佐藤戦略総研 (独立系シンクタンク)

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人口削減したいゲイツ、増やして火星に送りたいマスク

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◆地球は限界か?◆

今後の世界の向かうべき方向について様々争点がある中で、人口問題も大きな論点となっている。

マイクロソフト社の創始者で大富豪のビル・ゲイツ氏は、ワクチンで人口抑制を図りたいと考えている。

と言っても一部ネットに出回る「殺人ワクチンを打って・・・」との類の噂は陰謀論であって、財団の活動を通して感染症ワクチンの普及や衛生環境の改善等により乳幼児死亡率を減らし、それにより特にアフリカの多産の習慣を無くし、以て人口を抑制するという企図だそうだ。動画4分21秒頃から参照なんだか「風が吹けば桶屋が儲かる」のような迂遠でしっくりしない感も残るが、そういう事らしい。

一方、スペースX社、テスラ社、最近では買収したツイッター社等を経営する同じく大富豪のイーロン・マスク氏は、ゲイツ氏らに対抗して「出生率の崩壊は文明が直面する最大の危機だ」と唱えている。

人口削減論者は、人類が増えすぎたから、地球温暖化、食糧・エネルギー不足が起こり、それが紛争の原因であるとの考えを持っている。CO2地球温暖化説は、恐らく原因と結果の因果律が逆で太陽風等の周期による温暖化により海中のCO2が大気に放出されているものと筆者は考えているが、食糧・エネルギー不足については一定の説得力はある。

マスク氏の方は、科学技術によって食糧・エネルギー不足は克服出来、もし増えすぎて困ったら火星に送り込めばいいと考えているようだ。

またマスク氏は、「日本が人口減により消滅する」と親切にも日本に警告しているが、日本に限らず一国の急激な人口減は経済破綻、社会崩壊に進んでしまう。

人口問題については、地球全体で考える場合と、一国一地域で考える場合は違い、また10年単位、100年単位、数百年単位で考える事でも、方策、結論は異なって来る。今後人類が議論を尽くすべき巨大なテーマである。

◆グレートリセット◆

ところで、ゲイツ氏も中心メンバーであるWEF(世界経済フォーラム)が主催するダボス会議で唱えられたグレートリセットは抽象的で何とも掴みどころがないが、そのベクトルは、SDGS(持続可能な開発目標)へ向け人口削減の他に、脱化石燃料・自然エネルギー促進、農業・酪農縮小、人工培養肉・昆虫食の促進、ユニバーサル福祉、私有財産の放棄、個人データの一元管理、LGBTQへの差別撤廃、人工知能の社会実装等々にも向いていると観察される。

そこには概ね、世界を諸分野で一元管理し、NWO(新世界秩序)を構築しようという意思が感じられる。

対するマスク氏はツイッターによる言論自由の確保等で上記に対立する傾向もあるが、重なるものもある。人工知能の発展による人類支配の危機に対して、ニューラリンクにより人の頭部に電極を埋め込み、コンピュータと直結する事により対抗を図る事等には、どちらに向かっているのか俄かに判断が難しく、一種オドロオドロしさもある。

ゲイツ氏に「なぜ貴方は、虫を食べないのか理論的に説明してください」とか、マスク氏に「ニューラリンクは、メガネや衣服と同じだよ」などと詰め寄られた場合に備え、我々は今後もキーパーソンとなる両人の動向を注視するとともに、自身の考えを整理して置く必要があるだろう。

連鎖する危機の時代:戦略国家への日本改造の論点

疫病が地球を覆い、戦禍に伴うエネルギー・食糧危機が迫り、世界分断、インフレ、スタグフレーション、進んでは世界恐慌の足音が聞こえ、挙句には「死ぬのがいいわ」が世界的ヒット曲として紅白歌合戦の掴みとなる等、時代は2、30年遅れの世紀末感が漂っている。

こうした中で、ことさら主体性を欠落した我が国の漂流が加速している。

◆防衛財源論と外交◆

防衛費を倍増するに当たって、財源を増税によるのか国債にするのか等で揉めているが、答えは諸外国並みに近付けて「武器輸出の範囲を広げ国産武器のコストを下げ競争力を高め、それによる税収増等で極力埋める事を図り、海外武器輸入に当たってもバーゲニングパワーを高めつつ、それまでの間は国債で繋ぐ」という方向以外にない。

当事者意識無く世論のバランスボール乗りに長けただけの岸田首相がお茶を濁すのは詮無い事だが、保守言論までもがそこに言及する事を躊躇するのは何事であるのか。

なお外交全体としては、来るべき激動乱流の時代に於いてこそ横井小楠の謳った「大義を四海に敷かんのみ」を旨とし情勢を読みつつ先手を打ちながら、国際的大義を伴う長期的国益の追求へ向け性根を入れ直してブレずに行くべきではある。

◆コロナ対策◆

オミクロン株以降は、諸外国並みに日本でも感染症法の2類相当である分類を5類以下に下げて普通の風邪のように扱うべきだったろう。

しかしこれが為されないのは、民間病院が多くかつ医師会の政治力の前に統制が取れず、医療逼迫した際のリソース配分の緊急対応シフトが出来ぬため、ただただ行動制限、営業制限に頼る他ないからである。なお、万が一の際の医療トリアージを許さぬ国民意識にも一因があると言えよう。

また世界の趨勢が、コロナワクチンの効果と副作用・死亡リスクのバランスから、若年層への接種非推奨等の脱ワクチンに向かっている中、何に忖度しているのか、我が国は幼児にまで接種を努力義務化する等、倒錯した姿を世界に曝しているザマだ。

その他、ゼロコロナ明けの中国からの春節観光客に対し、ビザ発行停止等の断固たる手を打たず、検査・隔離の強化はすれど強制力が弱く穴だらけのザル体制。

こうしたポンコツ医療・検疫体制の逆を行くべきだが、各種利権に塗れた立法府も居眠り状態である。

◆エネルギー・食糧危機◆

ウクライナ戦争を巨視的に見れば、戦略物資であるエネルギー・食糧を武器とした世界覇権争いの一現象であるとも言える。

この戦争は、ロシアのアイデンティティー vs ウクライナのアイデンティティー + 軍産複合体の利益、米英による大陸ヨーロッパ分断統治指向の伝統、ネオコン・ソロス等の「民主主義への理想追及」、冷戦時代のソ連・ルッソフォビア等の構図でもあった。

だが、ノードストリーム爆破の翌日にノルディックパイプラインが開通し、天然ガスに窮したドイツに米国が液化天然ガス供給を申し出る等、いつの間にかエネルギー・食糧大国のロシア + 市場大国の中国 vs 西側諸国の構図が浮かび上がり、インドを筆頭としたBRICS諸国、中東、アフリカ、東南アジアが前者に靡きつつある風情である。

こんな中、我が国が取るべきスタンスは、食糧に於いては、コスト面をある程度犠牲にして自給率を高める事であり、その中心となるのは穀物によるカロリー及びタンパク質ベースである。この2つが押さえられてしまえば、有事には戦わずして城を明け渡す事になろう。

エネルギーに於いては、CO2温暖化原因説は、両者に相関性はありそうだが因果関係が逆である可能性が高い。一方エネルギー自給率が低い我が国は、化石燃料輸入への依存度を下げる事自体にはメリットがある。このため「脱炭素」には、温暖化説ではなくエネルギー自給強化、多様化の観点にシフトしながら付き合うのが国益となる。新型原発、地熱を中心に拡充するとともに、太陽光、風力については国土破壊等にならぬよう規制しつつ行い、電圧安定化のため水素、アンモニア変換によるものの他、例えば重力蓄電等、蓄電技術の開発を図るべきである。

◆内政・経済◆

結局、年金財政・健康保険を現役世代で支えるのは不可能であり早晩破綻する。

これに対するには健康寿命を延ばし、老齢者が週休3日で亡くなる数年前まで働く体制、生命維持装置に頼った寝たきり等の過剰医療の抑制、人材流動化の奨励策とセーフティーネット構築、少子化対策と敵性国家と不良外国人を実質的に排除し、生涯想定国益貢献度をベースにした移民システム等を「ナショナル・ミニマムを伴う自立社会の建設」のベクトルのもと整備すべきである。

以上、筆者は警鐘を鳴らすべく縷々書いたつもりだが、恐らく今後も日本は主体性無く、茹でガエルの状態のまま目覚める事無く底辺まで転げ落ちて行くだろう。

主体性欠如の象徴、キッシーこと現首相の「岸田」は幻であり実在ではない。在るのは日本人の意識であり、それが投影され「岸田」として現れているに過ぎない。

転げ落ちたとして、その沈没した日本が極東の小島としてそのまま歴史の波間に消えて行くのか。あるいは再び浮かび上がる事が出来るのか。その運命は国民の自覚一点に掛かっている。

ウクライナ戦争と台湾侵攻、両者を分かつものは何か?

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◆論理の整理◆

ウクライナ戦争の鬩ぎ合いが続く一方、中国の台湾侵攻の危機が高まっている。

予てから、両者の地政学的図式には相似性があると言われている。

イーロン・マスクは、Twitter上でウクライナ戦争和平案を表明した後、数日を経ずして「台湾の特別行政区案」をツイートした。台湾侵攻を避けるための案としているが、彼の頭の中でもウクライナと台湾の置かれている立場は相似形をしているのだろう。
(参照拙稿 「ウクライナ戦争の行方:「冬将軍」とイーロン・マスクの和平案」)

確かに両者には直感的に見て相似性がある。この中でもし両者を分かつものがあるとするなら、それは所謂「居留民保護」となるだろう。

ロシアの侵攻時、ドンバス地方の住民はウクライナ国籍であったので、居留民保護というのは正確な用語ではないだろうが、プーチンは当地のロシア系住民が身体生命の棄損を含む迫害を受けていたと主張している。(なお、ロシア側の主張でも2015年のミンスク協定以降、様々な形で殺害されたのは、数千人から1万数千人とブレがある)

このロシアの主張がそのまま受け入れられる訳では勿論ないし、居留民保護を目的とした侵略戦争も国際法上は許されてはいないが、停戦交渉の際には大きなファクターとはなって来るだろう。

一方、中国の台湾侵攻に関しては、台湾で中国人が迫害されているという事実はない。

この点は、我々第三国側としても論理の整理が必要である。さもなくば、両者の問題は地続きとなり、極論すればウクライナ戦争について、…篝鏝鮠弔妊蹈轡△紡个形瓦妥協の余地をなくすか、妥協を受け入れると共に中国の台湾に対する領土的野心も容認するかという二者択一のジレンマに陥るだろう。

◆台湾侵攻◆

習近平は、10月の共産党大会で3期目の党総書記、国家主席に就くことが確定した。だが人事を側近で固める一方、党主席への就任、「習近平思想」を党規約に書き込む事等には失敗した。長老達がその点で立ちはだかったと聞く。台湾併合については、長老達の心中にはブレはないが平和裏に行いたいという辺りが平均値か。

台湾併合を行うため武力侵攻も辞さずとするのは、従来の党方針である。習近平もそれを踏襲して表明したが、単にそうしただけでなく何としても毛沢東と並び歴史にその名を刻むために、搦手での併合が進まなければ武力侵攻をする肚を固めていると思われる。党大会での人事は、李克強等の経済通を葬り去るとともに、中央軍事委員会の体制を台湾情勢に精通した幹部の重用で固める等、台湾侵攻シフトと言える。

更には、‥淆膕餮紊ゼロコロナ政策を続けており中国経済が立ち行かなくなる事、△修Δ靴芯め付け政策を見て平和裏の併合なら容認する台湾人が減る事、J胴颪対中輸出規制を強化しており半導体を中心とした台湾のハイテク技術の奪取を急ぎたい事、これらを考えればより台湾侵攻に向かう必然性が高まっていると見るべきである。

世界が紛争、エネルギー危機、食糧危機、経済財政危機等々、風雲急を告げる中、世界秩序を新たにデザインする必要がある。それは、中露疑似同盟間に楔を打ち込み、ロシアも加えて大きく中国包囲網を形成しその牙を抜く事が、中心に据えられなければならない。

さもなくば、電脳社会主義の独裁監視国家の覇権によって地球が覆われることになろう。現状に於いても、市場大国中国は、資源食糧大国ロシアをジュニアパートナー化し、アラブを含むグローバルサウスを巻き込み西側との対決の布陣を固めつつある。

正義とは即ち、より良き秩序である。それは、現実的な世界秩序の維持構築を欠いては成り立たない。ウクライナ戦争と台湾情勢の短絡的な同一視を避けねば、世界は道を誤るだろう。

接種後「魔の1週間」:副反応ヘロヘロ状態で感染・重症化多発?

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◆統計上のマジックか◆

新型コロナワクチンは、そもそも効果があるのか?

超過死亡数増加により新型コロナワクチン接種に戸惑いも起きており、これが副作用によるものではないかとの懸念も高まっている。万が一そうだとしてもある意味、毒を以て毒を制していると思えば、ある程度許容しなければならないものかも知れない。

だが、ここでそもそも効果があるのか、本当に毒を制していると言えるのかという冒頭の疑問も湧いて来る。

内外の諸研究により、感染予防効果は不明だが重症化予防効果はあるという事になっている。
厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A


それらの比較データは、抗体が作られるまでの間、接種後1週間程度を「非接種」としてカウントしているようである。しかし接種後の一定期間は、重い副反応で寝込んでしまう人も出る程であるので、そういう体が弱っている時期というのは一般的に言って、一番感染症に罹り易くかつ重症化し易い時期と思われる。

それが、もし新型コロナワクチンにも当てはまるなら、非接種者の感染率と重症化率を上振れさせ、接種者のそれらを下振れさせる働きをするだろう。筆者はこうした統計上のマジックが潜むのではないかと素朴に思っている。

これについて、即ち接種直後の一定期間の感染率と重症化率の治験や臨床データが無いかネットで内外の情報を調べてみたが、少なくとも筆者の力では見つけられなかった。なお日本では今年の夏以降、コロナ陽性者のワクチン接種歴のデータ収集自体を辞めてしまっている。

◆知人の迷い◆

筆者がこうした事を調べようと思ったのは、最近知人から80代後半のご母堂にワクチンの追加接種を受けさせるかどうか相談を受けたからだ。ご母堂は既にファイザー中心に3回摂取しており、コロナには感染していない。しかし、回を重ねるごとに日常生活でフラ付き等が見られ、何回か打撲や骨折もしたそうだ。また、既往症の緑内障が進行し、脳腫瘍が1つから2つに増えたのが発見されたとの事。

これらが、加齢等ワクチン以外の原因によるものかどうかは、今のところ専門家でもはっきり分からないだろう。

ご母堂の比較的近くに住んでいる知人の姉は、医療関係ではないが研究職に就いており、これらはワクチン接種とは関係ないと言い切っており、4回目の接種を勧めているとの事。

これに対して、読書人でもある知人は、「どうも姉は証明されていないものは無いものとするという考えで凝り固まっており、デカルトが便宜的に証明されていないものは無いと仮定した地点から演繹法を始めようとしたのを誤読している。一部の理科系にありがちなデカルトの不肖の弟子だ」とボヤいていた。

欧米諸国の多くでは、リスク・ベネフィットを勘案し、若年層を中心にこれ以上ワクチンを打たない流れになってきている。しかし日本はこれに逆行して、幼児に対しても接種の努力義務を課した。

若年層と違い、感染率や重症化率が高い高齢者にワクチンの追加接種をさせるかは確かに悩ましい問題だ。

ワクチンが重症化を防ぐ機序は、Tキラー細胞等による細胞性免疫によるものと言われる一方、免疫抑制効果によるサイトカインストームの防止とも聞くが、何れにしても素人が判断出来ることではない。

ワクチンについては、少なくともベネフィット側の統計面だけでも、より透明化して行って欲しいと願う。

(追記)
なお、その後ネットを更に調べると発症に関しては「魔の一週間」の逆転を否定する情報は、下記のように在る事は在るようではある。(だが筆者は、十分には得心していない)

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新型コロナワクチン “接種から一定効果までに10日から2週間” | NHKニュース

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210406/k10012959791000.html

ウクライナ戦争の行方: 「冬将軍」とマスク氏の和平案

◆追い込まれるプーチン◆

鬩ぎ合うウクライナ戦争は、現下ロシア劣勢の流れとなっている。

プーチンとしては、東部2州とクリミアへの回廊となる南部2州を併合(10月4日実行)し、戦線を絞り言わば将棋の穴熊囲いの構えを取り、下記のような図式で持久戦に勝機を見出そうとしていた感があった。

 【 ウクライナ + NATO vs ロシア + 冬将軍 】

だが、ロシアは併合したはずの地域まで複数奪回されている。また上記で言う「冬将軍」には、食糧・エネルギー輸出を人質に取ってEU諸国の首根っこを掴み厭戦気分の醸成で停戦交渉に持ち込む事も含まれていたはずたが、9月末の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1・2」の破裂によりそれも儘ならなくなった。

パイプライン破裂は、何やら第一次大戦時のUボートによる商船撃沈作戦も連想させ、ほぼ人為的破壊と見られているが、その実行者はロシア自身、米英、その他の名が挙げられており真相は藪の中となっている。

EUは果たして冬を越せるのかが懸念されるが、パイプラインは計4本中1本は辛うじて残った。なお前後して、ノルウェーからデンマーク経由でポーランドへ北海ガスを輸送する「バルティック・パイプライン」の開通記念式典が行われた。また米国は液化天然ガスをエネルギーに瀕したドイツ等に供給するようである。

破壊はロシア自身によるギリギリの自作自演かも知れないが、だとすると背水の陣としてもかなり倒錯した世界ではある。

◆マスク氏の和平案◆

さて、そんな中、10月4日に実業家のイーロン・マスク氏がTwitterのアンケート機能を使い、下記のような和平案を提示した。

・国連の監視下で、併合地域の選挙をやり直す。ロシアは、それが民意であるならば、離脱する
・クリミアは1783年からニキータ・フルシチョフの過ち、つまりウクライナへのクリミア半島割譲まで正式にロシアの一部だった
・クリミアへの水の供給は保証される
・ウクライナは中立を保つ


これに対して、ウクライナ側は当然反発した一方、ロシア側は歓迎を示した。

この波紋が消える間もなく、マスク氏は今度はフィナンシャル・タイムズが10月7日に報じたインタビューの中で、台中問題について「合理的に受け入れ可能だが、おそらく誰もが喜ぶわけではない台湾の特別行政区を検討してはどうか」とし、「香港よりも寛大な取り決めがおそらくできると思う」と語った。

歴史的にも中国共産党政府は台湾を支配した事が無い上に、香港での人権弾圧を見れば荒唐無稽な事に加えて能天気で危険な発言だが、自身のテスラ社が上海に工場を構え広大な中国市場も狙っているため、中国へのビジネス上のリップサービスの要素も強いのだろう。

こう考えると、先のウクライナ和平案は、台湾特区案の単なる前振りに過ぎなかったのかも知れない。

だが、ウクライナ戦争は核戦争、第三次世界大戦に発展しかねない。(参考拙稿:手負いの熊が核を放つ日

10月8日には、クリミア半島とロシア本土とを結ぶクリミア大橋で大爆発が発生し、プーチンはウクライナへの報復を指示し、10日朝時点で、首都を含む複数の都市がロシアのミサイル攻撃を受け、民間人の死傷者が出たほか、電力や水、暖房などのインフラも一部破壊されている。

マスク氏の提案は自身の台中発言で随分軽くなった感もある。だが何らかのウクライナ和平案が各国を巻き込んで早急に形成されるべき事に変わりはない。

5類化への障壁と、接種者のコロナ死亡率逆転の不気味

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◆日本の医療体制◆

新型コロナBA.5株が猛威を振るっている。更にケンタウロスとも名付けられるB.A.2.75株も出現してきている。

世界的の流行の中で単位人口当たりの感染者数は、日本が世界トップとなり医療逼迫を起こしつつある。これには、日本ではこれまで感染者が少なかったことの揺り戻しや、欧米では軽症ではあまり検査を受けない事も影響していそうだ。

また、新型コロナは、日本では行動制限や厳しい隔離や防疫を要し受診機関に負担をもたらす感染症法の2類相当と位置付けられ、これが感染者増に耐えられない逼迫化の元凶と言われてきた。

なお、海外では、もちろん日本と同じ分類制度ではないが、感染力は高まったが毒性は低くなったオミクロン株以降、多くの国でもっと行動制限等が緩和され普通の風邪に近い扱いになっている。

それでは、日本でも5類に落とし、海外と同じように普通の風邪扱いにすればよいのだが、そうならない要因として、2類相当のままなら医療業界に多くの公費が落ちるからとかも噂されている。

多くのプレイヤーが関わるのでそういった要素は皆無ではないのかも知れないが、最も大きな要素としては、特に欧州各国と違い民間の小規模な医療機関が多いため、重症者が急増した際に機動的な対応体制シフトが出来ずに容易にキャパオーバーしてしまうためだろう。

これへの緊急対応として、政府が医療機関の重症化対応をアレンジし、医師会の反対を恐れず必要なら民間病院の接収にも踏み込み体制シフトを図るべきである。憲法違反云々の問題があるなら政府は裁判覚悟で行い進んではこれを立法化し、また今後コロナ以外の危機対応のためにも、順次公立病院化を進めるべきだろう。

もちろん、小規模な民間病院が重症化対応をすることは難しいので、軽症、中等症患者のうち、自宅療養以外の患者の対応や、他の病気や怪我の対応を中心に行い、大病院での重症化対応シフトを側面サポートすることになる。

日本のこれまでのキメ細かい医療体制には良さはあるものの、これからの新たな感染症、バイオテロ、国内外での戦争のリスク等を考えれば、医療体制も危機対応型への組替えが迫られよう。

なお、新型コロナは、感染症のセオリー通り感染力増加と弱毒化し、「普通の風邪」となって行く趨勢だが、様々な要因で強毒化変異を起こし流行するかもしれない。その際には機動的に対応をシフトさせるべきである。

日本の新型コロナ対応として、水際対策にも問題がある。諸外国からは「鎖国」と揶揄される絞った対応の一方、その実強制力を持たないザル体制である。ここにもメスを入れ厳格な体制を構え流行状況等に応じメリハリを持った水際の調整を行うべきだろう。

◆思いやりワクチン?◆

さてそんな中で、政府はコロナワクチンの接種を呼び掛けている。ワクチンの感染予防効果については、厚生省のデータが改正された結果、年齢や接種回数等によっては殆ど期待できない場合もあると推察されるようになった。

https://agora-web.jp/archives/220620071252.html

感染予防効果に疑問符が付くなら、大切な人を守るためのワクチンという「思いやりワクチン論」がなかなか成り立ちにくい事になる。

しかし、重症化予防効果はあるようなので、高齢者や既往症者等、重症化率の高いグループに対するメリットに加え、もともと若年層は重症化率は低いものの、ワクチン接種 ⇒ 自身の重症化予防 ⇒ 医療キャパ逼迫回避 ⇒ 思いやりワクチン、というロジックは辛うじて成り立たない事もない。

それならそうと堂々と謳えばよいのだが、どうも政府はその点を暈して思いやりワクチンという感情に訴える、ほっこりする言葉でワクチン接種を推進したいようである。このもやもやした対応が、ワクチンの在庫処理が目的ではないか等、あらぬ疑いを引き起こしている事は残念なことである。

ところで、英国でのネット報道によると、英国政府からワクチン接種者の方が非接種者より単位人口当たりのコロナ死亡者数が多いという統計が発表された。

https://expose-news.com/2022/07/22/uk-gov-confirms-91percent-covid-deaths-triple-vaccinated/

このネット報道の表現にバイアスがないかの検証、各国のワクチン種類の違い等諸条件の考慮、またこの統計データ自体の詳細な解析が必要ではあるが、もしこれがそのままワクチンの重症化予防効果の逆転を意味するのであれば、副作用リスクに加え、個別にはともかく全体としてはワクチン政策の大転換を要する事態となる。

こういった我々の懸念を払拭するためにも、研究機関、製薬会社、各国政府、世界機関等には、引き続き真摯な研究と誠実な発表に全力を傾けて頂きたい。

日本人収奪マシンと保守のパトロン:統一教会2つの顔

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◆収奪マシン◆

7月8日に起きた安倍元首相銃撃事件について山上容疑者の供述によると、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額の寄付を行い家庭が崩壊したため、現総裁の韓鶴子の暗殺を試みるも果たせず、関連団体に祝辞メッセージを送る等、関係のあった元首相を狙ったのが動機との事である。

その供述の信憑性は置くとして、ここでは教団の実態について論じたい。教団の教義の確信は「堕落論」にあるとの事であり、以下がその教義内容の一部である。

エバ国家日本はアダム国家韓国に貢ぐことを義務づけられている。韓国がアダム国家である理由は、神に選ばれた民族の国であり、世界に真理を発信したメシアの国であるから。日本がエバ国家である理由は、朝鮮を植民地にして多くの人民を苦しめてきた事実などによる。戦後、日本が経済大国になったのはメシア(文鮮明)が神に日本の罪をとりなし、エバ国家として神に認めさせたからだ。

金と人物の両面で韓国と全世界の統一協会を支えることがエバ国家である日本の責任である。日本人に多く伝道して信者として、その信者を全世界に送り出していくこと、日本で莫大な資金を調達してそれを全世界に供給していくこと、それがエバ国家日本の使命だ。
世界平和統一家庭連合 – Wikipediaより引用)

この教義を利用して統一教会は、霊感商法や宗教活動を行っており、実質数万人と言われる信徒のうち半分が日本人で、一時年間1千億円に届いたとも推計される資金の出処は日本人からのものが7割という。

つまり教団の下半身は、「日本人収奪マシン」と言って過言ではないだろう。

◆保守のパトロンとして◆

一方、教団は保守政治のパトロンとしての役割も演じてきた。これは言わば上半身部分と言えようか。

1968年4月、教祖の文鮮明が安倍元首相の祖父岸信介元首相らの協力を得て反共産主義政治団体「国際勝共連合」を日本に設立したのを始め、長年自民党とは協力関係にあった。100人を超える与野党議員や候補者に対する無報酬の選挙の手伝いや秘書の派遣を通して、集票マシンとして有効に機能した。(これらの人員は、当然ながら主に先述の日本人収奪マシンの上りによって養われている)

また、教団は米国でも保守政治の支援活動を行っている。

教団が、トランプ氏の言わば応援団的役割をしたのは有名だが、1971年に大韓民国籍のまま米国に移住した文鮮明は、レーガン、ブッシュ親子、遡ってはニクソン政権から一貫して共和党の応援団を果たしてきた。それは、集会での動員、新聞広告、途中で傘下に入れたワシントン・タイムズ紙の論調等を通して行われた。

これらの活動を通じた政治的主張は、過激なものは有るものの、日米ともに保守政治としては概ね受け入れられる範疇のものである。と言うか、受け入れられる線を選んで表に出して来たと思われる。

そのため、自民党の政治家は、霊感商法等の「下半身」には目を瞑り教団を受け入れる事が出来たのだろう。また、米共和党としては、収奪マシンとして餌食にしているのは遠く太平洋を隔てた日本人であるために、受け入れるのに抵抗が無かったと思われる。

なお、こうして力を蓄えた教団は政治面でも次第に本性を現して来る。それに応じ毒饅頭をタラフク食った日本の政治家の中には、例えば地政学的にも危険な上に日本側の持ち出しが多い「日韓海底トンネル構想を進める等、保守としても狂い始めている者もおり、進んでは将来「統一朝鮮連邦」実現に資金を出す等、国家を上げて貢ぐ事を言い出しかねない危険がある。

◆「邪教」対策◆

さて、こうした「邪教」とも言ってもよい教義を持ち、かつ強力な政治力も持った宗教団体を野放しにせぬためには、どう対処すべきか。

それには、.ウム真理教のような解散命令、▲侫薀鵐垢嚢圓錣譴討い襪茲Δカルト指定、かつての名称変更認可を取り消し「統一協会(正式名称:世界基督教統一神霊協会)」に戻すこと、す盂曚お布施等の10年程度のクーリングオフ制度の導入等が考えられるだろう。

しかし、これらを実現させるに当たっては、それぞれフランスのような絶対的政教分離国家はむしろ珍しい事や、壷に100万円払うのと戒名に100万円払うのはどう違うのか等、様々な論点が存在する。

宗教は、理屈や常識を超えた所に有難味があり、同時に理屈や常識を超えた所に危険が内在する。

信教の自由は守られねばならず、またギャンブルに大金を注ぎ込むのにも、邪教に注ぎ込むのにも犯罪が介在しない限りは、自由意志が尊重されるべきなのが難しい所である。

自由意志によって選択され、市場原理によって良貨が悪化を駆逐するのを待つのが信教の自由の本質だろう。歯痒いながら現状筆者には、政治介入疑惑もあるかつての名称変更認可を取り消し「統一協会」に戻す事、加えて関連団体に関する報道の際には、必ず統一教会関連である旨明示する事の申し合わせ等を中心に議論を進め、適正な自由選択の条件を整える事が、現実的な落とし所と思われる。

ワクチンを巡る諸々と、新型コロナの現在位置

◆感染者数統計と超過死亡◆

新型コロナが、感染はし易いものの重症化は少ないと言われるオミクロン株中心になり、各国とも国内の各種規制や入国制限を緩和し、漸く出口が見えてきた感がある。

そんな中で、日本では厚労省が、4月上旬まで「接種歴不明者」を未接種者に入れてカウントしておりワクチンの感染予防効果について過大に見積もっていた事が判った。

これらは、ネット民の間では数ヶ月程前から、分類が恣意的で普通に計算し直せばオミクロン株以降ワクチンの感染予防効果は殆どないと言われていたものだ。

ただし、TV報道の先駆けとなった兵庫県を中心としたサンテレビの報道については、厚労省の心膜炎のリスクパンフレットにも錯誤を誘うものがあるとの独自の指摘があるものの、肝心の未接種者のカウントについては「接種者」も未接種者に分類していたと迄言うのはミスリードとも言われており、データ入力用紙と情報把握・管理システム(HER-SYS)の取り扱いの実態を含め更なる解明が求められる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0cf1122ab31210e8f5fd8bb14e8eec53e58e50e6

また、超過死亡数について、今年に入り異常な数になっているとの指摘が、前述の未接種者問題と同様に報道されるようになってきた。

これについては、ワクチンの副作用によるものとの疑いがあるものの、一方に「隠れコロナ死」が原因だという真逆の解釈(今年のデータではないが、2020年と2021年の2年間の超過死亡についてのWHOのレポート)も有り得、今後超過死亡が各国政府も無視できない程に更に増した場合に、ワクチン政策を巡り大きな争点になってくるだろう。

◆5類化と中国ゼロコロナ◆

冒頭で述べたように、新型コロナ小康化に伴い各国は国内の各種規制や入国制限を緩和する中、日本は漸くマスク着用基準(実質的な法規制)が緩和され、外国人観光客がガイド付きの団体ツアーについて解禁される一方、感染法上等の分類が2類相当のままである等、中国等を除く各国に大きく後れを取っている。

参院選が終わるまでは、超安全運転で行くと決めている岸田政権の方針によるものだが、それを超えて次の衆院選まで超安全運転を続けそうな風情もある。

ここは、もっと大胆に緩和すべきだろう。

ところで、北朝鮮は先月辺りから俄かに新型コロナ蔓延とそれに対応したロックダウンを行い、最近ではその克服宣言を行った。十分な防疫体制も取れぬはずの北朝鮮では、とっくの昔に新型コロナが蔓延してたであろうし、変な話、死者が出れば埋めてしまえばお終いであろう体制からすると唐突感は否めない。

筆者が邪推すれば、中国ゼロコロナ政策正当化のために、習近平に付き合わされた感もあるが、真相は謎だ。

その中国では、習近平は少なくとも秋の共産党大会で3期目の国家主席続投が決まるまでゼロコロナ政策を続けるのだろう。

ゼロコロナ政策は、日本でも左翼言論人を中心に持て囃されたが、それを選択したオーストラリアやニュージーランド等の国では国民間に十分な免疫が出来ず、今そのしっぺ返し、揺り戻しを受けていると言われている。

その筆頭が中国であり、言わばコロナ負け組と見なされている。なお中国はこれまでシノバック等の従来型の不活化ワクチンを使い、ファイザー等のm-RNAやアストラゼネカ等のウイルスベクターのハイテクワクチンをこれまで使ってこなかった。

もし仮に従来型ワクチンよりもハイテクワクチンの方が中長期的に重篤な後遺症を引き起こす場合には、新型コロナに於ける勝者と敗者が再び逆転する可能性はゼロではない。(なお、中国もハイテクワクチンを開発投入する予定との事ではある)

◆コロナの展望◆

今後、新型コロナはどうなって行くのだろう。可能性として考えられるのは大別すると次の4つである。

,海里泙沺⊆綟撚修靴討つての「スペイン風邪」が最終的にインフルエンザになったように、「普通の風邪」となって収束する。
⊆然強毒化変異を起こし、「スペイン風邪」末期の様にもうひと暴れ、ふた暴れする。
ワクチン耐性強毒化変異を起こす。
た涌拇強毒化変異株が流行する。(バイオテロ)


今の雰囲気からすると、,亮束に向かう風情であるしそう願いたいが、それをあざ笑うような他の可能性も捨て切れない。

これは、現在流行の兆しを見せている「サル痘」等の別の感染症にも言える事だが、当然の事ながら発生や流行のルーツの解明や、ウイルス自体や蔓延、感染、発症、重症化等のメカニズム、予防、治療についての学術的研究を世界的にタブー無く行い対策を打つ必要がある。

日本に於いては、先述の大胆な緩和と矛盾するようだが、強毒化株の流行の兆しがあれば場合によっては、迅速に2類相当に戻す事及び「人的鎖国」も辞さぬような体制と政権の決意が必要だ。

今次の新型コロナは幸いにもこのまま終息するのかも知れない。だが我が国には、新型コロナに不十分な対応しか出来なかったポンコツ医療体制も後に残された。

医療行政の改革(具体的には医療機関の公的機関化や緊急時の接収の仕組み他を含む)を医師会に斬り込んで行う事、即ち医療の有事即応体制構築が不可欠である。だが、残念ながらメディアと国民が目覚めぬ中では殆ど期待できぬのが現状だ。かくて寝ぼけ眼の国民を乗せたまま泥船は進んで行く。

利上げと消費税減税のミックスが、円安物価高対策のベスト

新型コロナ小康化に伴う米国を中心とした景気回復等に加え、ウクライナ戦争によるエネルギー、食糧の流通不足で世界的に物価高が続伸している。

その中で、日本は景気下落と国債暴落を恐れ、利上げ等の金融引き締めに踏み込めず20年ぶりの円安に見舞われ更なる物価高になり、前門のオオカミと後門のトラに挟まれ身動きが取れない様な状況である。

2%前後の物価上昇は、アベノミクス開始から日銀がここ約10年間ターゲットとして来たところだが、現下の物価上昇は輸入価格の上昇による悪いインフレ、コストプッシュインフレーションである。なお、それに便乗したと言えば言葉は悪いが、これを契機としたこれまで日本の消費者意識の中で出来なかった分の正当な値上げもある事はあるが、それは一時的なものに留まり持続的な経済成長には結び付きそうにない。

賃金も十分に上がらない中で、そろそろ物価高と景気後退が同時に進むスタブフレーションの恐れも出て来ており、日銀がある程度の金融引き締めに踏み込むべき時ではないか。

景気後退の圧力に対しては、政府が同時にカウンターとしてある意味最大の積極財政である消費税減税を行って、これを打ち消す政策ミックスが現下の最善策であると筆者は考える。

スタグフレーションを避けるためという明確なメッセージを出せば、国債暴落も避けられるのではなかろうか。

また仮に、その後世界情勢が落ち着き、物価上昇が一段落したら消費税率を段階的に元に戻すとした場合は、その際の駆け込み需要も狙えると思われる。

より長期的には、テクノロジー、制度、ビジネスモデルの改良によって、週休3日や4日で70歳、80歳でも働け、年金等に頼る度合いを軽減する社会に移行すべきだし、そうでなければ遅かれ早かれ社会保障は破綻する。その移行の筋道次第では、消費税率は必ずしも全部戻す必要はなくなるかも知れない。

さて、ここまで書いてきて、少なくとも来たる参院選では安全運転のキッシー人気による無風状態で、議論はここの遥か手前までも辿り着かない事は容易に予想される。そして、せいぜい給付金バラマキ程度でお茶を濁し茹でガエルの様にスタグフレーションに陥りそうな風情である。

そんな中で、減税以外の成長戦略としては規制緩和、財政投資があり、このうち財政投資については政府が考えるものでは多くの無駄が生じ得るが、例えば国民民主党の唱える教育国債を発行しての教育投資は僅かに有望なものであるかも知れない。

だが、代表の東大法科卒の玉木氏からは言い出し難いのだろうが、投資がいわゆるFラン大学、バ〇田大学に回っては金をドブに捨てる事になってしまう。

教育投資の行く先は、先端技術への投資と並んで、実情は不明なものの元首相を出した遠縁の大平家の援助で東大に進めたとも言われる玉木氏自身が典型例だが、例えば貧困家庭の秀才に厚く集まるような傾斜的なあるいは足切り的な仕組みが不可欠と思われる。

参院選は、前述の様に夏の日本海の様にベタ凪だろうが、それと裏腹に今後の世界と日本を取り巻く状況は更なる波乱が予想される。それに備え外交、内政について少しでも実質的な議論を積み重ねて置くべきだろう。

ウクライナ戦争の3つの貌 出口戦略へ向けての論点整理

2月末にロシアの侵攻で始まったウクライナ戦争は、4月初めのトルコの仲介による停戦の兆しがその直後の首都近郊のブチャでの虐殺報道で流れた後、鬩ぎ合いが続いている。

先行きが見通せぬ中、圧倒的な世界的ロシア非難の中で元大阪府知事の橋下徹氏を含めロシアの立場へ理解を示す言説も少なからずあり、一部人格攻撃を伴い双方間の論争が方々で熱を帯びた。(なお、橋下氏の主張には中国の台湾侵攻時の中国擁護論の瀬踏みと言う不純さも感じられる)

それらの論争は混乱気味で、幾つかの論点整理が必要と思われる。筆者は、ウクライナ戦争を位置付けるには、\鐐菷蛤瓠↓⊃略戦争、世界秩序の3つの切り口でアプローチするのが妥当と考える。

◆戦争犯罪◆

先ず、戦争犯罪についてだが、停戦交渉を遅らせたブチャに於けるのを始めとした非戦闘員の民間人の虐殺は言語道断である。ロシアはウクライナ側のフェイクニュースだと主張したが、直後にそれを覆す衛星写真が出てロシアの犯罪はほぼ定説となった。

しかしその後、信頼度については判定し難いものの、それに反する情報も少なからず出て来る等、事実は藪の中の状況になっている感もあり、これを含め戦争犯罪全体について中立的な立場での更なる全容解明が求められる所である。

<参考> ウクライナ側使用のクラスター爆弾部品の発見情報(筆者注:信頼度には議論がある)

◆侵略戦争◆

当戦争は、文字通り侵略戦争そのものだろう。プーチンは複数の論文を含めた場でウクライナとロシアの歴史的一体性を謳っているが、そもそもこれらは三島由紀夫の「文化防衛論」と似て第三者を説得し得る様な理論化と普遍化に馴染むものではない。

また、プーチンは侵攻の理由として、米英を中心とした西側による嘗てのウクライナ親露政権転覆工作、東部ロシア系住民に対する弾圧に対する保護、ロシアに隣接する土地への積極的NATO軍配備への対抗等を謳っているが、その実態の測定と定性的評価には立場によって異なる。特に弾圧については嘗ての日中間の通州事件での居留民保護等も想起させるが、少なくとも現時点で広く認められているハードエビデンスでは当戦争の侵略性を相当に相殺するには至っていない。

なお、前述の戦争犯罪については、「百歩譲って戦争犯罪が西側の工作だったとしてもロシアが侵攻していなかったら虐殺は起こらなかった事なので、それを問う意味は無い」という言説はヤフコメの定番であるのみならず国際政治の専門家にも少なからず見受けられる。その気持ちは分かるし地続きであるのは確かであるが、一応は戦争犯罪と侵攻理由としているロシアの言い分は別の事柄と捉えてそれぞれの事実関係の確定が必要だろう。

◆世界秩序◆

最後に世界秩序の観点から、今後の世界秩序のグランドデザインをどう描くかと言う問題がある。

中国は、世界覇権への経済力を基盤とした能力と意図(少なくとも習近平氏が率いる間は)とを持っていると見るのが妥当だろう。そして、筆者は民主化への道が閉ざされ言論の自由が激しく抑圧され、また唯物論を国是として道徳を担保する基盤を電脳監視社会化が代替する共産中国が世界覇権を握る事は人類にとって最大の不幸、災厄だと考える。

「西側 vs 中露 + その他」の構図では、中国の世界覇権は成就されてしまう可能性が高く、それを防ぐには「西側 + ロシア + その他 vs 中国」の構図に持ち込む事は戦略的必然と思われる。今歴史は前者に向け驀進中だが、どこかでブレーキを踏み中露疑似同盟に楔を入れ後者に向ける必要がある。

バイデンや、ジョージ・ソロス氏を含めたネオコンは、プーチンを屠った後に中国を民主化させると言うような構想を描いているようである。バイデンはその場の辻褄合わせで発言しているだけだろうが、そんな甘い戦略が成り立つ訳もなく、ネオコンが本気で考えているなら理解に苦しむ。イラク戦争の失敗を失敗と見ていないのだろうか? 

あるいはジョージ・ソロス氏等の左派は、ネオコンそのものとは距離があり、民主化云々よりも教祖カール・ホパーの主著「開かれた社会とその敵」のエッセンスよろしく「非民主化唯物論社会」の方を「宗教の抹香臭さが残る社会」より上位に置いているのかも知れない。

この辺りは世界観が問われる問題でもある。

筆者は、例えば秩序Aと秩序Bのどちらかを選ばねばならぬ場合には、下記不等式が成り立つ時に正義の観点からは秩序Aに軍配が上がると考える。

「秩序Aの齎す社会の幸福総量 > 秩序Bの齎すそれ ± 移行に伴う流血と破壊の総量差」

世界秩序に於いてもまた然りであり、筆者は「西側 + ロシア + その他 vs 中国」の構図で中国の世界覇権の野望の牙を抜歯する事が在るべき次の世界秩序の姿だと考える立場である。だがウクライナ戦争でのロシアの戦争犯罪や流血と破壊の総量等によっては、再考も有り得る。

以上、筆者は稚拙ながらウクライナ戦争を各側面に区分して捉える事の枠組み提示を試みた。恐らくもっとよい整理の仕方や別の見方も当然あるとも思うが、当戦争の出口戦略を描くに当たっては全てを一体として捉えるだけでなく、こうした区分的アプローチも不可欠と思われる。

<参考拙稿>「ウクライナ戦争の1シナリオ:手負いの熊が核を放つ日

ウクライナ戦争の1シナリオ 手負いの熊が核を放つ日

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ロシア軍がアゾフスタル製鉄所を攻め落とし東南部の要衝マリウポリを制する一方、東部の一部では反攻を受け撤退していると伝えられており、4月初頭にはあった停戦交渉の兆しは霧消し、ウクライナ戦争は鬩ぎ合いが続いている。

先が読めない中、筆者は頭の体操としてイマジネーションを膨らませ、今後の帰趨についてプーチンにとっては悲劇的な、そしてバイデン達にとっては最も好ましいであろうという前提でのシナリオを以下の通り考えてみた。

●ロシアは、東部と南部をある程度確保すれば不十分ながら侵攻目的を達する。
●一方、米国バイデン政権と英国、およびジョージ・ソロス氏等左派勢力は、プーチンを失脚させ政権転覆を図りロシアを欧米型で再民主化させたい。
●そのために、クリミア奪回等、可能な限り開戦以前の状態を超えてロシアを撤退させる。これらを実現させるために、ウクライナ政府に武器供与を際限なく行った。
●ロシアの戦法、装備は時代遅れであり、欧米の与える対空ミサイルのスティンガーの他、対戦車ミサイルのジャベリン、ドローン、M777榴弾砲等の機動性の高いハイテク兵器の前に苦戦している。欧米の追加武器供与はロシアを更に追い込んで行った。
●米英の支援を受け、アゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフの完全奪取を狙うとか、アルメニア侵攻を行う動きもあった。
●面子の立たない所まで追い込まれて、プーチンは自ら示唆しているように戦術核の使用を行った。(さもなくば、足元が揺らぎそのまま政権転覆に到っただろう)
●プーチンが核の使用に踏み込んだ事で、NATO諸国の直接参戦の道を開いた。そして、欧州とロシアは核の戦場となった。
●戦争は戦術核の使用合戦に留まり、フルバージョンの第三次世界大戦とまでは成らず、米国本土は被害を受けず、英国も被害を免れた。
●核戦争を招いたプーチンは、ロシアの被害と制裁、財政難で国内が動揺してクーデターが起こり政権転覆に到った。西側に融和的な新政権が樹立し直ちに終戦交渉を開始した。
●ゼレンスキーは、国土を奪還した英雄として長期政権を約束された。欧州各国とロシアは荒廃し国力を落した。
●ロシアの欧米型再民主化が成就し、少なからぬバイデンのウクライナ、中国に関する疑惑は雲散霧消し、プーチンと親密だったトランプの評判は地に落ち、民主党が中間選挙を制しその勢いでバイデンの2期目の大統領選勝利の目も出て来た。
●ジョージ・ソロス氏は、宿敵ロシアの再民主化を果たし、次なる中国の民主化に思いを馳せる。

実際には長期戦となった場合、西側の経済制裁に対し、エネルギーと食糧輸出を武器として使い返り血を浴びす事の出来るロシアの体力は侮れないだろう。特に後半は、何やらバイデン達にとって酷く楽観的な流れになってしまったが、実際この位の軽さで考えている可能性はかなり高いのではないか。

そして、その軽さによる火遊びは、フルバージョンの第三次世界大戦や結果として中国の世界覇権への道に容易に繋がり得るだろう。

伝えられる戦争犯罪の実態、侵攻に到るロシア系住民保護等の言い分に、ロシア側に如何程の分があるのかは分からぬ。

しかし、これ以上の流血と破壊による悲劇を避けるためには、どこかで西側とプーチンの間で妥協点を見出す以外にはない。世界の想いはその実現に向かわねばならない。

<参考拙稿>「ウクライナ戦争の行方とその後の世界

ウクライナ戦争の3つの貌 戦争犯罪、侵略、世界秩序

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2月末にロシアの侵攻で始まったウクライナ戦争が、当初プーチンが勝利宣言をすると見られていた5月9日の第2次世界大戦の戦勝記念日を過ぎて現在も続いている。

4月初めには、トルコに仲介でゼレンスキーとプーチンの会談開催が近く見込まれ停戦の兆しも出てきた状況があり、筆者はそれを枕にして「ウクライナ戦争の行方とその後の世界」という拙稿を書いた。だがその直後に首都近郊のブチャでの虐殺が報道され停戦の兆しが消し飛び、その拙稿の出だしも間抜けな感じになってしまった。



さて、ウクライナ戦争の行方が見通せぬ中、圧倒的な世界的ロシア非難の中で元大阪府知事の橋下徹氏を含めロシアの立場へ理解を示す言説も少なからずあり、一部人格攻撃を伴い双方間の論争が方々で熱を帯びている。(なお、橋下氏の主張には中国の台湾侵攻時の中国擁護論の瀬踏みと言う不純さも感じられる)

それらの論争は混乱気味で、幾つかの論点整理が必要と思われる。筆者は、ウクライナ戦争を位置付けるには、\鐐菷蛤瓠↓⊃略戦争、世界秩序の3つの切り口でアプローチするのが妥当と考える。

◆戦争犯罪◆
先ず、戦争犯罪についてだが、停戦交渉を遅らせたブチャに於けるのを始めとした非戦闘員の民間人の虐殺は言語道断である。ロシアはウクライナ側のフェイクニュースだと主張したが、直後にそれを覆す衛星写真が出てロシアの犯罪はほぼ定説となった。

しかしその後、フランス憲兵隊法医学局の専門家チームとキエフの法医学捜査官チームが遺体を解剖したところ、ウクライナ側の使用したであろうクラスター爆弾の部品が発見された等の情報
も流れ、事実は藪の中の状況になっている感もあり、これを含め戦争犯罪全体について中立的な立場での更なる全容解明が求められる。


◆侵略戦争◆
当戦争は、文字通り侵略戦争そのものだろう。プーチンは複数の論文を含めた場でウクライナとロシアの歴史的一体性を謳っているが、そもそもこれらは三島由紀夫の「文化防衛論」と似て第三者を説得し得る様な理論化と普遍化に馴染むものではない。

また、プーチンは米英を中心とした西側による嘗てのウクライナ親露政権転覆工作への非難、東部ロシア系住民に対する弾圧に対する保護、ロシアに隣接する土地への積極的NATO軍配備への対抗等を謳っているが、その実態の測定と定性的評価には立場による違いがある。弾圧については嘗ての日中間の通州事件での居留民保護等も想起させるが、少なくとも現時点で広く認められているハードエビデンスでは当戦争の侵略性を相当に相殺するには至っていない。

なお、よく前述の戦争犯罪について、「百歩譲って戦争犯罪が西側の工作だったとしてもロシアが侵攻していなかったら虐殺は起こらなかった事なので、それを問う意味は無い」という言説はヤフコメの定番であるのみならず国際政治の専門家にも少なからず見受けられる。その気持ちは分かるし地続きであるのは確かであるが、一応は別の事象と捉えて事実関係の確定が急務であろう。

◆世界秩序◆
最後に世界秩序の観点から、今後の世界秩序のグランドデザインをどう描くかと言う問題がある。

中国は、世界覇権への経済力を基盤とした能力と意図(少なくとも習近平氏が率いる間は)とを持っていると見るのが妥当だろう。そして、筆者は民主化への道が閉ざされ言論の自由が激しく抑圧され、また唯物論を国是として道徳を担保する基盤を電脳監視社会化が代替する共産中国が世界覇権を握る事は人類にとって最大の不幸、災厄だと考える。

「西側 vs 中露 + その他」の構図では、中国の世界覇権は成就されてしまう可能性が高く、それを防ぐには「西側 + ロシア + その他 vs 中国」の構図に持ち込む事は戦略的必然と思われる。今歴史は前者に向け驀進中だが、どこかでブレーキを踏み中露疑似同盟に楔を入れ後者に向ける必要がある。

バイデンや、ジョージ・ソロス氏を含めたネオコンは、プーチンを屠った後に中国を民主化させると言うような構想を描いているようである。バイデンはその場の辻褄合わせで発言しているだけだろうが、そんな甘い戦略が成り立つ訳もなく、ネオコンが本気で考えているなら理解に苦しむ。イラク戦争の失敗を失敗と見ていないのだろうか? 

あるいはジョージ・ソロス氏等の左派は、ネオコンそのものとは距離があり、民主化云々よりも教祖カール・ホパーの主著「開かれた社会とその敵」のエッセンスよろしく「非民主化唯物論社会」の方を「宗教の抹香臭さが残る社会」より上位に置いているのかも知れない。

何れにしても、この辺りは世界観が問われる問題でもある。

筆者は、仮に秩序Aと秩序Bのどちらかを選ばねばならぬ場合には、下記不等式が成り立つ時に正義の観点からは秩序Aに軍配が上がると考える。

 「秩序Aの齎す社会の幸福総量 > 秩序Bの齎すそれ ± 移行に伴う流血と破壊の総量差

世界秩序に於いてもまた然り。筆者は「西側 + ロシア + その他 vs 中国」の構図で中国の世界覇権の野望の牙を抜歯する事が在るべき次の世界秩序の姿だと考える立場である。だがウクライナ戦争でのロシアの戦争犯罪や流血と破壊の総量等によっては、再考も有り得る。

ウクライナ戦争と世界の方向性については、微力ながら広く情報に当たりつつ今後も考察と発信を続けたい。

ウクライナ戦争の行方とその後の世界 バイデンが台湾を売り飛ばす日

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ゼレンスキーとプーチンの会談開催が近く見込まれ、ウクライナ戦争に漸く停戦の兆しが出てきた。

筆者は予てから、そもそも妥協策によって開戦は避けられたと考える立場であり、一日も早い停戦成立を願って止まない。

<参考拙稿>「緊迫のウクライナ情勢:各国は妥協策を探れ



しかし、ウクライナ、ロシア両国間で停戦条件の擦り合わせは続いており、またここに来てロシア軍による民間人虐殺報道等も出ており予断を許さない。

ここで、この戦争の主要プレイヤーのスタンスと思惑を筆者なりに推測すると概ね下記の通りである。

◆プーチン: 大ロシア帝国への野望はあるが、現下の国力と照らしNATOへの危機感と嘗ての覇権国家としての矜持とロシア系住民保護の観点から、ウクライナの中立化、クリミアの確保、東南部の独立承認等を目指す。

◆ゼレンスキー: 大統領選当選前後ではロシアとも対話するスタンスであったが、政権維持とアゾフ連隊等政権内部からの圧力による家族の生命も含めた危機回避のため、対露強硬路線を取っている。また非ロシア系ウクライナ国民にとっては、領土割譲等は受け入れ難い。

◆アゾフ連隊: ウクライナ軍に正式に組み入れられた過激武装集団。歴史的にモンゴルの血が入ったロシア人を非白人と見て、ウクライナからの駆逐を目指す。

◆バイデン: 今秋の中間選挙を視野に、アフガン撤退不首尾の失地回復、トランプの盟友であるプーチンの悪魔化、息子ハンター・バイデン氏を通したウクライナ収賄疑惑の矮小化等のために戦争の長期化を望む。

◆英国: 米国と平仄を合わせ、EUとロシアを対立させ両者の弱体化を狙う。

◆軍産複合体: 対空スティンガーミサイルや対戦車ジャベリンミサイルを含めた兵器ビジネスの利益最大化のため、戦闘の長期化を望む。なお米軍部は死傷者が出る直接参戦より現状の兵器供給、訓練、作戦支援に留めたい。

◆ウォール街・ビジネス界: 金融相場が荒れる事と、軍需、シェールガス輸出、復興需要等で利益機会を狙う。

◆ネオコン: 民主化を至上価値とし、手段は問わない傾向がある。

◆習近平: 漁夫の利を狙う。戦闘長期化ならロシアへの経済制裁により、資源輸入先としてもロシアのジュニアパートナー化を高められる。また停戦調停仲介等に関与すれば中国の国際的地位を高められ、どちらに転んでも利益になる。一部に習近平がロシアのウクライナ侵攻に「頭を抱えている」という類いの言説があったが、「腹を抱えている」の間違いだと筆者は考える。


上記のように、当事者のプーチンとゼレンスキー以外は、戦闘の長期化を望んでいるか、少なくとも短期の停戦合意を強くは望んではいないと筆者には思える。

プーチンが化学兵器や核兵器を使う可能性は、戦局が極端に悪化しない限り現状では高くないと見られる。プーチンがウクライナ側のせいにしてこれらを使うか、あるいは逆にウクライナ側がプーチンのせいにして使う事も第三次世界大戦を招きかねないため、今のところは合理性が見出せない。

だが、アゾフ連隊、ネオコンには、目的のためには手段を択ばない傾向があり懸念される。また、バイデンも自身の疑惑がいよいよ煮詰まったとき、むしろ第三次世界大戦の際まで行く事を望みプーチンを挑発し続ける事も考えられ注視が必要だ。

なお、中国が停戦調停仲介等で国際的地位を高めた場合は、米中対立に腰が引けているバイデン政権と巨大なマーケットを手放したくないウォール街・ビジネス界とそれらを取り巻くマスメディアは、台湾を習近平に売り飛ばす口実を得る。

曰く「国際秩序に貢献を果たし大きな責任を担う中国による台湾併合は、恣意的動機により他国を攻めたロシアのウクライナ侵攻とは質的に異なる」云々の妄言を弄し兼ねない。昨今中国はそのための理論作り、言論工作を日本を含めた各国でやり始めている気配も筆者には感じられる。

何れにしても、中国の関与を最小限にして早期にウクライナ戦争を収束させ、中露疑似同盟に楔を打ち込み、ロシアを寝返らせての「拡大中国包囲網」の構築無くしては中国の世界覇権を抑える事は不可能と思われる。

ロシアは「何ちゃって民主主義」で言論の自由も制限されているが、中国ではそもそもこれらは皆無に等しい上に、唯物論国家のため道徳が担保される縁がない。もし共産中国による世界覇権が確立された際には、ウイグルから漏れ出た証言に照らせば他民族に対する人権侵害は想像を絶するものになるだろう。

地獄への道は、単なる善意というよりも偽善と強欲と無明で舗装されている。

「NATO拡大の20年凍結」等ではダメか? 各国は妥協策を探れ

20220212-OYT1I50130-1

米政府が在ウクライナ米大使館の米国人職員のうち急ぎの任務がない者に国外退避命令を出す等、ロシアによるウクライナ侵攻の懸念が高まり事態は風雲急を告げており、今週が山場と言われている。

ロシア軍は10万人規模の部隊を西部国境に集結させる中、ウクライナ北方のベラルーシでも3万人規模を投入して合同軍事演習を開始している。

バイデンとプーチンは12日、電話会談し、ウクライナ情勢を協議した。

ホワイトハウスによると、バイデンはロシアが軍事侵攻した場合、「米国は同盟国と共に断固として対応し、迅速で厳しい代償を負わせる」と、米欧による経済制裁の発動予告で牽制し警告をした。

両首脳は米露間の対話継続で一致したものの、バイデンはNATOの東方不拡大の確約を書面で求めているプーチンの要求を再び拒否したものと見られ両者の溝は埋まらなかった。

プーチンにとっては制裁は織り込み済みであり、本気で侵攻を考えているのなら、これで踏み止まる事はないだろう。

筆者には、米国、英国に紛争の勃発を煽っている一定勢力が居る疑念が拭えない。

ロシアと敵対すれば、欧州への天然ガスの供給を阻止し、EUが強大化するのを防ぐ事が出来る。また地域紛争に留まれば軍事産業は輸出で利益を得るだろう。

だが、世界にとっての真の脅威は中国である。しかしながら中国と正面から敵対すれば第一に巨大なマーケットを失う事になるので、損得勘定からそれは行わない。また米中が直接戦えば第三次世界大戦に繋がりかねず、核兵器が開発された先の大戦以降は流石にその選択肢は避ける。それだからこそのロシア敵視でもあり、これは真に巨大な敵から皆の目を逸らさせる効果もあるだろう。

<参考拙稿>「日本はロシア-NATO間を仲介し、ウクライナ台湾同時侵攻を防げ


民族問題が絡むものの、筆者は領土紛争、勢力圏争いは大変乱暴に言えば日本の江戸時代以前の土地争い水争いと本質的には変わらないと考える。即ち、そこには妥協の余地は有るだろうという事だ。

例えば「NATO東方拡大の20年間凍結」等で、NATOとロシアは妥協出来ぬものなのか?

米英を除けば、NATO側には飲める案と思われる。プーチンもメンツが立てば、「一時停戦」には乗る余地はあるのではないか。

ロシアのウクライナ侵攻、それに続く中国の台湾侵攻が起これば、西側のリソースは二正面に裂かれ、かつ中露疑似同盟により背後の憂いが除かれる事により、中国が世界覇権を握るシナリオも現実のものとなって来よう。

世界は今、自らの運命を決する歴史の岐路に立つ。各国リーダーには、地球規模の大局観と500年単位の歴史観が求められよう。

日本はロシア-NATO間を仲介し、ウクライナ台湾同時侵攻を防げ

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昨年12月30日、バイデンはプーチンと電話会談し、ウクライナ危機について話し合った。


プーチンは、NATOがウクライナを加盟させ中距離ミサイルを配備する事を国防上も威信上も何としても防ぎたい。そのためにウクライナ国境に兵力10万を展開している。

会談は継続協議となったものの、戦略的には正しいアフガン撤退で、大言壮語しつつ戦術的に最大の失態を演じた記憶も新しい素人集団のバイデン政権が、ボタンの掛け違いをする事も考えられる。

ロシアにはもう世界覇権を握れる力はないし、欧州はドイツを筆頭にエネルギー供給をロシアの天然ガスに頼っているにも関わらず、NATOがロシアを最大敵視し拡大を目指すのは奇妙な事である。

しかしながらそれを続けているのは、米国を中心に米ソ冷戦思考が抜け切れず、また軍産学複合体の中に米ソ冷戦の構図で喰っているプレイヤーが未だに生き延びているためである。取り分け冷戦頭が残っているバイデンは、その象徴である。

漸く、西側にとってまた世界にとっての最大の脅威はロシアではなく中国であるという厳然たる事実が浸透しつつあるが、まだ麻薬が抜け切れていない中毒患者のように、しばしばフラッシュバックを起こしている。

大悪魔と中悪魔を取り違え、中悪魔を大悪魔側に追いやり、挙句の果てに成立した大中悪魔同盟に怯えている構図は、外交軍事戦略上後世の笑いものになるレベルの愚かな事である。

<参考>「インド・ロシア太平洋戦略」:対中国覇権枠組拡大の必要性


さて太平洋側では、中国の習近平が2月の北京オリンピック後に台湾侵攻を行う事が警戒されており、ロシアと連携し、台湾・ウクライナ同時侵攻となる可能性も懸念されている。

習近平が毛沢東、小平と肩を並べ歴史に名を残すためには、台湾侵攻、中国統一を成し遂げ国内求心力を高める事はほぼ必須条件であり、この危険な賭けに出る事は十分に考えられる。

そしてその時期は、北京オリンピック終了後から、習近平が総書記3期目続投に加え絶対的権力基盤を固める事が掛かる今年秋の共産党大会、そして事勿れ主義で本質的に親中のバイデン政権が議会多数を失う趨勢の11月の米中間選挙までの間が1つのチャンスだろう。

あるいは、プーチンにウクライナ侵攻を挙行させ西側の戦力と関心をロシアに引き付けつつ、台湾やアジア諸国、尖閣、沖縄への静かなる侵攻を倍速強化させ国際情勢を見極め次なるチャンスを狙うのかも知れない。

何れにしても、中露の実質同盟に楔を入れロシアを「インド太平洋戦略」に組み込まなければ、習近平の世界覇権の野望を成就され世界はウイグル化する可能性が高い。

日本は、中国にプライベートでも急所を握られている腰抜けバイデンの精一杯の打ち手である外交的ボイコットにも、漸く玉虫色ボイコットで追従しお茶を濁している有様だ。

だが、NATOとロシアを仲介出来るのは日本以外にはない。

道化役に終わる事を恐れる必要はない。たとえ成就せずとも、事後にも西側にパイプを持ちたいプーチンと、ロシアとの経済関係、エネルギー供給を念頭に米国のロシア敵視に半身の構えの欧州諸国に恩を売れるだろう。

その役には、習近平の戦略を絶対的に邪魔しない林外相等は論外で、岸田首相もよく見れば吉田松陰みたいな骨格をしているものの、クラゲの様に左右を漂い権力維持を図っている中では少なくとも表立っては動けない。

であれば、岸防衛相、あるいはプーチンと個人的に話が可能な森元首相、安倍元首相、場合によってはその波状攻撃で多角的にロシアと接触させ、ダメ元でNATO-ロシア間仲介を行うのは1つの選択である。

習近平の世界覇権の野望を果たさせぬよう、「国際的大義を伴う長期的国益の追及」を外交理念に掲げ日本は打てる手は全て打つべきである。
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佐藤鴻全

佐藤総研代表、会社員、文筆家、196X年生、東京近郊在住
座右の銘: 四海大義
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