さて、私のブログであまり触れることの無いジャンルのひとつに、
「ミッション」があることにお気づきでしょうか?
理由は一つに、「めんどくさい」(笑)
だってそうそう腰下開けたくはないですよね~
そして一つに、「さほどスピードを求めていない」(笑)
もちろん、ストレスが溜まるほど遅いのは勘弁ですが、
ボアアップしてあればそこそこは走りますからね。
あとは不満な箇所をスプロケセッティング、キャブ、カム、排気量、
絶妙のスロットルワークと根性でカバーするといった程度です(笑)
ただ、純正の横型エンジンで設定されているミッションのうち、
三速、四速、五速、それぞれ使った経験から、私なりの持論は持っています。
※オートマはfunnyさんちで試乗、二速は乗ったこと無し。
私の結論としては、
「街乗りで五速はいらない(デリケート過ぎ)」
「遠心でのイージーライディングには三速で十分」
「一番気遣わず扱いやすいのは、6Vベースの純正四速クロスミッション」
というのがあります。
もちろんツーリングライダーの私の場合であって、
レースに出る人、
まったくエンジンをいじらない人、
高価なカスタムパーツが好きな人(笑)、
それぞれで変わってくると思いますが。
そして、今の私のエンジンは
「普通のアメリカンダックス4速」です(笑)
どうしても三四速のつながりではだれますが、予備エンジンに
6Vベース+三四速は12Vの純正ちょいクロスが組んであるので
いざとなればそいつを引っ張り出せばいいや、と言うところです。
とはいえ、ミッションに関して私の心にはひとつ引っかかったままのことがありました。
それは、最初に乗っていたエンジンで組んでいた
早矢仕5速(要はSS50五速)がギア欠けしたままお蔵入りしているということです。
そして、数年前にジャンクで手に入れた社外五速が
同じく手を入れないままお蔵入りしているということも。
ということで、この両者をドッキングして
使用可能な五速クロスミッションが作れないか、と思い立った訳です。
しかし、なにぶん昔のことで記憶も薄れかけています。
まずは今回の素材を見て行きましょう。
【それぞれのミッションの概略】
↓左が不明社外五速です。
右がキックギア含めたSS50五速です。
↓当初私のエンジンに入っていたSS50五速。
センター留めスプロケが特徴的ですね~
三本のシフトフォークが五速を主張しています。
↓二度のギア欠けを起こしています。
一度目は知り合いに貸したら
キックギアと一速ギアを噛みこませて両方とも欠けさせてくれました。
当時は国内在庫あと数枚でしたがギアが出たので何とか直しました。
二度目は弟が一緒に走っててエンストした際に欠けさせてくれました。
キックは無事でしたが今度は一速でした。
もうこの時にはギアは欠品で手に入りませんでした。
それ以来お蔵入りです。
その時以来、私は基本的に人に自分のマシンは貸しません。
SS50五速の特徴として、
一速が3.00とローギアードすぎてすぐ吹けきってしまうこと、
四速と五速が離れていて五速でだれやすいことがあります。
やはりSS50のミッションは50ccの車格と
ハイカム、42°進角フラホの高回転型のエンジン特性に合わせたギア比なのでしょう。
貴重なものでしょうが、モンキーで使うには少々癖があり、
そこまで有り難がるほどのものとは私には思えません。
ただ、一速はギア欠けしていますが、
他の歯の当たり具合はさほど問題が無いように見えます。
※超音波やカラーチェックによる探傷まではしていませんが。
続いて、社外五速クロスミッションです。
メーカー不明、ギア欠け、欠品ありです。
タケガワ二本リング新品52パイピストン(現在使用)その他ガラクタ部品と一緒に
8,000円くらいで入手した記憶です。
↓どこのか不明な社外五速クロスミッション。
シフトドラムがアルミ製です。
三枚目(三速)のカウンターギアが欠けているのと、
進行方向一番右側のギア(二速)がメイン、カウンターとも欠品でした。
(※6V四速用と思われる適当なギアが入っていた)
スプロケ固定はセンター留めでない、「普通の」留め方です。
↓三枚目(三速)カウンターギアが二丁欠けています。
他にもギアの歯面に結構当たり傷が多く、乗りこまれている様子です。
これらを比較すると、それぞれ損傷および欠品している箇所が
うまいことに違っていることが分かります。
それぞれの生きている箇所をうまく組み合わせれば
復活の可能性は十分ありますね!
ただし、欠けたギアは相方、つながりのあるギア含め
損傷があるはずで、レースに出るような方なら
廃棄処分するところかもしれませんが・・・
【組み換え可能か検証】
さて、ここまでで、うまくすればそれぞれの損傷・欠品箇所を補い合って
一式は生きた五速ミッションができるかもしれないことが分かりました。
しかし、それにはいくつかクリアすべきポイントが存在すると思われます。
順次検証していきましょう。
まずは、シフトプレートが全く同じかどうかです。
これが違うと、シフトドラムとセットでシフトフォークの動きが変わることで、
ギアの移動量=厚みが変わり入れ替え不能の可能性があります。
↓左が不明社外クロス。右がSS50。
大丈夫ですね!同じもののようです。
次に、各ギアの厚み、シャフトのクリップ位置から、
ギアの動きが同じか、収まる場所は本当に同じか検証します。
↓カウンターシャフト比較。
左が社外クロス。右がSS50。
スプロケ固定方法の違いはありますが、
クリップ用の溝位置は同じです。
ということは、ギアの動きは同じのようです。
↓メインシャフト比較。
左が社外クロス、右がSS50。
シャフトの全長が違います。
社外クロスの方が長いです。
しかし、クリップ用の溝位置は同じですから、
二次クラッチ等対応できるような設計なのかもしれません。
右カバーがうまく閉まるか?ですが、ダメなら組む時に考えましょう(笑)
↓各ギアの配列をカウンター側から目視で比較します。
いずれも左が社外品、右がSS50です。
ほぼ同じ配列のようですし、ギアの厚みにも差は無いように見えます。
上から二枚目のギア(カウンター五速)に関しては、若干仕上げが違います。
SS50は三速ギアとのドッグ部に鋳肌が残っており、最低限の仕上げと言った感じです。
↓左が社外品、右がSS50のカウンター五速ギア。
仕上げの違いはありますが出っ張りの形状や位置は同じです。
↓左の社外品は五枚目(一番下、2速)の形状が違います。
本来ここに収まるべき物ではなさげです。
↓概略の検証が終わったので全バラして並べてみました。
さらに各ギアの歯数、厚み、径をチェックします。
特に、一速の径と歯数がイケるかどうかはポイントです。
ここまでで、ベースはSS50にして、
欠けた一速カウンターギアとメインシャフトをセットで交換し、
社外クロスの一速を入れるつもりですから。
ちなみに、歯数比から、左側から(写真では上から)順に、
1-5-3-4-2速であることが分かりました。
ここらへんは3速や4速ミッションと違い、単純でなく錯綜しています。
↓SS50のキックギア(23丁)を社外クロスの一速カウンターギアにあてがうの図。
SS50は36、社外クロスは35でしたが、
外径が一緒でギアの歯の大きさも差がありませんから
キックギアはSS50のが使えそうです。
まぁ、Aキックは常時噛みあいではありませんし、
クランキングでは多くてもキックギア側で1/2周くらいしか接触しないので大丈夫でしょう。
↓社外品のカウンター5-3速の厚み。
↓SS50のカウンター5-3速の厚み。
ほぼ変わりません。
↓社外品のメイン側3-4速の厚み。
↓SS50のメイン側3-4速の厚み。
両者に差はありません。
イケそうですね~
↓その他、社外品では三速のメインシャフトに
若干のかじりが見られたのでペーパーで均しておきました。
カウンターギア欠け時のダメージが多少はあるようです。
左がbeforeで右側がafterです。
良く分からないと思います(笑)
ということで、各部の採寸、コンディションから
それぞれのミッションの検証結果をまとめました。
↓社外クロスミッションの検証結果。
蛍光ペンで塗った箇所が、使おうと思っている箇所です。
↓SS50ミッションの検証結果。
↓新作ミッション。
4-5速はどうしようもないですが1-2速のつながりが大幅改善です!
ということで、組み換えを行いました!
途中の様子は想像してください(笑)
おそらくきちんと作動すると思われますが、
出番はいつになるかは分かりません(笑)
↓混成五速クロス。
おそらく一二速が近くなり発進がしやすくなったと思われます。
↓余りモノ五速クロス。
欠品と欠けたギアさえ何とかすれば使えなくは無い・・・かな?
ミッション組み換えは純正クロスを作った時にやって以来です。
やりだせば面白い作業なのですがそこに至るまでが性格的に・・・・・
ま、いずれ使ってやるとしますか!
とりあえず積年の気がかりもすっきりしたし、
良しとしましょう(笑)
最後におまけ。
左が私も現在使用しているアメリカンダックスの4速ミッションで、
右がSS50の5速です。
ギアの歯の厚みが全然違うことがよく分かります・・・
こりゃ、丈夫さに差ができますよね!
以上、たまにはミッション編でした(笑)
「ミッション」があることにお気づきでしょうか?
理由は一つに、「めんどくさい」(笑)
だってそうそう腰下開けたくはないですよね~
そして一つに、「さほどスピードを求めていない」(笑)
もちろん、ストレスが溜まるほど遅いのは勘弁ですが、
ボアアップしてあればそこそこは走りますからね。
あとは不満な箇所をスプロケセッティング、キャブ、カム、排気量、
絶妙のスロットルワークと根性でカバーするといった程度です(笑)
ただ、純正の横型エンジンで設定されているミッションのうち、
三速、四速、五速、それぞれ使った経験から、私なりの持論は持っています。
※オートマはfunnyさんちで試乗、二速は乗ったこと無し。
私の結論としては、
「街乗りで五速はいらない(デリケート過ぎ)」
「遠心でのイージーライディングには三速で十分」
「一番気遣わず扱いやすいのは、6Vベースの純正四速クロスミッション」
というのがあります。
もちろんツーリングライダーの私の場合であって、
レースに出る人、
まったくエンジンをいじらない人、
高価なカスタムパーツが好きな人(笑)、
それぞれで変わってくると思いますが。
そして、今の私のエンジンは
「普通のアメリカンダックス4速」です(笑)
どうしても三四速のつながりではだれますが、予備エンジンに
6Vベース+三四速は12Vの純正ちょいクロスが組んであるので
いざとなればそいつを引っ張り出せばいいや、と言うところです。
とはいえ、ミッションに関して私の心にはひとつ引っかかったままのことがありました。
それは、最初に乗っていたエンジンで組んでいた
早矢仕5速(要はSS50五速)がギア欠けしたままお蔵入りしているということです。
そして、数年前にジャンクで手に入れた社外五速が
同じく手を入れないままお蔵入りしているということも。
ということで、この両者をドッキングして
使用可能な五速クロスミッションが作れないか、と思い立った訳です。
しかし、なにぶん昔のことで記憶も薄れかけています。
まずは今回の素材を見て行きましょう。
【それぞれのミッションの概略】
↓左が不明社外五速です。
右がキックギア含めたSS50五速です。
↓当初私のエンジンに入っていたSS50五速。
センター留めスプロケが特徴的ですね~
三本のシフトフォークが五速を主張しています。
↓二度のギア欠けを起こしています。
一度目は知り合いに貸したら
キックギアと一速ギアを噛みこませて両方とも欠けさせてくれました。
当時は国内在庫あと数枚でしたがギアが出たので何とか直しました。
二度目は弟が一緒に走っててエンストした際に欠けさせてくれました。
キックは無事でしたが今度は一速でした。
もうこの時にはギアは欠品で手に入りませんでした。
それ以来お蔵入りです。
その時以来、私は基本的に人に自分のマシンは貸しません。
SS50五速の特徴として、
一速が3.00とローギアードすぎてすぐ吹けきってしまうこと、
四速と五速が離れていて五速でだれやすいことがあります。
やはりSS50のミッションは50ccの車格と
ハイカム、42°進角フラホの高回転型のエンジン特性に合わせたギア比なのでしょう。
貴重なものでしょうが、モンキーで使うには少々癖があり、
そこまで有り難がるほどのものとは私には思えません。
ただ、一速はギア欠けしていますが、
他の歯の当たり具合はさほど問題が無いように見えます。
※超音波やカラーチェックによる探傷まではしていませんが。
続いて、社外五速クロスミッションです。
メーカー不明、ギア欠け、欠品ありです。
タケガワ二本リング新品52パイピストン(現在使用)その他ガラクタ部品と一緒に
8,000円くらいで入手した記憶です。
↓どこのか不明な社外五速クロスミッション。
シフトドラムがアルミ製です。
三枚目(三速)のカウンターギアが欠けているのと、
進行方向一番右側のギア(二速)がメイン、カウンターとも欠品でした。
(※6V四速用と思われる適当なギアが入っていた)
スプロケ固定はセンター留めでない、「普通の」留め方です。
↓三枚目(三速)カウンターギアが二丁欠けています。
他にもギアの歯面に結構当たり傷が多く、乗りこまれている様子です。
これらを比較すると、それぞれ損傷および欠品している箇所が
うまいことに違っていることが分かります。
それぞれの生きている箇所をうまく組み合わせれば
復活の可能性は十分ありますね!
ただし、欠けたギアは相方、つながりのあるギア含め
損傷があるはずで、レースに出るような方なら
廃棄処分するところかもしれませんが・・・
【組み換え可能か検証】
さて、ここまでで、うまくすればそれぞれの損傷・欠品箇所を補い合って
一式は生きた五速ミッションができるかもしれないことが分かりました。
しかし、それにはいくつかクリアすべきポイントが存在すると思われます。
順次検証していきましょう。
まずは、シフトプレートが全く同じかどうかです。
これが違うと、シフトドラムとセットでシフトフォークの動きが変わることで、
ギアの移動量=厚みが変わり入れ替え不能の可能性があります。
↓左が不明社外クロス。右がSS50。
大丈夫ですね!同じもののようです。
次に、各ギアの厚み、シャフトのクリップ位置から、
ギアの動きが同じか、収まる場所は本当に同じか検証します。
↓カウンターシャフト比較。
左が社外クロス。右がSS50。
スプロケ固定方法の違いはありますが、
クリップ用の溝位置は同じです。
ということは、ギアの動きは同じのようです。
↓メインシャフト比較。
左が社外クロス、右がSS50。
シャフトの全長が違います。
社外クロスの方が長いです。
しかし、クリップ用の溝位置は同じですから、
二次クラッチ等対応できるような設計なのかもしれません。
右カバーがうまく閉まるか?ですが、ダメなら組む時に考えましょう(笑)
↓各ギアの配列をカウンター側から目視で比較します。
いずれも左が社外品、右がSS50です。
ほぼ同じ配列のようですし、ギアの厚みにも差は無いように見えます。
上から二枚目のギア(カウンター五速)に関しては、若干仕上げが違います。
SS50は三速ギアとのドッグ部に鋳肌が残っており、最低限の仕上げと言った感じです。
↓左が社外品、右がSS50のカウンター五速ギア。
仕上げの違いはありますが出っ張りの形状や位置は同じです。
↓左の社外品は五枚目(一番下、2速)の形状が違います。
本来ここに収まるべき物ではなさげです。
↓概略の検証が終わったので全バラして並べてみました。
さらに各ギアの歯数、厚み、径をチェックします。
特に、一速の径と歯数がイケるかどうかはポイントです。
ここまでで、ベースはSS50にして、
欠けた一速カウンターギアとメインシャフトをセットで交換し、
社外クロスの一速を入れるつもりですから。
ちなみに、歯数比から、左側から(写真では上から)順に、
1-5-3-4-2速であることが分かりました。
ここらへんは3速や4速ミッションと違い、単純でなく錯綜しています。
↓SS50のキックギア(23丁)を社外クロスの一速カウンターギアにあてがうの図。
SS50は36、社外クロスは35でしたが、
外径が一緒でギアの歯の大きさも差がありませんから
キックギアはSS50のが使えそうです。
まぁ、Aキックは常時噛みあいではありませんし、
クランキングでは多くてもキックギア側で1/2周くらいしか接触しないので大丈夫でしょう。
↓社外品のカウンター5-3速の厚み。
↓SS50のカウンター5-3速の厚み。
ほぼ変わりません。
↓社外品のメイン側3-4速の厚み。
↓SS50のメイン側3-4速の厚み。
両者に差はありません。
イケそうですね~
↓その他、社外品では三速のメインシャフトに
若干のかじりが見られたのでペーパーで均しておきました。
カウンターギア欠け時のダメージが多少はあるようです。
左がbeforeで右側がafterです。
良く分からないと思います(笑)
ということで、各部の採寸、コンディションから
それぞれのミッションの検証結果をまとめました。
↓社外クロスミッションの検証結果。
蛍光ペンで塗った箇所が、使おうと思っている箇所です。
↓SS50ミッションの検証結果。
↓新作ミッション。
4-5速はどうしようもないですが1-2速のつながりが大幅改善です!
ということで、組み換えを行いました!
途中の様子は想像してください(笑)
おそらくきちんと作動すると思われますが、
出番はいつになるかは分かりません(笑)
↓混成五速クロス。
おそらく一二速が近くなり発進がしやすくなったと思われます。
↓余りモノ五速クロス。
欠品と欠けたギアさえ何とかすれば使えなくは無い・・・かな?
ミッション組み換えは純正クロスを作った時にやって以来です。
やりだせば面白い作業なのですがそこに至るまでが性格的に・・・・・
ま、いずれ使ってやるとしますか!
とりあえず積年の気がかりもすっきりしたし、
良しとしましょう(笑)
最後におまけ。
左が私も現在使用しているアメリカンダックスの4速ミッションで、
右がSS50の5速です。
ギアの歯の厚みが全然違うことがよく分かります・・・
こりゃ、丈夫さに差ができますよね!
以上、たまにはミッション編でした(笑)