井上浩二のブログ:現在(いま)を考える

株式会社ケーティーコンサルティング株式会社シンスター の代表取締役井上浩二が、ビジネスに関して日々考えていることを発信。

株式会社シンスターでは、人材育成に関するコラムを発信しています。是非こちらもご覧ください。

2012年12月

どうしたらバッドサイクルをグッドサイクルに転換できるのか?

皆さん、選挙には行かれましたか?投票率は59.32%で、なんと戦後最低だったそうです。日本人の40%以上が、「今の政治家には政治は任せられないと言う否定票を投じた」と解釈されれば、それはそれで非常に意味のある事だと思うのですが・・・どうもそのようには解釈して、この問題を取り上げているお話はあまり目にしませんね。それより、「政治への無関心」と捉える向きが多いように思います。どうなのかなぁ?
結果は、ご存じの通り自民党の圧勝でしたね。しかし、これも積極的な選択と言うよりは、「消去法」で仕方なく自民党に投じた方が相対的に多かった結果のようですね。(これは、自民党支持票の絶対数も減っているという形で定量的に報じられていますね。)何ともさみしい結果です。テレビのインタビューで、「民主党はダメ。民主党がやってこの結果だから、もう素人に投じる気にはなれない。だから、維新の会に投じる気にはなれない。そう考えると・・・」と言った感じで話をしている方々がいらっしゃったのが私には印象的でした。国民の多くの意見を代表しているのかもしれませんね。自民党の皆さんは、この結果を真摯に受け止めて頑張って頂き、是非今の日本が抱えている様々な難問を解決して行ってもらいたいものですが・・・

メカニズム分析
問題解決の手法で、「メカニズム分析」あるいは「因果関係分析」というものがあります。今回、そのような考え方で、今の日本の経済問題に関してちょっと考えてみたいと思っていますので、簡単にこの手法を説明しますね。(良くご存じの方は、この節は読み飛ばして下さい。)問題解決の教科書を読むと、多くの場合まず最初に紹介される手法がLT(Logic Tree)でしょうか。問題を分解し、本質が何かを考えるツールですね。

例えば、「うちの部署は個々人はそこそこ優秀なのに、いつも忙しい」なんて課題があったとします。仕事量は減らないと言う前提でこの問題をLTで分解しようとすると、まず「個々人の問題」、「組織としての問題」のような切り口が考えられますね。それを更に分解していくと、個々としては「能力」、「姿勢・モチベーション」のように分解され、組織としては「全体管理」、「個々の仕事の進め方」ぐらいに分解されるでしょうか。ま、ここは今回の本題でないので軽く考えて頂き、これを更に分解すると、個々のところは、「知識不足」、「スキル不足」、「モチベーションの低下」・・・組織のところは「マネージャーの管理手法の問題」、「役割分担の問題」、「コミュニケーションの問題」、「無駄な会議」・・・などなどの具体的な問題が洗い出されてきます。で、これらの問題をどう解決しようかと考えると・・・個々としては「自己啓発や研修の実施」、「組織の目的の浸透」、「評価制度改善」・・・組織としては「管理手法の改善」、「役割の見直し」、「無駄な会議の廃止」・・・などなど、時にコインの裏表のような解決策が多々考えられるわけです。このような状態で下手に問題解決に取り組むと、兎に角色々な改善策が同時並行で走り、みな中途半端、結局いろいろやってるのになかなか問題が解決しない、利益なき繁忙なんてことになりかねませんね。そこで、もう一歩踏み込んで問題の本質を分析するための手法が「メカニズム分析」です。物凄く簡略化して分析すると、例えば上記問題が以下のメカニズムで発生していたとします。
組織の仕事の優先順位づけ・適材適所への割り振りができていない⇒適切な人が担当していない・処理の順番が違う⇒必要以上に時間がかかる⇒皆が忙しい⇒能力向上の時間が取れない⇒マネジメント能力が上がらない⇒組織の仕事の優先順位づけ・・・
このようなメカニズムであれば、勿論いくつかの施策を並行して進めることになるとしても、そこそこ優秀な人材を最大限にいかすためのマネジメント能力向上が最も重要な課題であり、この解決に資源も集中しなければなりませんね。つまり、バッドサイクルを引き起こしているトリガーがどこかを明確にして、そこに対して解決策を打ってグッドサイクルに変えようと言うのが、メカニズム分析の最も大事な考え方です。

経済のバッドサイクルをグッドサイクルに変えられるか?
さて、では本題に戻りましょうか。今回の総選挙での非常に大きな争点であった「日本経済の再生」。現在は、所謂デフレスパイラルが定着している。「物価は下がり続ける」と言うデフレ期待が定着することで物価が上がらず、その結果企業業績が向上しない。これが投資や消費を抑え込み、更なる物価下落と実体経済の縮小が進行すると言う、まさにバッドサイクルがですね。これを打開するために自民党が打ち出してきた「以前の自民党とは違う」政策の一つが、インフレターゲットの設定と大胆な金融緩和の実行による目標実現でしょうか。そもそも根の深い、実に難しい問題ですから簡単に施策の善し悪しは議論できませんね。実行上の課題と言いますか、検討すべき論点と言いますか、そんなことを私なりに考えてみました。

・目標自体、かなり高いハードルだと認識しないといけない。
まず、2%のインフレターゲットですが、この目標自体が非常に高いですね。これまでも、インフレターゲットはあったし、金融緩和も行ってきたわけです。日銀は、これまで「当面1%」と言う目標で取り組んできたようですが、2011年まではマイナス、2012年も0.04%で着地しそうです。(出典:世界経済のネタ帳
インフレ率
いやぁ、かなり厳しいですね。日銀含め、色々と手を打っているのに、何故このような結果になってしまうのでしょう?自民党としては、インフレターゲットと言う数値目標を明確に打ち出したというところは、確かにこれまでの政権の経済政策とは違うと思います。進歩ですね。そうなると、具体的な施策がついて来れば改善されるのではと期待しても良いのかもしれません。

・施策と描いているグッドサイクル
安倍総裁が打ち出している施策は色々とあるようだが、目玉は日銀との協調による金融緩和策でしょうか。安倍さん流に言えば、「日銀の輪転機をどんどん回して」お金を印刷し、市中に放出する。市中に放出する手法が建設国債の発行。これを実施するとどうなるか。非常に簡略化して考えると、まずは、

直接的な恩恵にあずかる建設業が潤う⇒雇用、給与の上昇⇒購買力の向上

となるのでしょうか。そして、円の流通量を増やすことは円安にもつながり、輸出企業の業績も向上すると同時に、輸入する原燃料のコストは上がる。そうなると消費者の購買力の向上も手伝い、ここから生まれるグッドサイクルは、

物価上昇⇒企業の業績向上(売上UP)⇒雇用、給与の上昇⇒購買力の向上⇒物価上昇・・・

ということでしょうか。細かいことは色々とありますが、簡単に言うバッドサイクルをこのようなグッドサイクルにするための施策を考えているのではないかと私は思います。さて、この施策、上手くいくでしょうかねぇ?

・産業界のルールは変わるか?

私としては、どうも腑に落ちない。理由は2つ。

1. これまでの「低価格化=競争優位」という産業界の競争ルールは変わるのか?
2. 企業は、業績の向上をどこまで雇用と給与に回すか?


1に関しては、円安が実際に進めば原燃料高となる分の価格転嫁はある程度起こると思います。しかし、企業間の競争がこれまで「少しでも安く」で行われてきているため、市場の購買力が上がったとしても、進んで値上げに走る勇気のある企業はなかなかいないと思います。(新たな付加価値がつけば別でしょうが。)更に、ここで値上げが行われても、実際にコストも上昇しているので利益面での業績向上はあまり望めない。また、B2Bのビジネスを行っている企業は、買い手が急に値上げを認めるかと言うと・・・どちらかと言うと、買い手は利益が出ていても取引先、特に中小に対して厳しい条件を出し続ける企業が多い中、簡単に値上げはできないでしょう。結局、思ったように物価上昇や利益面での企業業績の向上は起こらないリスクが高いと思います。
2に関しては、企業の再投資の性向に大きく依存すると思います。これまで厳しい戦いを強いられてきた企業は、当然のことながら再投資に非常に慎重になっている。体力温存を優先する企業も多いでしょう。(そもそも、先に述べたように今回の施策で業績が向上する企業も限られるリスクが高いですが。)また、再投資先も人よりも設備や市場拡大のためのM&Aなどに優先度を高く置く企業も多いのではないでしょうか。そうすると、企業の業績が向上したとしても、それが雇用や給与に配分される比率が低く、思ったように市場の購買力は上がらないリスクがあると思います。
このような産業界のこれまでの考え方、競争ルールを変えていかないと、自民党が描くグッドサイクルは実現できない可能性が高いですね。自民党は、ここはどう見てるんですかね?私個人としては、殆ど聞こえてきていないのですが。(私が見ていないだけかもしれませんが。)個人的には、市場の購買力向上が鍵、トリガーになるように思えるので、雇用や給与の向上に再投資をしている企業を税制上優遇する、利益を出しているのに社会的な企業の存在意義を考えた再投資を行っていない企業に対する追加課税とその税金の使途などをしっかり考えて行かないと、そう簡単に産業界のルールは変えられないのではと個人的には思います。皆さんは、どう思われますか?

社会から色々な批判を受けた民主党から自民党に政権が交代し、皆が色々と考えて日本を良くしようとしているのは事実ですね。来年こそ、政界のリーダーにもリーダーシップを発揮して頂き、産業界も頑張り、よりよい社会になっていくと良いですね。皆さんは、来年に向けてどのようなことに取り組もうとされていますか?良かったら、今回書いたメカニズム分析なんかを年末年始にやってみては如何でしょう?バッドサイクルのトリガーを明確にし、新たなグッドサイクルを生み出す取り組みができたら、自分の身の回りでもとても素敵なことが起こるかもしれませんよ。

今年、私の拙いコラムに目を通して頂いた皆様、本当にありがとうございました。本年は、今回をもって終了としたいと思います。私も、ちょっと冬休みをとって充電できればと思っております。新年は、1月6日から再開しようと思います。皆さん、良いお年をお迎え下さい。

選択が難しい時、どうしますか?

本日は、衆議院と都知事のダブル選挙ですね。皆さんは、投票される候補者、党は決まりましたか?私は、今朝になってもまだどうするか決まらない。決められない自分が情けないのか、それとも・・・しかし、難しい判断ですよね。皆さんは、どうされますか?

論点が一方的だと、納得感は生まれない
「どうか清き一票を!」、「私を国政に送って下さい!」だけを連発されても、当然のことながらそこに投じる気にはなりませんよね。党として、候補者個人として、何にどう取り組むかを「具体的」かつ「分かり易く」説明してもらわないと。今回の選挙では、日本経済の復興(消費増税、TPPへの取組、公共事業・・・)、原発の扱いが大きな争点でしょうか。(他にも、福祉、医療、米軍の問題・・・などなど、たくさん争点はあると思いますが。)これらの争点に対して、賛成/推進、あるいは反対のどちらの立場を取るのか、何故か、に関して納得感を持てる説明をして下さればいいのですが・・・どうも、賛成だったらとにかく賛成、反対だったらとにかく反対のような話が多いように思います。特に、自分達と反対の立場を取る人達を非難して、自らの主張を押し通そうと言うようにも聞こえてきます。そもそも、自分の主張を分かり易く説明するためには、どのような論点を持たなければいけないのでしょうか?その論点は?
まず、何かに賛成/推進の立場を取るのであれば、

・何故、賛成/推進なのか、そのメリットは、それを行わなかった場合どうなるのか
・それを推し進める上で、具体的にどのようなリーダーシップを取って推し進めるのか
・反対の立場を取る人の主張に対する対応策を具体的にどう考えているのか


が必要な論点となるでしょうか。例えば、TPP参加。TPPに参加することのメリットは?TPPに参加しなかった時のデメリットは?TPP検討に参加して、具体的にどのようなリーダーシップを取るのか。枠組みを参加国で決める際、どのような内容を提案し、それがルールに組み込まれるようにどのような活動を行うのか。更には、TPP参加に反対する方々が主張するポイントに関して、どのような対応策を考えているのか。

次に、何かに反対する立場を取るのであれば、

・何故反対なのか。その根拠は。
・代替案は何か。代替案の現実性は?それをどうやって実行するのか?


が必要な論点ですね。例えば原発の問題。原発反対、その理由は?(これは分かり易いですね。)では、原発を廃止した時の代替案は?それをいつまでにどうやって実現するのか?原発を廃止・廃炉にしていく具体策は?これらを推し進める際に具体的にどのようなリーダーシップを発揮して実現するのか?

私としては、上記のような論点を持って具体的に自分たちの政策を説明してくれれば相応に論理的で納得感が生まれると思います。しかし、残念ながら多くの党が必要な論点を持って説明していないように思います。とにかく賛成、とにかく反対。この一方的な議論では納得感は生まれないですよね。人のふり見てわがふり直せではないですが、何かに賛成したり反対したりするとき、上記のような論点を持たなければいけないのは我々の通常のビジネスの世界でも一緒です。納得感を周囲に持ってもらうためにどのような論点を持たなければならないか、皆さんもご注意くださいね。

「やれる」確信がない方に任せて良いのか
上記のように書きましたが、論点を一応持って説明をしている争点もありますよね。しかし、その場合は残念ながら思慮の深さ、施策の具体性が足りない。方向性だけしか言っていない。これも困りますよね。この状態だと、やって持っても出来るかどうかが分からない。ビジネスの世界でも良く目にする光景ですね。部下が、「こういう事をやりたい」と言ってきた、あるいは常日頃から言っている。で、任せてみると、全く結果が出ない。そんな時、どういう事が起こるかと言うと、「あいつには能力がない。あいつはダメだ。」などと言う批判を任せた方がして、その人を外す。こういう事は、部下ばかりでなく、外部に提案をしてもらって何かを頼んだ際にも良く起こっているように思います。確かに一理あるかもしれませんが、一方で任せた方の責任の方が大きいのではないかと私は思います。

・「出来るだろう」まで確信して任せるのはOK。
・その際、出来なかったら任せた方にも大きな責任がある。
・「出来るだろう」と言う確信がなければ、任せてはいけないですよね。


そう考えると、今回の各党、立候補者の方々のお話は、方向性は言うが具体性がないので、とても任せる気にならないと言う方が多いのではないでしょうか?(私もその一人です。)で、なかなか投票する先が決まらないのですが、こんな迷いを持ちながら日経の朝刊を読んでいたら、こんなことが社説に書いてありました。

最善の選択肢が見当たらなければ、少しでもましな方を選ぶ。これだって立派な選択だ。ビジネスも同じだろう。あきらめて投げ出せば会社は倒産だ。

皆さん、どう思いますか?ビジネスであれば、最善の選択肢を徹底的に考え、それを選べるようにするのではないでしょうか?人の問題であれば、自分のところに最適な人材がいなければ外から取ってきますよね。「とりあえずこれでやろう」で失敗したら、目も当てられませんからね。許す時間がどれだけあるかにもよりますが、繋ぎの対応策をとって最善の策を作る時間を作ることもやりますよね。今回の選挙の場合、どうなのでしょう?野田首相が党首討論で解散を明言したのが11月14日。それから、僅か1ヶ月。各党とも、本当に準備ができていたのか?具体策を練りこんでいたのか?今回の候補者の方々の経歴などを聞くと、恐らく個人としては優秀な方々も多いのだと思います。そうだとすれば、その方々がもっとちゃんと考えれば、よりよく具体的な方策が出るかもしれませんよね。そう考えると、解散・総選挙までの時間はもっととっても良かったのでは?このような状態で、この党なら、この方なら「出来るだろう」なんて確信を持つのは難しいですよね。

なんだか、本日は「?」だらけコラムになってしまいました。それだけ、日本の政治が「?」と言うことかな。しかし、選ぶ側にも大きな責任があるので、しっかり考えないといけませんね。できれば、毎年政権を評価する国民審議投票とかあると良いんですけどね。1年政権を運営してダメだと国民が評価した場合は、その3か月後に総選挙とか。それぐらいの仕組みがあると、「少しでもましな方を選ぶ」と言う考え方も成り立つように思うのですが。もう、投票終了まで時間があまりないですね。私も上記観点で、もう一度各党、候補が言っていることを見直して考えてみたいと思います。皆さんも、良く考えて投票して下さいね。

旧交を温めていますか?

先週の金曜日、久しぶり(4年ぶり)に大学時代の友人達と会い、食事をしました。夕方の6時に待ち合わせて食事を始めたのですが、散会したのは朝の5時を回っていました。いやぁ、久しぶりに大いに飲み、食べ、語り、笑いました。勿論、学生時代からの昔話も沢山したのですが、皆が関わっている今の仕事から派生したトピックも満載。どんな話をしたかと言うと・・・ちょっとだけ紹介しますね。

異なる世界で活躍している人達は大いなる刺激
友人と言うのは、白倉君、片岡君、種村君の3人なのですが、大学の同期でありながら、皆が全く違う分野で活躍している面々です。白倉君は、東映で平成仮面ライダーシリーズを大ヒットさせた名(迷?)プロデューサー。片岡君は、ちょっと前に「NHKスペシャル メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」を作ったNHKのディレクター&解説委員。種村君は、Oxfordでインド哲学のPh.D.を取り、大学で教鞭も振るう研究者。ね、皆全く違う分野の人達でしょ。だから、視点が違う、考え方も違う、なので話をしていてとても楽しい。
白倉君には、「どうやって長期に渡りヒット作を生み出しているの?」なんて素人質問をすると、

脚本家とホテルにこもって何時間も納得のいくまで徹底的に議論してストーリーを練るんだよね。

なんて話をしてくれました。ちょっと目から鱗。私も、お客様の戦略を立てたり、勿論自分の会社の戦略を立てたりしますが、お客様と徹底的に議論するためにどこかに閉じこもるなんて事は、滅多にしていない。これじゃ、いかんですね。更に、

「でも、作品を作っていくと『なんかこのシーンやったことあるな。あぁ、大学の時に作ったあの作品のあのシーンと同じじゃないか』なんて気づくことも多々あってね。自分の発想なんてなかなか変わらない。それを超えるのが難しいんだよね。

なんて話してくれました。素晴らしい!自分の発想や考え方を変えるのは難しい。それを意識している。そして、作品を作っていく中で自らそこに気付き、意識して何か新しいものを1つでも加えようとする。そういう不断の努力が、あのような長期間にわたる大ヒットを生み出しているのかなぁ、自分も同じようにやれているかなぁ、なんて考えさせられました。

種村君からは、現在の大学教育の問題なんかをちょっと聞かせてもらいました。例えばと言うことで話してくれた一例なのですが、

「『学生は、英語は後ろから訳せば良いということが分からないんだよ』なんて話している先生もいるらしいんだよね。」

なんて話をしてくれました。そりゃ違いますよね。言葉ですから、当然のことながら頭から理解しなければいけない。それを、テクニックかどうか分かりませんが、「後ろから理解しろ」的に指導してしまっては・・・いつまでたっても本当に英語が使える学生にはならないですよね。学生の質の低下や、教員、特に小中学校の教員の質の低下などが時に報道されていますが、種村君曰く、自分も含め大学の教員も自分たちの質をどのように高めていくかを考えていく必要があるのではないかと言うこと。勿論、素晴らしい教員や研究者も沢山いると思いますが、実態は・・・今、グローバル人材の育成などがビジネス界ではホットトピックですが、産業界も大学とタッグを組んで次世代の人材を作っていくような取り組みをしないといけないのではないかなぁ、などと考えてしまいました。

片岡君は近々「クラウド」をテーマにした番組をやるそうなのですが、「クラウドって何?時に『胡散臭く』も思えるんだけど、どうなんだろう?」なんて話題を振ってもらいました。80年代のメインフレームからダウンサイジング、分散化、インターネットの普及に伴う90年代後半からの変化などなど、色々と皆で議論し、盛り上がりました。結局のところ、

・C/Sの分散環境普及以来、ITの根本思想は大きく変わっていない
・しかし、ITの構成要素の技術変化のスピードが上がっている
・その結果として、コストダウンが進み、利用範囲、用途が多様化してきている

なんてことを話した気がします。片岡君は、

どうも日本人は流行言葉に踊らされることが多いように思うんだよね。クラウドもそういう意味ではちょっと『胡散臭い』。本質を自分なりに考えて番組で伝えたいんだよね。」

なんて話していました。良いですねぇ。時に、

「クラウドはITコストを下げる⇒うちもITコストを下げたい⇒よし、クラウド導入だ!」とか、
「多くの企業がクラウドを使って新規事業を創っている⇒うちも新規事業を創りたい⇒よし、クラウドで新規事業検討だ!」

なんて、軽率な一般化ともとれる議論が行われていますよね。片岡君は、きっとそういうところにも疑問を持っているのだと思います。社会の事象に対して、Why? True?を投げかけ続け、物事の本質を見極めて社会に伝えようとする姿勢は、ジャーナリストとして素晴らしいですね。私も、こういう考え方を常にできるように心がけねば。片岡君、ITのパラダイムシフトとそれがもたらしているビジネスモデルのパラダイムシフトの本質を押さえ、是非良い番組を作って下さいね。

無条件に楽しい
勘違いしないでほしいのですが、こんな堅い話ばかりしていたわけでは勿論ありません。大学時代の馬鹿話や家族の話などもし、後半は少し歌も歌い、大いに楽しみました。また、今回は私のパートナーの有江君(同じ年なんですよ)も飛び入り参加し、我々の仲間に加わりました。大学1年の時にたまたま同じクラスになった仲間が集い、新たな仲間も増えて『縁』が広がる、素敵なことですよね。こういう仲間とは、何の遠慮もなく、衒いもなく好き勝手にいろんな話ができるから良いのでしょうね。10時間以上飲み続け、帰宅したのは朝の7時前、3時間ほどしか寝なかったのですが、全くお酒も残っていないし、私はとても爽快でした。家内からは、「余程楽しかったんだね。良かったね。」なんて言われました。本当に、友人に感謝、感謝です。もう少しで今年も終わりですが、皆さんも時間があったら忘年会でも兼ねて、旧交を温めては如何でしょう。楽しいひと時を過ごせるばかりでなく、いつも一緒にいるような人たちからは得られない刺激も貰えると思いますよ。

日本の食品メーカーはグローバルマーケットで勝てるか?

最近、袋麺市場が熱いようですね。東洋水産が発売した「マルちゃん正麺」が爆発的なヒットを飛ばし、これまで日清食品の「チキンラーメン」とサンヨー食品の「サッポロ一番」が半世紀に渡り支配してきた業界地図を塗り替える勢いだそうです。この流れが、これまでカップめんに押され続けてきた袋麺市場自体の復活も牽引しているようで、デフレ、デフレと言われている世の中で単価UPも実現しているそうです。マルちゃんと言えば、メキシコではカップラーメンの代名詞。アメリカで醤油と言えばキッコーマンと言われるのと同じぐらいのブランド力を持っていますね。日本の食品メーカーは、『超』成熟の日本マーケットで高品質・低価格を切磋琢磨して追求してきたわけですが、海外の売上高比率が低い企業がまだ大多数を占めています。日本食ブームなど環境もフォローで、こんなに安くて美味しいものを作れるのだから、上手く取り組めば海外でも成功する確率は高いと思うのですが・・・皆さん、どう思われますか?

ITメディアエグゼクティブで私が連載しているコラムで、今回は「日本の食品メーカー マーケティングの工夫が成功の鍵」と題してこのトピックを取り上げてみました。お時間のある方は、是非ご感想なども頂けると嬉しいなぁ。

「日本の食べ物は美味しい。」日本人ばかりでなく、海外から日本に訪れた外国人の多くが共通に持つ日本での感想である。しかし、日本の食品メーカーの海外売上高比率は決して高くない。みずほコーポレート銀行の調査によると、食品メーカー主要31社の海外売上高比率は07年より20%程度で横ばいであり、そのうち20社以上は20%に達していない。例えば、日本ではマヨネーズ、ドレッシング、ジャム(アヲハタ)などで高いブランド力を持つキユーピーは、昨年度の売上高は4864億円だが海外売上高比率は5%にも達しておらず、ここ数年その割合は横這いである。日本で評価されるブランドを築きながら、なぜ海外での売上が伸びないのであろうか?海外で成功を収めている他の食品メーカーの取組と何が違うのであろうか?成功企業の取組も概観した上で、キユーピーのような食品メーカーが今後、海外展開を行う上でどのような視点が必要かを検討してみたい。

 

 キユーピーは、海外進出という観点からは決して後発組ではない。1981年にはタイの現地企業と技術提携を行い、キユーピー印マヨネーズの製造販売を開始している。翌年には、米国に子会社を設立してやはりマヨネーズの製造販売を開始している。しかし、同社の海外売上高比率は09年度よりあまり変化していないようである。同社は、15年度の海外売上高比率10%、海外営業利益率10%以上を目標に取り組んでおり、昨年度は中国での売上を現地通貨ベースで3割伸ばすなど徐々に結果は出てきている。しかし、同社の日本での実績、先行する他社の実績などから見ると、本来の力を出し切っているとは思えない。キユーピーのような日本で評価されている食品メーカーが海外に進出して結果を出すためには、どのような視点や取組が必要なのであろうか。

 海外で成功を収めている食品メーカーとしてまず名前が挙がるのは、恐らくキッコーマンだろう。同社の20123月期の海外売上高比率は45%、海外営業利益率は69%を占めている。1957年という非常に早い段階から本格的にアメリカに進出し、醤油=キッコーマンと認識されるまでに浸透させた。キッコーマンが、「醤油は肉と合う」ということをスーパーでデモンストレーションし「デリシャス・オン・ミート」という販売キャンペーンを繰り返し行い市場で浸透を図って成功してきたのは有名な話である。「おしょう油をその国の文化にしっかり根ざした調味料にしていこう」というのが、キッコーマンの基本的な海外戦略である。

ヤクルト本社も60年代から海外にビジネスを展開し、20123月期の海外売上高比率は24.3%、海外営業利益率は41.2%となっている。ヤクルト本社は、日本流のヤクルトレディによる宅配型の営業を地道に展開することでここまでビジネスを広げており、現在は海外のヤクルトレディが約4万人いる。消化管内の細菌叢を改善し、宿主に有益な作用をもたらしうる有用な微生物と、それらの増殖促進物質であるプロバイオティクスを商品のコアとしている同社は、この販売方法が最適だとしている。プロバイオティクス製品が効果を発揮するためには、継続的な使用が前提とされる。スーパーなどで拡販して一時的に購入しても効果が出ないため、リピーターを作ることは難しい。ヤクルトレディが効果と使用方法を丁寧に説明し、効能を理解した上で、少額の購入を継続してもらえる顧客を開拓する必要がある。そのためには、日本で作り上げた宅配型営業が最適であり、その手法を愚直に実践し海外のビジネスを展開しているのである。

両社を含め、これまでに海外で成功を収めてきている食品メーカーに共通している要素は、言うまでもなく「泥臭い営業」である。これまで食したことがないものを口に運んでもらう、継続して買ってもらうためには、まずその良さを分かってもらわなければならない。「体験」である。一度良さが分かり、美味しさ、栄養、安全性といった日本製品の品質を理解してもらえば、成功の道筋が見えてくる。先陣を切った多くの企業が、「泥臭い営業」を愚直に行ってビジネスを作り上げてきたわけだが、これから海外進出を本格化しようという企業には、過去にはなかった追い風が大きくいって3つあると思われる。これらを最大限に利用すれば、日本の食品メーカーはスピーディーに海外展開を実現できるのではないだろうか。


さて、この後は私なりにキユーピーを例にとって、今後どのような取り組みが必要かを考えて書いてみました。実は、このコラムは明日、12月3日ITメディアエグゼクティブで掲載されることになっています。ま、ブログでフライングですね。お時間のある方は、是非続きをITメディアエグゼクティブのサイトでお読み下さい。くどいですが、掲載は明日の12月3日です。タイトルは、「マーケティングの工夫が成功の鍵 食品メーカー」です。
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Koji

美味しい食べ物とお酒をこよなく愛すコンサルタントです。戦略立案とBPR、及びこれを実現するためのITなどに関するコンサルティングを提供しています。また、ビジネスリーダーを育成するシンスターで企業研修などの講師も務めています。
株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター代表取締役

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