井上浩二のブログ:現在(いま)を考える

株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター の代表取締役井上浩二が、ビジネスに関して日々考えていることを発信。

株式会社シンスターでは、人材育成に関するコラムを発信しています。是非こちらもご覧ください。

2025年11月

言ったことを撤回・修正する勇気はありますか?

「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」、高市首相のこの言葉を皆さんはどう思われますか?FNNでの世論調査では、


という事だそうです。日本政府が「存立危機自体」とした場合には、国会の承認を経て武力行使が可能となる。そんなことが起こり得ると首相が明言してしまったわけですから、そりゃ中国は強硬に反発しますよね。しかし、世論調査ではこの発言が支持されている。こんな数字、出さなければ良いのに、と思うのは私だけではないのでは。

撤回・修正する勇気
自分が公の場で言ったことを、撤回あるいは修正し、言葉が足りずに多大な悪影響を与えてしまったことを謝る、これは勇気のいることですよね。しかし、高い立場にある人ほど必要なこと。高市首相の台湾に対する発言ですが、日本が台湾を正式な国家として公に承認し、台湾と何らかの条約を結んでいるのであれば分かります。しかし、そんなものはない。国際的には、国家として承認されている中国が「一つの中国政策」を打ち出しているわけですから、そこで起こることは国内の問題。他国が武力干渉することなどできない。もし、在日中国人の方々が何らかの組織を作って日本政府と武力で衝突した際に、中国が日本に武力介入してきたらどうなるか。一目瞭然ですよね。
台湾で何か起こり、中国が戦艦で日本の民間の船舶を意図的に攻撃すれば話は別ですね。あるいは、日本の海域に入って武力を行使し、警告を出しても辞めず、中国が武力で日本を威嚇してきた場合も話は別。しかし、高市首相はそんな事には一切触れず、「武力の行使を伴うものであれば」、「どう考えても」と言っていますね。救いは、「なりうる」と言ってあくまでも可能性の話をしているとところでしょうか。冷静に考えれば、説明が足りない、首相としてはかなり稚拙な発言なのでしょう。だったら、補足説明などをちゃんとして、誤解を与えた部分があるとすればそれを謝るのが相応の立場にある人がとるべき行動だと思います。しかし、全くそうしたことをしない。時が解決するとでも思っているのでしょうか?しかも、世論が支持しているかのように見える。この世論調査には、何らかの力が働いているのでは、なんて穿った見方をするのは私がひねくれているのかな。いずれにしても、あまりにも広範にネガティブな影響を与えてしまっているのは事実ですから、この事態を悪化しないように最善を尽くす責任があると思います。そういう行動をする「勇気」がないのかな?それとも、本気で全く間違っていないと思っているのでしょうか?ま、軍事費を増やして米国との関係性を深めていくという方針で、裏ではトランプ大統領と何らかのディールを結んで強かにやっているのであれば、それはそれで立派というか・・・それでも、私は適切とは思えないですけどね。どんな時にでも、周りに悪影響を与える発言をした時には、撤回・修正して謝る勇気を持ちたいものです。

話は変わって写真の花、皆さんはご覧になったことありますか?見ての通り、「幸福の木」の花です。調べてみると、環境が良くないとなかなか咲かないとのこと。私の書斎で咲いてくれたのは二度目です。明日が誕生日なので、幸福の木が祝ってくれているようです。これからの世の中、戦争がなくなり軍事力の議論なんかしなくなり、皆が幸せに暮らせるようになってくれたらと願うばかりです。
20251130_幸福の花

AIを使いこなすってどういうことだと思いますか?

先日、「AIで業務5割代替」なんて結構刺激的なタイトルの記事を目にしました。NTTの島田社長へのインタビューなんですが、趣旨としては、AIを人減らしの手段として使うのではなく、生産人口が減る日本においては不足する人材を補う道具として活用していくべきという内容でした。こうなったら、素敵ですよね。そして、そのためにはということで、

「AIがもたらすインパクトは確かに大きい。ただ、AIが人間の発想をサポートできても、新規性のある製品やサービスを生み出せるとは考えにくい。これからはAIを道具としていかに使いこなせるかが問われる」


と島田社長は仰っています。確かに、概念としてはその通りだとは思うのですが、これってなかなか難しいのでは、なんて改めて考えてしまいました。皆さんは、どう思われますか?

AIが出す答えを評価する力
現在のAIには、まだかわいいところがありますよね。企業業績なんかを調べてもらうと、結構間違った数値を返してくる。「情報源を有価証券報告書にして」なんて指定するとそんなに間違えないですが、まだ疑って結果をみる作業は必要だったりします。でも、きっとこういう間違いはだんだん減るんでしょうね。そうなると、次は「分析結果をどう見るか」がイシューかな。このイシューに対して、「AIを道具として使いこなす」とはどういうことになるのか?概念論をしていても分かりにくいので、試しに「今のインフレ問題」を題材にAI君と会話しながら考えてみました。
まずは、インフレ率。2023年から日本のインフレ率がどうなっているかを聞いてみると
  • 2023年:+2.6%
  • 2024年:+3.6%
  • 2025年:+2.9%(9月時点)
  • とのこと。そうなると、この3年で物価は約9.4%上がったという事ですね。このインフレ、原因となる要因は色々とありますが、とても大きなものとしては円安がある。で、日本の為替がこの間どうなっていたか聞いてみると、
  • 2022年12月31日:1 USD ≒ 131.07 JPY
  • 2025年11月20日:1 USD ≒ 157.43 JPY
  • だそうで、約20%も円が安くなっている。エネルギー資源の自給率が12.6%しかない日本ですから、もし円が1ドル130円に戻ったら9.4%のインフレなんか解消できるのでは?と思ってもおかしくない。で、AI君に聞いてみると・・・

    ドル円が130円まで円高になれば、輸入コスト減少によって物価上昇圧力は大幅に緩和され、インフレ率は現在よりかなり低下する見込みです。ただし、賃金上昇や国内サービス価格の動向によっては、完全なデフレ回帰にはならないでしょう。

    とのことでした。この回答、どう思いますか?
    まず引っかかるのは、賃金上昇とサービス価格の話。日本の賃金上昇率は、5%ぐらい。正確には、人件費が原価に占める割合を計算しないといけないですが、ざっくり考えれば円高でカバーできそう。じゃ、なんで?と思いますよね。面白いところは、「完全なデフレ回帰にはならない」の行でしょうか。良い線いっていると思うのですが、この表現だとちょっとピンとこない。そもそも、「インフレを抑えられるか」と訊いているのに、なぜ「デフレ回帰」?と思いませんか。私の解釈ですが、日本の企業は円安による利益向上分を全部価格に反映させるなんてしない。外部環境要因と自社努力要因により適切なコストが醸成されるわけですが、自社利益の向上を優先する企業文化は外部環境により生まれた利益をそのまま価格に反映するなんてことはしない。つまり、企業文化が変わるか、国が今の日本の苦境を脱するために企業の協力をどこまで強いることができるかの問題。この議論がないと、為替が1ドル130円になっても今のインフレの問題は解決しない。更に、円高によって得られる原燃料コストの低下を物価に反映するためのタイムラグも考えないといけないですけどね。そして、言うまでもなく円の価値を高めるための施策がもたらすインパクトも。こういうことを、AI君は「完全なデフレ回帰にはならない」と言ったのかな?だとすると、それはそれで面白いですけどね。
    AI君の返してくれた答えを聞いて、こんな事を色々考えてみました。勿論、これは私の浅はかな思考なので、考慮不足は多々あると思います。お時間のある方は、是非ご助言頂けると嬉しく思います。ただ、面白いなぁと思ったのは、AI君の答えも「それっぽい」こと。これを理解する、考える、評価する。更に、一段深く思考した分析を行う。それが、人間の役割ということでしょうか。島田社長は、先の記事で社員に対してのリスキリング、教育を開始しているとも仰っていました。勿論、こういう思考力を高めるための教育も出来ますが、10万人の社員が皆ついてこれるのか?「AIを道具として使いこなす」ためにはどうすべきか、そのためにどのような取り組みが必要か、もっと社会全体で議論する必要がありそうですね。

    こんな事を書きながらも、AI君と仲良くしている私。先週末の当社の恒例ボジョレーの会もイラストにしてもらいました。一瞬で、なかなか良い絵を描いてくれるんですよね。一杯目を注ぐA君、デフォルメが最高です!今年は、Paul Sapinという生産者のヌーボーとVinescenceという協同組合が作ったヴィラージュ・ヌーボーの2種類を輸入してもらいました。通常のヌーボーは、ちょっと酸味が強いですが昨年よりしっかりした仕上がり。ヴィラージュは、ブドウの味をしっかり楽しめる素敵な仕上がり。こういうものも、いつかはAIとロボットで人間の技術を完全に再現できるようになるのかもしれませんが、まだまだ先。自然と向き合った色々な活動は、それこそ人間だからこその領域かな。こういうシーンでは、AIを道具として使いこなすのはイメージしやすいですけどね。
    20251121‗ボジョレーの会

    AIは人に取って代わると思いますか?

    アメリカでは、「AIリストラ」の嵐が吹き始めたようですね。米企業・組織の人員削減は、1〜9月に94万6426人と前年同期比で55%増えたそうです。業績好調なIT企業のマイクロソフトで1万5千人、Amazonで1万4千人、オラクルで3千人・・・実業系でもUPSは4万8千人、シティグループ2万人、P&G7千人と大規模。AIによる効率化の先取りで「雇用なき成長」に入ったとのことですが、本当に良いのかなぁ?「企業は人、人財こそ宝」なんて言いますが、こんな形で人を切る企業は後で悔いてもはなかなか元には戻せないのに。こういう企業が後になって悔いるような世の中になって欲しいなぁ。

    変化の波を乗りこなせ!
    産業革命以降なのかな、これまでも多くの発明が人間の仕事を奪ってきた。鉄道がない時代は、人が馬車とかで一生懸命ものを運んでいたんですからね。飛行機もしかり。電卓やパソコンも、効率化する分人の仕事を奪ってきた。一方、そういう発明が新たな仕事を生んできたのも事実。電車の運転手や飛行機のパイロットも以前はなかった。その製造やメンテナンスも新たに生まれた仕事。あらゆるソフトも、それを使いこなすことによってさらに便利にするアイデアを出し、新たなソフトやハードを生み出してきた。更には、増えた時間を使って以前にはないサービス、娯楽、文化を生み出してきた。
    では、現在はどうか?これまでと同じように、AIを使いこなして新しいものを生み出していけば良いですよね。(って、簡単じゃなくなっていくと思いますけど。)私もこのところAIを多用していますが、本当に便利。色々な事を調べる作業は、10倍くらい効率化したと思います。(その分、余計なことまで見に行ったりしりゃうんですけどね。)私の知り合いも、資料作成や議事録づくり、契約書チェックなど多くの領域で活用し、その分作れた時間を他の事に使って様々な改善や新たな取り組みを行っています。つまり、これまでやりたかったけれど出来なかったことが出来るようになっている。素晴らしいことだと思いませんか?但し、こういう風になるためには「自分を磨く」ことが必須。まずは、AIを自分で使ってみて、使い方を勉強する。AIのアウトプットを見て、考え、そこに自分なりの付加価値を足せるようにする。更には、自分とは異なる考えを持った人とより多く議論して、自分の思考力を磨く。こういう努力をしなければ・・・日本でもAIに人がリストラされちゃう日も遠くないのかもしれませんね。人は変化を嫌うもの。変化に対応するには、相応の工数を使って努力しないといけないから。しかし、変化に対応しなければ恐竜のように淘汰される。
    日経の記事のソースになった米国の調査会社の方が面白いことを言ってました。

    「広範な業種で削減が進む背景は、企業でAIが導入される今こそリストラのチャンスだと捉えているからだ。今なら人員を削減しても気づかれないと考えている」

    怖いですねぇ。しかし、こういう企業が人とその信頼を失って悔いる時が後から来て欲しいと心底思います。そのためには、今起こっている変化の波を上手く乗りこなさないとですね。

    一方、AIには絶対に取って代わられない領域もあるのかな。五感のうち視覚、聴覚、触覚は人間を超えるかもしれない。しかし、味覚、嗅覚はかなり難しいんじゃないかな。私の大好きな広島の料理屋の大将の腕をAIが取って代わるなんて、50年後は分からないですが、当分はあり得ないと思います。季節の食材をお客様個々人の味覚に合わせて素敵な料理に仕立てる。そんな芸当、AIにはまだまだ無理。更に、第六感なんて言ったら・・・人だからの領域はまだまだありそうですね。
    20251104_牡蠣飯

    ここ一番で力を出し切れますか?

    野球に興味のない方にはどうでもいい話かもしれませんが・・・熱いですね、ワールドシリーズ。こんな檜舞台で、日本人が3人も、しかも主力の中の主力で活躍している姿は、見ていて本当に嬉しいし、誇らしい!今日の最終戦、3選手含めて全員野球で頑張り、勝利してカーショーに花道をプレゼントして欲しいな。

    ここ一番で力を出し切るためには・・・
    「ここ一番」で力を出し切る、ビジネスの場でも大事なプレゼンでの質疑応対とか意思決定者との会議でのやり取りとかありますよね。勿論、そういう時のために作り上げるアウトプットも大事ですが、対面での議論で「思っていること/考えていること」を端的に適切な言葉で相手が納得するように説明できることはとても大事。普段から本当によく考えている方でも、「ここ一番」で上手くいかずに大事な機会を逃してしまう事がある。野球なんかのスポーツでも一緒。怪我から復帰した佐々木投手は、ポストシーズンに入って160�劼鯆兇┐襯侫�ーシームとフォークでとてもいい投球を続けていたのに、WSに入ってからは球速も落ち安心して見ていられる投球が出来ていないように思います。フォームの躍動感も落ち、マウンドでの表情もとっても硬くなっているように見えるのは私だけでしょうか?そんな佐々木投手の姿は、今シーズンメジャーデビューした時と同じように見えるんですよね。こんな大舞台を初めて経験するわけですから緊張するなと言っても難しい。何となく、プレッシャーに負けて持てる力を出し切れていないように見えます。ビジネスの場でも、同じような事があると思うんですよね。自社の役員やお客様の重要なキーパーソンと公の場で議論していて、思いもよらぬ質問なんかが来たりしちゃうと頭が真っ白になっちゃう。あがり症の私も以前はそういう事が多々ありました。それを克服して、持てる力を出し切れるようにするためには・・・難しいですよね。私なりに思う事は、3つあります。
    ・経験、場数を踏むこと
    当たり前だろ!と言われそうですが、やはりこれは大事。機会があれば、勇気を出して自らその機会をとりに行く。経験し、失敗してこそ、「次の機会にどうするか」を考えて工夫できる。工夫して上手くいくと自信につながる。この自身こそ大事だと私は思います。山本選手が、「いつも通り」と何回も言ってましたが、正にこの実践なんだと思います。大谷選手は、それ以上ですけどね。
    ・上手くやろうと思わないこと
    何故緊張するか、固くなるか。それは、やはり人前で「上手くやろう」とか「格好良く見せよう」とか思うからじゃないかと思うんですよね。そんなこと思っても、持てる力以上のものは出せない。だから、上手くやろうなんて思わずに、準備してきたものを出し切るしかない、それでダメだったら力が足りなかっただけ、致し方ない、と心底思える心構えも大事だと思います。
    ・納得いくまで準備する/備えること
    当たり前の話ですが、これが一番大事。ビジネスだったら、普段から情報を収集し、考え、自分なりの意見を練っておくこと。スポーツ選手だったら・・・山本選手や大谷選手を見ていれば分かりますよね。過去の偉大な野球選手も、ある意味「野球の事しか考えていない」ような生活を送っている。練習ばかりでなく、ビデオを繰り返し見て考え、研究している。この積み上げがあってこそ、上の2つが活きるんですよね。

    佐々木投手の場合は、一番足りないのはやはり経験なのかな。でも、ここ数日でとても良い経験を積んだはず。今日、もし登板することがあったら、その経験を活かして持てる力を存分に発揮して欲しいですね。もしかしたら、大谷の先発?その後グラスノーが繋いで、佐々木がクローズ?佐々木が崩れたら、もしかして山本が締める?本当に楽しみです。結果はどうあれ、みんなが持てる力を出し切って欲しい。皆で応援しましょう。頑張れ侍!Let's go Dodgers!チャッチャ、チャチャチャ。(^^♪
    20251102_頑張れ侍
    livedoor プロフィール

    Koji

    美味しい食べ物とお酒をこよなく愛すコンサルタントです。戦略立案とBPR、及びこれを実現するためのITなどに関するコンサルティングを提供しています。また、ビジネスリーダーを育成するシンスターで企業研修などの講師も務めています。
    株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター代表取締役

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