2011年11月12日
首相、TPP参加「に向けた協議に入る」と表明
TPP、って何の略?というのはニュースを日々観ていても、なかなか浸透していない。「環太平洋経済連携協定」というからさぞや環太平洋のかなりの国が入ってくるのかと思ったら、どうやらそうでもないらしい。
わかりやすく言えば、関税を例外を除いて撤廃し、さらにさまざまな分野において共通のルールで経済活動をやりましょう、ということなのである。という理想の内容に思えるわりには、参加国が少ない。中国も、韓国も、インドも、その他アジアの大国も全然入っていない。経済規模では日米が突出する。
野田首相は、当初は交渉参加を明言するつもりだったようだが、反対派に配慮して、「参加に向けた協議に入る」と表現した。これは、賛成派にとっては参加の方向性を示したことになるし、反対派にとっては参加を明言させなかった成果を挙げたことになる。玉虫色だ。もっとも、こんなあいまいな表現は日本でしか通用しないだろう。
TPPをめぐっては、賛成反対さまざまな議論があった。おそらくどれも、全面的に間違っているものではなかったのだろうが、物事の一面しか語られていないように思えた。ある部分をみれば日本が地獄に突き落とされるようなものだし、ある部分をみれば貿易立国、日本の進むべき道にも思える。真実はその両方にあるのだろう。そういう見方をしなければならない。
この種の貿易自由化をめぐる議論は過去にもあったけれど、海外との貿易や通商で大国となっていった日本、そして特にアメリカとのかかわりで生きてきた日本において、その発想が変わらない限り、こうした枠組みへの参加を断る選択肢はとれないだろう。たとえそれが、日本に不利になるものであったとしても。
これまでのさまざまな議論を聞いていて、もちろん未来の正確な予知など不可能だが、TPPに参加するとなるとどうなるのか、というイメージは見えてきた。
まず農業はじめ1次産業はさらにしんどい状況に陥るだろう。大規模化などで国際競争力を、などといっているが、1次産業の盛んな東北地方が津波と原発の大ダメージを受けた現状では、実現性は乏しいし、アメリカやオーストラリアのような農業は日本では実現できない。その前に、後継者不足などで産業自体がやせ細っている状態では、自由競争に投げ込んだらやる気をなくす生産者のほうが多いと思う。
製造業はじめ輸出産業は、分野によっては大きな利益を得るところもあるだろうし、そこまでいかなくとも現状をそう大きく落とさず、引き続き盛んな貿易活動を行うことができるだろう。ただそれは、日本をもう一度景気のいい状態に戻せるというほど、バラ色の未来をもたらすものではない。
サービス業については、規制が撤廃されることで大きな利益を得ることもできるだろう。ただしそれは、日本的な企業風土の改革がかなり求められる。
医療・福祉などの分野については、これも改善される面がある反面、一律のサービスを受けられるという面は後退を余儀なくされるだろう。その程度を低くできるか、高くなるかはあるが。
つまりトータルでいうと、よくて現状維持か少し下がるくらい。悪いケースだったら、経済格差がさらに拡大し、特に農業は壊滅的な打撃を受ける。実際にはいろんな政策や努力もあるだろうから、その中間ぐらいのところに収まるとみる。どんな世の中になっても人間は生きてゆける。
私は日本はゆるやかな衰退の道を歩んでいると思っているので、TPPだろうがなんだろうが、自由競争に伍し続けた場合はだんだんしんどくなり、苦しくなるだろう。ただ、国力の衰退=国民の生活や幸福感の低下ということではない。それなりに、つつましやかにやっていく方法はあると思っている。
たとえ下り坂の国であっても、その中で自分のいくべき道を見つけ、幸せを求め、得ていくことは可能である。そしてそういう人々の営みの中から、また新しい上り坂が生み出されていくだろう。それがいつの時点でのことかはわからないにしても。
アメリカを盲目的に信用するのはもうやめたほうがいい。TPPについても感じることはただそれだけ。
わかりやすく言えば、関税を例外を除いて撤廃し、さらにさまざまな分野において共通のルールで経済活動をやりましょう、ということなのである。という理想の内容に思えるわりには、参加国が少ない。中国も、韓国も、インドも、その他アジアの大国も全然入っていない。経済規模では日米が突出する。
野田首相は、当初は交渉参加を明言するつもりだったようだが、反対派に配慮して、「参加に向けた協議に入る」と表現した。これは、賛成派にとっては参加の方向性を示したことになるし、反対派にとっては参加を明言させなかった成果を挙げたことになる。玉虫色だ。もっとも、こんなあいまいな表現は日本でしか通用しないだろう。
TPPをめぐっては、賛成反対さまざまな議論があった。おそらくどれも、全面的に間違っているものではなかったのだろうが、物事の一面しか語られていないように思えた。ある部分をみれば日本が地獄に突き落とされるようなものだし、ある部分をみれば貿易立国、日本の進むべき道にも思える。真実はその両方にあるのだろう。そういう見方をしなければならない。
この種の貿易自由化をめぐる議論は過去にもあったけれど、海外との貿易や通商で大国となっていった日本、そして特にアメリカとのかかわりで生きてきた日本において、その発想が変わらない限り、こうした枠組みへの参加を断る選択肢はとれないだろう。たとえそれが、日本に不利になるものであったとしても。
これまでのさまざまな議論を聞いていて、もちろん未来の正確な予知など不可能だが、TPPに参加するとなるとどうなるのか、というイメージは見えてきた。
まず農業はじめ1次産業はさらにしんどい状況に陥るだろう。大規模化などで国際競争力を、などといっているが、1次産業の盛んな東北地方が津波と原発の大ダメージを受けた現状では、実現性は乏しいし、アメリカやオーストラリアのような農業は日本では実現できない。その前に、後継者不足などで産業自体がやせ細っている状態では、自由競争に投げ込んだらやる気をなくす生産者のほうが多いと思う。
製造業はじめ輸出産業は、分野によっては大きな利益を得るところもあるだろうし、そこまでいかなくとも現状をそう大きく落とさず、引き続き盛んな貿易活動を行うことができるだろう。ただそれは、日本をもう一度景気のいい状態に戻せるというほど、バラ色の未来をもたらすものではない。
サービス業については、規制が撤廃されることで大きな利益を得ることもできるだろう。ただしそれは、日本的な企業風土の改革がかなり求められる。
医療・福祉などの分野については、これも改善される面がある反面、一律のサービスを受けられるという面は後退を余儀なくされるだろう。その程度を低くできるか、高くなるかはあるが。
つまりトータルでいうと、よくて現状維持か少し下がるくらい。悪いケースだったら、経済格差がさらに拡大し、特に農業は壊滅的な打撃を受ける。実際にはいろんな政策や努力もあるだろうから、その中間ぐらいのところに収まるとみる。どんな世の中になっても人間は生きてゆける。
私は日本はゆるやかな衰退の道を歩んでいると思っているので、TPPだろうがなんだろうが、自由競争に伍し続けた場合はだんだんしんどくなり、苦しくなるだろう。ただ、国力の衰退=国民の生活や幸福感の低下ということではない。それなりに、つつましやかにやっていく方法はあると思っている。
たとえ下り坂の国であっても、その中で自分のいくべき道を見つけ、幸せを求め、得ていくことは可能である。そしてそういう人々の営みの中から、また新しい上り坂が生み出されていくだろう。それがいつの時点でのことかはわからないにしても。
アメリカを盲目的に信用するのはもうやめたほうがいい。TPPについても感じることはただそれだけ。
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1. 野田総理は売国奴であるだけでなく、稀代のペテン師? [ Dendrodium ] 2011年11月13日 11:45
昨日の野田総理は記者会見で、
「TPP交渉参加に向けて、関係各国との事前協議に参加することとした」と、言っておられた。
私はこれで今すぐTPPの交渉に参加はしないのだろうと思って、
ひとまず一山...
2. 野田首相 TPP参加を表明 [ 王様の耳はロバの耳 ] 2011年11月15日 11:42
TPP交渉参加を表明=野田首相「関係国と協議」―経済再生へ決意(時事通信) - goo ニュース
昨日夜8時過ぎTVを見ていたら白いテロップが流れ「野田首相TPP参加を表明」との事だった。
始めに米国の意思があり参加が決っていたようです。
結局前日から1日だけ意思..