井上浩二のブログ:現在(いま)を考える

株式会社ケーティーコンサルティング株式会社シンスター の代表取締役井上浩二が、ビジネスに関して日々考えていることを発信。

株式会社シンスターでは、人材育成に関するコラムを発信しています。是非こちらもご覧ください。

メルカリ

どんな情報を信じますか?

新型ウイルスは、バイオ兵器か?こんな話が出ているんですねぇ。武漢の海鮮市場から32キロほど離れたところに「中国科学院武漢国家バイオセイフティラボ(生物安全実験室)」という施設があるそうで、人民解放軍がここでバイオ兵器を開発、そこのセキュリティが甘くて流出したというのが一説。もう一つの説が、米国のウイルス兵器によるバイオテロ。何だか、Mission : Impossible 2を思い出しちゃいますね。しかし、中国がコロナウイルスでこれほどの痛手を負うと、米国にとってはある側面好都合。そんな折に、米国商務長官が、


「今回の新型ウイルスは米国に雇用を戻すのを助けてくれるだろう。なぜならこれまで中国に工場を移転して操業していた米企業が新型ウイルス感染を恐れて、中国から撤退せざるを得なくなってきたからだ」

「新型ウイルスは中国で操業する米企業のサプライ・チェーンを直撃した。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の時と同じような状況がいずれ出てくる」



なんて語っちゃうんだから、こんな米国陰謀説が出てきてもおかしくはないかな。さて、皆さんはどう思われますか?何を信じます?


究極は自分が確かめられるファクトだけ

皆さんもそうだと思いますが、こんな情報にわかには信じられない。それより、こんなうわさ話は個人的には正直どうでもいいかな。今大事なことは、中国本土の死者が既に722人にも上り、感染者は3万7,500人を超え、日本でも感染が広がると同時にフェリーに閉じ込められている人も沢山いるという事実。これにどう対応するか、自分や身の回りの人の安全を守ることも大事だし、被害の拡大を阻止するために何ができるか、が皆が真剣に議論しないといけないことですよね。

信じられるファクトを押さえ、それを基に考えることが大事と思いつつも、信用あるメディアがそれっぽく報じていると、信じちゃいますよねぇ。と言うか、疑うのが難しい。そんな事を思いながらこの週末仕事をしていたら、ビジネスの世界でもこういうこと良くあるんだよなぁ、という好例に出くわしちゃいました。キャッシュレス決済のケース作りをしないとということで、昨年3月に日本経済出版社から出版されたMOOK本に目を通していたのですが・・・そこでは、今後の有力な決済手段としてOrigami Payが紹介されていました。「加盟店、ユーザー、地方経済の三方良し!」、今後加盟店もどんどん伸び、インバウンドだけでなく日本人が海外に行く際にも利用され、ユーザー数も順調に増える、そんな非常に好意的な内容で特集誌に紹介されています。しかし・・・先日の報道でメルカリ傘下のメルペイに「0円」で買収されたことをご存じの方も多いはず。この報道で、日経は


Origamiの18年12月期の売上高は2億2200万円に対し、営業損益は25億4400万円の赤字だった。赤字幅は17年12月期の13億600万円から2倍近くに膨らんだ。


と、Origamiの経営が非常に厳しかったことを伝えています。また、別の記事ではスマホ決済に多くのプレーヤーが参入してくる中、大手の打ち手に対してOrigamiが有効な策を打つことができず、大変苦戦してこの結果に陥ったと、正に「後付け論」を展開しています。MOOKで高評価をしていたのは昨年の3月なのに、よく恥かしげもなくこんな記事が書けますねぇ。

キャッシュレス決済の草分けというか、ベンチャーで最初目立ったOrigami。しかし、18年ごろからはその取り組みに関する報道もめっきり減り、個人的には「この会社、なんでやっていけるんだろう?」と疑問に思っていたのですが・・・こういう分野を追っかけていないと分からないですよね。別の日経の記事では、こんな事例も紹介されていました。


「レジの周りが寒々しくなるだけ」。東京・銀座の美容サロン経営者は19年末に導入したオリガミペイの機能を持て余している。取引先の信用金庫の強い勧めで取り入れたものの1カ月たっても利用客は現れず、買収の知らせを聞いた。


正直、本当にお気の毒としか言いようがありません。この信用金庫も、きっと良い事ばっかり言って導入させたのでしょうね。日経でもこんなレベルですから、やっぱり信じられるのは自分。そして、自分で新語を確かめられる純粋なファクトしかないのでしょうね。ちょっと広げると、身の回りにいる相応の識者。情報源も多く、情報流がどんどん太く早くなっていく今の時代、信じられる情報を識別する力が更に求められていくんだなぁ、なんて再認識しました。


信じられる純粋なファクトというと、やっぱり動画とか写真とかですかね。しかし、それも加工できるからなぁ。でも、自分が撮った写真や動画は絶対信じられる。先日も、またまた小田原までチャリで行ってみたのですが、もう10年も前に買ったα7000と今のスマホ(2年前に買ったXPEDIA SO04J)、ぱっと見はスマホの画質が良くなって差がないようにも見えたのですが、やっぱりまだαの方が上。夜景撮ったら、断然上ですね。良かった。

20200202_江ノ島と湘南大橋からの富士山

現金はなくなると思いますか?

最近、色々なお客様先でキャッシュレス社会に関しての議論をする機会が本当に増えました。現金はコストであり、無くなったら物凄い効果がある。昨年度は、お札や硬貨を作るだけでも700億円金融機関のATM維持コストは2兆円だそうです。巷に目を向ければ、どんなお店もレジを置き、現金を勘定し、輸送時のセキュリティなどなどに多くのコストをかけている。日本全体では、年間どれぐらいのコストになるんでしょうね?数十兆円?それじゃ済まない?

現金なしで過ごせますか?
このような状況に対し、政府は2025年にはこれを40%に引き上げることを目標として打ち出しています。しかし、2016年の日本でのキャッシュレス決済率は19.8%に過ぎない。どうでしょう?この目標、達成できますかね?私自身も実感値で考えようと思い、最近はSuicaのスマホ決済が利用できるときには積極的に使ってみています。支払いができる時は、確かに便利。小銭を勘定しなくて良いし、”ピッ”で終わりだから早くて良い。使える場も増えていますが・・・やっぱり駅や大手チェーンが殆どで、個店では対応していないところが多い。それに、色々な規格が乱発しているのもイマイチですね。先日、お店がほとんどない福岡県の郊外の漁港で自販機で飲み物を買おうとした時、驚いたことが2つ。結構古い自販機なのに、なんと電子マネーに対応している。しかし、それはEdyとiDでSuicaはなし。こんな状況では、まだまだとても現金なしじゃやってられない。当面は現金との使い分けということになるのでしょうが・・・どうなんだろう?

懐具合は分かりますか?
スマホ決済ができるところでは、私も本当に便利だと感じました。そう感じる一方、だったら現金には良さはないのかと考えてみたのですが・・・やっぱり財布の中身を見ることで感じる懐具合ですね。ついこの間現金を補充したばかりなのに、なんて感じることありますよね。全く何に使ったのやら、少し倹約しないと、などと感じることはスマホの場合はほぼない。私の場合は、改札通過時のオートチャージにしているので、いつでも財布として使える状態になっているスマホではいくら何に使ったの感覚は全く持てませんでした。これは、ある意味怖いですよね。今後は、これを更に助長するような動きもあるようです。メルカリが、スマホ決済サービスを始めるそうなのですが、そのビジネスモデルが見方によってはとても怖い。フリマでものを売って得たお金をメルカリの加盟店での支払いに使える、これは良いですよね。しかし、メルカリが考えていることはこれに留まらない。これまでのフリマでの実績やまだ売れていない出品中のものを見て、レンディング、つまりローンを行おうと考えているようです。ビジネス作りの観点からは理に適ったものではありますが、こんなお金の貸し方して良いものでしょうかねぇ。自分のものじゃなくても、写真撮って出品したらお金借りられちゃう。そんな事したら、またまた社会問題になるような事件や現象が起こりそうな気がします。ヴァーチャルの世界で懐具体に実感値を持てなかったり、実態が伴わない懐具合を作ったりとなると・・・そんな世界にならないように考えないといけない事は沢山ありそうですね。

話はちょっと変わりますが、最近のブログでも何度か紹介したトヨタのe-Palette、この近未来の車社会でも決済の場が描かれています。こういう具体的なイメージを打ち出すのは良いですよね。分かり易い。こんな風に買い物ができたら、確かに便利そう。きっと、車の利用料も配送コストも、物凄く安くなるんでしょうね。だって、ガソリン⇒電気、個人所有⇒皆でのシェア、で成り立つ仕組みですからね。少額決済は、どんどん増えるんでしょうね。すると、やっぱり必要なのは・・・キャッシュレス社会?

体験していますか?

いやぁ、本当にビックリ!体験してみないと分からないものですねぇ。発売して約1年がたつプレステVR、初めて触ってみました。以前だったら、テーマパークなんかでしかお目にかかったことの無いVRが家庭で楽しめちゃうんですね。しかも、こんなに高品質で。流石、ソニーしかし、1年以上もこんな製品を自ら体験しないでいたかと思うと・・・駄目ですねぇ、世間知らず。

体験しないと分からない
「プレステのVRは買いじゃないかなぁ、かなり品質も良いし」、昨年のこの時期にITに詳しい友人に言われました。そうなんだ、彼が言うのだったら息子に買ってやってもいいかな、とも思ったのですが、話は流れて1年。きっと「こんなレベルだろう」と高を括っていたのですが、想像以上でした。眼鏡をかけたままでOKで、使ってみると360度3次元の世界が広がっていました。やっぱり、自分で体験しないと分からないですよね。この友人、先日はグーグルのスマートスピーカー、Google Homeを購入して楽しんでいますメルカリも一度使ってみないとと、家族で要らなくなったツリーを販売。(労には見合わないようですが。)世の中の変化に付いていくためには、こういう果敢な姿勢、積極的な行動が必要なんですよね。見習わないと。私も、机の前に座っているばかりではなく、どんどん行動しないとと反省しました。(ちなみに、先日乗馬を初体験。自然の中を馬に乗って散歩するコースだったのですが、乗せて頂いた馬が”道草”大好きのお馬さん。所々で草を食べようとするのを静止して乗るように言われたのですが、その力に本当にビックリ。でも、乗馬って気持ちいいものなんですねぇ。

どう体験してもらうか?
一方、提供する側からすると、如何に少しでも体験してもらうかが大事ですよね。しかし、これがなかなかハードルが高い。プレステVRにしても、私のようなそもそもゲーム機にあまり関心がないような人間には、興味を持ってもわざわざ体験しには行かない。そうなると、普段の生活の中で体験できる場を作るしかない。今や中国でもプレゼンスを作れているTOTOのウォシュレットも、最初はホテルや空港など、公共の場に設置して体験を促し、市場に浸透していきましたよね。米国での日本食ブームを引き起こす先陣となったキッコーマンは、スーパーで散々試食の場を提供した。大事なのは、普段の当り前の生活の中で、体験できる場を提供することなのでしょうね。これに対して、プレステVRは何だか勿体ない気がするなぁ。販売店とか、体験する場を提供する場を作っているようですが、そこはゲーム好きが集まる場のように思います。それも良いとは思うのですが、ゲームに関心のない人も体験する場を生活の場に作ったら良いのに。例えば、駅やショッピングセンター。道を調べたり、広いお店の中で、自分が行きたいところを検索したら、VRでどう行けば良いかを現実感がありつつも、少し夢の世界のような形で見せたりしたら、その凄さが分かると思うのですが。で、そこから興味を持ってもらえたら、勿論ゲーム機として買ってもらえる可能性が高まるし、別の用途で使おうとする提案も増えるのでは。ま、ソニーの人達だったらこんな事は当たり前に考えていて、ハードの耐久性とか色々な問題があってやってないだけなんでしょうけどね。でも、何かもっと「普段の生活の場」で「体験」出来るような工夫をしたら、面白いと思うんだけどなぁ。

今回書いたプレステVRですが、買った理由は息子の誕生日。息子のために買ったのですが、これだと大人も思いっきり楽しめそう。遊び過ぎに注意しないといけないですね。
2017_KokiBirthday
livedoor プロフィール

Koji

美味しい食べ物とお酒をこよなく愛すコンサルタントです。戦略立案とBPR、及びこれを実現するためのITなどに関するコンサルティングを提供しています。また、ビジネスリーダーを育成するシンスターで企業研修などの講師も務めています。
株式会社ケーティーコンサルティング、株式会社シンスター代表取締役

Blog Ranking
人気ブログランキングへ
amazon.com
記事検索
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Archives
RSS
QRコード
QRコード