2008年04月08日
前代未聞の聖火リレー
いやいや、こんなに注目される聖火リレーはこれまでなかったことだ。
北京五輪の聖火リレーは、そのスタートの時からチベット問題での抗議活動にさらされた。
ギリシアでは国境なき記者団が旗でアピール。五輪マークが手錠になっているやつ。
トルコではウイグル族の抗議に。ウイグル族への弾圧も行われていることを忘れてはいけない。
そしてイギリスでは聖火が奪われそうになったり、消火器で吹きかけられたり、で30人以上が拘束された。昨日のフランスでもものものしい警戒があったものの、結局コース短縮、途中打ち切りに追い込まれた。
パリの市長も抗議の意をこめた横断幕を市庁舎に掲げているのだから、もう社会を挙げての抗議活動になっている。
今後、世界各国を周るわけだが、次のアメリカ、そしてインドなどでも抗議活動があるだろう。日本はどうか。そして本国中国では。
これに中国側は非難を浴びせ、チベットの最高指導者、ダライ・ラマも妨害行為については容認しない立場、である。「オリンピックと政治は別」というところだが、今回はその意味では空前の「政治的五輪」になりそうだ。
歴史的にみて、開催国の政権や国家のアピールに使われてきたのが五輪、であったことは言うまでもない。聖火リレー自体がナチス・ドイツ時代の発祥だ。東京五輪が日本の復興を世界に示す政治的イベントであったことは確かだし、ボイコット合戦になったモスクワ・ロス。新興国家・韓国をアピールしたソウル。
しかし「政治的」という意味でいけば、政権や開催国家側だけが五輪を政治的に利用したわけではない。
メキシコ五輪の時には黒人差別に抗議してアメリカの選手が表彰式で黒手袋をはめてアピールし、選手村を追放されている。ミュンヘンでのパレスチナ・テロもあった。
シドニーでは先住民出身選手が国旗とともに自らの民族の旗を掲げた。
今回、中国は大国としての威信を示し、国際社会での確たる地位をアピールする絶好の機会として位置づけていたはずである。だが、逆にチベット側にも国際社会にアピールする場を与えてしまった。中国がチベット・ウイグルなどでの弾圧を続ければ、抑圧された側は世界に訴える。幸い、オリンピックは世界が注目するから、主張する場は世界中にある。
開会式ボイコットの動きが広がりを見せている。首脳だけではなく、選手にも広がるかもしれない。あるいは、選手がパフォーマンスで抗議の意を示すかもしれない。チベットの旗がいたるところに翻る開会式になるかも。
中国としてダライ・ラマとの対話に応じるなど、何等かのアクションを見せないと、一連の抗議活動は広がりこそすれ沈静化はしないだろう。世界を相手に問題を隠すことはできない。
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