井上浩二のブログ:現在(いま)を考える

株式会社ケーティーコンサルティング株式会社シンスター の代表取締役井上浩二が、ビジネスに関して日々考えていることを発信。

株式会社シンスターでは、人材育成に関するコラムを発信しています。是非こちらもご覧ください。

2021年11月

誰かに手伝ってもらってますか?

今朝の日経、サッと目を通そうとしたら、いきなり気になるヘッドラインが。「再使用ロケット、JAXAや三菱重工が共同開発 打ち上げ費用4分の1 30年ごろ初号機、目標」ですって。あの有名なスペースXが回収したロケットを使った再打ち上げに成功したのが2017年。「衛星の打ち上げコストがぐっと下がる!」と、私も興奮して色んな場で話をしたのを覚えています。それが、今更・・・しかし、今度はJAXAが中心となりオール日本で産学の英知を集めての挑戦!きっと素晴らしい成果に・・・なんて皆さんは思います?私には、あまりそうは思えないんですよねぇ。

自分「だけ」でやる必要はない!
記事では、産官学の連携による取り組みを称えているように私には見えたのですが、本当のところどうなんでしょう?JAXAは、馬鹿じゃないですよね。馬鹿というより、優秀な方々の集団。これまで、スペースXとかの取り組みを指をくわえて見ていたとは思えない。当然のことながら、研究開発に取り組んでいたことと思います。しかし、結果が出ない。で、今回は大きくやり方を変える事にした。自前に拘らずに、外部と連携してやることにした。本当のところは、こんな所じゃないんですかね。しかし、それでも連携するのはオールジャパン。これで、本当に成功するのかな?そもそも、もう成功しているプレーヤーがいるのだから、そこを自分たちで一から作る必要はないのでは?勉強させて頂くことは謙虚に勉強させて頂き、それを改善・補完するところに日本ならではの価値を付ける事の方が大事なのでは・・・なんて事を個人的には思います。
このJAXAの取り組み、個人的には結構日本っぽいなぁと思います。日本の企業、組織で何かに取り組む時、「自前主義」でやろうとすることが多いのではないかと私の経験では思っています。出来る他人、組織の力をどんどん借りて、他者(社)と組んでより価値の高いものを作り上げていった方が良いと分かっていても、自力で何とかしようとする人・組織が多いように見えます。何でも、自分の力でやろうとしなくて良いし、自分の力なんてそんなに大したもんじゃないと私は思うのですが。これからの変化の激しい時代、上手く自分よりも出来る人や組織の力を借りられるところが成功する?となると、どうやって「上手く借りる」か、そもそも誰に借りるか、そういう目利きと提携力が大事になるのかもしれませんね。

斯く言う私、いつも周りの優秀な方に助けられている気がします。昨日なんかも、BBQで「出来るご近所さん」に見た目も味もびっくりの料理を持って来て頂いて、場を盛り上げて頂きました。それは、「みたらし団子の豚バラ巻」です。更に、料理ばかりでなく話にも花を咲かせて頂き、皆が喜んでくださる楽しい場に。いつもいつも助けてもらうだけでなく、私も周囲の方に少しは役に立つ存在にならないと・・・いつか誰も手伝ってくれなくなっちゃうかもしれないですからね。
20211127_BBQ

周りに信頼できる人はいますか?

「下りのスライス?」
「いえ、上りのフック」
「結構フックする?」
「いえ、曲がりません。ストレートです」
これ、昨日のグリーン上での会話。仙谷ゴルフコースは、なかなかグリーンが難しいコースなんですね。一緒に回った一番ゴルフの上手な友人が芝を読んでキャディーさんに聞くと、ことごとく否定されていました。面白かったのは、最初のうち彼は自分の読みを信じてパットし、当然のことながらことごとく外す。で、次第にキャディーさんの言う事をちゃんと聞き、その言葉を信頼するように。相手はプロを目指す青年だったのですが、相応に経験も積んで自身もある友人は安易には彼の言う事を信用しないんですね。経験と自信、とても大事なものですが、これが邪魔して他人の言う事を素直に聞けないことがある。一方、本当に信用すると相手のアドバイスを受け入れ、自分のその時の力以上の結果が出せる。そんな事を、ゴルフを通じて面白く実感しました。

信頼できる人を作る
同じような事、実ビジネスでも、普段の生活でも沢山ありますよね。特に、相応の経験を積んだ歳になってくると。これは、こうやるもんだ。こうやったら、上手く行くはずだ。無意識のうちに、そんな自信を持っていることが多々ある。で、やってみると思ったようにはいかない。そりゃそうですよね。ケースバイケースで、相手が違う事、使う道具が違う事、道具が進歩していることがあったりする。例えば、私なんかが今の若者に何かを教えようとすると、びっくりするほど呑み込みが早い事もあれば、思わぬ抵抗に会う事もある。ITを使った業務改革なんかでは、思ったより安く早くできることもあれば、逆の事も。そんな時に大事なのは、周りにいる信頼できる人ですね。私の周りの最近の若者と言えば、私の息子もそうではありますが、息子の家庭教師をしてくれている大学生の方々がいらっしゃいます。お会いした時にふと気になったことを聞いてみると、自分の友人たちの事も考えて色々と教えてくれます。ITに関して言えば、私の大親友が会社にいます。マーケティングの事で相談があれば、あの人だな。人事の事で相談があれば・・・ちょっと考えて見ると、私は恵まれていますね。何かあったら相談できる経験豊富な方々、プロの方々がいる。何をやるにしても、一度は立ち止まって自分を疑い、必要に応じて自分の周りにいる信頼できる人に相談するのが一番。そのためには、普段からそういうネットワークを作っておかないとですよね。

一方、昨日学んだことがもう一つ。それは、教え方と教えた後の対応。キャディーさん、聞かれるとサッと答える。答えた後は、特段その話には聞かれない限り触れない。相手が前回のアドバイスを無視しても、次にアドバイスを求められたらサッと答える。あの姿、素敵でした。自分が何か聞かれた時も、あれぐらいクールに、しかし親切に答えないといけないんだなぁ、とつくづく感心しました。
20211120_ゴルフ&BBQ

自分を客観的にチェックしていますか?

「あれから1年も経ってしまいました。コロナも落ち着いてきたので、またゴルフに行きましょう。」と友人から嬉しいお誘いが。そのお誘いを受けたのが、10月の頭。「よし、今度こそはちょっとは練習して・・・」なんて思っていたのですが、結局は一度もクラブに触らず今日に。流石にまずいと思い、今朝練習場に行って来ました。何か面白い練習方法でもないかなぁ、なんて思って「そうだ、スマホでビデオを撮ってみよう!」なんて思いついてやってみたら・・・愕然とする光景が。

思っているより良い事はない!
先に撮ったのが、右側の7番アイアン。何と、打つ時に伸びあがっているではないですか!更に、フォロースルーも途中で止まっている。(ちなみに、ちゃんと150ヤードはまっすぐ飛んでるんですよ。)他人が打っているのを見て、「自分のスイングはもっと格好良いはず」なんて思い込んでいたのですが、とんでもない。おっさんになって、体の動きもどんどん鈍くなっていることにも気が付きました。左のドライバーの方ですが、撮った動画を見て体が回っていないことに気が付いて、しっかり回そうとしてみたんです。でも、そう、ご覧の通り、ちゃんと回っていない。ダサい、格好悪い。本当の自分がこんな風にスイングしているとは、全く思っていませんでした。こうやって客観的に見ないと駄目なんですね。自分のゴルフ姿は情けなかったですが、ひょんなことからとても良い事に気付かせてもらいました。
実は、普段の自分の姿、こういう風に客観的に見ていませんよね。私は、講演している時の動画など、たまに渡されることがあるのですが、正直こっぱずかしくていつも見ずにしまっています。で、どうしているかと言うと、会議なんかが終わった後に気になることがあると、「何故、参加者同士で建設的な議論が出来なかったのだろう?」とか、「何故、納得を得られなかったのだろう?」などと考える。そこで、自分の言動を改善できないか考える。そして、次に生かす。なんて事しかやっていない。でも、実は自分が思っているより、全然うまく出来ていないことがきっと多々あるのでは、ということに気付かされました。自分が持つイメージなんて、大概自分に良いように考えてますものね。じゃ、どうすれば良いかなんですけど、仕事の場はゴルフの練習のように録画は出来ない。であれば、客観的なカメラの眼を参加したメンバーに求めるしかないですよね。時々、参加したメンバーに聞いて確かめるのが良いのではないかと、個人的には思います。自分では「上手くできている」と思った時、「失敗した」と思った時、そんな時にどうだったか周囲のメンバーに素直な意見をもらえたら良いですよね。思った通りの事もあると思いますが、そうじゃない時もある。そこを見ていない、気が付いていない自分がいると、今日のゴルフ場で痛感致しました。

思っているよりも格好悪い自分、見たくないですよね。でも、直視することが大事。だって、気付けば直せますから。どんな些細な事でも、相当な練習、訓練は必要になるとは思いますが。

20211114_ゴルフ練習

判断基準は明確ですか?

100分の1以下!凄い数字ですねぇ。ご存じの通り、日本のコロナの感染者数。11月5日の1日の感染者数は225人で、ピークだった8月20日の25,992人からこんなにも減りました。そんな状況下で最近よく受ける質問が、「今後どうなるんでしょうねぇ?第6波は来るんですか?」とか、「インフルエンザと同時流行するんですかねぇ?」なんて質問。「わたしゃ預言者でも占い師でもないし、医療の専門家じゃないですから、分からんですよ。」が本音。皆さんは、どう思われます?第6波は、来る?来ない?

先例から考える
そんな予測?をするために、最近よく引き合いに出されるのがワクチン先行摂取の国々の現状。特によく報道されるのがイギリスの状況ですね。規制が緩和されて、マスクもしないで飲めや歌えやの大騒ぎ。サッカー場は、満員で大声で応援。ワクチンを接種していない子供が学校で、更に強力な新型株が・・・その結果かな、先日1日の感染者数が5万人を超えてしまったとか。ドイツも、先日1日では過去最多の3万4000人弱の感染者を出してしまいましたね。この原因としてあげられているのは、ワクチン未接種者。ドイツでは、ワクチン接種が国民の7割に満たないところで停滞し、この未接種者の感染拡大が止まらないとか。こんな先例を見ると、日本は大丈夫かもしれないですね。マスクはし続けるし、感染予防も怠らない(ある程度かな)、ワクチンは真面目に皆打ち続けるし、既に3回目のブースター接種計画も始動している。怖いのは、強力な新型株?そこさえ注意すれば・・・って皆さん、思います?

大事なのは『怠りのない準備』
分かるわけないですよね。ウイルス、目に見えない上に進化(?)している。何が起こるかなんて予測は付かない。大事なのは、怠りのない準備。急に再度感染拡大した際にどうするか。病院などの受け入れ態勢は十分か。急に対応してもらうだけの準備は出来ているか。経済は?飲食店、小売店などへの要請内容は。支援の仕方は。ビジネスを再開した後に、再度止めることによる雇用の変化は。個人への支援方法は・・・これまでに学んだことは多々ありますよね。まずは、変化が起こった時にどう対処できるか、それをしっかりと準備しておくことが重要ですね。そして、もう一つ準備しておくことが、意思決定のための基準と仮説。1日の感染者、入院者数、死者・・・何をもってアクションを起こす基準にする?それが、いつ起こると思う?例えば、直近だと今週の東京や大阪の感染者数、あるいは若者の感染者数の増加が一つの判断基準になるのでは?そう、知っての通り今年はハロウィンの賑わい(?)が大分戻ったようですね。あの渋谷の状況を見ると、感染者が増えてもおかしくない。その結果は、今週辺りから出そうですよね。若者のあの集まり方、最悪のシナリオだとどれぐらい感染者が増える?もし増えたとしたら、それはどこまでどのように広がる?この仮説次第で、取るべき打ち手は変わってくる。政府は、お偉い政治家の皆さんは、勿論怠りなく準備できてるんでしょうね。だって、選挙なんてやってるぐらいですから。ある基準に沿って、素早く判断し、行動する。これが実行できれば、これまでの二の舞は起こらない。出来れば、こういう判断基準や仮説、国民に周知してもらいたいものです。そうすれば、そのシナリオへの対応方法など実際に起こった時の準備を個人レベルでも出来るのですから。
なんて言っても、日本では難しいのかな。しかし、こういう事は国レベルだけじゃなくて、企業でも個人でも同じこと。自分なりの判断基準と仮説を用意しておくことが大事。それは、通常のビジネスも一緒ですよね。環境変化、それに伴う業績の変化、企業の行動変化・・・そういう事に対して『怠りのない準備』をし続けられるかどうかで、企業の強かさが変わる。判断基準が明確であれば、直ぐに行動して対応できる。言うは易し、行うは難しですけどね。

斯く言う私、先日は出張で夜の街に。相応に賑わいのある世界、久しぶりに見ました。でも、すしざんまいの社長人形ですらマスクをし続けている。これが、日本ですね。こういう対策をし続ければ、欧米のようにはならない可能性が高いのではないか、なんて一つのシナリオを描いてしまうのは、楽天過ぎますかね?
202111_広島流川
livedoor プロフィール

Koji

美味しい食べ物とお酒をこよなく愛すコンサルタントです。戦略立案とBPR、及びこれを実現するためのITなどに関するコンサルティングを提供しています。また、ビジネスリーダーを育成するシンスターで企業研修などの講師も務めています。
株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター代表取締役

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