2014年04月09日

小保方氏記者会見〜客観的検証を〜

 STAP(スタップ)細胞の論文をめぐり、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)による記者会見が9日午後、大阪市内のホテルで始まった。小保方氏は会見の冒頭で、「私の不注意、不勉強、未熟さ故に多くの疑念が生じてしまい、多くの皆様にご迷惑をおかけしてしまった。心よりおわび申し上げます」と謝罪し、深く頭を下げた。(朝日新聞)

記者会見の評価自体は、むしろ高かったようである。理研に対して不満を封印し、自分に非があったことは認めた。一方で、STAP細胞の存在は真実であり、不正はやっていないという主張である。主張は非常に明快である。2時間半にわたった会見を、乗りきった。これはなかなか、疑惑の渦中にある人物としてこなせるものではない。だが主張を信用するに足る材料がない。

再現実験に成功した第三者がいるが、名前は明かせないとか、ノートや細胞、正しい画像もあるという。しかしそれは会見の場では具体的には明かされなかったし、具体的な部分になると説明があいまいになる傾向もあった。ただ、状況はだいぶ整理されてきたのではないかと思う。理研の調査結果、小保方氏の主張、共同研究者の見解もとりあえず出そろった。やるべきことは、月並みだが客観的な検証作業である。これは、マスコミや専門外の素人があれこれと口を出したところで、わからない。「あれだけ明快に言ったのだから、嘘をついているとは思えない」とか、「やはり信用できない」などと、印象論で語るのは危険だと思う。

物証があると言っているのだから、それを提出する。そのうえで小保方氏しか現在発見していない細胞の作り方があるのであれば、それは再現可能な形で第三者に公開すべきだろう。そして外部の専門家を入れて、再現実験をやってもらえばよい。不正の有無について、また別の観点が必要なのであれば別の第三者に入ってもらえばよい。そういう客観的な検証を行う段階に、今たどりついたのかもしれない。

「結論に影響しないのだから」という発言があったのは、非常に気になった。科学者にとって手続き的な部分はすごく大事である。過去の大発見をした科学者は、そこをおろそかにしなかったからこそ名前を残しているはず。コピペや画像の加工が意図的なねつ造や不正でない、という主張を仮に首肯するとしても、それが当たり前の研究文化になっている人のもとに、大発見はもたらされないと思う。これはまさしく印象論だが。

「画期的な発見」というのはそんなに簡単はものではない。おそらく小保方氏のように、「〇〇です」という確信をもっていても、それを人に伝える力がないがゆえに、あるいは証明できないがゆえに脚光を浴びない研究者はごまんといる。そういうものなのである。何かマスコミが日々伝えるように、画期的な発見がありふれているわけではない。人生の大半を費やして、それが意味のある研究か発見かわからないまま終わる。それが研究であり、研究者なのだ、とつくづく思う。

ktu2003 at 23:17コメント(1)トラックバック(10)国内ニュース  

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コメント一覧

1. Posted by RYU   2014年04月10日 20:37
世紀の大発見と持ち上げたのは、マスコミですから、それを汚すも貶めるも自由、というのでは、筋が通らないと思います。小保方氏があれだけ執拗に叩かれた理由は定かではありませんが、あながち、私学系女性リーダーという、光が強過ぎただけに、バックラッシュが強かったという事だと思います。

>研究文化

自分は文系なので、理系研究にどのような手法があって、それが定型化する事があるのか分かりません。ですが、セオリーを築く上で、中心的な見解、学説の位置などの、王道はあると思います。研究文化というのは、まさに、「勝ちパターン」であって、そうした文化というのは、競争が激しいから生まれてしまうのだと思います。

基礎研究が難しい、というのは想像が付きます。ですが、研究にも他分野に渡るものであったり、その接点を発見する、先進研究への教唆をする、という意味で、基礎研究も先進研究も差異は無いと思います。ただ、成果の問題であって、これは、各研究者の人生観であったり、野心によって、差異のある問題でしょう。

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