井上浩二のブログ:現在(いま)を考える

株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター の代表取締役井上浩二が、ビジネスに関して日々考えていることを発信。

株式会社シンスターでは、人材育成に関するコラムを発信しています。是非こちらもご覧ください。

2016年02月

良く考えてお金を使っていますか?

いやぁ、いやな季節になってきましたねぇ。春は、暖かくなり桜も咲き、素敵な季節でもあるのですが・・・花粉症の私にとっては、結構憂鬱な季節でもあります。毎年、1月末から薬を飲み始めるのですが、朝はくしゃみに鼻水、涙。ひどい時は微熱も出て、体もだるい。これが、ヒノキ花粉まである私は5月後半まで続きます。ちょっと調べてみたら、花粉による年間の経済的損失は概算で2860億円にもなるそうです。皆さん、ご存知でしたか?これって、何とかならないんですかねぇ。

全体のバランスを考えたお金の使い方を考える
経済的損失が5年で1兆4300億円、10年で2兆8600億円、すごい金額ですよね。どこでどう計算しているのか分かりませんが、診療費などの税金負担もあるでしょうし、企業や国の生産性が落ちる事、個人の生活が非生産的になったり、うっかり事故を起こしたり・・・色々とあるんでしょうね。この損失は、今のままで行ったら増える事こそあれ、減ることはあまりなさそうですよね。国も何もやってないわけではなく、林野庁が主体となって花粉対策苗木への植え替えに補助金を出しているようです。しかし、たったの1億円ではねぇ。全部植え替えるのに何年かかるんでしょう?何だか、とりあえず「ちゃんと対策を打ってるんですよ」と国民に言い訳するレベルの話のように見えるのですが。皆さんご存知だと思いますが、現在の花粉症の問題は、高度経済成長以降の大気汚染などによりアレルギー症が出やすくなったことと、都市化が進んでアスファルトやコンクリートが地面を覆うことで花粉が地面に吸着されなくなったことが原因と言われていますね。勿論、戦後の建築需要に応えるためにスギやヒノキなどの建材に利用しやすく価値の高かった樹木を積極的に植林したことが大きく影響していますが。今更、町の地面を土に戻すというのは非現実的でしょうから、対策は飛散を防止すること。技術的には、最近は菌類、つまりカビを使ってなんていうのが開発されているらしいですね。この手法を使うと、80%も飛散を押さえられるとか。ソルビタン脂肪酸エステルを使った研究をされている方は、9割も飛散を押さえられる実験結果も出されているとか。私みたいに薬やマスクを買ったりしてお金を使っている個人も、社員の生産性が落ちて困っている企業も、そして国も、花粉の飛散を押さえられるのであれば、こういう防止策にもっとお金を使った方が良いと思いませんか?5年で1兆円使ったら、結構な対策が打てるんじゃないかなぁ?(甘いのかなぁ?)そもそも、誰も薬何て飲みたくないでしょうし、マスクだって正直しない方がずっと気持ちが良い。同じお金を使うのなら、国が音頭を取って、もっと抜本的でありながら、出来るだけ短期間で効果の大きい施策を考えて打ってほしいのですが。
一方、花粉症で一儲けしている方々がいるのも事実。個人的には、ですが。医療に薬、マスク、空気清浄器・・・色々ありますねぇ。この方々、花粉症マーケットがなくなったら、それは相応に困りますよね。また、企業のビジネスが縮小することにより、経済全体に悪い影響を与えてもいけない。そこは、やっぱり国がバランスをとるしかないんでしょうね。本来は、市場がなくなればそれ以外の所で付加価値を出してビジネスを作ればいいという話でもありますが、移行期は移行期で考えないといけない。バランスよく、使うべきところにお金を使うように国が動いてくれると良いのですが。これは、個人の家計でも規模こそ違えど同じことが言えますね。企業も。限られたお金をどこに使うか、私も良く考えて使わないとなぁ。

財布を間違えると・・・
花粉症だけでなく、社会として向き合って解決しなければならない問題って沢山ありますよね。そのうちの一つが、待機児童の問題でしょうか。少子化なのに解決しないこの問題、色々な人も解決に向けてご苦労されているようですね。先日、ニュースを見ていたらこの問題が取り上げられていたのですが、その際に取り組みをされている方の一言がちょっと気になってしまいました。その一言とは、

「高齢者にお金を使うのも大事かもしれませんが、そのほんの一部でも未来のある子供のために使ってもらえたら・・・」

というような発言をされていたと記憶しています。個人的には、この発言はどうかなぁ、と思ってしまいました。現在のご高齢者の方々、特に70代半ば以降の方々は、戦後復興期に一生懸命働き、今の日本を作ってくれてきた方々ですよね。今のように娯楽も少なく、ワークライフバランス何て言葉もなく、週休2日もなく、一生懸命働いてきて下さった方々が大半です。その方々への支援を減らして・・・というのは、私は釈然としないですねぇ。未来ある子供への支援をもっと厚くというのは大賛成ですし、大義名分があります。しかし、財源として考える財布が良くない。活動も素晴らしいし、その根っこにある基本的な精神は非常に素晴らしいのに、こんなとこでケチを付けられたら本当にもったいない。公共施設、官公庁のコスト、予算合わせの工事、無駄な議員や国会の費用・・・どうせ使うならもっと大事なことに使った方が良い、そもそも減らせる無駄が沢山ある支出が山ほどあるように思えますから。
ま、この話も、個人、企業、国など全てに当てはまりますね。削ってはいけない、あるいは他に回してはいけないお金を無理回そうとしてはいけないし、他に使った方がずっと意味のあるお金もある。お金の出どこ、財布も間違えないようにしないといけませんよね。

それはそうと、今年の花粉の飛散量は平年よりは少ないそうです。それでも、風の強い日なんかは要注意とのこと。早く、軽く終わってくれると良いんだけどなぁ。
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誰かに何かを教えていますか?

18歳選挙の実施に向け、色々な取り組みがなされているようですね。テレビや新聞の報道でも、最近この手の話をよく見かけます。先週、NHKの朝のニュースでも特集を組んでいましたが、木曜日の朝のニュースでは、こんな話が取り上げられていました。(詳しくは、おはよう日本のサイトに写真入りで紹介されています。)
ある高校で、生徒たちに選挙の意味などを教えるために、4人の先生が架空の政党名で立候補し、現実さながらの選挙活動をして生徒たちに投票させる。候補者役を買って出た、熱意ある先生は、
・きりっとした感じの若手女性教員
・イケメン系の若手男性教員
・優しく楽しそうな(?)若手男性教員
・白髪交じりでしっかりした感じの中堅男性教員
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4人の中から2人が当選するとのことですが、この中から高校生たちが票を投じたのはどなただと思いますか?

教えることの大切さ 実は教える側に一番のメリットがある
誰が当選したかはちょっと置いておいて・・・、候補者役になった28歳の英語の先生(写真の左から2番目)のコメントが私にとってはとても興味深かったので紹介しますね。まず、この模擬選挙を始めるにあたって仰っていたのは、

「自分にとっても必要、今後、高校生も知らないといけないこと。(自分自身が)面白いかどうかよりも、やらなければいけないことかな。」

良いこと言いますねぇ。流石先生!ちゃんと、自分も勉強しなければいけないことを意識している。そして、模擬選挙を実際にやってみて仰っていたのは、

「自分自身で候補者を演じなければいけないので、いろいろ調べていくなかで、知らないことは本当は怖いことだと。」

これまた、素晴らしい生徒に教えるために、自分が言いたいことを分かりやすく伝えるために勉強、そして生徒から来るかもしれない質問に答えられるように勉強、そしてその勉強が実は自分の成長に繋がっていることを実感している。これは、「何かを教えることは、実は教える側が一番勉強になる」ことを非常に分かりやすく伝えてくれる事例ですね。実は、私も同じ。MBAスクールや企業研修など、様々場面で講師やファシリテーターをさせて頂いていますが、その場を有意義にするための準備、つまり最近の出来事や企業の事例などを、お伝えしたいポイントを明確にしてお話しするための準備や、出ると想定される質問に自分なりの考えをお答えするための準備、これが自分の成長に物凄く貢献してくれていると思います。
最近は、数多くの企業が「社員同士が教え合って成長する文化」の確立を中計などで掲げていますが、本当にそれを実行したいのであれば、それが実践されるようになった時の一番のメリット、つまり教える側が一番成長するという事を成功例を作りながらしっかり伝えていくべきだと私は思います。社員が社員同士で教え合う、教えるプロではないのですから、多少不格好なことがあっても良いのです。格好良く教えようなんて思わずに、「自分の勉強になる」ということを意識して、取り組むことが大事。しかし、やっぱり伝えた後に「非常に勉強になった」なんて参加者に言って頂けると、それは非常に嬉しくもあるのですけどね。

目的に応じたやり方を考える
さて、選挙結果に戻りましょうか。当選したのは、左のお二人。(ニュースの一場面で見た記憶で書いているので、間違っているかもしれませんが。)正解だった人が多いのではないでしょうか。各候補者が、何を訴えていたのかも知らないのですけどねぇ。この事例、先生と生徒が一緒になって政治を議論し、その理解を深め合った事、そして18、19歳で選挙に臨む若者達が選挙への関心を深めたこと、それだけで非常に有意義な事だったのだと思います。ただ、折角の模擬選挙、若者たちの学ぶ場というところでは、もう少し違った色を入れても良かったのでは?例えばですが、若手候補者役の方には、それっぽいけど経験や思慮の浅さが伝わる選挙活動をして頂き、白髪交じりの叔父様には多少偉そうに見えるけど実は非常に良く考えられた施策を選挙活動で話して頂くとか。その上で、選挙後に候補者の話していた施策の内容や実現性などを議論するとか。要は、表面的なきれいごと、耳触りの良いことだけで選んではいけない、本当に政治家としてふさわしいと思う人を選ばなければいけない、なんてことも若者に学んでもらえる場にもなると、尚良い取り組みになるのではないかと思うわけです。実行する取り組みで何を目的とするのか、そのためにはどんなやり方をしたらいいのか、こんな事例からも色々と考えてしまいました。これは、ビジネス上のことでも勿論同じことが言えます。何のためにやるのかを考えて、そのための最善のやり方をしっかり考えないといけないですね。繰り返しになりますが、誤解の内容にお伝えしておきますと、上記の事例は今回のやり方でも非常に有意義なものだった、素晴らしい取り組みだったと私は思います。

さて、夏の参議院選挙に関しても、最近私が考えていることもちょっと書いておきますね。先日、別のニュースで若い女性が「最後は、やっぱり格好いい人に投票しちゃうかも」なんて話していました。これは、耳に残るなぁ。また、今度の選挙に出馬しよう(?)と活動している若手の政治家が、若者に選挙に対して関心を持ってもらうと称して、大学で「(多分地方都市だと思いますが)地域活性化のために、この地にテーマパークを誘致したければ出来るんです。皆さんが、そういう人を選挙で当選させれば良いんです。」なんて語っていたことも報道されていました。国政選挙は、人気投票じゃないんですけどねぇ。選ぶ側が勉強して、しっかりと候補者を評価するようになれば、立候補する側ももっと勉強するようになるかもしれませんね。そのために、高校や大学で先のような取り組みが沢山なされているのは心強いですね。そうなると、そもそも政治家のレベルをもっと上げないといけない、そっちの取り組みの方が今の日本にとっては優先度の高いイシューなのかもしれませんね。しかし、それはなかなか行われそうにないなぁ、と個人的には残念に思っています。

『出来る!』と思って取り組んでいますか?

先週は、個人的にはとても嬉しいニュースから1週間が始まりました。松山英樹選手の米ツアー、フェニックスオープンの優勝です。テニス界では、錦織選手がランキングTop10を維持し、多くの日本選手が大リーグや欧州のサッカーチームで活躍し、ラグビーの五郎丸選手もオーストラリアのチームに入る。私が子供の頃からすると、本当に隔世の感です。やっぱり、日本の選手が世界のトップレベルで活躍してくれると、嬉しいですよねぇ。

『出来る!』という信念が大事
数多くの日本人の活躍、『出来る!』と信じる気持ちが大事なのでしょうね。以前、ある企業の経営者が事業部長さんたちを前に、

「君たち、本当に今の目標を『出来る!』と思って取り組んでいるのか?人間なんて、『出来る』と思って取り組んだって、出来ないことが沢山ある。最初から『出来ないかもしれない』なんて思って取り組んでいたら、出来るわけないだろう!」

と話していたことを思い出します。(良いこと、言いますねぇ。)ジム・コリンズが、『ビジョナリー・カンパニー2』で言っていることも、これに通じますね。「針鼠の概念」として知られていますが、そこで問われていることは、
・世界一になれるところはどこか
・経済的原動力は何か
・情熱を持って取り組めるものは何か
の3つですよね。世界一になれる、つまり自分で『出来る!』という信念を持てること、更に『情熱』を持って取り組めるもの、これを見極めることが大事だと言っているわけですね。これは、ビジネスばかりでなく、あらゆることに通じるのだと思います。
私が子供の頃には、「日本人選手が大リーグに行ったって、活躍できるわけない」と皆が思い込んでいたように思います。ゴルフだって、テニスだって同じです。子供の頃の記憶を辿ると、サッカーの奥寺選手がブンデスリーガで活躍するのをテレビで見て、「こんな人もいるんだ」と感心したことを憶えています。その後、ゴルフでは青木選手が、岡本選手が活躍し、競技によっては日本人も世界で通用するんだと心強く思ったりしました。そして、野茂選手に始まって多くの野球選手が大リーグでプレーし、サッカーは中田選手以来欧州のトップチームで活躍する選手が数多く生まれている。最初に勇気をもって挑んだ方々は、本当に凄いですね。こういう先人がいるからこそ、その姿を見て「日本人だってやれる!」と多くの人が思うようになった。その結果、『出来る!』と言う強い信念と熱い情熱を持った多くの日本人選手達が、今や世界を舞台に所狭しと活躍しているんでしょうね。

PDCAは何故回らないのか? 目標が目標になっていないからだ
ビジネスの世界では、4月の新年度に備え、来期計画などの詰めに追われている方々も多いのではないでしょうか?そんな中、今期の結果を振り返る場を持たれている方は・・・これが結構少なかったりするんですよね。ま、それが世の中でPD、PDの繰り返しでPDCAが回らないとされる所以でしょうか?最近、色々な場でPDCAの話をして欲しいと頼まれることが多いのですが、皆さんは何故こうなってしまうのだと思いますか?ま、色々な理由があると思いますが、とても大きな理由として「目標が目標になっていない」という事が多々あるのではないかと個人的には思っています。よく聞く話ですが、例えば売り上げ目標。全社で5%成長なんて目標が上で立てられ、それが配分される形で各部署に降りてくる。その際には、何故その目標になったかが腹落ちする形で説明されない。そうすると、これを受けた人は、「目標が上から降りてくる、降ってくる」なんて言い出す。その目標に対しては、・・・最初から『出来る!』なんて当然思わないわけですよね。しかし、仕方なくこれを一応目標にして、計画を立てる。そもそも、『出来ないだろう』と思って取り組むケースが多いわけですから、計画自体も根拠の薄い机上論になり、その結果に対しても真剣に振り返りはしない。どうでしょう、こんなケースをよく見かけませんか?大事なことは、目標を立てると時に、『こうやったら出来る!』という仮説をしっかり考え、組織で腹落ちさせることですね。そうなると、それが本当に皆の目標になる。そこに情熱が加われば、その仮説を現実のものとするために皆が一生懸命取り組む。仮に目標が達成されなかった場合にも、何故上手く行かなかったのかを考え、次の行動にその反省を生かそうとする。ま、これが所謂『PDCAが回る』という事ですね。目標とそれを実現する仮説に納得性がなければ、PDCAなんて回るわけがない。皆さんも、気を付けて下さいね。

そう言えば、先週はアインシュタインの「最後の宿題」とされた重力波を、米研究チームが初めて観測したというニュースも飛び込んできましたね。凄いですねぇ!これで、これまで神秘に包まれていた宇宙の謎が少しずつ明らかにされ、様々な進化に繋がるのかなぁ。今後、どんな風に生かされるのか、とても楽しみですね。この快挙も、きっとメンバーが『出来る!』と信じて、情熱をもって取り組んできたから達成出来たのでしょうね。こんなスケールの大きい話ばかりでなく、小さな他愛もない目標かもしれませんが、我々も一つ一つ『出来る!』と信じて、情熱をもって物事に取り組んでいかなければいけませんね。

先手を打てていますか?

先々週、「縮む国内家電市場」なんて記事が気になったと思ったら、先週はシャープの話が大々的に取り上げられましたね。鴻海精密工業と産業革新機構を天秤にかけるシャープのやり方、如何なものなのでしょうね?パナソニックや日立が出来たように、シャープもやりようによってはこれまでにいくらでも立ち直れたのだと個人的には思っています。シャープ経営陣は、支援の条件の一つに「雇用の維持」を出しているそうですが、そう出来たらそれに越したことはないですが、今やそんな事言っていたら下手をすると全社員が路頭に迷うことになってしまうかもしれない。決断も遅いし、過去の成功に囚われすぎている、個人的にはそんな風に思っています。やっぱり、企業は経営者次第なのでしょうね。このような事例を教訓に、私も自分の会社をちゃんと経営せねばと考えさせられました。
ま、先週はこのようなことも有り、日本の家電業界に関しては色々と考えるべきことがあるのだと思いますので、お伝えしていたように先の記事を読んで考えたことを書こうと思います。皆さん、事前に読んでおいて頂けましたか?色々な考えがあると思いますが、簡単に私の考えたことを書きますね。

従来通りの発想だけで良いのか?
パナソニックの美容家電、売れているんですねぇ。ナノケアなんてヘアドライヤーには、3万円ぐらいのものまである。自分ご褒美、あるいは美容室や美容院に行くことを考えると高い家電を買って自宅でケアした方が安くなる・・・色々と理由があるのだと思いますが、これは確かに市場の動向をよく分析し、パナソニックが新たに上手く作り出した市場なのでしょうね。しかし、これは一朝一夕でできたことではありません。美容市場を作るのに、パナソニックは数年前から化粧品会社やホテルとコラボした企画なんてことまで行い、随分時間とお金をかけて取り組んでいましたからね。確かに、ここにヒントもあると思いますが、誰でも出来ることではなさそうですね。そもそも、これまでにない高機能製品を作らなければなりませんし、マーケットにも認知されないといけない。そこには、相応の投資が必要になる。私が、この話でまず引っかかったことは、この「高機能製品」による成功というところです。以前も何度か書きましたが、どうも日本の企業は新製品というと「掛け算、足し算」で考える。兎に角、これまでの機能を上回るものを提供しようと。この従来の発想を変える必要があるのではないかと、個人的には思います。言うまでもなく、市場は日本以外にもあるわけで、新興国にはもっとリーズナブル≒買える値段で基本的な機能を有したもの、しかし壊れないものを提供してほしいというニーズはあるわけです。日本にも、「もっとお手頃な値段で」というニーズは常にある。そのようなニーズに対応するには、「割り算、引き算」の考え方が必要なのではないかと思います。ニーズに対応した新機能も勿論いいのですが、兎に角お金をかけて新たな機能を作ることだけを向くのが今後の日本の家電プレーヤーのヒントのように言われると、個人的には違和感がありますねぇ。

まだやりきれてないこと、今やるべきことは?
そもそも、今の日本の家電製品は、私は非常に良くできていると思います。プロダクトアウトの発想かもしれませんが、消費者のニーズに応えようと色々な機能を備えている。グローバルの市場を見たら、今あるものを手直しして、売れる価格で勝負したら勝機は沢山あるように思えます。TPPによる課税撤廃も追い風ですしね。最近の「爆買い」も、一時のことで終わらせてはいけない。そう考えると・・・もっと海外で買いやすくする、それ以上にアフターサービスを充実させるということは、喫緊の課題のように思えます。以前、何かで読んだことがあるのですが、中国市場では中国製品はすぐ壊れるけど、壊れたら直ぐに新品に取り換えてくれるとか。一方、日本製品は壊れにくいけど、壊れたら「原因分析」なんかに時間をかけて、対応が遅いと評判が芳しくないとか。そもそも、新興国市場ではアフターサービスのネットワークがまだまだ出来ていないですね。足元の日本市場を見て、そこで他社との差異化を図るために切磋琢磨するのも良いですが、広い市場を見渡して全体として徹底的にビジネスを見直し、足腰の強い企業にするということも大事なのでは?もっと視野を広げて市場を見ると、本当は今やるべきなのに出来ていないことが、更にそこに手を打てばもっとビジネスを好転出来ることが多々あるように思えるのですが・・・勿体ないなぁ、と個人的には思います。

美容家電のヒントとは?
一方、折角ですから美容家電のように「市場のニーズの変化をきめ細かく読み取り、製品開発に反映するしなやかさ」(日経記者の言葉です。言うのは簡単ですよね。)では、どんなことがあるのかも考えてみましょうか。例えば、五感で考えてみたらどうでしょう?味覚は色々とやってますよね。聴覚は?もっと便利に良く聞こえるようにしたいというニーズは、まだ何かありそう。嗅覚は?これ、芳香剤とか、そんなレベルしかないですよね。触角は?なんか色々あって面白そうですよね。視覚は?これは、色々とあるのでしょうね。良く取り上げられるダイソンの掃除機。掃除機のコア機能である「吸い取れる」に焦点を当て、そこを磨いたところが素晴らしいわけですが、訴えかけているのは視覚ですね。部屋を見て、掃除した後を見て、気持ちいい程(?)綺麗。エレクトロラックスの掃除機は、そこにプラスアルファで聴覚に訴えているわけですよね。綺麗になって、掃除している時の音も静か。こんな掃除の観点からすると、部屋の壁や天井、水回り、窓、玄関、家の外壁などなど、本当はもっと綺麗だといいけど、掃除に手間がかかり不便なところは多々ありますね。そんなところへのソリューションが求められるのかな?きっと、そこで大事なのは、製品の形態や付随機能ではなく、「コア」の部分にエッジが立っていることなのだと思います。重さが軽くても、綺麗にならないのでは意味がない。音が静かでも同じ。やっぱりコアを磨いて、そこにエッジを立てると強いですよね。ま、こういう製品も色々と出て来てくれると嬉しいけど、今あるものでも十分じゃないかなぁ、というのが個人的な意見ではあるのですが・・・

日経の一つの記事から、色々と考えたことを書いてみたのですが、なんとなく日経さんに悪い気がしたので、良い記事の話も。(沢山あるんですよ。)先週の記事では、1面で連載していた「食と農 平成の開国」の第3回に良いことが書いてあるなぁ、と思いました。ま、企業の事例自体はどうでもいい話だったのですが、結びが良い。

市場の環境や消費者の嗜好はあっという間に移り変わる。「その時」を見据え、新たな試みに挑む企業の備えと経験は、やがて生きる時がくる。

と書かれています。良いこと書きますねぇ。今だけでなく、先を見て手を打つことの重要さ。最初は小さな胎動でも、それが社会の要請に応えるものであれば、必ず日の目を見る日が来る。そういうことでしょうか。それも、既存のビジネスだけに囚われずに。
シャープの場合、投資した額が大きかったが故に液晶に拘りすぎたのでしょうかね。家電でも、ヘルシオとか、良いものあるのに。4年ぐらい前に、あるシャープの関係者から今後どうしたら良いと思うかを聞かれたことがあります。その際、もっと白物とかに資源を投下してはとアドバイスしたら、「(当時)もう白物は売り上げ全体の1割にも満たないですからねぇ」なんて言われました。4年間、市場の変化に対応する取り組みをしていたら、今とは違う結果もあったのではないかと個人的には思うのですが。ま、どこに支援を受けることになっても、日本を代表する(した?)企業の一つとして、是非また強いシャープに再生して頂きたいものです。
livedoor プロフィール

Koji

美味しい食べ物とお酒をこよなく愛すコンサルタントです。戦略立案とBPR、及びこれを実現するためのITなどに関するコンサルティングを提供しています。また、ビジネスリーダーを育成するシンスターで企業研修などの講師も務めています。
株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター代表取締役

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