2015年06月

2015年06月27日

地元紙、岩手日日新聞、
当協議会の連載記事、第19弾です。

岩手日日新聞 平成27年2月8日(日曜日)掲載

里山の生き物
一関・萩荘 久保川流域

「眠れない冬」
F
サワガニの雌。雄は左右ではさみの大きさが異なる(上の写真は実際の記事で使用されたもの)

ザクザクと踏みしめるたびに音を刻む雪。
1㍍ほどの積雪さえ、いてつく風によってすっかり固まり、容易に歩くことができた。

再び訪れた久保川に注ぐ沢は、穏やかなせせらぎを奏でていた。


水中の石をひっくり返すと、
隠れていたトビケラやカゲロウの幼虫が寒そうに鈍い動きを見せる。

かわいそうなことをしていると思いつつ、
一つ、また一つと石をひっくり返すと、驚いた事にサワガニが現れた。


サワガニは、きれいな川や沢の上流から中流に生息し、
体長は3㌢ほど。

冬の間は地中深くに潜り冬眠するはず。
この時期に見られたのは、暖冬の影響かもしれない。


雪を背景に威嚇するサワガニは、
いつもと違う季節の流れに戸惑いを抱いているようだった。

その小さな体は、人間よりもずっと、
自然界のさまざまな変化を感じているに違いない。


             ☆ 

文・写真、久保川イーハトーブ自然再生研究所
     常勤研究員・さと研究員


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2015年06月25日

ため池の上をひらひらと優雅に飛ぶ…
チョウ?トンボ? チョウトンボ?
P6250009
その正体は「チョウトンボ」というトンボ!
チョウのようにひらひら飛ぶトンボなのです。

じつは数年前まで、このトンボの分布の北限は、
宮城県の伊豆沼(登米市)でした。

ところが現在は久保川流域で普通に見られます。
温暖化の影響で分布の範囲が北上しているのです…

P6241
久しぶりに見つけた上のトンボは「オオシオカラトンボ」。
温暖な地域を好む種類です。

温暖化が進めば「オオシオカラトンボ」も増えて、
久保川流域でも普通に見られるようになるかもしれません。

今の所、流域では年に数回しか見られません。

P6240310
青っぽいトンボつながりで紹介します。
上の写真は「オオイトトンボ」です。湿地を好みます。

名前に「オオ(大)」と付いていますが大きさは3.5㎝ほど。
小さいですね。

しかもイトトンボの仲間は似たものが多くて分かりづらいですね。
現在、流域では68種のトンボが見られます。



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2015年06月22日

地元紙、岩手日日新聞、
当協議会の連載記事、第18弾です。

岩手日日新聞 平成27年1月24日(土曜日)掲載

里山の生き物
一関・萩荘 久保川流域

「石の下にすむ主」
ハナカジカ
水底の砂利とそっくりな色をしたハナカジカ(上の写真は実際の記事に使用したもの)

ようやく顔を出した朝日に照らされた雪が、
ちりばめられたダイヤモンドのように輝く。

氷点下10度を下回る里山の銀世界。
早朝の冷え込みは体にこたえる。


周囲を深い雪で覆われた静かで暗い沢筋。
日中の水温は3度ほどあり、気温に比べれば暖かい。

この沢には、久保川流域で唯一、ハナカジカが生息している。


ハナカジカは水温が20度以下のきれいな河川や渓流に生息する魚。
大きさは最大で約9㌢。

石の下に隠れて生活し、春先に縄張りをつくった雄が雌を誘い入れて繁殖する。北海道、東北地方、新潟県に点々と分布している。


砂防ダムの設置や道路工事などの影響で激減し、
東北地方では絶滅にひんしている。

絶滅危惧種を守るには、生息地そのものを守ることが最も重要となる。



             ☆ 

文・写真、久保川イーハトーブ自然再生研究所
     常勤研究員・さと研究員


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2015年06月21日

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蝶が舞い踊る季節になりましたね。
アザミの花も鮮やかです。

P6200126
ところが雨が少なく里山は渇水に悩まされがちです。

知勝院の休耕田跡は湿原として手入れしていますが、
水不足で乾燥しがちです。

そこで、上の写真のように、水が湧いている知勝院のため池からポンプで水を吸い上げ、放出して湿原に流しています。

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時間が経つと、湿原の脇を流れる水路に水が溜まります。

知勝院前のため池群はもともとは棚田でした。
湿原は畔を挟んで上段に水が湧くため池が位置しています。


高い所から低い所に水を落とせば効率がよいですね。

水路はトンボのヤゴやメダカが暮らしています。
水が枯れないように毎日確認が必要です。


所で昨日、今年初めてセミの声を聴きました。
「ヒグラシ」の声。地元では「カンカンゼミ」と呼ばれています。
※下の再生ボタンをクリックすると鳴き声が聞こえます!⇩

撮影:2014年8月1日  久保川イーハトーブ世界にて

※動画プレイヤーの右下にある歯車のアイコン(設定)をクリックし、
  解像度を上げると、高画質で視聴できます。


当地域では一番早く現れるセミが「ヒグラシ」です。
8月には数が減って、「エゾゼミ」が多くなってきます。


※エゾゼミについては、下記からどうぞ!⇩
2015年01月12日くぼかわ記事第7弾



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2015年06月16日

常勤研究員は縁あって、
東京都都市部の生き物調査に関っています。

豊かな生物多様性が残されている久保川流域ですが、
当地域にはいない、または少なくても、都市部にはいる、という生き物も結構いるのです。

調査は月に数日。4月~11月まで行い、たまにここで紹介します。都市部で見られる生き物、というのも気になるところだと思います。

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例えば、上の写真の「ショウリョウバッタ」(幼虫)。
公園の原っぱで撮影。

久保川流域上流には生息していません。
暖地の昆虫なので寒冷な地域には生息できないのです。

都内某所の草地によっては、近年、今まで一番普通に見られた「オンブバッタ」代わって数が増えています。

(※その詳細についてはコメントをご覧ください!)

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不思議なチョウですね。上は「ミズイロオナガシジミ」。
羽の表側が濃い灰色をしていますが、裏側は特徴的な模様。

幼虫はナラの木を食べて6月に現れます。

寒冷地にもいるチョウで、食べ物もありあすが、
なぜか久保川流域では今まで記録がありません。謎。

都内でもかなり少ないですが、雑木林が残っていれば、
そこそこ見る機会があります。

P6150063

鮮やかな青い上のトンボは「オオシオカラトンボ」の雄。
やや暗い場所を好み、公園の池で普通にみられます。

久保川流域の下流部では、かなり少ないですが見られます。
やはり暖地を好むトンボなのでしょう。

久しぶりに見る生き物たち。懐かしい気分になりました。


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kubokawablogkubokawablog at 14:52コメント(7) 
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