2006年02月02日

米一般教書演説とイラン大統領の批判

今年のブッシュ米大統領の一般教書演説は、いろいろあって面白かった。

イラク戦争反対運動の中心にいるシンディ・シーハンさんは横断幕を用意していて拘束されてしまった。予定通り横断幕を掲げることができていたら絵になったが。

というわけで、イラクからどう手を引くか、という展望が見えない中、最大の目玉にしたのはなんと新エネルギーの開発であった。「アメリカは石油依存症」と言い切り、中東への石油依存度を現在の4分の1まで下げる、というのである。

地球温暖化対策・環境保護に対してはあれほど冷淡だったブッシュ政権がなぜ?

やはり中東に踏み込んだ選択はアメリカを苦しめている。イラクは言うまでもないが、「民主化」しつつある、という他の地域では、親米政権ではなくイスラムに立脚したどちらかといえば反米型の勢力が伸びている。そんな中では、これまでのように親米国家を通じた石油支配、という構図にもゆらぎが生じてくる。さらにロシアや中国も石油獲得のゲームに参加し始めている。やがてインドもやってくるだろう。ロシアは言うまでもないが、「中国とインドが競争相手」というのはそういう含意もある。

地球温暖化対策・環境保護、という言い方では通じないが、「リスク分散」という視点はブッシュも当然持っている。中東・石油に依存しないためには、国家戦略として脱石油が重要なのである。それが温暖化対策や環境保護政策になるなら、イメージアップにもつながる。本来はアメリカ型の生活モデルこそが問われているのだが。

「イランの核開発は認めない」というのも明確な姿勢である。これに対するイランのアフマディネジャド大統領の反論が振るっている。

「戦争を起こして世界の人々の血にまみれた者が自由や人権を語る資格はない」「近い将来、世界の民衆による法廷で裁かれるだろう」

首をかしげる発言の多い大統領だが、珍しく正論を吐いた。ただ、イランの核開発姿勢も危険な道ではある。反米ぐらいならまだいいが、欧州やロシア・中国をも敵に回すとなると孤立を招く。平和利用に留めるのならば、ロシア案に乗って一歩引くのも悪くはないと思うのだが、強硬姿勢は核兵器を持ちたい、という本心の表れ、であろうか。核兵器はやめときなさい。

世界の将来を指し示せる指導者の出現が待たれる。

 



ktu2003 at 09:52コメント(2)トラックバック(3)国際ニュース  

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1. 海外ニュース  [ 共通テーマ ]   2006年02月03日 00:52
事故、事件、紛争、はたまた芸能、お笑い。 海外のニュース、時事で気になったことを何でも書いてください。
2. ブッシュ大統領 一般教書演説  [ =社説は語る= ]   2006年02月05日 19:46
『読売新聞(06/02/02)』 米大統領演説??世界への関与継続を再確認した  世界の安全保障と自由経済の秩序は、米国の積極的な関与を抜きにしては維持できない。世界で中心的な役割を果たしていく、とする米大統領の基本方針は、その責任を確認したものだ。  だが、米国...
3. 某大使館を見て。  [ ごみオキバ ]   2006年02月06日 14:22
宗教が人を笑う。

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1. Posted by 洛北孫子亭   2006年02月02日 21:29
>首をかしげる発言の多い大統領だが、珍しく正論を吐いた。

果たしてそうでしょうか?愚僧などは逆に、アハマディネジャドの発言には首肯せざるを得ない所が多いと考える人間ですが(殆ど日本のマスコミの「捏造」に近い「ホロコースト否定発言」を含めて)。
対米融和姿勢をことごとく否定されたら、そりゃイラン国民だって腹を立てるでしょうよ・・・
それに、彼の「正論」は、実に空しい・・・「手術成功、患者死亡」という状況にイランがならない事を切に祈るのみです、中東問題研究者の端くれとしては。
2. Posted by 虎哲   2006年02月03日 02:46
コメントどうもです。
>対米融和姿勢
ハタミ政権へのアメリカの対応、の問題は大いにありますね。
しかし本心を表に出しすぎですね。欧州やロシアとはうまく
やっていかないと。

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