ストーリーはダメ大人の不思議な日常で
テーマはママ。

主人公が第三者的な小説は多い。
推理小説なんて大抵そうで
探偵と怪盗の頭脳戦を語る
ストーリーテラーとか。
ある競技の天才を見守る普通人とかも
ありそうな設定だ。

しかし大抵の場合主人公なんだから
そこそこ尊重され
物語の重要なカギを握っていたりする。
俺は普通の人だから‥とか
いじける主人公に向かって
天才が優しい言葉をかけたりする。
しかしこの小説では
主人公がガン無視される。
別にリアルで無視されるのではなく
相手にされない。
他の登場人物が大人過ぎて
主人公を子ども扱いするのだ。

そういう場合って
周囲の大人が素敵に年を取ってそうだが
この話の大人はダメ大人。
どうやったらこうなった?
と疑問に思うまで魅力的なダメ大人だ。

学生の頃知り合いで個性的な人がいて
陶芸家の息子と聞き納得した。
この話の大人たちも芸術家が多い。
あー、なるほど納得。

主人公の母親に呼ばれて
いい年した大人たちが
平日の昼間でもホイホイ集まる。
仕事はどうした、ってまでに。
ほとんど大学生のノリだ。

当然集まった大人は主人公そっちのけで
母親をチヤホヤする。
主人公の同級生ですら
母親の方を気にしたりする。
不遇な主人公だ。

昔は困った大人が結構たくさんいて
でもそれを見て育った子供は
心のどこかで安心していた、
今はそういう大人がいなくなって
子供は窮屈だろう、
みたいな話を何かの本で見た。

定職につかずにブラブラして
たまに近所の雑用をこなすことで
お小遣いを手にする、みたいな。

僕がこの本の登場人物を
好ましく思うのは
そういう要素がある気がする。
少なくとも主人公は窮屈じゃない。

僕が仕事を辞めてブラブラしたら
我が家は破産だ。
でも毎日遅くまで働いて
家ではいつも疲れている、
精気がない、となったら?
妻が家事に追われて元気が無かったら?
子供達は将来に希望が持てないだろう。

あんな大人にはなりたくない!
と反面教師にしてくれれば良い。
でもそうはいかないだろうなぁ。

おそらくもっと楽に見える職業、
例えばユーチューバーとかに憧れ
でもある時それが思ったより大変で
険しい道だと気付くのだ。
絶望的じゃね?

普通のサラリーマンだって
絶望的じゃないんだよ。
昼休みや飲み会なんかで
同僚とバカ話するんだよ。
でもそういうのを子供は知らない。
家での疲れてる状態しか知らなかったら
可哀そうだ。

この小説の登場人物のように
今さら芸術家になって
平日の昼間にホイホイ友達と遊ぶ、
そんなことは難しいだろう。
でもひょっとしたら遊び心が重要かも。

幸いにして僕は遊び心には自信がある。
40過ぎたオッサンが
お小遣いでゲーム買ったり
レゴ買ったり。
子供そっちのけでブログ書いたり
庭いじりしたり。
当然帰宅時間はかなり早いし。

その甲斐あってか
次男はなりたい職業に
サラリーマンをあげていた。
嬉しいなぁ。
長男は高校行かないで
マンガ家になるって言ってるが‥。

これに満足することなく
この本の大人のように
魅力的なダメ大人になりたい。

余談だがこの本の主人公は
母親やその他周囲の大人のように
立派なダメ大人になると思う。
しょうがないなと呆れながらも
嫌いじゃないっぽいから。

ダメ大人好きにオススメの本。


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