佐藤総研 (独立系シンクタンク)

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Requests to President Trump: Rebuild the United States and preside the new world order

- Based on the "Japan, the US and Russia Trilateral Alliance", pull out fangs of China and the Islamic extremists, and become the leader of the new world order based on the great cause.

- After the withdrawal of the current TPP treaty, detoxify the arbitrariness of international capital, and revise the treaty to true WinWin based one for people of the US, Japan and other nations.

- Establish a success model of the social structure to solve the disparity problem, so that each citizen layer will be full of vitality.

I think these are just "MAKE AMERICA GREAT AGAIN".

Nov.19th 2016
Kozen Sato from Japan,

トランプ大統領への要請書: 米国を立て直し、新しき世界秩序を主宰せよ

●「日米露三国同盟」を基軸に、中国とイスラム過激派の牙を抜き、大義に基づく新しき世界秩序の主宰者たれ
●現行TPP条約離脱後、国際資本の恣意性を解毒し、真に日米両国民等にとりWinWinとなるものへと組み替えよ
●格差問題解決に向け、国民各層が活力に満ちそれぞれ所を得るような、社会構造の成功モデルを構築せよ

◆新三国同盟◆
11月8日に行われた米大統領選で、トランプがヒラリーを降し勝利した。
筆者は、8月のトランプのイラク戦没者家族への過剰反応以降、大統領選の勝敗確率を四分六でヒラリーの勝ちと見ていたので、予想を外した。
しかし筆者は同時に、トランプの選挙スローガンを織り込んでボブ・ディランの「風に吹かれて」の替え歌を作り、米国へ向けTwitterで拡散を試みてディランファンの顰蹙を買うなど、日本からささやかなトランプ応援活動をしていたこともあり、今回の勝利を祝福したい。

さて、トランプは、先ず選挙期間中に唱えていた経済政策を急進的独断的には進めない旨のメッセージを出して、マーケットの混乱を鎮めなければならない。
そして次に、直ぐにでも始めなければならない大仕事が待っている。
手始めは、トランプ自身が就任式を待たずに直ちにプーチンと会談すると語っていたように、シリア・IS問題解決に向け米露の関係正常化に動かなければならない。
オバマの任期が残るうちに、政権と軍部内の「冒険主義勢力」(ネオコン)がシリアを舞台にロシアと戦争を始めないために、これは喫緊の課題だ。

この冒険主義勢力の基本戦略は、ビジネス界と組んで所謂軍産複合体を形成し、中東に介入しロシアと代理戦争、進んでは直接衝突を起こす一方、中国とは表面上対立姿勢を示しつつも譲歩も止むを得ないとするものとみられる。
その狙いはよく解らないが、中東に覇権を確立するとともに火種を絶やさぬようにし戦争経済によりビジネスとしての実を取り、中国のマーケットは当面確保するというのが複合体の集合意思のようだ。
スターリン時代のポーランド亡命貴族の家系で、ロシアに消せない恨みを持つ米国外交の重鎮ズビグニュー・ブレジンスキーがこの戦略の思想的主柱となっている。

そして、これにより中国とロシアを組ませる結果を招いており、やがて米国は太平洋の西半分を失うだけに止まらず、中国による世界覇権とイスラム過激派による混乱の拡大を許すことになるだろう。
米国は、この倒錯した自国が損をするのみならず独裁国家による世界覇権を導く愚策を捨て、中露の間に楔を打ち込み、進んでは「日米露三国同盟」を基軸にイスラムから過激派を一掃し穏健化して取り込み、中国包囲網を完成させその牙を抜く正しい戦略を採るべきであり、この大義を伴う新しい世界秩序の主宰者とならねばならない。
なお、これは軍費ファイナンス上も合理的選択である。

今、アメリカ・ファースト、米国第一主義を唱えるトランプの内向き志向が、世界に心配されている。
相対的に衰退しつつあるとは言え、超大国である米国が単に世界の警察官を辞めれば、その真空を埋めるのは上述したように中国による世界覇権となる。

米国の「内向き」志向を否定し「外向き」志向を主張する所謂外交専門家が日米問わず多くいる。
しかし例えば国際政治学者の藤原帰一氏等は、不思議に「外向き」の内容と質を問わない。
中東でのイラク戦争を始め、悪事または間抜けぶりを繰り返してきたような、「外向き」志向は下の下である。
米国は、仕切り直して大義を伴う新しい世界秩序の主宰者として、王道を歩むべきである。

なお、トランプは日本に米軍駐留経費負担の増額を迫っている。
現在、日本は米軍駐留経費の7割超を負担しており、かつこの駐留は米軍にとってもメリットのあるものだ。
日本は、このことを主張しつつ、これを契機に自主防衛にシフトして行くべきなのは言うまでもない。
しかし筆者は、トランプは更なる要求を突き付けてくる可能性が高いと見る。
それは、日本が現在負担していない費用、具体的には「核の傘代」だ。
日本は、核のボタンを握らせてもらう権利、所謂「レンタル核」「核シェアリング」と引き換えに傘代を幾らに設定するのかの交渉をする覚悟を決めておく必要があるだろう。

◆TPPを解毒せよ◆
大凡、甲論乙駁の厄介な問題には、3つの顔(機能)がありそれが絡み合っているから容易に正解に辿りつけない。
TPPはその典型的なケースで、(1)自由貿易の理想、(2)中国包囲網、(3)国際資本(グローバル企業)による各国民からの収奪、の3つの顔がある。
このうち(1)と(2)は、少なくとも基本的に見れば、日米両国民にとってメリットとなるが、(3)は一般国民からの収奪であるとともに、課税回避により国家についても利益がなく、一部エリート・富裕層のみの利益となり、所得格差により社会分断を招いている。

具体的には、一度規制を緩めると二度と戻せなくなる「ラチェット規定」、外国企業が規制により不利益を受けたと考えた場合に相手国家を損害賠償請求で国際機関に訴え一発勝負で判決が出る「ISDS条項」、その他一般国民に利益のない荒業のカラクリを外す必要がある。

現在蔓延するグローバリズムは、移民等の外国人労働と自由貿易によって構成される。
このうち移民の制限は、尊重されるべき国家主権である。
どんな構造とするか、またリアルなものかバーチャルなものか等、コストパフォーマンスと費用負担を考える必要はあるが、メキシコとの国境に壁を作るのは正しく国家主権の発露である。

しかし、保護貿易も基本的には国家主権ではあるが、食料、健康等の生存に直接かかわる特定分野以外では、保護貿易を強化するのはトータルに見れば長期的な国益に適わないだろう。

貿易は不動産業に比べて優れてゼロサムゲームではなく、保護貿易を強化すれば、米国のGDPは縮小してしまう可能性が高い。
加えて、米国が保護貿易強化に走れば、その隙間を縫って中国が各種自由貿易協定で各国を取り込むことなる。

米国に雇用を呼び戻し、国民を喰わせ痛みを和らげるための短期的時限的方便としてはあり得るが、トランプは保護貿易に力を入れるべきではなく、上述したようにTPPから国際資本、グローバル企業の恣意性を解毒し、真に日米両国民等にとりWinWinとなるものへと組み替える方向へ進むべきだ。
その観点でなら、トランプの米国と日本は協調できる。

◆成功モデルを構築せよ◆
黒人や少数民族を優先する「アファーマティヴ・アクション」は取り敢えず置くとして、米国社会は基本的に自由競争に基づく実力社会でありそれが活力となってきた。
しかし、敗者が事実上復活するのが不可能な場合、特に世代を跨いでそれが不可能な場合は、社会の分断を加速度的に進めることとなってしまう。
筆者は、野球には左程詳しくないのだが、米大リーグでは、ドラフトやトレード、その他の制度が、有力チームが金とブランド力で極端に強くなり過ぎないように精緻に工夫されていると聞く。
リーグの中で加速度的に戦力を累積するチームがあれば、興行としてのゲームが成立しなくなる。

大学の学費ローンで生活費も加えれば何千万円かの借金を抱えなければならないのでは、親の財力で人生が決まってしまうことが多く、米国民の分断が止まらない。
バーニー・サンダースが唱えたような授業料無料は行き過ぎとしても、4年制大学に於ける授業料合計で数百万円、場合によっては数十万円以下に抑えることは必要だろう。

格差問題には、既得権への切込みが必要である。
移民にしてみれば、米国籍こそが既得権と映るかも知れない。
低所得層にとってみれば、グローバル企業こそが既得権と映る。
IT技術を応用した新興企業サービスにしてみれば、既存の3K仕事・サービス業従事者を守る各種規制こそが既得権もとなり得る。
格差問題解決には、これら既得権の整理、即ち良い(妥当な)既得権、悪い既得権の腑分けが必要である。
その上でそれらを、社会保障や教育制度の社会制度や前述の通商政策と組み合わせて、国民が活力に満ち機能する仕組みを作り上げなければならない。

振り返って日本では、中途半端に斑模様で終身雇用制が壊れており、始末が悪い。
安倍政権は現在、「同一労働同一賃金」を始めとする働き方改革をしようとしている。
本来は、「社会保険と働き方の一体改革」としてダイナミックに社会構造を変革しなければ効果は望めないが、その方向だけは正しい。
米国では「同一労働同一賃金」は既に基本的に実現されており、なお突き当たる問題は、ある部分日本の先を行く。

AI(人工知能)等、先端技術の進歩により、経済格差はさらに拡大する。
日米に限らず、今後先進国が目指すべきものは「ナショナル・ミニマムを伴う自律社会」であろう。

格差問題解決に向け、国民各層が活力に満ちそれぞれ所を得るような、社会構造の成功モデルを構築することは、試行錯誤を伴う壮大な社会実験となる。
日米事情は異なる部分はあるが、共に手を携えて解決策をリードして行かなければならない。

以上、拙文にて述べて来たように、米国の内政を立て直し、加えて世界に向けては仕切り直した新しい秩序の主宰者として大義を示すべきこと。
「米国を再び偉大な国にする」とは、つまりそういうことだろう。

Blowin' In The Wind / Bob Dylan + A poet

Blowin' In The Wind / Bob Dylan + A poet

How many elections must we experience
Before we make America great again?
How many seas must the bald eagle sail
Before she sleeps on the nest?
Yes, and how many times must the cannon balls fly
Before we have peace again?
The answer, my friend, is blowin' in your mind
The answer is blowin' in your mind

Yes, and how many years can the ground exist
Before it's burned by the nuke?
Yes, and how many years can evil people exist
Before the swamp was drained?
Yes, and how many times can a man turn his head
And pretend that he just doesn't see?
The answer, my friend, is blowin' in your mind
The answer is blowin' in your mind

Yes, and how many times must they look up
Before they can see the sky?
Yes, and how many ears must they have
Before they can hear people cry?
Yes, and how many deaths will it take 'till they know
That too many people have died?
The answer, my friend, is blowin' in your mind
The answer is blowin' in your mind


風に吹かれて / ボブ・ディラン + 一詩人

この国は何回の選挙を
重ねなければならないのだろう
再び偉大となるまでに

禿鷲は
いくつの海を越えなければならないのだろう
樹の上の巣で眠るまでに

砲弾は
何度飛ばなければならないのだろう
再び安らぎを得るまでに
答えはね 友よ
答えは君の中にあるんだよ
答えは君の中に

大地は何年存在できるんだろう
核兵器で焼き払われてしまうまでに
悪人たちは何年存在できるんだろう
沼が乾されるまでに
君は何度振り返るんだろう
そして何度見えなかったフリをするんだろう
答えはね 友よ
答えは君の中にあるんだよ
答えは君の中に

彼らは何度
見上げなければならないのだろう
空が見えるまでに
彼らは
いくつの耳を持たなければならないのだろう
人々の叫びが聞こえるまでに

彼らにはいくつの死が必要になるのだろう
あまりに多くの人々が死んだことを知るのに
答えはね 友よ
答えは君の中にあるんだよ
答えは君の中に

https://www.youtube.com/watch?v=vWwgrjjIMXA

https://www.youtube.com/watch?v=WFxuKQ5YgYI

書評:ヒラリーを逮捕、投獄せよ Lock Her Up ! ロック ハー アップ 単行本 副島 隆彦 (著)(光文社刊)– 2016/10/12

https://www.amazon.co.jp/dp/4334978967/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_rJjfybWDD2AC0

<メール問題とISの核心を突く快著>

10月12日に出版されたこの本で著者の副島氏は、ヒラリーはメール問題で逮捕収監され、トランプが11月8日の米大統領選に勝利すると断定的に予言する。

◆オクトーバー・サプライズ◆
奇しくも投票日2週間足らず前の10月28日に、FBIが捜査再開を発表した。
ヒラリー側近の配偶者の元下院議員が起こしたわいせつ事件が、捜査再開の切っ掛けとの事で、正に天網恢恢疎にして漏らさずと言ったところか。

評者は、トランプが8月のイラク戦没者遺族を非難し、支持率が大きく低下して以来、四分六とでヒラリー当選の可能性大と予想してきたが、今回の件でトランプ当選の確立が高まったのは確かだ。

副島氏は、この本が出版された後で、自身の主催するHP(http://www.snsi.jp/bbs/page/1/)で選挙操作によるヒラリー当選の可能性を示唆するなど揺らぎを見せているものの、評論家生命にかかわる著書に於いてトランプ当選を断言するのは凡百の胆力ではない。

評者は今まで、メール問題に関して、機密情報取り扱い違反、便宜供与の隠蔽可能性等、報道によりヒラリーに対して漠然としたダーティーイメージを持ったのみで、「ヒラリーは巨悪」とまでの印象は持っていなかった。
恐らく、米国有権者の大半もその程度だと思う。

◆メール問題の核心と大統領選の帰趨◆
副島氏は、メール問題の核心を、裁判を経ないリビアのカダフィー殺害、それに続く200億ドルのリビア国家財産の略奪、その資金によるイスラム国(IS)創設、これらの当初からの計画的隠蔽とオバマの黙認であると具体的に描き出す。
評者も国際情勢について市井からながら、それなりにウォッチしてきたつもりだが、この本によって、初めてメール問題の全体像が像を結んだ。
目から鱗である。

だが、大統領選当日までにヒラリーが逮捕されるとまで見るのはどうか?
FBI長官が、そもそも一旦捜査打ち切りをしたのも保身であり、評者はこのまま選挙当日までに結論を出さず、どちらに転んでも保身が図られるようにするのではないかとみる。
また、トランプ自身が、前述のメール問題の核心部分、イスラム国(IS)へのヒラリーの関与について、一時期選挙戦で冗談めかして「ヒラリーとオバマはISの共同創設者」と語ったのみで、トランプすら踏み込めないタブーがあるのか、その後具体的に触れていない。
このままトランプが核心に触れなければ、米国有権者には「ヒラリーは巨悪」とまで映らず、トランプの大勝となるかはまだ断定できない。

副島氏の国際戦略についてのスタンスは、簡略化して言えば「反米親中」である。
アジア諸国で固まり、欧米に対抗して行こうという考えである。
これに対して評者は、「日米露三国同盟」を基軸として、中国の牙を抜き、イスラムを穏健化して行かねばならぬと考えており、その点で副島氏と袂を分かつ。

しかしながら、基本的立場の違いは在れ、今回の著書をはじめ、氏の国際情勢分析、米国政治研究への情熱と成果には敬意を表したい。

トランプは「王様は裸だ!」と叫ぶ少年 −大統領選とその後の世界秩序−

●暴言により、トランプへの支持率が失速している。普通は大人の知恵により自制しそうなものだが、攻撃的スタイルで不動産王となった成功体験がそれを阻んでいる。
●今後、本人の一部発言に対する反省、大規模な米国内テロの発生、メール問題の再燃・展開等によるヒラリーの失点および健康問題、暴言の中にあるリアリズムへの理解等の複合作用により、挽回する可能性は残る。
●大方の予想に反してトランプが大統領になれば、各分野で直感的に「正しい」と思う方向に進む。外交ではプーチンのロシアとの事実上の同盟を標榜する。日本はこの「米露同盟」に一枚乗るのが、あるべき外交基本戦略となるだろう。

◆トランプ失速◆
比較的お行儀よくこなした共和党大会での大統領候補指名後、ご祝儀相場もあったが、トランプへの支持率がヒラリーの支持率を上回った。
そのまま、メール問題の再燃等のヒラリーの失点を待てば、選挙参謀だったマナフォートの言う通り、本選挙勝利はそれ程難しいものではないと思われたが、トランプは民主党大会で戦死した米軍将校のパキスタン移民である両親の演説に過剰反応し一気に支持率を落とした。

戦死者の家族への攻撃は、古今東西のタブーで、登壇させた民主党側にどんな意図や目的が在ろうとも、受け止めて見せるのがお約束事であり大人の知恵だが、自身の徴兵回避問題を蒸し返された部分等に対しトランプは自制が効かなかったようだ。
保守系「国策指導新聞」であるウォールストリート・ジャーナル紙も、一旦トランプ支持の論調に変わりかけていたが、これで踵を返した。

◆裸のトランプ◆
反対派のアーティスト集団によるトランプ裸像が各都市に建てられているが、むしろトランプは、いわば「王様は裸だ!」と叫ぶ少年の側である。
自身やそのビジネスへの非難を含め、不法移民、テロ対策、イラク戦争、一連の中東民主化革命での米国の不首尾、誤解を含めてメキシコ、日本、中国との貿易不均衡等、主観的に「おかしい」と思った事に対して、攻撃を緩めない。
これまで、直観と攻撃的スタイルで不動産王となったビジネスでの成功体験が、この手法への確信へと変えている。

映画監督のマイケル・ムーアが、「トランプは本当は大統領になんかなりたくなく、よりネームバリューを上げ、ビジネスに使おうと考えている。」と唱えている。
トランプの本選挙勝利への合理性を欠く言動を考えると、確かにさもありなんという気もしないでもないが、恐らくトランプが16日にウィスコンシン州のテレビ局に対し下記のように語ったのが本心だろう。
「誰も彼もが『方向転換しなければならない』というが、私はそうしたくない。自分を変えたくない。ありのままでいるべきだ。もし方向転換したら不正直になる」。
なお、トランプは本選挙敗戦後に備え、過激保守系メディアの立ち上げも準備しているようだ。

◆本選挙の行方と世界秩序◆
さて本選挙の行方はどうなるか。
筆者も、現状(8月27日時点)ではヒラリー有利と見る。
しかし、大方の予想のようにほぼヒラリーに決定とはせず、四分六でヒラリーが勝つと見ており、トランプになお四分の可能性ありとする立場だ。
今後、本人の一部発言に対する反省、大規模な米国内テロの発生、メール問題の再燃・展開等によるヒラリーの失点および健康問題、暴言の中にあるリアリズムへの理解等の複合作用により、挽回する可能性は残る。

仮にトランプが大統領になれば、各分野で直感的に「正しい」と思う方向に進むだろう。
日本に関していえば、金融、為替、貿易政策により、大幅な円高、関税引き上げにより輸出産業が大打撃を受ける可能性がある。
また、費用もしくは戦力で、より防衛負担を求めて来る。

亀井静香と石原慎太郎が、本選挙前にトランプに会いに行くと外国人記者クラブで会見していたが、あの話はどうなったのか?
実現性は不明だが、その意気やよし。
トランプ勝利の場合に備え、政府、各党、経済界、学会も事前に陣営にアクセスして日本の立場の説明、働き掛けをすべきである。

外交においては、順当にヒラリーが当選すれば、オバマ外交の枠組みのままである。その上で、自身の性格や、中国や軍産複合体との柵から更に事態を悪化させる。
中東に於いては、尻も拭けないのに余計な介入を続けて行く。
また放っておけば、中露は「不信同盟」を深めて行く、そしてそれを後押しに今までは中国軍人の戯言だった太平洋の米中2分割論が現実に近付いて行く。

トランプの場合はどうか。
このところの世界情勢では、トルコ、イランとの連携強化等、プーチンの存在感が突出している。
トランプは、現状の言動の延長線で、プーチンのロシアとの事実上の同盟を標榜するだろう。
これが、中露間に楔を打ち込み、米国が単独スーパーパワーから「相対的スーパーパワー」へソフトランディングし衰退を遅らせると共に、中国から牙を抜きイスラムとの融和を探り新たな世界秩序を形成する唯一の道である。
普通に考えればそうなるが、トランプ以外の多くの米国知識層はそれに気付いていない。
もしトランプが実質上の「米露同盟」を目指しても、プーチンvs米議会の図式は続く。

日本としては、ヒラリーが勝った場合は、米国の介入を受け流し、中露の仲を裂くべく先回りして今まで以上にプーチンのロシアに接近すべきだ。
そしてトランプが勝った場合にはこの「米露同盟」に一枚乗ると共に後押しするのが、あるべき外交基本戦略となるだろう。
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