多分それは本当じゃない。実際の生身の人間の恋愛においては、女性から見た理想の男性像の最大公約数はソフトマッチョという細見の体刑だと思うけど、男から見た理想の男性象や漫画やアニメ、ゲームの中での「カッコイイ男」として描かれているのは、華奢ではない方が多いように思う。

俺のつたない漫画歴から思いだすに、男心を鷲掴んできたヒーローには北斗の拳、ドラゴンボール、ろくでなしBLUESなどが挙がってくる。これらの主人公はパワー属性を前面に押し出しているわけではないが、力とスピードを兼ね備えたタイプだ。男を虜にする男には、ビシュアル的なカッコよさの他に、どうしても圧倒的な力強さという要素は求められると思う。中学生以降になると違う要素も入ってくるだろうが、小学生ぐらいまでなら男子社会のヒエラルキーの頂点は、スポーツができる奴、もしくは喧嘩が強い奴が基準であったケースが多いのではないか。

他にMAJORの茂野吾郎、ROOKIESの安仁屋恵壹は打って走って守れるオールラウンダータイプとして描かれているが、彼らは決して華奢なタイプではない。むしろがっしりした体格が描かれていたはずだ。スラムダンクの桜木、流川、仙道も同様だ。

仮にもしイチローのようなタイプを主人公にした野球漫画を描いたとしてエンターテイメントとして受けるだろうか。1番バッターでヒットを打って盗塁するタイプより、典型的だけど3番4番バッターとして長打力のあるバッターの方が華があるんじゃないか。(イチローは俺達一般人と比較するとマッチョではあるだろうが、Majorリーグ、プロ野球の中では細見だ)

実際の生身の人間で悟空レベルのマッチョは日本ではカッコイイ奴としては受け入れられないだろうけど、漫画の世界では肉体(筋肉)の生々しさは削げ落とされる。むしろ漫画の世界では、細見で華奢なタイプというのは小ヤンキーの「○○さん、マジぱねーっスよ!」というイメージの方が想起されやすいのではないか。(まあそれは単に描き方の問題かもしれないとも思うけど)

とは言え、細見タイプでかっこよく描かれている主人公もいる。テニスの王子様、るろうに剣心、ゲームだとKOFの場合、草薙京、八神庵を始めとして華奢なタイプの方がカッコよく描かれているようだ。ただ、個人的にはテニスの王子様やるろうに剣心は多くの男子の心を掴むには、線が若干細すぎるという気がしている。

もっとも最近の漫画のことは全くわからないので、今の10代がどんなタイプを好んでいるのかはわからない。「NARUTO」とか「ONEPIECE」っていうのをちょっと調べてみると、線が細い感じではある。まあそもそも今の10代が漫画を読んでいるのかどうかもよくわからんのだが。

結局の所、現代のサブカルの最前線には全くついていけてない俺にはハッキリとした結論は出せないのだが、日本ではマッチョが受けない、細見の華奢な主人公の方が受けが良いと必ずしも言い切れるわけではないというのには同意してもらえるのではないかと思う。誰かサブカルに詳しい人でこれについて書かいてくれんかな。