ジャンルトップ戦略の根本にある「想い」
この週末、色々と考えさせられたケースと言うのは、コニカミノルタグループのケースです。このグループは、皆さんご存じだと思いますが、2003年にコニカとミノルタが統合して出来た企業です。複写機などの情報機器を中核事業とし、コニカとミノルタが有していた様々な要素技術、応用技術、製造技術を活かしてビジネスを展開しています。最近では、有機EL照明や有機薄膜太陽電池と言ったビジネスまで手掛け、安定した成長を続けるためにしっかりとしたビジネス基盤を作っているように思います。この企業が戦略の軸に置いている考え方があり、それを「ジャンルトップ戦略」と呼んでいます。手がけるビジネスはそのジャンルでトップになる、つまりはトップにならなければ生きていけない、そう言うある種の「凄み」さえ感じるような強い意志の表れだと私は理解しています。この「凄み」ですが、どこから出てきているかと言うと、恐らくこの企業が体験した大きな「痛み」にあるのだと思います。それは、旧コニカ、旧ミノルタ両社の創業事業であるカメラ・フィルム事業を捨てたと言う痛みです。
コニカミノルタは、前社長の太田氏の言葉を借りると、「全ての事業が成長する薔薇色の計画」を2003年に策定します。その結果、両社の創業事業を元に作られたフォトイメージング事業は、毎年70-90億円の赤字を垂れ流す事になってしまいます。そこで、2006年に同社はフォトイメージング事業から撤退する事を決め、この事業をソニーに売却します。(ミノルタのα7000を愛用していた私にとっては、結構ショックでした。)後から、更に外から見れば、赤字事業から撤退して再成長軌道に乗せたと言う話に見えますが、実際にはとても辛い、苦しい決断ですよね。過去の諸先輩が作ってきた事業、これまでは会社を支えてきてくれた事業から撤退する決断は、とても容易ではありません。この痛み、苦しみを伴に経験したからこそ、有機ELもパネルではなくGEと組んで照明を、モノクロの競争が厳しくてもカラー複写機を「選択」して投資し、そのジャンルでトップになって行くための戦略が描けているのだと思います。
「捨てる勇気」を持てるか?
コニカミノルタがフォトイメージング事業を売却した2006年3月期は、経常利益ベースでは768億円の黒字でした。もしかしたら、この事業を継続していても何とかなっていたかもしれません。しかし、最終損益を543億円の赤字決算にしてリストラを断行したわけです。ものすごい「勇気」だと思います。皆さんは、どう思われますか?
このような「捨てる勇気」は、レベルや規模の違いはあるにせよ、個人でも、一企業の組織でも、会社でも必要に応じて持たなければいけないのだと思います。個人レベルでも、何か新しい事をやりたいと思うと、何かを捨てないとやれない事がありますよね。会社の中の一組織でも、何か新たな業務を行おうとすると、これまでやって来た事を止めなければ出来ない場合もあります。(例えば、これまで以上に既存のお客様へのグリップを強めたいと思うと、新規開拓の一部を諦めるとか。ただ、工夫次第では両立させることが出来る場合もありますが。)人は、現在と言う軸で切ってみると時間も能力も限りがあります。そこで、何か新しい試みをする際に、許容量を考えて最善の策を採らないと全てが中途半端になって何も上手くいかなくなってしまうかもしれません。だから、「捨てる勇気」も必要になってくるのだと思います。そう考えると、自分はそう出来ているか、考えてしまいますよね。
「選択と集中」は生易しいものではない
昨今、多くの企業の中期経営戦略などで「選択と集中」と言う言葉が躍っています。しかし、本当にこれが実行できているでしょうか?集中するために、何を捨てているでしょうか?簡単にはできませんよね。しかし、環境変化の激しい現在では、「勇気を持って」何かを捨て、注力すべき事に必要な経営資源を投下しないとビジネスが上手くいかないのだと思います。(そうやっても、上手くいかない事も多いですから。)皆さんも、個人レベル、組織レベル、会社レベルでどうあるべきか、現在どうなっているか、ちょっと立ち止まって考えてみては如何でしょう?
こんな事を考えていると、現在の日本の政治家の方々にも、こう言う事を考えてもらいたいですよね。玉虫色、薔薇色の政策では、上手くいかない。現在の日本を立て直すためには、国家としても勇気を持った「選択と集中」が必要なのだと、個人的には思います。しかし、井の中の蛙が権力闘争(と表現するには、あまりにも稚拙ですが)に明け暮れているようでは、日本の未来はどうなることやら・・・税金を納めている一国民としては、勘弁してもらいたいところです。
ですね。
しかし、演奏している時も、ドライブしている時も福島先生のお顔はとても嬉しそうでした。きっと、この趣味に打ち込んでいる時には、そのことしか考えていない、見えていないのだと思います。その時間が、恐らく先生の完全な気分転換、頭を白くする時間なのだと思います。こういう時間を持つ力があるから、また次の事に取り組むときには集中力を高めることが出来るのではないでしょうか?こういう、頭を白くして気持ちを切り替える力も持っていないと、これだけ頑張り続けることは出来ないのだろうと、私個人としては思います。