井上浩二のブログ:現在(いま)を考える

株式会社ケーティーコンサルティング株式会社シンスター の代表取締役井上浩二が、ビジネスに関して日々考えていることを発信。

株式会社シンスターでは、人材育成に関するコラムを発信しています。是非こちらもご覧ください。

2010年11月

異文化と交わっていますか?

先日、私が経営しているKTコンサルティングの16周年、シンスターの2周年記念ボジョレーを愉しむ親睦会を行いました。当社は9月末決算なので、決算報告が11月になります。ちょうどボジョレーの解禁月に当たるので、フランスから樽で取り寄せたボジョレーをお客様や懇親のある方と楽しもうと言う会を1999年から継続して行っています。(足を運んで下さった皆様、本当に有難うございました。)「継続は力」何て言いますけど、本当に続ける事は大事ですね。中には、「ボジョレーは、必ずKTで飲む」と決めて、毎年いらして頂いている方もいらっしゃいます。その様な以前からお付き合いのある方と、新たにお付き合いのできた方々と場を共にし、色々なお話をさせて頂くのはとても楽しいひと時です。今回は、その時にあった私にとってちょっと嬉しかった話から書きますね。

カルチャーショック

今年初めて参加頂いたあるお客様が帰りがけに私に「井上さん、今日は呼んで頂いて本当に有難う。もの凄いカルチャーショックを受けました。」と言われてエレベーターに乗られました。その時はお礼を述べて送らせて頂いたのですが、後から「ん?カルチャーショック?どう言う事だろう?もしかして、こんな手作りのパーティーにお呼びして失礼があったのでは」などとちょっと不安にもなったのですが、「いやいや、笑顔でお礼を言って下さったのだからそんな事はない。」とその日は思い直し、次にお会いする時に伺って見る事にしました。早速、先週の木曜日にお会いする機会があったので、「先日は有難うございました。親睦会は如何でしたか?」とお尋ねすると、お礼に続けて「私にとっては、本当にカルチャーショックでした。」と言われるので、「それは、どの様な意味ででしょうか?」とお尋ねすると、「井上さん、実は私は異業種交流会などが大変苦手で。これまでもそう言う場はあまり積極的に参加しないというか、ちょっと避けてたんですよ。先日も、最初はどうしようかなぁと思っていたのですが、井上さんに紹介して頂いた方々のお話を聞いているととても面白くなってしまって。私の知らない業界で起こっている事や、他の企業のお話しなど非常に興味深く聞かせて頂きました。本当に良い機会を有難うございます。」と、おっしゃって頂きました。いやぁ、嬉しかったですね。本当に。カルチャーショックの真意が、
・異業種の方々からか聞いた話の内容
なのか、
・異業種の方々と楽しく話が出来たご本人の変化
なのか、その両方なのか、そこは今でも分かっていませんが、我々の活動に参加して頂いてこの様な素敵なコメントを頂けた事が何よりも嬉しく感じました。

人と会う、お話しすることが刺激

皆さんは、異業種の方々とお話しする機会を持たれていますか?こちらの知らない事をいろいろお聞かせ頂ける素晴らしい機会ですよね。私も、生意気にも若くして会社を作ってしまったので、仕事や色々な交流で他社の方々とお会いできる機会を非常に大事にしています。それは、私にとって、まず

・自分の経験していないこと、知らないことを考えるきっかけ

となるからです。皆さん、自分の身を置いている企業で様々なことを考え、経験しておられます。当然の事ながら、情報に対するアンテナの立て方も私とは違います。自分自身が同じ事を考え、経験することは殆どの場合不可能ですから、相手の方から色々とお話を伺えると、表面的かもしれませんが簡単な「疑似体験」ができます。私は、どのようなお話を伺っていても結構うるさく質問をしてしまう方なのですが、皆さんとても親切に教えて下さいます。(ま、言うまでもなく、あまりにも浅はかな質問を繰り返してはいけないのですが。)これは、きっと相手の方がこちらに気を使って下さったり、手加減をして下さっているのだと思います。当然の事ながら、相手の方がその業界・ビジネスに関しては知識も経験もある。そこに関しては、こちらは子供のようなもの。この認識に立って失礼がないようにお聞きすると、色々と教えていただけるのですが、これが非常に良いきっかけになる。それまでは見過ごしていたニュースなどに、興味を持ち、目が向くようになる。そして、考えるようになる。そうすると、徐々に自分の引き出しも増え、広がる。このような行動に繋がる機会ってそうそうありませんよね。本当に有難い機会だと思います。
そして、もう一つ。私にとっては、

・物事を見る違った視点を得るきっかけ

でもあるからです。この年になると、全く考えていなかった視点と言うのはだんだん少なくなってきていますが、視点としての重要さを再認識させて頂ける機会は多々あります。例えば、先週の北朝鮮による韓国への砲撃の事件。勿論、国防や安全の問題もありますが、私はやはりもう少し広い国際政治や経済と言った観点から考えていました。ところが、先週出張で九州に行った際にお会いした方と話していると、「本当に対岸の火事なんて言ってられませんよ。九州なんて、すぐですからね。沖縄には米軍基地もあるし。本当に、この先どうなるんでしょうねぇ。」と言ったような事を話されておられました。この話をお聞きし、この事件ももっと日本の安全と言う視点から考える必要があるのだなぁ、と再認識させられました。このような自分では軽視しがちな視点や見落としがちな視点から物事を考える、非常に重要な機会でもありますよね。

先日の私の会社のパーティーであったことから色々と考えたことを書いてみたのですが、やはり「人と会うことは刺激」ですね。自分にはないもの、不足しているものに気付く大きなきっかけをくれるのですから。勿論、これをきっかけに自分自身で勉強して考えていかなければ、多くのことはその場限りで「サッ」と消えてなくなってしまいますが。皆さんは、どうお考えですか?私にとっては、とても大事な機会です。皆さん、お会いした時には是非色々と情報や考え方を共有させて下さいね。宜しくお願いします。

勇気の裏側

いきなりですが、先週から色々と報道されている柳田法相の件、皆さんはどのようにお考えですか?あの「個別の案件については答えを差し控える」、「法と証拠に基づいて適切にやっている」の2つの答弁で国会は切り抜けられる、と言う発言です。更には、自分は法律関係には素人なのに、法務大臣に任命されたとも言っていますね。このニュースに対し、素晴らしく的を得たコメントを出している方が、サンデーモーニングにいらっしゃいました。お名前は忘れてしまったのですが、この柳田法相の発言を「寝言でも言ってはいけないことを言った」と。いやぁ、上手い表現ですね。正に、その通りだと思います。その方は、そのコメントに続けて「本人が謝罪している、これからは真摯に取り組む、なんてことは関係ない。このような発言自体が問題」とし、本人の名誉を考えて辞任、それがなければ罷免して当たり前、と言うような事をおっしゃっていたと思います。私もその通りだと思います。しかしながら、政府は未だに結論を出していないようですね。困ったものです。何が正しく、何が誤りか、現在のような日本が非常に厳しい状況に置かれ、迅速な対応と変化が求められる時に、こんな低次元のことをうだうだと議論している今の日本の政府には、辟易しますね。こういう時こそ、リーダーは勇気を持って色々な意思決定をしなければいけないと思うのですが。国会費用のことも考え、自分たちを「仕分け」した方が良いように思うのは、私だけでしょうか?

勇気ある決断と実行

今の日本政府は、このような嘆かわしい状況にあるわけですが、企業のリーダーはこんなことはやっていられない。多くの日本企業がリーマンショック以来の様々な変化に対応し、利益を上げられる企業体質を作ってきているのだと思います。そこには、恐らく物凄い「勇気」に基づく決断と実行が繰り返し行われているのだと思います。
現在、日経で私の履歴書を執筆中の西岡喬氏が相談役を務める三菱重工もそのような企業の一つなのだと思います。西岡喬氏の私の履歴書は、淡々とあったことを書かれているので私としては今一歩興味を持って読むことが出来ていなかったのですが、先週書かれていたことは幾つか非常に考えさせられる事がありました。特に、19日に執筆されていた「所長就任 ムダ一掃へ所内行脚 経費削減、係長にも直談判 」の回は、面白く読ませていただきました。西岡氏が91年に名古屋航空機製作所の所長になった時に色々な改革を行ったそうですが、その時の一連の活動を通じて、「従来のやり方を変えることは勇気がいる」と書かれています。冷戦の終焉に伴い、これまでの主力である防衛事業を民需へ転換するために「コスト削減」のための活動を行ったそうです。西岡氏は、この活動を「待ったなし」だったと表現し、社員の意識変革を自ら現場にまで直接話をすることで実行しようとし、変革できない課長は首をすげ替えたそうです。また、これまで所長が参加することのなかった協力会社との会議にも参加し、協力会社にもコスト削減をお願いしたそうです。この変革を通じて、これまでのやり方を変えるには社内に非常に強い抵抗があり、これを変えていくには「勇気がいる」と西岡氏は実感されたのだと思います。勇気を持ってこれを実行し、変革を起こした結果、現在ではMRJのビジネスにまで繋げている西岡氏は、やはり素晴らしい経営者の一人だなぁ、などと思いながら読ませて頂きました。

何故、「勇気」を持った行動がとれるのか?

西岡氏の言われることを、素直に読んでいれば「その通りだなぁ」などと思うのですが、西岡氏は何故このような事が実行できたのでしょう?多くのビジネスマンは、現在を変革する必要性を多かれ少なかれ持つと思います。これを実行できる方と、実行できない方の差は何なのか?皆さんは、どう思われますか?
西岡氏を始め変革を実行できる方は、恐らく、

・自ら正しいと信じることをやりきろうとする信念
・世の中の「先」を考える力=仮説力
・周囲を動かす力=巻き込み力

といった軸や力をお持ちなのだと思います。もう一方で、

・「怖い」ことを認識する力

もお持ちなのだと思います。この「怖い」事とは、

・変革を実行した時に起こり得るリスク
・変革を実行しなかった時に起こりえるリスク

の両面があると思います。社員の意識と行動=人の意識と行動を変えるのには莫大な力が必要なことは皆さんお分かりのことと思います。また、そこについていけない人を切る時の痛みは計り知れない。一方、行動を起こさなかった時にはどうなるか?極端に言うと、企業としての存続が難しくなるかもしれない。この両方のリスクを考え抜き、目的を果たすために振り絞るのが「勇気」なのかもしれませんね。周囲の人を巻き込んで何かをやるからには、必ず責任がついてきます。その責任の重さ、そこに耐える強さを持った人が発揮するものが「勇気」なのかもしれません。私は、そんな風に考えるのですが、皆さんはどう思われますか?

何れにせよ、多くのビジネスリーダーの方々は、事の大小の差こそあれ「勇気」を持ってことに臨んでいるのだと思います。一方、政治家の方々は・・・本当に「腹を括って」意思決定してきた、あるいはしている方々の話を聞かせてあげたいものですね。
この10月に第3期を迎えたシンスターは、そもそもこういう話を次世代のビジネスリーダーに伝え、議論する場にしようと思って設立しました。できれば、一線を退いたビジネスリーダーの方々にご自身の経験を語って頂き、新聞や本には書ききれない意思決定の裏にあった「怖さ」や「信念」、更には「腹を括る」に至ったきっかけなどを自ら語って頂き、その経験を後世に伝えると同時に、現在起こっていることを一緒に議論する。そんな場を、今期こそ作れたらと思って私も活動しています。皆さん、良かったら一緒に活動しませんか?

古くて新しいもの

先日、あるお客様先で、仕事の後に懇親会を行って頂きました。そこに集まった部長層の方々と美味しい食事とお酒を頂きながら、色々と楽しいお話をさせて頂いたのですが、商品開発の話をしている時にある方から面白い話を聞かせて頂きました。「井上さん、ブルナビって知ってます?ぐるナビじゃないですよ。『ブルナビ』、知ってます?」私は知らなかったのですが、皆さんはご存知ですか?話を聞いた後にGoogleで調べてみると、開発段階のものが2007年2月1日のワールドビジネスサテライトで紹介されていました。このリンク先のビデオを見て頂くと良く分かるのですが、原理はそんなに難しい話ではなく、箱の中におもりが入っていて、モーターでこのおもりを動かしてあたかもその箱が手を引っ張るような感覚を作ると言うものです。昔のおもちゃで、おもりが中に入っていてその力で動くものがありましたよね。基本的には、同じ原理です。これを小型化して携帯に収まるようにしたものが、近々商品化されるところまで来たと言う話しです。地図に不慣れな方、子供やお年寄り、目の不自由な方などをGPSと連動させて目的地まで「引っ張って行ってくれる」、そんなナビが「ブルナビ」だそうです。面白いですね。技術的には、最先端と言うよりは昔からあるものです。それを小型化すると同時に、携帯(Webなどの検索機能、もしくはメール、そしてGPS)に組み込むことで、新しいサービスに作り上げる。このお話をされた部長さんは、最先端の技術も重要だがそこにばかり目を奪われず、既存の技術を上手く組み合わせることで新たな製品を作り上げると言った考え方を今後の製品開発に取り入れて行きたいと仰っていました。素晴らしいですね。こういう考えをもった方がいらっしゃると、きっと面白いビジネスが創れると思います。

古くて新しいもの

昔からある技術やビジネスモデルを新しいインフラなどに組み込む事で新たな製品やビジネスにする、このような考え方をマーケティングにどんどん取り入れていくべきだと私も考えています。そんな考え方をするようになったのは、やはりインターネットが広がり始めた90年代中番からでしょうか。その代表例が、ネットオークションですね。古くからあるオークションと言うビジネス携帯をネットで展開することで、とても新しいビジネスが生まれましたよね。このような話をする時に、私がよく事例でお話しする人形の話があります。皆さんは、「キャベツ畑人形」と言う人形をご存知ですか?1982年にアメリカのコレコ社が発売し、ピーク時には年間5億5000万ドル(当時の日本円で1000億円以上)を売り上げた物凄い人形です。はっきり言って、個人的にはあまりかわいくないなぁ、と思っています。この人形、そもそもは子供向けに作られた商品だと言うことですが、買ったのは「子供がいない、できない」、あるいは「子供がひとり立ちしてしまった」大人の方々です。(人によっては、100体以上買う方もいたとか。)コレコ社は、この人形を売るときに販売とは言わずに、「養子縁組」と位置付けました。そして、養子を引き取って下さった方に、1年後に「引き取って頂いたうちの子は元気にしていますか?」と言った内容のカードまで送ったそうです。これが、受けた。最近でも、ひとり立ちした自分の子供よりも、このキャベツ畑人形をかわいがっている方もいるようです。凄いですね。
この考え方を現在の新たなインフラ、ネットを活用してヒットしている商品が日本にあります。バンダイのプリモプエルという人形なのですが、皆さんはご存知ですか?ソニーのAIBO(アイボ)が流行った時に、子供向けに価格を下げてICを入れて「しゃべる人形」として売り出したようですが・・・キャベツ畑人形同様、売れたのはさびしい大人。その状況をみて、バンダイはネットでコミュニティを作り「うちの子自慢」ができるようにし、幼稚園まで作り、入園式や体育祭、遠足までやってしまう。13日には、バンダイ本社でお誕生日会まであったようですね。このようなサービスをつけることで、新たな付加価値を人形に加え、ファンを増やしているようです。また、機能も改良を加え、今では歌を「上手く」教えると1年で10曲ぐらい歌が歌えるようになるようです。大事なのは、「上手く」教えること。ちゃんと教えないと数曲しか歌えるようにならないとか。(実際にやったことがないので、どこまでかわかりませんが。)面白い事例ですよね。ネットを使った新たなサービスを加えることで、ブランドも何もない人形を大ヒットさせる。(この人形も、個人的にはあまりかわいいとは思っていません。)こういう考え方をすると、色々と面白い商品、ビジネスが作れるように思いますが、皆さんはいかが思われますか?

何を残すか、何を削るか?

このような考え方を実ビジネスに生かす際には、昔からある技術やビジネスモデルの何を残して活かし、何を削ったり、新たなものに置き換えるかが大事だと思います。例えば、ネットスーパー。勿論、ネットを使ったビジネスですが、これは昔ながらの「三河屋」さんの復活だと私は思っています。「これが欲しい」と家で注文し、それを配達してくれる。ここにネットを組み込むことで、注文取りの人件費などはかけずに低コストでビジネスを上手く作り上げることが、最近のビジネスのトレンドのように思います。一方、昔の「三河屋」さんは、そろそろお客様先でなくなりそうな物や新商品を薦めたり、お客様との関係強化を図るために世間話をしたりと、配達時に単にものを届ける以上の付加価値を提供していました。この付加価値、宅配と言う世界で非常に重要な要素だと個人的には思っています。勿論、全顧客にこのようなサービスを提供しても、あまり意味が無い、あるいは嫌がるお客様もいらっしゃいます。しかし、このようなサービスがあると、こちらに対するロイヤルティーや評価が高まるお客様層も必ずいますし、この時間コストをかけることが売上・利益に結びつくビジネスも作れると思います。(徹底した御用聞きで、平均年齢64歳のお客様層にビジネスを行っている電化のヤマグチなどが好例ですね。)デフレのトレンドが続く中、商品もビジネスモデルもコストレス・工数レスで創るべきと言うことは重々分かるのですが、意味のあるところを削ってしまってはもったいないですね。どこを残し、どこを削るか。こういうポイントもしっかり考えてビジネスを創ると、面白いビジネスが創れそうですね。皆さんも、何か考えていることはありませんか?良かったら、共有して仲間を作り、その考えを実現してみませんか?

権限と責任

皆さんは、マイケル・オレアリーと言う方をご存知ですか?アイルランドの格安航空会社ライアンエアーのCEOです。格安運賃を実現するために、トイレの有料化や太った方から追加料金を徴収するなど、色々とユニークなアイデアを出してくる、個性的なCEOです。



記者会見でも、上の画像のようにおどけたポーズをとったり、とっぴな発言をしたりと、面白い方なのですが、ちょっと前にも業界を騒がせてくれました。それは、コスト低減のために「副操縦士の廃止」を検討していると言うニュースです。正操縦士に何かあった時の事も想定して乗務している副操縦士を廃止すると言う大胆なアイデアに対し、流石に同社のパイロットも黙って入られなかったようで、英フィナンシャルタイムスに対案を提案すると言う自体に発展しました。パイロットから出されたアイデアは、客室乗務員が副操縦士の役割を果たせるのであれば、見習い客室乗務員にCEOを務めさせるのはどうか、と言う案です。いやぁ、素敵なブラックユーモアですね。この対案に対する、オレアリー氏の見解も面白い。
「客室乗務員ならば、自分よりはるかに魅力的なCEOになるだろう」とした上で、この提案を「真剣に検討する」とコメントしたそうです。
皆さんは、このアイデア、やり取り、どう思われますか?


権限には責任がついてくる

まじめに議論すると、副操縦士の廃止⇒客室乗務員が代替する、見習い客室乗務員がCEOを務める、双方の案とも恐らく実現性のないアイデアですよね。組織の役割を見直すと言うのは、どの企業でも当然行うことですが、その際にまず考えることは、

・職務遂行能力

ですよね。その職を全うするに足る知識・スキル・経験があるか?この議論なく、組織の役割の見直しはあり得ないですね。職務遂行能力の中には、当然「権限の行使」がありますので、十分な素養がなければ間違った形、内容で権限を行使し、とんでもない結果を招くことになってしまいかねません。皆さんの組織では、どうですか?職務遂行能力は、正しく評価されて役割が定義されているでしょうか?過去の人事制度を引きずっていると、そうではない場合も見受けられますよね。そう言うところがあるのであれば、来季に向けてどう見直すかもそろそろ議論した方が良いかもしれませんね。
また、職務遂行能力、特に権限を考えると、その権限についてくる

・責任の明確化

も非常に重要なポイントですね。権限があると言うことは、その裏返しとして責任もあると言うこと。職務を遂行して上手く行かなかった場合には、当然責任を取らなければいけないですよね。ここは、どうでしょう?皆さんの組織では、しっかりと議論されていますか?結構、曖昧になっている企業が多いですよね。ま、業績が良い時は曖昧さが多くても良いのかも知れませんが(反論を受けそうですが)、特に状況が厳しいときには「責任」も明確にしておくことが必要ですね。
先のライアンエアーの話に戻ると、そもそも見習い客室乗務員にCEOの責任は果たせないですよね。株主に対して、社員に対して、そして社会に対して。これはとても極端な事例ですが、皆さんの組織の中でもやはり「権限」に対する「責任」を明確にし、その責任を取れる方がポストにつくようにしないといけないのだと思います。(ま、責任の取り方には色々ありあますが。)
役割の見直しに関しては、最後にもう一つ重要なポイントがありますね。

・本人のやる気

です。どんなに職務遂行能力があったとしても、ご本人がその職の責任を取りたくなければ、やってはいけない。また、やって頂いてはいけない。必要なメンバーで、その職について頂こうと考えている人と十分に議論し、ご本人が納得してやる気を持ってその職に就いて頂けるようにしないと、上手く行かなかった時に大きな問題に繋がるリスクがありますよね。


日本が会社だったら・・・

上記の話ですが、来季に向けての変革のご相談を受けているので私が現在考えている内容でもあるのですが、もう一方でこのところ日本で起こっている大きな問題も気になって書くことにしました。
日本が会社だったら・・・例えば、こんな話を考えてみたのですが、皆さんはどう思いますか?
あるメーカー。ちょっと前に重要な顧客リストが流出すると言う事件が起こった。しかし、その話はもっと大きな事件でかき消されかけている。それは、この企業が取引している商社との話。この商社は有望な顧客基盤を有しており、このメーカーが製造する製品の3割を販売している。そのビジネスから得られる利益は、このメーカーの利益の40%に達している。
ある時、商社のバイヤーがメーカーの研究開発施設に有望な新商品がないか視察に訪れた。バイヤーが開発中のある製品に目を付け、これを黙って持ち帰ろうとした。メーカーの社員が止めようとすると、なんとそのバイヤーは暴力を振るってこの試作品を持ち帰ろうとした。そこで、警備員と共にそのバイヤーを取り押さえると・・・
商社は、バイヤーは合意の上持ち帰ろうとしただけと主張。即時、バイヤーの身を自由にするように要求し、警察に届ければ取引を停止すると通告してきた。一連の暴力行為は、防犯カメラで全て映像に残っている。社長は、法務部に一任し、自身では意思決定をしなかった。その結果、メーカーは商社もバイヤーも訴えずに事の沈静化を図った。すると、防犯カメラが撮った事の一部始終を記録している映像が流出。社員も、社会も事の真相を知ることとなってしまった。さて、この会社の社長は、どのような対応をすべきでしょうか?
ま、言うまでもなく、現在の日本で起こっている問題を会社に当てはめてみると、どんな状況かということです。警視庁の国際テロに関する機密文書の流出尖閣諸島での中国漁船事件のビデオの流出と、何とも稚拙としか言いようのない事が起こっていますね。中国との問題もハンドリングできないばかりか、世界的に国としての信用を落としていると言わざるを得ないですね。政権交代から1年以上が経過しているのに・・・マニュフェストに大きく掲げた八ッ場ダムの建設中止も撤回し、小沢氏のカネと政治の問題も上手く解決できず、子供手当も当初目論見とは変わってきていて・・・そもそも、職務遂行能力がない様に思えますが、皆さんはいかが思われますか?それ以前に、全く「責任」をとっていないように思うのですが、皆さんはどう思われますか?
先のメーカーの例え話で考えると、この会社の社長、経営陣はどのような責任を取ることになるでしょうか?社長自らの謝罪会見は恐らく必須でしょうし、責任を取っての辞職となる可能性もありますね。普通の企業だったら当たり前の事が、当たり前に行われない日本の政治は・・・何とかしてもらいたいものです。ま、首相ご本人、大臣の方々、議員の皆さんのポストに対する「やる気」だけはありそうですけどね。それだけじゃ・・・政治家の皆さんは、「権限に責任がついてくる」事を理解しているのでしょうかね?恐らく、知ってはいると思うのですが。

人の振り見て・・・

先週、「事業仕分け」の第3弾が始まりましたね。今回は、特別会計を対象として無駄をなくし、本当に必要な活動に予算を振り向けることを目的としているのでしょうが・・・民主党主導の「事業仕分け」ですが、何度見ても私にはあまり生産的な活動に見えてきません。仕分け後に同様の予算要求を上げてくる官僚を「ゾンビのようだ」(蓮舫行政刷新担当相)と揶揄していますが、政治主導になっていない現在の予算要求に対する自己責任を全く感じていないように見えます。今回は、政治主導で国を変えていくと言いながらできていない自身の力不足を、官僚批判で隠そうとしているかのようにさえ見えてしまいます。この「行事」は、一体何なのでしょうね?以前は予算編成に興味を持たなかった方々の意識を変えた事に関しては、勿論効果があったと思いますが、この形で続けることに本当に意味があるのでしょうか?皆さんは、どう思いますか?
私としては、考えると否定的な事のほうが際立ってきてしまうので、ちょっと考え方を変えてみました。この活動、何が悪いのだろうか?何か、良いやり方に変えることはできないだろうか?あるいは、自分が何かする時の反面教師にはならないだろうか?と、言うことです。そこで、私なりに考えたこの活動の改善ポイント、あるいは自身への今後のためのインプットポイントを書いて見ますね。


目的を明確し、参加者で共通の認識を持つ

何かをするときには、やはり目的を明確にすることが大事ですよね。この事象仕分け、目的は何なのでしょう?

・無駄な予算を明確にすること?⇒他に必要な事業に予算を振り向けること?
・予算の根拠を明確にすること?
・(仕分けされる側としては)立てた予算を死守すること?
・予算策定プロセスを透明にすること?
・国会議員、官僚の無能さを証明すること?(ちょっとブラック過ぎますかね?)

色々考えられますね。目的は、一体何なのでしょう?もしかしたら、民主党としては最初にあげた目的が本意なのかもしれませんが、今回の仕分け対象も具体的な策を実施するには法改正が必要なものもありますね。蓮舫行政刷新担当相も、仕分け結果を実現するための法案提出について「最速で25年の通常国会」と仰っています。そうすると、直ぐに実行できるものばかりではない。(ちなみに、第1弾、第2弾の事業仕分けの結果、廃止と結論付けられて、実際に実行されているものは1案件とか・・・)
では、他の目的?もしかしたら、仕分ける案件によって目的も違うのかもしれませんね。しかし、そう言った事は明確にされていないように思います。百歩譲って、我々国民は知らされていない/知らなくても良いのかも知れませんが、この会議に当事者として参加される方々の間では、明確に共有されていなければ行けませんよね。そうでなければ、議論が噛み合うはずがない。もしかすると、「やることが目的になっている」かもしれません。それでは、本当に意味の無い活動になってしまいますよね。我々も、何か会議を行うときに、同じようなことにならないように注意した方が良いですね。


事前準備、議論に必要十分な時間を用意する

今回の議論の目玉に、為替市場介入などのために積み立てている外為特会があったようですが、結局積立金の抜本見直しと言う結論にしかならなかったようです。そもそも積立金が適正かどうかなどを議論しようとしていたのだと思いますが、これは専門的な知識も要する非常に難しい議論だと思います。それを、たった数時間の議論で結論を出すなど、そもそも無理なのではないでしょうか?(現在の円高にも、十分に対応できていないのに。)この議論の最後に、官僚側から「この2時間は、仕分け人の方々にそもそも外為特会が何かを理解して頂くために使ったような・・・」と言った発言がありましたが、確かにその通りとも思いました。要は、準備不足。仕分け人の方々は、何故この期間で、この時間の議論で結論が出せると思っているのか、私は理解に苦しみます。折角、無駄をなくそうという良い活動をしようとするのであれば、案件毎に必要な準備時間、議論する時間を適切に考えた方が良いのではないかと思います。ま、これも前項と同様に、私としても何か議論する際に「準備」として何をすれば良いのか、そのためにどれだけの時間を用意すべきか、更に議論にどれだけの時間を用意すべきかをしっかり考える必要があるなぁ、と言う示唆を下さったと思っています。


建設的な議論を行う場にする

最後のポイントとなりますが、この事業仕分けでは「国会議員 vs. 官僚」と言う、ある意味「敵味方」、あるいは「裁く側と裁かれる側」に分かれて議論していますよね。これは、何の意味があるのでしょうか?官僚の方々も、最初から「無駄を作ろう」とだけ思って何かをやろうとしているわけではないと思います。(そう言う方もいるかもしれませんが・・・)良かれと思ってやろうとしているが、お金のかけ過ぎと言う事だと思います。そうすると、

・何故、予算要求をしていることをやろうとしているのか
・実現のための手法はどれだけ検討したのか
・何故、現在考えている手法が最善と考えているのか

などを議論した上で、現在の国の財政状況から鑑みた場合に、

・「残念ながら」見送り
・やり方、支出額を見直し
・現在考えているやり方、予算で実行

のどれかの結論に、可能な限りお互いに納得して到達する必要があるのだと思います。
しかし、現実は「相手を裁く、潰す」ことを目的に、相手が言うことの表現上の揚げ足を取りながら議論しているように見えて仕方がないのは私だけでしょうか?相手が説明したことがナンセンスと思うと、鼻で笑ったような表情をする。この仕草に何のプラスがあるのでしょう?この仕分け作業にも、国の大事な税金を使っているのですから、もっと建設的な議論をしてもらいたいですよね。反面教師としては、当たり前のことですが、

・相手をつぶす事を前提にして議論をしない
・相手の感情を逆なでするような仕草はしない

と言うことですよね。国民が選んだ「大人」が議論するのですから、これぐらいのことは考えてもらいたいですが。ま、私もそう言うことがない様に、注意したいと思います。

皆さんは、どう思われていますか?私が書いたポイントでも、他のポイントでも構いませんので、良かったらコメント下さい。

また、前回のブログにコメントを寄せて頂いた、「らむ」さん、「G3KS」さん、有難うございます。「・・・は、危機感がない」と仰る方が、最も危機感がないかどうかは何とも言えませんが、お二方が仰るように「危機感は個々人で異なる」のは、その通りだと思います。皆さん、立場立場で色々と素晴らしいことを考え、必要な「危機感」を持っておられるのだと思います。その「危機感」を発信し、共有して行動に移せたら・・・そうできると良いですよね。
livedoor プロフィール

Koji

美味しい食べ物とお酒をこよなく愛すコンサルタントです。戦略立案とBPR、及びこれを実現するためのITなどに関するコンサルティングを提供しています。また、ビジネスリーダーを育成するシンスターで企業研修などの講師も務めています。
株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター代表取締役

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