2019年06月15日

香港「逃亡犯条例」審議延期

刑事事件の容疑者を香港から中国本土に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、香港政府トップの林鄭月娥・行政長官は15日、記者会見を開いて「説明不足があったことを認める」と述べ、立法会(議会)での審議をいったん中断すると表明した。条例案の改正は先送りとなる。民主派を中心に激しい抗議が起きていることを受け、早期成立を目指す姿勢を転換した(朝日新聞)。

もともとこの議論の発端は、台湾との関係で生じたものであったという。台湾で殺人事件を起こした香港人が香港に逃げ帰ったため、台湾で訴追できなかった、というものである。それなら台湾との間で協定を結べばいいのだが、香港が今や「中国」となっている以上、それは難しい。したがって、中国本土と台湾を同じ扱いにしたのだろう。

これに民主派を中心に強い反発が起きた。別件逮捕で政治犯が中国に持っていかれたらどうなるのか。あるいは、経済犯罪でも中国に持っていかれる恐れがある。そして今回、若い世代が再び立ち上がった。おりしも天安門事件から30年がたっており、あるいは再現されるかもしれないという懸念すらあった。

今回の延期はあくまでも「延期」であって、いずれ実行するという見方と、延期は事実上の「撤回」であるという見方がある。香港が返還されてから20年以上たった。「中国化」が確実に進んでいるとされる一方で、若い世代を中心に「香港人」意識も強まっているという。習近平体制の強権化が招いた事態ともいえる。

香港政府の決断は、当然中国本土も容認のもとで行われている。中国としては、民主派が懸念しているような使い方は当然想定しているのだろうが、今アメリカとの経済戦争もあり、話の発端から考えてもアメリカなどに「口実」を与えるような香港政策は避けたのではないだろうか。

それにしても世界的には、民主主義諸国ですらも「強権化」する政権が続出している。治められる側からすれば、「生活」が向上するのなら、うまくやってくれるのなら民主主義かどうかは重要ではない。とはいえ、強権的な体制はそれをひっくり返すときも強制的になり、流血や混乱に陥る可能性が高い。だから選挙という手続きがあるのだ。その選挙という手続き自体にも、不公正が疑われる昨今だから、難しいのだが。

ktu2003 at 18:26コメント(0)国際ニュース  

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