2018年11月16日

安倍晋三首相は14日、訪問先のシンガポールでロシアのプーチン大統領と会談し、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意した。56年宣言は平和条約締結後に歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島の2島を引き渡すと明記している。日本政府は従来、国後(くなしり)、択捉(えとろふ)の2島も含めた北方四島の一括返還を求めていたが、首相は今後の交渉で2島の先行返還を軸に進める方針に転換した。(朝日新聞)

北方領土については、日本側は長らく「4島一括」での返還を求めてきた。しかしそれでは話が先に進まないということで、事実上「4島一括」を放棄するということである。「2島先行」で最終的に4島返還にたどり着くならよい、という解釈だが、実際問題としてそういう話にはおそらくならないのだろうな、という推測も成り立つ。

平和的に領土がある国から他の国に移動することなど、常識的にいってなかなかない。アメリカが沖縄はじめ占領地を返還したのとはわけが違う。あくまでもその場合は軍事占領であり、軍隊以外は日本人の社会が存在していた。北方領土には今、日本人が誰もおらず、ロシア人の社会だけがある。日本の領土になったら、彼らはどうなるのか?この一事を考えるだけでも、相当な難題である。

ロシア側としては、日ソ共同宣言の有効性は認めている。平和条約を結ぶこともやぶさかではない。だが領土の移動となれば話は別だ。無条件というわけにはいかない。おそらく様々な条件をつけ、できるだけ引き延ばすだろう。そして日ソ宣言に基づいて「2島返還」となったとしても、それは「引き渡し」であって返還ではない、というだろう。すなわち不法占拠ではない、という立場だ。さらに国後・択捉の2島はロシア領として、最終決着をはかるだろう。その立場からいうと、今回日本が「4島一括論」を放棄したのは、重要な外交的成果といえる。

もう一つはアメリカの了解である。日ソ共同宣言後に日米安保の改定が行われ、当時のソ連側が猛反発して領土交渉はとん挫した。アメリカ軍の軍事拠点がおかれる可能性を、ソ連側は想定し、いまだにロシアも想定している。2島が日本のものとなれば、当然アメリカは対ロシアの軍事拠点を欲しがるだろう。それに抗することが、今の日本に可能だとは思えない。

さらに今のロシアをめぐる国際情勢のなかで、平和条約を結ぶこと自体、相当ハードルは高い。ウクライナ問題で欧米と対立している国との友好関係を深めるのは、欧米側の不信を招く可能性が大きい。ロシア国内でも、プーチン政権への支持率が低下していると伝えられる中、世論の支持を得られない領土返還に踏み切るとは、なかなか考えにくい。

現実問題、平和的に4島を返還するという未来が近い将来あるとは考えられない。そもそもロシアが不法占領だと思っていないものを、どうして他国に「返還」ということになるだろうか。さらに北方領土の旧住民も高齢化し、子孫は思い入れも薄れるだろう。何せ時間が経ち過ぎた。だからもし2島でも返還というところで話をまとめるなら、それは非常な外交的成果といえる。だが同時に、それで最終決着となっても仕方がない、という結論しかないかもしれない。

となるとあとは知恵の問題となる。領土自体は取り返せなくても、日本人が様々な形で北方領土とのかかわりを持てるようにする。経済特区のような形で、双方の利益につながるような枠組みを作れれば、多少は前向きな話になる。しかしそんな将来を、安倍政権の残りの任期という短い間で描けるとも思えない。

すぐにも事態が動くような話にはならないとみておくべきだ。日本側が方針を転換したとして、ここからの交渉がまたまた長くなる。


ktu2003 at 07:47コメント(0)国内ニュース 

2018年11月15日

明治神宮大会が終り、今年の高校野球が幕を閉じた。
恒例の選抜出場が予想される学校の顔ぶれである。

北海道 札幌大谷 初
    札幌第一 2年ぶり3回目
東北  八戸学院光星 3年ぶり10回目
    盛岡大付 2年ぶり5回目
神宮を制したのは北海道の新鋭だった。また今回の東北勢は常連校でもあり、上位を狙えそうな顔ぶれとなる。

関東  桐蔭学園 16年ぶり6回目
    春日部共栄 22年ぶり3回目
    習志野  10年ぶり4回目
    山梨学院 5年ぶり3回目
東京  国士舘  10年ぶり9回目
    東海大菅生 4年ぶり4回目
久々の学校が目立つ。関東4、東京2を今回は予想。

東海  東邦 2年連続30回目
    中京学院大中京 12年ぶり6回目
北信越 星稜 2年連続13回目
    啓新   初
津田学園が決勝で大敗したため、接戦を演じた岐阜1位の中京の逆転を予想。星稜は惜しくも神宮を逃したが、優勝候補筆頭か。啓新は新鋭校だがようやくという印象もあり。

近畿  龍谷大平安 3年ぶり41回目
    明石商   3年ぶり2回目
    履正社   2年ぶり8回目
    智弁和歌山 2年連続13回目
    市和歌山  3年ぶり6回目
    大阪桐蔭  5年連続11回目
強そうな顔ぶれが並んだ。桐蔭は当落線上だが、試合内容と話題性から選抜されるとみる。

中国  広陵 6年ぶり24回目
    米子東 23年ぶり9回目
    市呉 2年ぶり2回目
四国  高松商 3年ぶり27回目
    松山聖陵 2年連続2回目
古豪が存在感を見せているのはうれしいところ。公立勢3校を送り込みそうだ。

九州  筑陽学園  初
    明豊  10年ぶり3回目
    大分    初
    日章学園  初
ここは初出場校が多いが、いずれも夏は経験済み。

21世紀枠 釧路湖陵 初
     古川   初
     富岡西  初
今回は地区上位に入った推薦されそうな公立勢が多く、この3校で実力的には十分ではないかと思われる。北海道は大きな自然災害もあったし、3校選出もありだろう。


ktu2003 at 19:01コメント(0)高校野球 

2018年11月14日

広島東洋カープの元内野手で、1軍打撃コーチや二軍監督を務めた藤井弘(ふじい・ひろむ)氏が9日午前10時30分、脳梗塞のため広島市南区の病院で死去した。83歳(中国新聞)。

ここのところ球界の訃報が多い。

盈進商(現・盈進)から倉敷レイヨンをへて1955年に広島に入団。当初は変化球がまったく打てず低迷したが、3年目の57年に全試合出場して17本塁打をマーク。以後チームの中軸に座った。その後、打率は低いながら長打力と勝負強さで地位をきずき、「ゴジラ」の異名をとった。63年がキャリアハイで、.280、20本塁打をマークしている。サヨナラ安打12本は球団記録だという。

その一方守備はへたで知られていて、打球があがると球場の注目を浴び、とってもとらなくても大歓声が上がったという。非常に愛された選手だった。69年限りで引退。通算成績は1504試合、1035安打、177本塁打、603打点、.238。

引退後は72年から広島のコーチ、二軍監督を16年間つとめ、黄金時代を支えた。

ktu2003 at 19:48コメント(0)プロ野球 

2018年11月13日

高校野球界の名将、浪商(大阪、現在大体大浪商)などで監督を務めた広瀬吉治氏が12日、死去したことが13日、分かった。89歳だった。(日刊スポーツ)

立て続けに高校野球界に名を残す名将が逝った。
1946年夏、戦後最初の大会で、平古場昭二とバッテリーを組み、全国制覇。法大を経て53年、洲本高校の監督として母校を破り選抜大会を制覇。68年からは母校の監督となり、79年、牛島・香川のバッテリーを擁して選抜準優勝、夏もベスト4に入った。

選手としても監督として全国制覇を経験した人は数少ない。また、戦後の出発点から球史をいろどり、ごく最近まで貴重な証言者としていてくれた。浪商は夏の大会に広瀬氏時代を最後に出場していない。どんな強豪校にも栄枯盛衰がある。

ktu2003 at 18:59コメント(0)高校野球 
大リーグの新人王が12日(日本時間13日)発表され、ア・リーグは投打「二刀流」の大谷翔平(24)=エンゼルス=が選ばれた。日本人選手としては、1995年の野茂英雄(ドジャース)、2000年の佐々木主浩(かづひろ)(マリナーズ)、01年のイチロー(同)以来、4人目。(朝日新聞)

17年ぶりというと、そんなに間があいたのか、と思ってしまう。大谷は日本で実績を残しているが、まだ年齢が若い。だから新人王でもそんなに違和感がない。成績そのものは、上回っている選手はいた。だが印象度が圧倒的に違ったのだろう。それは投票結果に表れている。

何せ投手として160kmを出し、打者として20ホーマーを超える選手というのは、長いメジャーの歴史の中でもなかったことだ。投手としても打者としても超一流たりうる。野球の常識を覆すかもしれない選手を目の当たりにしたのである。

投手としての今後は心配だ。故障から果たしてリカバリーできるのか。来年は打者一本になるとみられている。だとすればどれくらいの成績を残すのか。そこは楽しみだ。

ktu2003 at 18:53コメント(0)プロ野球 

2018年11月12日

深谷弘次さん90歳(ふかや・ひろじ=愛知・中京商<現中京大中京>高野球部元監督)10日、肝臓がんのため死去。(毎日新聞)

日大を卒業後、中京商の監督に就任。部長を務めた瀧正男とともに、中京の黄金時代を築いた。1954年夏、56、59年春の3度にわたって全国制覇を成し遂げる。監督と部長ということだが、おもに作戦面は瀧、技術面は深谷だったという。
その後は三重高校や中京大学でも采配をふるった。

ktu2003 at 19:32コメント(0)高校野球 

2018年11月03日

本拠地で抜群の強さを誇った広島だったが、ソフトバンクが押し切った。

今回のシリーズはV3を達成している広島有利という見方が、むしろ多かったようにも思える。マツダスタジアムから始まった1・2戦は1勝1分け。だが3戦目の乱打戦をソフトバンクが制したことで、勝負の行方が傾いたように見えた。ソフトバンクの打線を止められなくなった広島。そして攻撃においては、得意の機動力を封じられた。なんとシリーズを通じて、8連続の盗塁失敗。

ソフトバンクは石川の離脱など、けが人や不調の選手が多かった。だがそれを感じさせないように、控えの選手が活躍した。そしてMVPは6連続盗塁刺を記録した甲斐。育成選手出身としては初めてだという。第一戦で先発した千賀とともに、こういう選手が主力を占めるソフトバンクの強さを思う。

とはいえ試合自体は大差の試合がなく、内容は接戦といってもよかった。それが4勝1敗1分という形で決着したのは、やはり短期決戦の戦い方の差であろう。広島側は機動力を封じられるということはあったにせよ、戦略的な柔軟さに欠けるところがあった。これは一昨年のシリーズでも感じたことだ。スタメンの入れ替えもほとんどなかった。これに対しソフトバンクはその点が非常に柔軟だったし、投手交代も大胆だった。

そして大きくいうなら、セリーグとパリーグという、リーグ間の野球の違いが、実力差につながり始めているとも思える。走攻守にわたり、パリーグの野球のスケールが大きくなってきているのに対し、セリーグは広島以外が立ち遅れているようにみえる。セリーグは細かい野球が得意だといわれるが、采配の妙でうならせる監督がおらず、そのやり方では難しくなっているのではないか。DH制の有無などもあるいは関係しているのだろうか。さらには、長年親会社が変わらない老舗球団が多く、大胆な改革を妨げている部分があるかもしれない。親会社がたびたび変わり、試行錯誤を繰り返すしかなかったパリーグとの差だろう。

どうやってチームを強くすればいいのだろうか?

ソフトバンクはいちはやく三軍制をしき、育成システムを整備して厚い選手層を構築している。まず一軍に上がるための競争が激しい。その上で、巨額の資金を投じた補強も辞さない。このやり方を12球団すべてがまねするのは難しそうだ。広島は従来型の「育成」である。生え抜きを試合の中で鍛え上げるのだが、リスクとしては勝てない時期も受け入れないといけない。日本ハムのように育成選手をあまりとらず、少数精鋭、そして選手の入れ替えを積極的に行うチームもある。

読売・阪神・中日は比較的「補強」型の球団である。出来合いの選手をFAで獲ってくる。だが一時的には強くなっても、長続きしない。この三球団は監督・コーチ人事などでも硬直化した部分が目立つ。果たしてどのようなやり方で、改善をはかるだろうか。


ktu2003 at 23:45コメント(0)プロ野球 

2018年11月02日

1960年代にジャイアンツの主砲として活躍したウイリー・マッコビー氏が、10月31日(日本時間11月1日)、80歳で亡くなった(スポーツ報知)。

10人兄弟の七番目として生まれ、12歳から働きだしたという。メジャーデビューは1959年。デビュー戦で4打数4安打2三塁打を記録。その年は52試合出場ながら.354、13本塁打という好成績で、新人王に輝いた。その後若干伸び悩みの時期があったが、63年44本塁打で本塁打王に輝き、68〜69年には2年連続本塁打・打点の2冠王となって、メジャーを代表する強打者となった。69年にはMVPにもなっている。
74年にパドレス、76年途中にアスレチックスに移籍したのち、77年にジャイアンツに戻って、28本塁打と復活を果たし、カムバック賞を受賞した。80年限りで引退。通算成績は2588試合、2211安打、521本塁打、1555打点、.270。

引退後はジャイアンツのシニアアドバイザーを務めた。86年には野球殿堂入り。背番号44はジャイアンツの永久欠番であり、ジャイアンツ本拠地球場のライト側に広がる入り江は、マッコビー・コープと呼ばれている。ミスター・ジャイアンツというべき存在だった。

ktu2003 at 08:37コメント(0)プロ野球 

2018年10月30日

朝鮮半島が日本統治下にあった戦時中に日本本土の工場に動員された韓国人の元徴用工4人が、新日鉄住金に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、韓国大法院(最高裁)は30日、個人の請求権を認めた控訴審判決を支持し、同社の上告を退けた。これにより、同社に1人あたり1億ウォン(約1千万円)を支払うよう命じた判決が確定した。(朝日新聞)

この問題では朴政権時代に最高裁への介入事件に発展し、逮捕者が出ている。それはともかくとして、韓国の司法判断を受けて、日本側は猛反発している。支払うのは国ではなく民間企業だが、これを認めてしまえば次々と訴訟が起こり、賠償を請求されてしまう。

日本側の立場は明確である。1965年の日韓基本条約で、経済援助をもって賠償と考えることとし、個人の請求権は解決済みを確認した、というものである。首相はもちろん、河野外相も強硬姿勢を見せている。

早くも右翼層・保守層を中心に反発が出ているが、韓国の司法権が下した判断であり、政府がこれを受けてどう動くかはわからない。まずはそれをみてからの判断になろう。

慰安婦問題と似ているといえば似ている。前にも書いたことだが、私は日本の戦争責任の取り方はまったく不十分だったと考えている。とはいえ両国政府で取り決めたことについては、それこそ責任を持って守ることから始めないと、国家同士で約束することができない。慰安婦問題の場合は、直接的な賠償金という形ではなく、元慰安婦を支援し、その歴史を語り継ぐ財団に日本が国費を拠出するという形で、決着を図った。残念ながら元慰安婦の頭越しの決定だったことが裏目に出て、事実上反故になってしまったが。

日韓基本条約も、締結から半世紀以上たっている。その時代の両国の立場、冷戦時代という情勢、韓国の軍事政権時代、という様々な背景のもとに、問題を残す内容だったことは確かである。だがそれにつき、どんなに不十分で理不尽な内容と考えたとしても、取り決めを変更するならそれなりの手順や外交努力を要する。片方の事情だけでは動かせないものである。

韓国は政権交代が繰り返されており、そのたびに対日姿勢が変わることがある。だが日本側にとってはあずかり知らない話だ。ましてや今の日本の保守政権は歴史問題ではとくに強硬論者がそろっている中で、日韓基本条約の内容に「反する」ことを認める可能性はほぼゼロである。

韓国政府としては難しい。対日の戦後補償問題での姿勢は、政権の支持率に直結する。しかし日本との関係悪化はもちろん避けたい。この難問をどう解くかについては、知恵を使わないといけない。もちろん日本政府も。

ktu2003 at 18:37コメント(0)国際ニュース 

2018年10月27日

シリアで拘束されていたフリージャーナリストの安田純平さん(44)が解放されたことを受け、日本新聞労働組合連合は25日、「安田さんの帰国を喜び合える社会を目指して」とする声明を発表した。(朝日新聞)

またぞろ浮上した「自己責任」論。
「危険だと警告が出ている場所に行ったのだから、自己責任」。で、それを言い立てて安田氏を批判する人たちは、要するにどうしたいのか?
「迷惑をかけた」と謝罪してほしいのか、「今後は取材やめます」と宣言でもしてほしいのか、かかった経費を払わせたいのか。そういうことをすれば、彼を許すのかといえば許さないだろう。単純に、自分たちが正しかったと満足するに過ぎない。「警告を出している政府に逆らったのが悪い」。そういいたいだけなのかもしれない。

昔から、「君子危うきに近寄らず」ということわざも確かにある。重要な処世術だと思う。しかしながら、危険なところに行かなければ、危険な行動をしなければ得られないものもある。歴史に名を残す戦場ジャーナリストやカメラマンたちの行動は、安田氏の批判者からいえば間違っていたのだろうか?

また、紛争地帯で人道支援活動に従事している人たちがいる。イラクで、アフガンで。捕らえられて殺された人もいるし、無事だった人もいる。彼らは間違っていたのだろうか?

もちろん危険地帯に足を踏み入れるなら、それなりの覚悟と、そして対策は必要だ。その点で安田氏の対応が最善を尽くしたものだったかどうか。それは、本人や関係者が検証すべきだろう。そして、ジャーナリストとしてその力量がないとなれば、活動をやめるしかない。それはたしかに「自己責任」である。








ktu2003 at 07:56コメント(0)国内ニュース 
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