同氏は6月3日の矢速測定において「息の強さ」「狙い」「射出角度」が大きく変動していることが観察されました。
とくに「射出角度」は矢径が太い矢を吹いた時に大きく変動していることが分かりました。
この時の測定結果は「吹矢のばらつき(TI氏6m)息の強さ、狙い」(6月30日付)として投稿していますす。
今回は測定前に矢径を調整しました。
矢径の調整は矢切りゲージを用いて、矢止めマウスピースを外した状態で筒を立て、上端(吹き口)から矢を落とした時に「スーッと」落下するように調整しました。
同氏の矢は暫く調整していなかったので、いずれの矢も太くなっており、矢は吹き口に止まってしまう状態でした。
とくに前回、射出角度が大きく変動した矢は一段と太かったことが分かりました。
また、前回の測定では「息の強さ」と「狙い」が大きく変動していましたので、本人には、それらの点をとくに意識して注意深く吹くようにお願いしました。
以下に示す動画は矢の飛行状態を高速度(240コマ/秒)で撮影したものです。
飛行状態を観察しやすいように再生速度を遅くして超スロー再生にしています。
次の動画は矢が正常(やや下向き)に射出された時のものです。
次の動画は矢がやや上向きに射出された時のものです。
次の動画は矢がやや下向きに射出された時のものです。
これらの動画を見ると、矢が筒先から射出される時の「射出角度」が前回のように大きく変動する現象は見られませんでした。
これは、矢径を調整したためであると思われます。
しかしながら、依然として多少の変動が観察されていることが気になります。
矢のばらつき状態から見て、その影響は少ないと思われますが、次回には矢の種類を変えて観察したいと考えています。
次表は、矢の飛行状態を高速度撮影した動画を詳細に観察することにより各種項目について測定した結果を示します。
NO.2の矢については1点の黒枠内に当たったために、矢が的に到達した瞬間を確認することができませんでした。
このため、動画コマ数をカウントできませんでした。
表中の各種項目の測定方法は次の通りです。
次のグラフは「矢速と到達位置(上下方向)の関係」を表したものです。
以上の結果から、次のことが分かります。
1. 「矢径」を調整することで「射出角度」の変動が大幅に改善された。
このことから、太すぎる矢では「射出角度」が変動する可能性が高いと言える。
また、その影響は小さいと思われるが、依然として「射出角度」に多少の変動が見られる。
今後は矢の種類を変えて観察したいと考えている。
2. 「息の強さ」「狙い」を意識して注意深く吹くことにより、それぞれの変動が減少した。
「矢速」「狙い」の変動が前回(6月3日)よりも大幅に改善された。
その結果として成績(6ラウンド)が186点と大幅にアップした(前回159点)。
しかしながら今後、距離が6mよりも長くなると、より一層の安定化が望まれる。