西側講義室 
参加者:25名
講 師:飯島俊之 氏(友の会)

 化石採集の苦労話や現地での日々の体験が飯島さん特有の突っ込んだコメントで報告されて、現地の様子がよくわかる説明でした。 
 発表に合わせて、現地で採集された化石や購入した物が大量に持ち込まれていました。特に教科書で見覚えのある始祖鳥のレプリカにお目にかかれたのは良かったと思います。有名観光地や美味しいものを求めての旅もいいが、今回の様に化石という一つのテーマを決めての旅行もいいものだなと思いました。(笹尾 廣巳)

飯島俊幸氏の懇話会風景
飯島俊幸 氏による地話懇話会解説風景

展示標本の始祖鳥化石
展示標本の始祖鳥化石(レプリカ)

飯島氏地話懇展示会場風景
展展示会場風景





  
Posted by kpmtomo at 23:26Comments(0)

2018年08月06日

植物観察会「富士山5合目・お中道から奥庭を歩く」実施報告

日 時:2018年7月25日(水)
場 所:山梨県鳴沢村
参加者:42名
講 師:勝山輝男学芸員
担 当:植物グループ

 富士山スバルライン沿道にはアカマツ樹林帯、一合目付近ウラジロモミ、二合目シラカンバ帯、三合目溶岩樹林コメツガ、四合目シラビソ・コメツガ林、五合目シラビソ・カラマツ等詳しい説明がありました。
 お中道からお庭には、ハクサンシャクナゲの花、ミヤマハンノキの果実、樹皮が橙色を帯び、側脈が多いダケカンバが目立ち、さらに、コバノイチヤクソウ、ベニバナイチヤクソウ、コイチヤクソウが散策路のいたる所にあり、可憐な高山植物を沢山撮影しました。

1、20180725 ハクサンシャクナゲ
ハクサンシャクナゲ

2、20180725 コイチヤクソウ
コイチヤクソウ

 また、川の土手、市街の荒地、石垣などいたる所で見られるイタドリが火山礫帯では、花被が紅いメイゲツソウが目立ち、葉の基部がだんだん細くなるオンタデとともに群生している様子は圧巻でした。
3、20180725 メイゲツソウ
メイゲツソウ

4、20180725 オンタデ
オンタデ

5 20180725 観察会光景
観察会光景

 特に、角果は弓なりに開出するフジハタザオ、ミヤマフタバラン、タカネイバラ、ミヤマオトコヨモギ、ウスノキの果実、ワクワクの連続で時間のたつのを忘れるほどでした。

6、20180725 ミヤマフタバラン
ミヤマフタバラン

7、20180725 ミヤマオトコヨモギ
ミヤマオトコヨモギ

 最後の奥庭で急に雨が降って来ましたが、ミヤマハンショウヅルの果実、ムラサキモメンヅル、ケゴンアカバナ、 コミヤマヌカボ等を観察することが出来ました。この観察会を計画、実施して頂いた友の会植物グループの皆様、講師の勝山先生には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。(伊藤保信)

8、20180725 イワオウギ
イワオウギ

9、20180725 カラマツ(お庭付近)
カラマツ(お庭付近)


  
Posted by kpmtomo at 18:07Comments(0)

2018年07月27日

「変形菌を観察してみよう!」実施報告

日 時:2018年7月14日
場 所:茅ヶ崎市特別緑地保全地区 清水谷(しみずやと)
参加者:24名(子供含む)
講 師:萩原博光氏(国立科学博物館名誉研究員)
担 当:友の会スタッフ4名
協 力:清水谷を愛する会の皆さん

 最高気温を更新する日が続く中、清水谷(しみずやと 茅ヶ崎市堤)で、変形菌観察会を行った。2歳から熟年まで、先生の解説を聞きながら、谷戸の中で変形菌を探した。小さい(2~3mm)変形菌の子実体を探すのは大変であるが、目が慣れてくると、あちこちで「これは、変形菌ですか?」と採集する声が聞こえた。昼食場所で腰かけようとした丸太からも数種が見つかり、変形菌の存在が身近に感じられたようだ。
 午後は2班に分かれて、萩原先生より「変形菌の生態」のお話を聞き、参加者からは初めて観察した変形菌の不思議について、活発に質問があり、驚きの声が飛び交った。今回は顕微鏡観察の時間が取れなかったが、倒木に発生する十数種が観察できた。(アミホコリの仲間、マメホコリ、ウツボホコリの仲間 3種、ヌカホコリの仲間 2種、ホネホコリ、モジホコリの仲間、コムラサキホコリの仲間、ツヤエリホコリ、ツノホコリの仲間 3種など)
(友の会・企画者 矢野倫子)


清水谷を愛する会 村中恵子さんの報告と感想
 我が家から清水谷に行くのに、自転車に乗っていても汗がたらたらと流れ、目に入ります。清水谷の道の先導をしてくださいと言われ、先頭を歩いていくことになりました。シダの谷を過ぎて小川の源流下の倒木が積まれている所で、最初にツノホコリが見つかり、次々と皆さんが採取を始めました。
 午後には管理棟に行き、説明を聞きました。変形菌の一生はすごい!特に「変形体」の育ち方、巨大なアメーバになる話などを聞いて楽しくなりました。また、萩原先生の「私たちが吸っている空気の中には変形菌の胞子が多量に飛んでいて、それを吸っている」という話もびっくりでした。
 清水谷は、狭い範囲で多様な地形や環境があり、植物や他の生物が多様ですが、変形菌も多様にいるところなのだということを改めて確認しました。今回は子どもたちも含めて30名ほどの方々が参加され、熱心に観察され、採集されていたのには驚きました。

管理棟にて開講のあいさつ
"
管理棟にて開講のあいさつ

清水谷に入り採集開始
清水谷に入り採集開始
アミホコリの仲間
アミホコリの仲間

コムラサキホコリの仲間
コムラサキホコリの仲間

見つけた変形菌の解説
見つけた変形菌の解説

管理棟に戻り「変形菌の生態」のお話し
管理棟に戻り「変形菌の生態」のお話し


  
Posted by kpmtomo at 19:41Comments(0)

2018年07月25日

生物間共生講演会『人と森林、生活と木』実施報告

実施日:2018年7月8日(日)
場 所:博物館東側講義室
講 師:井上淳治氏(きまま工房:木楽里代表)
参加者:20名

 講師は井上淳治氏、氏は埼玉県飯能市の西川材を育てる林業家です。また、木工工房『木楽里』(きらり)を運営し、生活の中に自分で作った木工作品を取り入れることにより木のすばらしさを知ってもらう活動をしています。地元の子供達に林業を伝える活動も市の教育委員会と共催で30年来続けているそうです。
 日本の森林面積は国土面積の66%あり、世界でも上位の森林国なのですが厳しい現実にさらされています。かつて薪、炭、堆肥を利用するために育てていたクヌギやコナラの雑木林は利用されなくなり荒廃しています。スギ、ヒノキの林は放置され林床が真っ暗になり草も生えないので表土が流され、やがて木の根がむき出しなり災害が起こりやすくなります。なぜ放置されているかというと昭和39年に木材輸入自由化が始まり、安い外材が入ってきて国産材が売れなくなったからです。森林の公益的機能をお金に換算すると年に約95兆円(日本の年間予算と同じくらい)に相当するという計算もあるそうです。このまま公益的機能がどんどん低下すれば社会の大きな損失になります。また、切り出されない木は大きくなり過ぎ、建材としての利用が難しくなっていきます。次世代の木が育っていないのも将来問題になっています。
 しかし、近年森林の持つ公益的機能、水害を防ぐ、CO2を吸収し温暖化防止に貢献する、水源涵養などの機能が見直され、中でも住宅用の木材として重要視する動きが急上昇しているとのこと、木の住宅に住む魅力をたくさん教えていただきました。木は燃えやすいですが、燃えても有毒ガスを出さず灰になって無くなります。コンクリート等の家屋を取り壊すのは大変ですね。木は調湿効果があり、断熱性能が高いので穏やかな室内環境を作ります。弾力があり柔らかいので傷つきやすい欠点はありますが痛くないし、ケガをしない利点もあります。木の木目は人をリラックスさせる効果があり、ストレスを少なくするので免疫力も高まるそうです。国産材はすごく高いと思われがちですが実際はそれほど高くはないということでした。
 無垢の木と金物では触った時の暖かさが違いますが、それは無垢の木が体温を奪わないからで、それゆえ無垢の木の床で遊ぶ子供たちは、何時までもそこで遊ぶことや、木の床は多少へこんでも蒸気をかけると元に戻るなど、実験を交えての説明は説得力がありました。
 森林の持つ公益的機能を失わないためにも、日本の林業を存続させるためにも、私たちがストレスのない住居環境を得るためにも、森のこと木のことを知ることが大切です。そして使う事。まずは国産の木でできたものを一つでも使ってみてくださいとお話しされました。
 講演後の茶話会にも10名の方が残られて、一時間を越すお話で盛り上がりました。(オープン参加:白井操子)

木製指示棒持参の井上さん
木製指示棒持参の井上さん

アイロンで木のへこみを直す
アイロンで木のへこみを直す

茶話会
茶話会

枝と幹の関係(生枝)
枝と幹の関係(生枝)

枝と幹の関係 (枯れ枝)
枝と幹の関係 (枯れ枝)

枝と幹の関係 (枝打ち跡)
枝と幹の関係 (枝打ち跡)

  
Posted by kpmtomo at 17:07Comments(0)

2018年07月01日

よろずスタジオ「作ってみよう!葉脈標本」実施報告

日 時:2018年6月24日
場 所:博物館3階実習実験室
参加者:108名(大人・こども)
担 当:友の会スタッフ12名

 梅雨空の下、朝の内こそ小雨は落ちていましたが徐々にお天気は回復し午後にはお日様もチラホラ見え隠れしてくれました。
 午後1時からの「葉脈標本を作ろう」では、1回30分20名の入れ替えで計4回3時までフル回転で108名の葉脈標本作り体験者で賑わいました。
 スタッフが下処理(苛性ソーダ水溶液で加熱後水洗い)した、ブナ・クチナシ・ヒイラギ・ヒイラギモクセイ・キンカン・ツバキの6種類の葉から自分の好きな葉を2枚選びます。
それを水を張ったバットの中で歯ブラシでトントン・トントンと葉脈が出てくるまで根気強くやさしく叩きます。
 殆どが就学前のお子様や小学校低学年位のお子様連れのご家族が多く、若いお父様やお母様も必死にトントン・トントン!!
葉脈が出てきたらそっとタオルに挟んでアイロンで乾かし、台紙に葉っぱを乗せて葉っぱの名前と自分の名前を書いてパウチします。
 1枚の台紙に家族分4枚の葉っぱをパウチされた方が居られたり、失敗作も含めて3枚をパウチしてチョット得した気分のお子様も見受けられたりで楽しい時間を過ごしました。
 また近い将来、教員を目指しているという若い方は「身近な葉っぱでこんなに楽しい葉脈作りの体験が出来るとは・・・自分もこの体験を次の代へ・・・」とか、あるお母様は「子供の夏休み自由研究のテーマに・・・」とか色んな感想文か寄せられてスタッフ冥利に尽きた1日でした。(浅川久子)

葉脈づくり始まるよ〜
葉脈づくり始まるよ〜

はっぱいろいろ
はっぱいろいろ

作り方など説明
作り方など説明

みんなでトントン 楽しいね
みんなでトントン楽しいね

はっぱの名前を台紙に記入
はっぱの名前を台紙に記入

作品完成!
作品完成!

  
Posted by kpmtomo at 07:31Comments(0)

2018年06月19日

植物観察会「イボタヒョウタンボクを見よう」実施報告

実施日:2018年6月7日(木)
場 所:長野県諏訪郡富士見町:富士見高原
講 師:勝山輝男学芸員
担 当:植物グループ
参加者:31名

 観察会は梅雨入り発表翌日となり天候が心配されましたが、真っ青な空が出迎えてくれました。
 先ず、勝山先生から見どころのレクチャーがありました。イボタノキに葉が似ているというイボタヒョウタンボクは、山梨県、長野県、特に八ヶ岳に多いのですが、他地域ではほとんど見られず、分布域の狭い樹木です。標高1300m〜1500mに位置する観察地の富士見高原は、八ヶ岳が望め、山を目指す登山者にとっては通過する場所です。ゆっくり、植物を観察していきましょうと促され、エゾハルゼミの声を耳に観察会がスタートしました。
見たかったイタチササゲの大きさに驚いていると、ニガイチゴとクマイチゴ、ズミ、バッコヤナギと樹木が次々に登場してきます。ヨツバムグラとオオバノヤエムグラ、ハタザオとヤマハタザオなど、似通った草本の同定の教えを乞い、ゆっくりと山道を進みました。
カイジンドウ(甲斐竜胆)、ジンヨウイチヤクソウ(腎葉一薬草)の可憐さに目を奪われカメラを向けました。シバスゲに似たツルカミカワスゲなど、初めて耳にする、目にする種が、続々と出てきます。辺りを見回すと、栄養葉の途中の羽片に胞子嚢をつけるオニゼンマイの大群落、ゼンマイ、ヤシャゼンマイ、ヤマドリゼンマイ、沖縄に多いシロヤマゼンマイを加え、丁寧な説明がされました。小休止(もぐもぐタイム)を取り、観察続行。
昼食場所の不動清水は、シロバナノヘビイチゴのお花畑でした。草丈10センチ足らずでピンクの花を咲かせているイカリソウ。イブキトラノオ、タガネソウ、カワラスゲ、イヌゴマ、クリンソウなど、目を凝らせば、もっと見えるのでしょう。
午後の観察を前に勝山先生から、針葉樹のお話がありました。標高1500mの不動清水にはウラジロモミ、もう少し高いところには、ヒメバラモミ、ヤツガタケトウヒと続きます。高木の為、葉を手元で見ることができませんが、垂直分布を考えることで知ることができます。モミは、丘陵、社寺の植栽でも見ることができる針葉樹です。
 最後の観察地、盃流しでは、オオヤマフスマ、アズマスゲ、ツバメオモト、ミヤマハンショウヅル、イワセントウソウ、ヤグルマソウ、ミヤマカラマツが見られました。
下山途中で、植物合わせをしました。チェック表に確認の印が付されていき満欄になっても、植物名が挙がり続けました。富士見高原で、多くの印象深い植物に出会えました。
 勝山先生、担当の皆さま、ありがとうございました。(水上眞知子)
現地でフォーリーガヤとされたイネ科植物はミサヤマチャヒキに訂正されました。それでも昼食後のフランス人・フォーリー宣教師のお話は記憶に残りますね。(植物グループ担当より)

1-20170607イボタヒョウタンボクの若い実
イボタヒョウタンボクの若い実

2-20170607カイジンドウ
カイジンドウ

3-20170607オニゼンマイの胞子のう群
オニゼンマイの胞子のう群

4-20180607ヤマドリゼンマイ
ヤマドリゼンマイ

5-20180607オニゼンマイの説明を聴く (1)
オニゼンマイの説明を聴く

6-20180607ヤグルマソウ (1)
ヤグルマソウ
  
Posted by kpmtomo at 20:28Comments(0)

2018年06月06日

友の会地学G『河原での岩石薄片(プレパラート)作り体験』実施報告

実施日:2018.4.28(土)
場 所:南足柄市酒匂川大口橋付近
参加者:15人
講 師:山下浩之 学芸員

岩石薄片を器械でなく現場でどう作成するか興味があり参加しました。
私は地学初心者で、初めての薄片作成が野外となりました。地殻を構成
しているカンラン石にロマンを感じているので玄武岩を選びました。作業が思っていたより原始的でハンマーで石を割り、紙やすりで削る方法でした。削り初めどの程度削るか確認してみると、厚さ0.03mmまで削ることを知り驚きました。5mm近い石を削る作業は大変で、薄く割った石を準備する重要性を学びました。手に豆を作りながらも薄片を完成させ、斜長石や磁鉄鉱を見ることができました。カンラン石は見られませんでしたが、努力して作った薄片中の鉱物の美しさを体感できた有意義な一日となりました。 (伊藤一成)
初夏の日差しがいっぱいの会場風景
初夏の日差しがいっぱいの会場風景
BBQでは有りません、石片の溶着作業です
BBQでは有りません、石片の溶着作業です
皆でただひたすら磨きます
皆でただひたすら磨きます
最後まで薄片磨きに頑張った本原稿の作者
最後まで薄片磨きに頑張った本原稿の作者
完成した薄片の鉱物顕微鏡画面
完成した薄片の鉱物顕微鏡画面  
Posted by kpmtomo at 21:06Comments(0)

2018年06月03日

よろずスタジオ「アンモナイトのレプリカを作ろう!」実施報告

恐竜少年、アンモナイトを作るDSC_0510
恐竜少年、アンモナイトを作る

実施日: 2018年5月20日
場所: 生命の星・地球博物館1階東側講義室
参加者: 子ども57名 大人62名 計119名
担当: 田口公則学芸員 スタッフ10名

 当日は快晴のすばらしい天気でした。こんな行楽日和に室内の行事に参加してくださる方はいられるかなと思いましたが、人気のある行事のようで、開始時間前から会場の様子を見に来る方もいらっしゃいました。
 今回はスタッフとして初参加しましたが全く初めてなのは私だけかもしれません。午前中にアンモナイトのレプリカの材料を用意、言われるままに石膏、水の計量をし、そして会場作り。他のスタッフの皆さんは回を重ねてか、手際よく準備が進み開始時間を迎えました。

<今日の作業>
指令1:アンモナイトのレプリカをつくろう!
 用意されたトレーの上には石膏の入ったコップ、水、割りばしなどが載っています。まず、石膏に水を少しずつ入れ、はじめはゆっくり混ぜ、水がなじんだら手早くかき混ぜ、トロトロになった石膏をゆっくり型に流し入れます。そして、トントンとトレーをたたいて石膏の空気を抜きます。石膏が固まるまで約20分待つとレプリカが出来上がります。

指令2:アンモナイトの壁を探そう!
 展示「アンモナイトの壁」の写真(24枚のうち1部分)を持って展示室へ向かいます。アンモナイトの壁のどの部分にあたるかを見つけてくることが指令2です。参加者は、兄弟で、またお父さんお母さんと一緒に展示室に向かっていました。しばらくして、ニコニコ顔で戻ってきた参加者は田口先生がパネルのどの部分に当たるかをチェックしてくださいます。24枚集れば何か言葉のフレーズが出てくるというもの。24枚のパネルが並んで出てきた文章は何だったかな?

 指令1、2が終える頃にはアンモナイトのレプリカもそろそろかたまって出来上がっています。
 型からできたアンモナイトのレプリカを抜いて、ラベルと一緒に袋に入れてもらってお土産です。嬉しそうに持ち帰る姿は微笑ましいものでした。
 今日の参加者の中にはよろずスタジオのリピーターの方もいらっしゃるようですが3歳の小さい子どもから3〜4年生くらいが多かったようです。自然に親しむ、関心を持つには先ずは大人が子どもと一緒に博物館に足を運んでもらうことが第一歩かなと私の娘や孫のかおを浮かべながら感じました。
あっという間に2時間がたちましたが色々考えさせられ楽しい時間でした。最後にアンモナイトの壁を見て触って帰りました。
(友の会 原田久美子)


アンモナイトのレプリカつくりが始まるよ!DSC_0488
アンモナイトのレプリカつくりが始まるよ!
机に並べられたアンモナイトのレプリカつくり材料
机に並べられたアンモナイトのレプリカつくりに使う材料です
材料はゆっくり型に流し込むのよDSC_0498
材料はゆっくり型に流し込むのよ
指令2です!アンモナイトの壁を見つけてパズルを完成させよう
指令2です!アンモナイトの壁を見つけてパズルを完成させよう
「アンモナイトの壁」が少しずつ完成していくねDSC_0507
「アンモナイトの壁」が少しずつ完成していくね
  
Posted by kpmtomo at 19:40Comments(0)