引越しの準備は就職活動に似ていると思います。

まずは自分が何をどのくらい持っていて、どんな暮らしをしたいのか、といった現状分析から始まります。

例えば、家探しを始める前に、大きな家具のサイズをしっかり測るのは勿論のこと、引越し先で使いたいと思っている家具のサイズもきちんと知っておきましょう。

そうすると、求めているお部屋の広さが定まります。

例えば、「引越し先では寝室にベッドを2つ置きたい」という希望があっても、5畳のお部屋では厳しいです。

そして引越しは、当然のことながら、モノの移動だけではないので、自分自身の暮らしの動線(動きやすさ)から希望の間取りを練ったり、住む街を絞ったり、出来るだけリアルにシミュレーションする必要があります。

部屋探しを始めるまでに時間がある人、候補地が定まらない人は是非色々な町を散歩してみましょう。

ヒントがつかめるかもしれません。

候補地が定まっている人も改めてよく観察しながら歩くうちに「この街はゴミ出しが総じて雑だな」、「このアパートは郵便受けが壊れているな」、「水路が張り巡らされていて虫が出るかもしれないな」など、新たな発見があるかもしれません。


さて、内見について書いてみたいと思います。

内見は「その家に帰る」つもりで行きましょう。

あなたは今、仕事や学校でくたくたに疲れています。

或いは、楽しいデートや友達との会食の帰りです。

どんな状況であっても、ほっと心が安らぐ空間であることが、帰る場所には求められますよね。

まず共有部分を見て、新聞紙が散らばっていたり、虫の死骸が落ちていたりすると、疲れた心身はより一層疲れるし、楽しかった気分だって一気に冷めます。

家は毎日帰る場所です。

1度の内見では「まあこのくらい大丈夫だろう」というようなことでも、それが毎日となると思いのほか心を蝕みます。

これらを踏まえて、お勧めの内見日時を提案させて頂くなら、「平日の夕方、できればどしゃぶりの日」が最適です。

平日の夕方は、仕事や学校帰り、買い物帰りの人と出くわしやすく、住んでいる人の雰囲気を知るチャンスがあります。

また、部屋の中で、普段通りの騒音(子供の泣き声や遊び声、家事の音)などを聞ける可能性があります。

更に、どしゃぶりという最悪のコンディションで、その住まいはどれほど安らぎを提供してくれそうか、という想像も働きやすくなります。

内見時の持ち物は、上に書いたことを踏まえて、懐中電灯とメジャーとメモ帳を必ず用意しておきましょう。

懐中電灯は、まだ電気が通っていないお部屋を内見するときに役立ちます。

メジャーは、勿論収納棚やクロゼットなどのサイズを測るのにも使うのですが、重視して頂きたいのが「お部屋の利用可能な部分」の長さです。

「間取りの資料に書いてある広さをあてにしちゃいけないの?」と思われるかもしれませんが、いくら部屋の端から端までを測った正確な広さが資料に書かれていたとしても、本当に「利用可能な部分」というのを把握しておかないことには、実際の生活に支障をきたすことが考えられるのです。

例えば、「6畳あるからベッドだけなら2つ置くことが可能だ」と思っていても、置いた状態でドアの開け閉めが出来ないなどのトラブルが起こることもあります。

内見時は空っぽで広く見えるお部屋も、いざ実際にモノを置くと確実に狭くなります。

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「ここにこのくらいのサイズの家具を置くなら、実際に使える範囲はここからここで、大丈夫そうだな」、「うちの冷蔵庫の高さは何センチだから、このコンセントを使うには延長コードが必要になるな」などと、細かいことでも住んでみたら必要になることですので、是非想像をリアルにするために、メジャーを活用してください。

メモ帳にはそのように内見して気づいたことや採寸して得た数値などをメモしましょう。

それから、内見では是非窓を開けてみてください。

窓を閉めることでどのくらい防音されているのかを知ることもできますし、平常時の街の騒音を知る上でも参考になります。

最後に、これをお読みの皆様も、様々な事情で引越しを計画されていることと思います。

私自身、急な事情で1週間足らずで引越しを余儀なくされたこともありますし、お部屋選びに失敗したこともあります。

1ヶ月以上探しても部屋が見つからず途方に暮れたこともあります。

このような経験はもう二度としたくはありませんが、一方でお部屋探しのコツを知る上で良い勉強にはなったし、将来家を購入する際に、この知識はきっと糧になると信じています。

引越しは、つい費用面に目が行きがちですが、お金と同様に、体力も精神力も消耗します。だからこそ、準備が肝心だと思うのです。

「しっかり希望を固めて、あとは探すだけ」というスタンスで、出来る限り効率よく進めましょう。

心配しなくても、理想通りの物件とはなかなか出会えません。妥協、妥協の繰り返しです。

だから、最終的には「こんなものか」というような物件に落ち着くでしょう。けれども、そこには、何となく決めた物件では決して得られなかった、希望のささやかな実現や、自分なりの納得が得られるのではないでしょうか。


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