井上浩二のブログ:現在(いま)を考える

株式会社ケーティーコンサルティング株式会社シンスター の代表取締役井上浩二が、ビジネスに関して日々考えていることを発信。

株式会社シンスターでは、人材育成に関するコラムを発信しています。是非こちらもご覧ください。

2019年12月

流されてませんか?

早いですねぇ、師走ですねぇ、今年の10大ニュースなんて話題が聞こえてくる時期ですねぇ。なんてことを思いながらネットでちょっと見てみると、そう言えば今年は「令和」に改元されたんだ、なんて事を思い出しました。自分にとっては、どんな1年だったかな、なんて思いながら携帯の写真を振り返ってみると(今は、簡単に振り返れて、便利な時代になったと再認識)・・・ふむ、自分としては大いに反省しなければならないことがあることに気付きました。

どういう状態にしたい?
自分のことの前に、ちょっと世の中の話。日本では、令和になり、消費税も10%に引き上げられたり、日韓関係が最悪になったり、花見の会で盛り上がったりと、一つ一つを見ると相応に大きな話があるのですが、全て一過性の話題で終わる。1年で、何か日本は良くなったのかなぁ?良し悪しは別として、何か変わったのかなぁ?皆さんは、どう思います?世界で見てみると、今年も大いにトランプちゃんが話題を沢山作ってくれたように思います。日本にとっての最大の関心事は、米中問題ですかね。ま、一応今年最大の危機は回避した、問題を先送りしたという感じでしょうか。ヨーロッパでは、Brexitに向けてようやくイギリスが動き出したように見えますが・・・この先どうなるんでしょうね?香港の民主化デモは、今後どういう形で決着するのでしょう?
勿論、一筋縄で解決しない問題ばかり。ただ、今の世の中を見ていて思うことは、未来図と言うか、青写真と言うか、先に目指す姿が描かれていないのではないかなということ。10年先の世界がどうなっているべきかを描くのは物凄く難しいですが、1年後にはどういう状態になっているべきかは具体的に考えられる。相手に示せる。それを基に、互いの主張が異なるところを調整できる。こういうプロセス、議論を引っ張るリーダーが欠けているのかな?日本の話をすれば、分かりやすいですよね。消費税導入でも何でも構わないですけど、これは現在の問題を解決するための手段。では、消費税導入1年後に、具体的に税収がどうなっていて、それがどう配分され、世の中がどれだけよくなっているのか。それを示すリーダーはいませんね。どういう状態を作り出したいかを明確にし、その実現のために具体策を打ち出して取り組む、そうならないといけないのですが・・・財源が足りない、韓国が徴用工問題で自国の論理ばかり振り回す、税金を使って自身の後援会をもてなす・・・こういう表面化した問題に対処療法的な対応をする。つまりは、今に流されていて、先がどうあるべきかを議論しない。それじゃ、なかなか問題は解決しないですよね。

翻って、自分はどうか?この1年振り返ると、個別具体的には色々なことがありました。1年振り返ってみると・・・流されてますねぇ。良いことばかりでなく、色々と問題もありましたが、思い出してみると自分も対処療法的に動いていることばかりのような気がします。その時その時の判断と言えば聞こえが良いですが、先がどうあるべきか、どういう状態を1年後に作り出したいか、そういう思考が足りない。そもそも、年始にどんな目標を立てたかも覚えていない。家族や友人、仲間がこの1年健康に過ごせただけで十分幸せなのですが、より良くするためには自分の意識の持ち方を変えないといけませんね。1年をさっと振り返ってみて、こんなことを感じました。

さて、来年はどんな年になるでしょう?年末年始、今年の反省も元に、来年は自分としてもどういう目標を持つべきか考えてみます。でも、勿論いい思い出もある。家族で新年を迎え、息子が中学に上がり、夏にはNYでヤンキースの試合を観戦し、ラグビーWCも観戦し・・・こういう良い思い出がもっと増える1年にもしたいですね。

来週からは、私も年末年始の休暇に入りますので、来週はブログもお休み。皆さん、今年も私の拙いブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。来年も宜しくお願い致します。どうぞ、体調に気を付けて良い年を迎えて下さい。
20191222_season's greeting

「やりたい事」を追いかけていますか?

今朝の日経を読んでいて、かなり個人的には引っかかった記事があったので、皆さんにも共有しますね。


と題した記事です。そもそも、株価を上げることを目的として何かを語るのは、個人的には大嫌い。ま、それでも定量データに基づいて何かを言わんとしているようだからと読んでみたのですが・・・自分なりにファクトや有識者の意見、記者の見解の意味をちゃんと考えながら読む必要があるようですね。

経営とは?
この記事、色々と引っ掛かったのですが、一番はここ。グローバルに見たときに、日本企業は売上が1000憶ドルを超えるようにならないとか、ROAが10年も経つと低迷するとか、書いています。その中では、

米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は過去20年で1000億ドルから3000億ドルに伸ばした。ポテトチップスの「プリングルズ」や「デュラセル」ブランドの電池事業を売却する一方、衣料用洗剤など10の領域に注力する再編を進めた。


という事例も出して、「ファーストリテイリングも700億ドルに届かない」と言う。更には、


日本企業は「成熟」が早い。早稲田大学の清水洋教授らによると、資産からみた収益力を示す総資産利益率(ROA)の平均が設立10年ほどで低下に向かう。米企業が10〜12%を保ち続けるのと対照的だ。理由は、大胆な事業の新陳代謝ができない経営にある。「収益性の高い事業に経営資源をシフトしきれない」(清水教授)


なんて、日本の経営者の経営能力が低いかのように書く。(清水教授のご意見は、こんな風に引用されるとご本人の本意ではないかもしれませんね。)ファーストリテーリングの昨年度のROAは、8.2%。立派ですよねぇ。売上収益は2兆2,905億円、前期比7.5%増、営業利益は 2,576億円、同9.1%増と過去最高の業績。凄いじゃないですか。何よりも素晴らしいのは、「皆に喜んでもらえる自分のアパレルブランドを作りたい!」という想い、やりたいことを貫いてここまでの成長を遂げていること。しかも、その想いに共感して働く仲間をグローバルで増やしている。FRはほんの一例で、他にもこういう企業は沢山ある。それを、株価だの売上だのROAだの・・・そんな数値だけで経営を語るのは、やはり如何なものかと思っちゃいます。個人的には、想いを持って起業する、想いを持って働く企業を決める、その想いを追い続け、やりたいことをやりながら企業や社会に貢献することができたら素敵だと思います。私は、そういう生き方が好きだなぁ。


私自身、そうなっているかと言うと、ある部分は出来ているかもしれない。でも、本当にやりたいことと考えると、まだまだやり切れていないことがありますね。頑張らないと。一方、先週13歳になった息子は、出来れば自分のやりたい事に突き進んで欲しいなぁ、なんて父親としては誕生日を祝いながら願わずにはいられないわけです。

20191208_浩喜誕生日Dinner

一隅を照らしていますか?

「照一隅」、先週亡くなられた中村哲医師の座右の銘です。武力ではなく「鍬」でアフガンに平和をもたらそうとした、本当に素晴らしい方。先週、銃弾に倒れられたのは、本当に残念でなりません。その中村先生が仰っていた言葉の意味ですが、世界を平和にするためには、自分の出来ること、出来る範囲でその一隅を照らすことが大事であり、この一人一人の努力の総和が世界に平和をもたらすのだ、と私は理解しています。「一隅を照らす」、あらゆる意味で本当に大事だと思います。

ビジネスの世界では
こんな悲しい出来事があった先週ではありますが、個人的には逆に元気づけられることも。先週の金土、四国のある企業で2日間にわたるワークショップをやらせて頂きました。新規事業/サービスを企画するための場だったのですが、その入り口が「四国の地域課題解決」。1日目は、参加者の皆さんと四国の地域課題とその解決の方向性に関して議論させて頂きました。そこで、とても素晴らしいと感じたのは、参加者個々人が常日頃から四国の地域課題に関して真剣に考えていたことでした。議論をしていると、自分も含め家族が直面している課題や自分の担当するお客様が抱えている課題など、様々な観点から自分事として地域課題を話し合っている。人口減少、高齢化、過疎化、産業空洞化・・・色々な課題を表面的な議論にならないように、具体的にどこでどれだけのことが起こっているか、定量的なファクトも押さえて議論している。この課題解決を目標に取り組もうとしている企業と参加者個々人の姿勢に、本当に元気づけられました。
しかし、その解決策を考えるのは簡単ではないですよね。そもそも、急に浮上してきた市域課題などは殆どなく、多くの方が取り組んでもなかなか解決しない課題ばかり。皆さんとは、こういう課題が何故これまで解決されないのか、そこにどう取り組むべきなのか、など真剣かつ楽しみながら2日観議論させて頂きました。その議論の中で、ビジネスパーソンがこういうことに取り組む際の難しさを再認識したところもあります。それは、「どう取り組めばいいかを考えることは良いのですが、それがなかなか当社のビジネスに直決しないんですよね」というある参加者の言葉。上からは、「そのビジネスでいくらになるんだ?」なんて事も言われる。でも、すぐには数値に結びつかない。ビジネスパーソンのジレンマですね。テーマが地域課題解決であれば、時に長期的なビジネスのストーリーを描かないといけないのだと思います。直ぐには数字が付いてこないかもしれないが、3年かけて仕組みが浸透して来ると・・・なんていうストーリーもあれば、この取り組みからは直接は数字は上がらないものの、関わるステークホルダーが増えてくると、その方々と・・・というビジネスが作れるなんていうストーリーもある。大変だとは思いますが、頑張って取り組んで先の報告会では良い提案をしてもらいたいなぁ。四国の中で、「一隅を照らそうとする」素敵なビジネスパーソンの皆さんに期待です!

ビジネスも大事ですが、人の根本は家庭。家庭が明るく照らされていないと、ダメですよね。先週の日曜日は、私の誕生日だったのですが、家族とご近所様がお祝いをしてくれました。年取るのはもう勘弁なのですが、祝ってもらうのは何歳になってもうれしいですね。家族一人一人が元気で楽しく暮らせるよう、お互に工夫して家庭を良くする。これも、「一隅を照らす」ですよね。
20191201_Birthday

キャッシュレスしてますか?

国を挙げてのキャッシュレス促進、政府は2025年にはキャッシュレス比率を4割にするという目標を掲げ、消費税増税後にはポイント還元事業も行って取り組んでいるわけですが・・・思うように進まない実態も見えてきているようですね。どうです、皆さんはキャッシュレス促進に協力していますか?

全体を俯瞰した仕組みを考える
先週、仕事の関係もあって、キャッシュレスに関して色々と考える時間がありました。そんな中で、「旨いなぁ」と思ったのが、キャッシュレス先進国の一つ、スウェーデンの状況です。決済における現金比率は既に1%なんて話もありますが、銀行もキャッシュを取り扱わないとか、現金が利用出来ないお店が多いとか、色々と報道もされていますよね。チップを手に埋め込んで決済なんて、サイボーグか!という話もあったりする。しかし、現地レポートを読んでみると、NFCによる非接触決済に対応していない端末も結構多いそうで、ものすごい最先端を行っているわけでもないようです。それでもキャッシュレスが浸透しているのは何故だろう?なんて考えてみて、自分なりに合点が行ったのは「社会全体の仕組み」を考えてキャッシュレスに取り組んでいるということです。基本的に、お店や自動券売機などではどこでも一般的なクレジットカードが使える。ま、それは普通。もう一歩踏み込んで、クレジットカードを持たないと生活で困る場面を作っているところが面白い。例えば、商業施設のトイレも公衆トイレもほとんど有料のようで、クレジットカードなどがないと使えないところが沢山あるようです。日本人としては「やりすぎ感」もありますが、これなら浸透するなぁとちょっと感心。でも、これだけじゃ現金はなくならない。そうです、買い物以外に現金が使われる場面、つまりは個人間のやり取りで現金をなくさなないといけない。そのためにスウェーデンで導入されているのがSwishというスマホ決済アプリ。中央銀行と大手銀行の共同開発で、人口の7割近くがこのソフトを使っているというか、スウェーデンでは決済アプリはこれしかないとか。割り勘、フリマで個人間で決済する、子供に、親に送金する・・・この場面をすべてSwishがカバーしている。要は、個人が現金を利用するシーンを見極め、お店での買い物とかは民に競わせ、自由度も持たせ、その裏にある個人間のやり取りはある種国策のような形で仕組みを作る。そして、生活シーンで現金を排除する取り組みを行う。うまいやり方だなぁ、と結構感心しました。

戦略なき日本
こんな風に見ると、日本は嘆かわしいですねぇ。足元で、一貫性のない打ち手で何とかしようとしているようにしか見えません。今回のポイント還元施策も、なんだかなぁという感じです。日経の記事によると、本来は中小企業支援策として打ち出したのに、キャッシュレスが進んでいるのは大手スーパーやコンビニのようです。私が記事を読んで驚いたのは、一番キャッシュレス決済が進んでいるセブン・イレブン・ジャパンですら、10月のキャッシュレス決済比率が42%しかないこと。他は、当然のことながらずっと低い。更に、ある意味面白かったのが、今回のポイント還元事業で4割以上の方がキャッシュレスに前向きだそうですが、還元が終了したら利用を減らす意向の方が11%もいるということ。ま、ポイントの魅力だけで惹きつけたらねぇ。みずほFGの調査によると、現金の保有コストは年間8兆円とのこと。現金のデザインから製造、金融業界のシステムに加え現金が使われる現場での様々なコスト・・・全部足せばこんなにもなる。この社会コストを下げることが今求められているんですけどね。

政府の取り組みを見ていると本当に嘆かわしいですが、民間企業の努力で社会に受け入れられるサービスがどんどんできてくれば、徐々に変わるのかな。先日、広島平和大通りのクリスマスイルミネーションを見て、「あれから、もう1年たったんだ」と思いつつ、この1年で色々と変わったこともあるよなぁ、なんて思いながらこんなことを考えていました。
20191126_広島クリスマスイルミネーション
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Koji

美味しい食べ物とお酒をこよなく愛すコンサルタントです。戦略立案とBPR、及びこれを実現するためのITなどに関するコンサルティングを提供しています。また、ビジネスリーダーを育成するシンスターで企業研修などの講師も務めています。
株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター代表取締役

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