2026年02月09日

第51回衆院選は8日投開票された。自民党(公示前198議席)が圧勝し、単独で3分の2(310議席)を確保した。中道改革連合は惨敗で、公示前(167議席)の半数を下回った。立憲民主党出身の幹部らが相次いで落選した。(朝日新聞)

全国的に極寒の中の投票日となった。
結果は下記のとおり。

自由民主党 316
中道改革連合 49
日本維新の会 36
国民民主党  28
参政党    15
チームみらい 11
日本共産党   4
れいわ新選組  1
減税日本・ゆうこく連合 1
 無      4

ということで、自民党が結党以来最大の議席数を得る大勝となり、単独で3分の2を占めた。中道改革連合は3分の1以下に下がる大敗。日本維新の会は解散時よりは増やしたが前回より減少。国民民主党は解散時より増やしたが前回と同数。参政党とチームみらいが大きく躍進する一方、共産・れいわの左派政党は大きく後退した。保守・社民は議席を得られなかった。

高市人気がすべてを吹き飛ばした。マイナス材料はいろいろあったが、とにかく高市首相への期待感だけで押し切る戦略で、消費税減税さえ途中で言わなくなってしまった。討論やインタビューも減らしている。選挙戦術が巧みだったとは、とてもいえない。これほど政策を何も言わなかったのは、自民党の歴史でも初めてだろう。

政策を論じ合う選挙にはならない、とすればイメージ戦略の問題になるが、中道は合流はうまく数を減らさずにいったものの、驚くことにそのあとの戦略がまったく感じられなかった。野田・斉藤両氏はじめ幹部が軒並み中高年の男性であり、新党なのに新しさを強調することができなかった。かといって政策も公明党に立憲がすり寄ってこれまでの主張を投げ捨てており、言い訳ができなかった。選挙のための合流であり、なんでもありとはいえさすがに有権者をなめていたというしかない。安住・玄葉・枝野・岡田といった民主党時代からの幹部が軒並み落選。そして比例代表は旧公明勢で埋まったため比例復活もできず、旧立憲組は21人しか生き残れなかった。民主党時代からの世代交代を怠った結果というしかない。

日本維新の会は2議席増えているが、これは自民党の候補不足によるおこぼれだという。小選挙区は大阪はじめ近畿でしか勝てず、1つだけとはいえ大阪でも自民党に奪われた。関西の地域政党の域を出るのは今後むずかしくなるのではないだろうか。

国民民主党は実績を引っ提げて50議席を目指し、中道と競合して擁立したが結果的に裏目に出て、かろうじて現状維持にとどまった。のびしろはなかったということだろう。この「のびしろ」はおそらく、チームみらいに奪われたとみる。

参政党はもとが2議席だったので15議席は大躍進だが、参院選ほどのインパクトはなかった。これ以上の規模に増やすのは相当しんどそうだ。

注目はチームみらいである。消費税減税に慎重な姿勢を示し、他党との差別化に成功。また、代表のキャラクターがあまり強くなく、デジタル技術で政治を変えていくという主張を地道に訴えたのが功を奏した。新興勢力のなかでもさらに新しいタイプの政党といえようか。

共産党は退潮傾向に歯止めがかからず、れいわは山本太郎氏が動けなくなったのと、減税策が他党に取り入れられ、方法論が他の新興勢力に奪われて大きく後退した。
減税・ゆうこくは河村たかし氏がしぶとく生き残ったが、原口氏は落選した。
保守・社民はいずれも離党者を出したのちの選挙戦であったことも響き、議席を獲得できなかった。

自民党に投票した人の理由の中に、「女性首相への期待」が結構な割合を占めていたという。これは高市氏個人の人気にとどまるものではない背景がある。これまでの自民党はいうまでもないが、中道の居並ぶ幹部のありさま、さらに国民民主や参政といった政党も女性支持の弱さが指摘されている。女性のほうが支持を固めるのが遅い傾向があるというが、終盤にきて「女性が主導する政治」への期待が雪崩をうったのではないか、という推測ができる。これまであまりにも政治の世界で、女性が少なすぎたということの反動もあるように思う。

そのことも含めてしかし、高市首相があまりに膨らんだ期待に応えられるかどうかは心もとない。以前からそうだったがやや発言が軽はずみなところがあり、おそらく討論は不得手なのだと思う。巨大議席を得て保守的な政策を進めていく可能性は高いが、やはりかぎは経済政策で、安倍氏のように一定の評価を得ることができるだろうか。具体的には物価高対策と減税策である。これがみえてこないと支持は続かなくなる。「自民党」の地力はおそらくそれほど回復していない、とみる。

他の政党はどうするだろうか。旧立憲が事実上壊滅したので、野党第一党的な役割は国民民主・玉木氏が担うしかないだろう。政権に要求を突きつけるスタイルはもうとれないので、新しい「野党第一党」のあり方を示せるだろうか。野党再編で大きなかたまりをつくるしかないように思う。公明との関係もどう整理するかだろう。

なお投票率だが約56%で、前回を上回った。とはいえ参院選よりも低い。60%に達するのはもう難しいのだろうか。地方選挙も長期低落傾向が続いていて、このままだと50%をきるのが常態化するのも目前に迫っているように思う。政治家がいろいろやっても、笛吹けど踊らずという世の中になっていると私は考えている。投票率というのはそういうものである。




ktu2003 at 19:44コメント(0)国内ニュース 

2026年02月08日

快足を武器に主に代走や守備固めとしてロイヤルズやドジャースなどで8年間プレーしたテレンス・ゴア氏が亡くなったことが7日(日本時間8日)、分かった。34歳だった。(スポニチアネックス)

メジャーでもこういうタイプの選手が重宝されるのである。

2014年にロイヤルズでメジャーデビュー。出場試合数は少ないながら、もっぱら代走で起用されることが多く、16年には17試合出場で11盗塁を記録。18年カブスでメジャー初安打を記録。19年ロイヤルズに戻り、キャリアハイの37試合に出場して.275をマークし、打点も記録した。しかし翌年ドジャースに移籍後は出場機会がなくなった。通算成績は102試合、15安打、1打点、40盗塁、.224。この成績ながら3度ワールドシリーズ制覇のチームに在籍。

手術後の合併症による急逝だったという。

ktu2003 at 08:01コメント(0)プロ野球 

2026年02月05日

タイガースは4日(日本時間5日)、オールスターに3度選出され、1968年のワールドシリーズMVPに輝いたミッキー・ロリッチ氏が今朝亡くなったと発表した。85歳だった(スポーツ報知)。

1963年にメジャーデビュー。64年に18勝して一流投手の仲間入りを果たし、その後タイガースの主力として12年連続2ケタ勝利を記録。68年には17勝してリーグを制すると、ワールドシリーズでは3試合完投勝利を飾ってMVP。69年には19勝してはじめてオールスターに選ばれ、71年には25勝してチームの地区優勝に貢献した。76年メッツに移籍。78年からパイレーツでは中継ぎとして登板し、79年限りで引退した。通算成績は586試合、217勝191敗10S、防御率は3.44。

引退後はドーナツ店を経営した。従弟に南海・近鉄で計3シーズンプレーしたロン・ロリッチがいる。

ktu2003 at 09:50コメント(0)プロ野球 

2026年02月04日

大洋(現DeNA)と西武で活躍した今久留主成幸(いまくるす・なりゆき)さんが1月29日に川崎市内の病院で亡くなっていたことが分かった。4日、1995年から1999年にかけて所属していた西武球団が発表した。58歳だった。(スポーツ報知)

珍しい名字なので活躍度以上に覚えている人が多い。
とはいえ球歴は華やか。あのKKコンビと同級生で、最強PL学園の一翼を担った。明大では主将としてリーグ優勝も経験。名将・島岡監督時代の最後の主将でもある。1990年大洋に入団。しかし出場機会を得られず、95年シーズン途中で西武に移籍。97年には14試合に出場したが、99年限りで引退した。通算成績は23試合、3安打、3打点、.214。

引退後は横浜でスカウトとなり、09年には独立リーグの信濃で監督をつとめ、社会人やクラブチームでも指導者として活動した。
同級生・桑田の信頼は厚く、桑田が故障からの復活を期していた時期、他球団選手ながら自主トレに付き合い、復活への手がかりを与えた。引退後も縁があった。

プロでこそ成功できなかったが、アマ時代の活躍、指導者としての活動は十分に野球人として成功の部類に入る。しかし58歳はいかにも若い。

ktu2003 at 18:08コメント(0)プロ野球 
総選挙の予測は、朝日調査で極端な数字が出て各所に波紋を広げている。

自民党だけで300議席もありうる、という。与党なら3分の2も狙える。中道改革連合が伸び悩んで小選挙区の大半で敗れるという話だ。合流の効果が出ていないということである。公明党支持者側の動きの鈍さもあるし、公明党・創価学会嫌いの人々、立憲支持者だったリベラル層に逃げられているというのもあるという。
何もしなければ半減、ともいわれていたが、旧立憲に限ればそれ以上の大敗もささやかれる。

衆議院での300議席、を単独で達成したケースは過去2度あった。
2009年の民主党は308議席で、史上最多だった。しかし3年後の総選挙での結果はご存じのとおりである。もし四分五裂にならなければもう少し踏ん張ったかもしれないが、議席数は57まで減少した。

さらにさかのぼると1986年、中曽根政権での達成である。追加公認でたしか304議席までいった。しかし翌年、売上税問題があって統一地方選で自民は大敗。さらにリクルート事件や消費税問題があって、3年後の参院選で自民党は惨敗し、初めて参議院で与野党の逆転が起きた。その後30年以上自民党は過半数を回復できず、安倍政権で回復したが現在はご存じのとおり。

つまり何がいいたいかというと、極端な勝利はその長期継続を約束しないということである。ましてや今は小選挙区制でもあり、実際の得票率以上に極端な結果が出てしまう。たとえば自民党が300議席とったからといって、300議席分の国民の支持があるとは限らない。少しの変動で、いとも簡単にひっくりかえってしまうのだ。高市首相の人気が勝利の主な要因になるなら、それが消えたらどうなるのか?しっかりした基盤のない政治は、不安定な政治を招く。やはり小選挙区制の大きな問題が潜んでいるように思う。

小選挙区制が拮抗した勢力の政権交代をしていく、という形で機能するには、二つの政治勢力が形成されねばならない。なかなか日本はそれがないので、結局自民党とその他の政党、という流れがいつまでも続いてしまう。もっと都道府県議会などをみると、大半はそんな感じである。日本の政治風景自体がそうなのだから、その通りに議席が配分されている、というだけなのだ。

ktu2003 at 09:02コメント(0)雑記 

2026年01月29日

選挙の情勢予測がいろいろ出てきた。前稿で示したプラスマイナスの要素が、果たしてどういう風に作用するのか。

思ったほど予想がばらついていない。
自民党は単独過半数に迫る勢い。維新と合わせれば安定多数程度。
中道は伸び悩み、というより議席を減らす。
国民民主は横ばいかやや増、参政党は大幅増。
れいわは苦戦、共産は議席減、チームみらいは議席獲得、保守・社民は苦しい。減税ゆうこくは河村・原口氏は生き残る。

前回は自民党が大敗しているので、比較対象は岸田政権時代の2021年と考えれば、実は数字の辻褄が合っている。2021年、自民党は261議席を獲得した。立憲民主党は96議席。公明党が32議席である。たして128。解散前に示した朝日のシミュレーションによると、小選挙区で20〜30の当落が入れ替わる可能性がある、と報じていた。自民党の議席からこれを差し引くと、230〜40程度となる。そしてその分を中道に乗せれば、150弱。今回の予想に近い数字だ。

維新は30議席程度。国民民主も同じくらい。国民民主の支持率からすると意外ともみえるが、そこは小選挙区。党の地力からいうと今の議席数は限界に近いのだろう。参政党は10議席台。もとが2議席なので「大幅増」ではあるが、やはり小選挙区の壁は厚い。
山本代表が動けないれいわ、退潮傾向の共産もだいたいうなづける感じ。保守は減税日本が去れば苦しいし、現有0の社民もさもありなん。注目はみらいで、複数議席もあり得そうだ。

こうやって考えると、高市首相の高い支持率は前回と比べれば議席増に寄与し、あるいは単独過半数まで達するかもしれないが、事前の期待ほどにはならないといった感じか。つまり安倍政権時代の「自民1強」には戻せない。中道はやはり単純な合流だけでは勝てないものの、地力の足し算程度は成り立つ。そうなるとやはり攻防は自民の単独過半数をめぐってということになる。

参院選では参政党が後半大幅に伸びた。この傾向が今回も出てくるとしたら、もう少し自民・中道に影響を与えるかもしれない。維新・国民・参政からすると自民党の勝ち過ぎもまずいところである。そして選挙戦を通じてどう変化するか。まだ予断を許さないところである。とくに今回は。

ktu2003 at 07:40コメント(0)国内ニュース 

2026年01月22日

ほんとうは個々の政策を吟味したいが、前稿で示したように練った政策が出てくるとは思えない。したがって、各党の状況からみてどんなプラスマイナスがあるか。ひとまずその視点からまとめてみる。

・自民党
高市首相の支持率が高い。一番はこれを頼みにする。かつては固い組織票に支えられていたが、今や一番「風」の影響を受ける政党になった。一方で、高市支持=自民支持ではないという指摘が強い。裏金にかかわった議員をもう不問にしたことは、おそらくプラスにはならないだろう。指示に従っただけの平の議員と幹部は違う、という議論もあるが、幹部や落選者まで今回は不問にしている。その上、再発防止策たる献金規制強化もなされていない。そもそも、ほとぼりが冷めるには任期が短すぎた。
消費税減税も政策として打ち出された。臨時国会では消極的な姿勢を示したにもかかわらず、である。これは争点つぶしともいわれているが、なんとも生煮え感がある。対中国姿勢は今のところマイナスにはなっていないが、具体的に不利益を被った層がどう反応するかはわからない。最後に、解散したことそのものへの評価が低い。公明党の支援が見込めなくなったことを踏まえると、マイナス要因のほうが多い気がするのである。これをすべてふきとばせる高市人気か。

・中道改革連合
立憲民主党と公明党の合体だが、単純な足し算になるかは楽観的に過ぎる。現場レベルでは長年敵味方であっただけに、すんなりとはいかないだろう。どこまで基礎票をまとめられるだろうか。もちろん政策も練られたものではなく、有権者に自信をもって示せるとは思えない。一方で、ほぼ立憲民主党の衆院議員がまとまったのは驚いた。これは事前に相当準備をしていたとみていいだろう。負けるにしても、さすがに野党第1党の座がゆらぐとは考えにくい。いかに負けを少なくするか、という戦いになるのではないか。

・日本維新の会
総選挙に便乗した府知事選・市長選はきわめて不評である。おそらく再選はされるだろうが、維新の評判をまた落としたといえる。与党にはなったもののこれまでの実績をアピールするほどのものはない。その上国保逃れ問題は他党の攻撃材料になる。近畿以外では比例も小選挙区も苦戦が必至。自民との選挙協力もないとなると、議席を増やす見込みはほとんどなさそうである。これまた、どれだけ負けを減らせるかが問題だ。

・国民民主党
年収の壁など、一定の政策実現をみた実績のアピールはできそうである。一方、候補者の頭数をそろえるのはなかなか難しく、また中道と対決する選挙区が多く出てくるとなると、結局は比例代表頼みにならざるをえないのではないか。高市支持層で自民嫌い、という層を参政党と奪い合うことになりそう。明確な好材料は、「民主党」票を独占できること。

・れいわ新選組
山本代表の病による議員辞職という、衝撃的な知らせがあった。消費税については全党が減税や廃止を掲げるなど、れいわの提起した問題が広がったという意味合いは大きいが、やはり代表の不在の影響は大きいだろう。パレスチナ問題をめぐって離党者が出るなど、党内もがたがたしている。参政や国民にお株を奪われた部分があり、議席増はなかなか難しそう。

・日本共産党
公明と同じく高齢化の課題を抱え、組織への批判も強い。不破元議長の死、志位議長の引退と、世代交代は進むが候補者の高齢化も著しい。消費税に関しては意外にも5%への減税を主張し、現実的なところをアピール。しかし野党共闘路線がほぼ放棄されたダメージは大きい。

・参政党
高市政権との距離感をどのようにアピールするか。高市支持だが自民嫌いという層にターゲットをあて、自民党に多数を取らせないための動きをみせている。これは一定有効と考えられる。何しろもとが3議席なので、議席増は確実だろうから、その増加分が自民を削るのか、中道を削るのか。一方で候補者の質には不安が残る。

・日本保守党
河村たかし氏ら減税日本勢との分裂によって、1議席になった。とくに東海地方では勝利が見込めなくなった。反高市の保守層がどれくらいいるのだろうか。これはこれで注目ポイントだろう。

・社会民主党
沖縄の議席がなくなった。見込みはきわめて暗い。現実的には比例代表で議席を確保できるかどうか。しいていえば立憲民主が中道化したことで、不満を持つリベラル層の票は多少期待できるかもしれない。だがそれもれいわや共産と食い合うことになるだろう。

・チームみらい
衆議院でも議席を確保できるだろうか。消費税減税に慎重さを示すのは、差別化としては有効だ。比較的ノンポリに近い、都会の富裕層が支持者のイメージだが、意外に政治的に未開拓な層と考えられ、うまくアピールして議席を1でも確保できれば成功だ。

最近は政治ウォッチャーの予測もなかなか当たらない。今回の選挙も自民圧勝から敗北まで予想がかなり分かれている。当日までの様々なアクシデントによっても相当動きそうだし、期日前投票も広がっているから運動期間中がすでに投票期間でもある、という実態になっている。すべて早めに動かないといけない。

ktu2003 at 10:31コメント(0)国内ニュース 

2026年01月21日

高市首相は、通常国会冒頭で衆議院を解散することを表明した。

一昨年10月の総選挙後、当ブログでは「この議席構成だと次の総選挙も遠くはなさそう」と書いた。その通りになりそうである。1年3ヶ月後での再び総選挙、ということになるとこれより短かったのは内閣不信任案が可決されたことによる2例しかない。

まず解散したこと自体への批判がかなりある。選挙運動の時期は一年で一番寒く、雪深い地域も多い。また、急な解散による自治体職員への負担も大きい。自治体も新年度予算編成を抱えるただでさえ大変な時期だ。緊急声明を出して、解散のあり方への疑義を呈しているのは、これまでになかった動きである。受験シーズンでもあり、今は18歳選挙権になっているので、まさに受験の真っ最中にぶつかることになる。受験生への配慮はどうなったのか、という観点からの批判もある。若年層の支持が比較的高いとされている高市政権にとって、少なくともプラスにはならないのではないか。最大の問題は、解散するに足る政治的な争点や混乱がほぼないことである。首相への「信任」というのは順番が違う。本来は首相候補をそれぞれが押し立て、選挙の結果最大政党の党首が就くのが常道である。大統領制でない以上本来はそうやって決めないといけない。

よく考えて投票しよう、とか棄権を避けましょう、というのだが、果たして政治のほうは真摯に有権者に対して対応しているのだろうか?と思うことがある。今回は高市首相がほぼ独断で決断したため、与野党とも選挙準備にばたばたしている。もちろん衆議院は解散があること前提ではあるが、あまりにも急すぎる。2週間もすればもう投票日だ。となると、各政党が出してくる公約・政策が果たして十分練ったものになるのか、というのは極めて疑わしい。候補者が掲げるものも同様である。その候補者の人選だってそうだ。急ごしらえだから、まったく新しい人よりはということで、不祥事などでやめていった元議員や、他党からの鞍替えでもいいかとなってしまう。こういったことも含め、解散のあり方については憲法や法制定を含めてちゃんと議論したほうがいい。

どの政党もプラス要因とマイナス要因があって、しかも連立組み換えということで敵味方の逆転も起こったので、不確定要素が多い。いずれ稿を改めて、選挙の見通しについてまとめてみたい。



ktu2003 at 08:25コメント(0)国内ニュース 

2026年01月19日

ホワイトソックスなどで活躍し、ナックルボールを武器に通算164勝を挙げたウィルバー・ウッド氏が、84歳で死去した。18日(日本時間19日)、複数の米メディアが伝えた。(日刊スポーツ)

1961年にレッドソックスでメジャーデビュー。しかしなかなか芽が出ず、64年途中パイレーツに移籍。65年には34試合に登板したが、66年は1試合も投げられなかった。67年ホワイトソックスに移籍するとナックルボールを習得し、ようやくメジャーに定着。68〜70年は3年連続リーグ最多登板を記録した。68年は当時のメジャー記録となる88試合に投げ13勝12敗16S、防御率1.87であった。71年からは先発に転向し22勝。さらに72・73年には24勝して2年連続最多勝、最多投球回と投げまくった。76年に打球を左ひざに受け骨折。その後は低迷し、78年限りで引退。通算成績は164勝156敗57S、防御率は3.24。

30歳をこえてからキャリアハイをマークしたまれな選手である。ナックルボーラーは、成功すれば肩肘の負担が少なくなり、選手寿命が延びる。かなりの登板過多に耐えられたのはそれであろう。ナックルボーラーといえば同時代にニークロがいたので、陰に隠れる形にはなった。

ktu2003 at 19:40コメント(0)プロ野球 

2026年01月17日

ノンフィクションながら、見事な構成で編まれた書といってもいい。

日本が太平洋戦争に敗れた原因はいろいろ語られるが、その大きな一つは「船舶の枯渇」であった。
日本は周囲を海に囲まれた国であり、物資を調達するには船舶が不可欠である。本書ではとくに、陸軍の船舶輸送に注目し、3人の軍人を取り上げながら述べていく。

日本の場合、陸軍兵員の輸送については海軍は受け持たず、戦争の際は陸軍が民間船舶を借り上げる形で実施した。この部署で奮闘したのが田尻昌次という人物で、未発表ながら大部の自伝的な手記を残していた。まずはそこから、陸軍船舶輸送の実態と、田尻による「近代化」を明らかにしていく。その綱渡り的なあり方は、中国との戦争でもすでに明らかになっていた。とてもじゃないが、米英との戦争は難しい、とわかりきっていた。それを訴える意見書を田尻は上層部に提出するが、反応すらないままに、太平洋戦争の直前、解任されて軍を去る。

船舶輸送の見込みについては、太平洋戦争研究では比較的知られている話で、要するに船舶の損害見込みを低く見積もり、一方で生産力を楽観的に見積もって、数字上は戦争できるという見通しを軍も示していた。しかし現実は甘くなかった。輸送船が次々と沈められ、そのため軍人に加えて船を操る民間の船員の犠牲者も多かった。そして陸海軍で船の奪い合いが始まる。その様子は本書では、篠原優という当時の若い将校の残した史料を通じて明らかとなる。

陸軍の船舶部隊は被害によって身動きがとれなくなってしまったが、戦争の最後に至って思わぬ活躍をすることになった。そこで「宇品」の地が意味を持つ。広島に落とされた原爆。宇品は広島市内ながら爆心地から離れており、無傷だった。部隊のトップだった佐伯文郎はただちに指揮をとって部隊を被爆者の救援に向かわせる。佐伯がまとめた資料に基づき、その様子が描かれる。船舶部隊は戦争の最後で、多くの人命を救うという働きをみせるが、兵士たちも被爆することになった。なぜそうした対応が取れたかという背景には、佐伯に関東大震災の経験があったからだ、と推論している。

敗戦に至る道筋を船舶輸送の軽視という点から明らかにしつつ、最後に市民救援で大きな役割を果たしたことを示して、現代における自衛隊の災害救援と重ね合わせるような叙述であった。陸軍の体質という点でいえば、幼年学校出身ではなく一度は医師を目指した田尻だったからこそ、「常識」に基づいた判断ができたことも指摘。陸軍教育の失敗にも言及している。

田尻の手記が明らかになっていなかったように、太平洋戦争に関してはまだまだ明らかになっていない資料や論点が多い。なぜ、あのような戦争に至り、敗れたのか。自らその総括ができないままに歴史を重ねたことで、今の日本に悪い影響を与えたのは間違いない。歴史をひもといてやるべき仕事は、いまだ数多く残されている。

ktu2003 at 14:42コメント(0)書評・映画評 
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