第46回総選挙〜民主惨敗、政権ふたたび交代〜

当ブログで扱う総選挙も３度目になる。

またも結果は極端なものになった。

各党の議席数は以下の通り。

自民　２９４
民主　　５７
維新　　５４
公明　　３１
みんな　１８
未来　　　９
共産　　　８
社民　　　２
国民　　　１
大地　　　１
無所属　５

ということで、自民党が大勝し、公明党と共に連立政権を樹立することが確実になった。民主党は議席数を４分の１にまで減らす大惨敗。現職閣僚８人（国民含む）が落選するというのも異例の事態。
維新の会は、小選挙区では大阪以外不振だったものの、比例代表では民主党を上回る得票となり、民主党に拮抗する議席を得た。公明党は前回全敗した小選挙区を奪還したうえ、比例でも票を伸ばした。みんなの党は議席を倍に増やした。
未来の党は大きく後退、小選挙区では小沢・亀井の両氏しか勝てず、比例も伸びなかった。
共産・社民・国民・大地・日本は現有を割り込み、日本は田中代表が落選して議席を失った。

民主党の敗北の原因は挙げればきりがないが、国民の期待を裏切ったことが第一だろう。変えてくれることを期待したのに、断念していく政策が相次いだ。連立相手には逃げられ、参院選では敗れ、震災対応でも不手際を露呈し、党内抗争は絶え間なかった。そしてマニフェストに書いていない消費税増税になぜか野田首相が「政治生命をかける」などという。最後は大量の離党者を出し、事実上内部崩壊したのである。前にも一度書いたことがある。自民党と同じことをするのなら、馴れている分自民党のほうがいいに決まっている。今回はその結果だと思う。

自民党は消去法的選択だった。だが、選挙準備をしっかり整えてきていたことがみてとれたし、前回落選組のうちベテランは引退させて、若手に切り替える形で候補者を人選していた。大きな改革はやらない、という意味でははっきりしていたし、外交・安保・教育といった安倍カラーについても、現在の外交・教育をめぐる状況からいって一定の支持を集めたともいえる。公明党は前回の失地を回復した。どこまで自民についていけるか。

変革を期待する票は、維新・みんなに集まった。ただ、小選挙区で勝ち抜く力を持った候補者はほとんどいなかった。自民党が大勝してしまったことで、彼らの主張する大きな制度改革が実現する可能性は、当面低い。むしろ、憲法改正など保守色の強い政策に乗っていく可能性が高まってきた。

未来の党の惨敗は、ひとえに準備不足のゆえであろう。また、小沢氏が嘉田氏を引っ張り出したというのも、いつぞやの手法を思い起こさせた。９議席という結果では、小沢氏が強い影響力を政界に維持するのも難しいだろう。

共産・社民は伸び悩んだ。変革を期待する票も、政権批判票ももはや来ない。時すでに遅しなのかもしれないが、憲法改正が現実味を帯びてきた現在、両党はもう少し共闘関係を具体的に構築すべきではないか。それは、未来の党やどれくらいいるかしれないリベラル派をも含めないと力にはならない。

投票率が大きく下がったことは懸念材料である。５９％は最低の水準。政治への関心が下がったというよりは、大いなる失望ということであろう。だが、民意とのかい離が進んでいる選挙への不信とみることもできる。議席と世論とのギャップに、新政権も直面するのではないか。

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Comments

1. Posted by 只今   2012年12月18日 23:00

TBありがとうございました。お返しTBが上手く出来ないのでコメントで…。

今回の選挙は、安倍総裁もおっしゃっているように「民主党にNO」が示された結果かと。

「自民党にYES」かどうかが判断される来夏の参院選も、引き続き注目ですね。