2010年08月26日

映画「借りぐらしのアリエッティ」

アリエッティジブリ作品には、どうも過度の期待を抱いてしまう向きが、まだ世の中には残っている。もう宮崎駿も老いて、次の世代が主力を担っていくべきだろうが、果たしてその評価に耐えうる作品を生み出していけるかどうか。

今回はメアリー・ノートンの「床下の小人たち」を原作に、舞台を現代日本に移し変えた物語。人間から物を借りて暮らしてきた小人の家族が、人間の男の子に姿を見られてしまい・・・・。という内容。

最近のジブリの作品の中では、比較的観られる作品だったな、というのが率直な感想である。小人たちと人間の使っている物との縮尺が絶妙だった。それを映像で表現すると、人間の世界の何の変哲もない空間が、冒険心をかきたてるような場所にみえる。さすがに映像の見せ方は、ジブリの作品だなと思わせる。

ネズミがモンスターにみえ、待ち針が武器になり、角砂糖が大きな塊としてリュックに収められる。

アリエッティは14歳の少女という設定になり、初めて人間の物を借り(狩り?)に行くが、その際に家に療養に来ていた少年、翔に姿を見られてしまうのである。
翔はアリエッティを気遣って、接近して力になろうとするが、一方では心臓に病を抱えて、生きる望みを失いつつある。アリエッティとしては、人間に姿を見られてはその場を離れねばならないという掟があって、当初は接近を拒むが、少しずつ心を開いていく。

人間と小人であるということから、コミュニケーションはスムースにいかないし、必ずしもハッピーエンドでもないが、そのもどかしさがひとつのテーマだろう。

ただし、こうした一連の心の動きが、十分に表現されているとはいえない気がした。翔のアリエッティに対する言葉も不必要に冷たいし、小人の世界を荒らしているという自覚のなさもいまいち納得がいかない。
話が進んでくると、舞台が小人の世界だからということもあるだろうが、閉塞感が増してくる。結局は出て行かねばならないということで。

アニメだからこそ表現できる内容があると思う。ジブリにはそんな作品を作ってほしい。今回の方向性は評価できる。

ktu2003 at 18:15コメント(0)トラックバック(5)書評・映画評  

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ジブリ映画を観て来た。
監督、米林宏昌。企画、宮崎駿。脚本、宮崎駿、丹羽圭子。プロデューサー、鈴木敏夫。
3. 「借りぐらしのアリエッティ」  [ ひきばっちの映画でどうだ!! ]   2010年09月01日 06:27
                           「借りぐらしのアリエッティ」 J-MAX上越にて。 企画・脚本・宮崎駿 脚本・丹羽圭子 監督・米林宏昌 ようやく「アリエッティ」の登場であります(^^♪。 “人間に見られてはいけない”というキャッチコピーが意味深長...
4. 借りぐらしのアリエッティ  [ LOVE Cinemas 調布 ]   2010年09月01日 22:34
原作はメアリー・ノートンのファンタジー小説「床下の小人たち」。とある古い家の床下にすむ小人の一家と人間の少年との交流を描いたファンタジーアニメーションだ。企画・脚本を宮崎駿が担当し、監督は数々のジブリ作品の原画を担当してきた米林宏昌が務めている。西友は主...
5. 映画:借りぐらしのアリエッティ  [ よしなしごと ]   2010年09月21日 01:48
 観たのはだいぶ前なのですが記事にする時間がなくてようやくのアップです。今回は借りぐらしのアリエッティです。

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