チャリダー久保田の世界楽翔〜世界一周自転車旅行記〜

自転車による世界一周に向けた準備の話や、旅の話など

3/26~4/2
Resistencia~Pampa del Infierno

レシステンシアでは二泊して出ようと思ったのだが、二泊目の夜にワインを飲んで酔っ払って準備が億劫になったので、結局3泊してしまった。
こういうことしてるから、いつまでたってもアメリカ大陸を抜けられないのだろう。
まぁ、今回は膝の調子が不完全という言い訳もできるので良しとしようか。

つぎに向かうはアンデス山の麓Saltaだ。
今まで南進していたが今度は、レシステンシアから北西に延びる国道16号線に移る。
16号線に入ると片側二車線の路側帯対の道となり、風も追い風となったので楽ちんだ。
だが、どうせ長くは続かないだろうと期待せずに進めば、予想通り50km地点の料金所を過ぎたところで再び狭い道となる。
交通量が変わるわけでもないのに、道路が広がったり狭まったりと、アルゼンチンの道は落ち着きがない。
相変わらず湿地帯ではあるが、ファルモーサ付近に比べ蚊が減ったので、気持ちの上でも楽になる。
こうなると釣り人達の釣果が気になってくるところ。
水路で釣りをしていた青年たちがいたので、何が釣れるか聞いてみると、
Tarariraだよと30cmほどのタラリ―ラを見せてくれた。
起伏の少ないの寸胴体形に短い鰭、ぬめっとした体にギョロ目と鋭い牙。
凶暴そうな顔つきと、古代魚のようなフォルム。
これはアマゾン川で釣りに行ったとき、ガイドが釣っていた奴と同じだ。
(調べてみると、日本名ではタライーラ、またはホーリーと呼ばれ熱帯魚屋さんで販売されているそうだ)
水面を見ると別の魚が呼吸をする為か餌を求めてか、小型の魚が活発に水面を叩いている。
コイツの名はMoncholitoで、灰色の胴体がちらっと見える程度だけなので、謎の生物だが鯰っぽい気がする。このナマズらしきモンチョリートは釣りの対象にはしていないらしい。
他にもタナゴに似たMojarito(モハリート)が生息しているが、釣り人達が求めるのはタラリーラで、フリート(フライ料理)にして食べるそうだ。
見かけた中には、四つ手を使って複数人で湿地に入って何かを捕ろうとしていた人たちもいるので、いろんな魚種がいるようだ。
ここで釣りするのもいいな、なんて思ったが今は天気の関係で時間に追われているので、先を急ぐ。
水辺の横を走っているので、魚や鳥の他、路肩には大量の蛇が潜んでいる。
一日10匹以上見かけるが、大抵は残念ながら轢かれて死んでいるのだが、時折、道路の真ん中でボケーとしている奴がいるので、轢かれないよう尻尾を引っ張って路肩まで避難させてやることも。
蛇の種類は詳しくはないが、中には赤白黒の縞模様の蛇がいたので、多分猛毒のブラジルサンゴ蛇ではなかろうか。
他は、ヒバカリのような白く細い蛇や青みがかった蛇を見かけたし、さらにはこの湿地にはイエローアナコンダも生息しているそうなので、一度生の野生アナコンダを見てみたいものだ。
死体ではあったが、ふくらはぎサイズの太さの蛇がいたのでもしかしたらアナコンダだったのかもしれない。
流石にいくら見たいと言っても、野宿中には遭遇したくないので、この辺りで野宿する時は最新の注意が必要だ。

走り出して二日間は天気も良く、追い風が続いたのでアベレージ、20km/h(ただし最高速度は28km/h)で進めたが、三日目に崩れだしこの日は昼過ぎに切り上げPampa del Infiernoのホテルに。
夕方から雷雨となり、この日から4日間雨は続き、翌昼に一時的に上がった時は既に町の中が川になっていた。
車道で脛まで水に埋まり、歩道の端は蓋無しの水路がある為、危なっかしくて車道以外は歩けないほど。
高低差が無いので水はけの悪そうな地帯だと思っていたが、ここまでひどいとは。
結局4泊ホテルに泊まることになり、手痛い出費と足止めになってしまった。
この地区で野宿する時は、ヘビの他雨にも気を付ける必要がありそうだ。

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クリーニング屋さん
ブエノスアイレスでもそうだったが、アルゼンチンでは移民の方がクリーニング屋を営むことが多い
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二車線が終わり、再び狭い道に
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タラリーラ
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蜂に擬態した蠅
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アリクイ注意
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3/3~3/26
Asuncion~Algentina  Resistencia

パラグアイの首都にある民宿らぱちょ。
値段も1泊45000グアラニー(800円)と安く、さらに長期滞在するほど安くなるシステムもあり、居心地もいいので長期滞在にはうってつけの宿だ。
ただ難点が一つ。
アスンシオンは見どころやる事行くところ、めぼしい所が全くないのだ。
ウルグアイの首都モンテビデオよりも、何もないと言えばわかる人にはわかるだろう。
前回泊まった時はイカダ下りする為、ハマとの打ち合わせの他、リム探しというすべきことがあったので良かったが、今回はこれといって用は無いので切れていたスパイスなどを入手して、一週間ほどで出発。
ところが、出発の朝あいにくの雨模様。
雨の中出発は嫌なのでとりあえず様子を見ることに。
天気を気にしながら旅人たちと話をしていたのだが、パスポートの期限の話になった時、アルゼンチン、チリに入国する時有効期限が半年以上ないと入れないのではないかと、疑惑が浮かび上がる。
それはまずい。
調べてみるとアルゼンチンは3か月あればいいが、チリは6か月必要な場合があるそうだ。
ん?まてよ、僕の5年用パスポートが切れるのが今年の6月末だから、有効期限が3か月ではそもそもアルゼンチンすら危ういのでは・・・
これは急いで更新しなくては。
国境に近い場所とは言え、イミグレまで行って引き返す羽目にならなくてよかったが、着いてすぐ更新しておけば無駄が無くてよかったのに。
早速土砂降りの中歩いて30分の所にある日本大使館に出向き、今度は10年用を作成。
出来るまで土日を挟んで5日間かかるので結局一週間滞在する羽目に。
運が良いのか悪いのか、待っている一週間ずっと雨が降り続け、パラグアイ各地で洪水の被害が起き、パラグアイからボリビアに抜ける道は、一部が未舗装の為ぬかるんだ道でバスが立ち往生するほどらしい。
この雨だったら出発していた所でどっかのホテルで連泊していただろうから、らぱちょに留まっていて正解だ。
パスポートを受け取った翌日、アルゼンチンに向けて出発。
お隣アルゼンチンとはパラグアイ川で隔たれており、橋を越えて入国すると50kmほど北に向かって大回りする必要があるのだが、アスンシオン南西部から出ている渡し船を使えば、10分ほどで入国できるので楽な渡し船を利用。
港にあるイミグレで出国手続きを終え、渡し船に乗船。
距離が短いのでつくりは簡素だが、トラック4台ほど乗る大きさで料金は自転車代込みで1万グアラニー(180円)と安く、煩わしい手続きや乗船の為荷物を外したりすることも無いので、非常に楽ちん。
茶色く濁った流れを見ていると、アマゾン川をイカダで下っていた日々を思い出す。
ペルーのプカルパから下りだしたのが昨年の10月なので、もう半年も前の話で遠い昔の思い出のような気さえしてくる。
10分程度の短い船旅の間、小さな感傷に浸りながらパラグアイ川の流れを見つめ、これまた思い出深いアルゼンチンに入港。
トラウマともいえる嫌な思い出のあるアルゼンチンだが、移動中に出会った人達と道は良かったような気もするので、過去は過去として新しい一歩を踏み出そう。

港にあるイミグレで新しいパスポートを出したのだが、何故が拒否されてしまい古いパスポートの提出を求められる。
当然ながら古いパスポートには【VOID】と穴があけられ、ICチップも潰されている。
もうお役御免かと思いきや、古いパスポートをチェックしそっちに入国スタンプを押される。
90日滞在のスタンプを押されたのだが、有効期限はすでに3か月を切っているのにも関わらずだ。
海外でパスポートの更新をするのは初の経験なのだが、更新を終えたとしても有効期限まで使うものなのだろうか?
そんな疑問を浮かべながら手続きを済ませ、港から16km北北西にあるCLORINDAに向かう。
川と湿地に挟まれた狭い道を行くと、土手沿いに集落が続いている。
簡素な家の作りからはあまり裕福ではない地区だと思うが、南米ではよく見る光景だがアルゼンチンでは初めて見る光景だ。
ただ、目が合えばみんな笑顔で手を振ってくれるので治安が悪いようには見えない。
クロリンダは小さいながらも国境の町だけあって、町中にも信号があり市場があって人で賑わっている。
今日はまだ25kmしか走っていないが、入国初日なので早々に切り上げバスターミナルの前にあるホテルに投宿。
一泊500ペソだが現在は1ドル=40ペソなのでそこまで高くない。
初めてアルゼンチンに入った昨年3月頃は1ドル=20ペソだったが、ブエノスですったもんだをしていた5月に通貨危機となりペソが下落し、ひと月で30ペソまでいき今は40ペソ前後を上下している。
それに合わせ物価も上がっているが流石に二倍に上がるまでは行っていないので、昨年よりも安く旅することができるので、旅人には有難い話だ。
スーパーでビールとつまみを買い、ホテルで一人祝杯をあげる。
缶ビールに関しては、パラグアイは一缶40円(350ml)ぐらいと非常に安かったが、アルゼンチンでは100円ほどになり割高感があるので、当分は一瓶100円で買えるワインに変更になりそうだ。

翌朝、町を抜けたところで大渋滞が発生していた。
先で検問でもあるのだろうかと思いながら数km続く渋滞の脇を抜けると、道路を丸太で塞ぎのぼりを立ててデモを行っている。
昨日はアスンシオン市内で農民による大きなデモが行われると聞いていたが、アルゼンチンでも行っているとは。
ただ、デモと言っても道路を封鎖しているだけで規模は小さく人数は50人にも満たない。
自転車で移動中に行進や道路封鎖してのデモと遭遇したことはこれまでにも何度か遭ったが、車の通行はできなくても自転車はOK場合が多く、今回も僕を認めるなり丸太をどかして通行できるようにしてくれたので、なんら問題なく通過することができた。
反対側に出ると今度はパラグアイ行のトラックの渋滞が伸びており、10km近く連なっている。
交通量はそれほど多くなさそうな道だが、パラグアイ行のトラックは多いのだろうか?

渋滞を横目に、デモが終わるまでは後ろから車が来る心配のない道をのんびりと走る。
パラグアイ西部からアルゼンチン北東部及びボリビア南西部に広がる平原をグラン・チャコと呼び、アルゼンチン側は巨大な湿地帯が広がっている。
湿地帯に伸びた一本道。
パラグアイのアップダウンが嘘のように坂一つ無く、はるか地平線の先まで緑一色の役満コースだ。
舗装状態はそこまで悪くないのだが路肩が全くなく、白線の外は即草地となる。
短く刈られた場所ではトラックが通過する時に緊急避難することができるか、全体的に草が長く伸びているので走る事はできない。
ただ交通量が少ないので、トラック同士がすれ違う時以外はそこまで恐怖を感じることはない。

それよりも、この道の一番の敵は蚊の多さだ。
湿地帯と言うことで尋常じゃない量の蚊が発生している。
蚊の多かったアマゾンでは夕暮れのモスキートタイムに集中し、日中はそこまで刺されることは無かったが、ここに生息している蚊は時間に関係なく湧き出で、水分補給のために立ち止まった瞬間わっと蚊が集まり一瞬にして体中を噛まれてしまう。
さらには20km/hの速度で走っていても足首などを刺してくるので、気の休まる時間がない。
気温は一週間続いた雨の後だからか、30度を少し上回る程度なので、水分補給で停まる回数が減ったのが不幸中の幸いである。

それでも、体をほぐすための休憩も取れなければ昼休憩も取れない状態で走り続けなければならないのは、非常にしんどいものがある。
「もうこれ以上漕ぎ続けるのは無理!」
と体が悲鳴を上げたので、
幅20mほどの川にかかる橋の上で、虫よけを塗りたくって強制休憩。
理由は不明だが、何故かこのポイントには蚊が少なかったため昼飯と仮眠をとることができた。

昼食後、走り出せばやはり蚊が多く、おまけに向かい風と来たもんで無言でうつむきながらひたすら黙々と漕ぎ続けるしかない。
16時、疲れと眠気に襲われ再び虫よけを塗りたくって橋の上で仮眠をとる。
気合で30分ほど寝た後、formosaの町に向けて漕ぎだして20時に120km先のフォルモーサに到着。
人口20万人以上のフォルモーサ州の州都なので、町の入り口のホテルに泊まり、中心部には寄らずかすめるように抜けようと思ったのだが、道路沿いにはホテルが無く、結局夜の町をうろついて声をかけた人に聞いた500ペソのホテルに向かう。
到着時間は20時30分。こんな遅い時間帯に町に着いたのは初めてかもしれない。
大通りを走った感じでは芝の公園が整備され、陽が落ちてもなお遊具で遊ぶ子供たちや、ジョギングする女性などがいたりするので、治安はいいのだろう。
やっとホテルに到着し一息つける。
疲労困憊なのはいつものことだが、今日は左ひざの内側がズキズキと痛む。
普段走るときはサポーターを付けて走っているのだが、片方を紛失してしまったので今は右側だけ着けて走っている。
休憩を取らず無理して漕ぎすぎたせいか、どうも痛めてしまったようだ。
出発時は30歳だったが気づけばもう35歳。
そろそろ無理がきかない年齢になってきたか。
自転車旅はまだまだ続くし、この先の人生の為にもひざを痛めない様明日サポーターを買いに行かなければ。

翌朝も痛みはひかずベッドから降りるだけでも一苦労だ。
午前中は休み、午後から買い物に。
薬局でサポーターを買い、町を少しぶらついてからホテルへ。
とりあえず大人しくベッドでごろごろして、明日に備えよう。

痛みは多少引いたので出発。
今日も変わらず湿地帯。行けども行けども湿地帯。
振り向いても見渡しても湿地帯。
道路から顔を覗かすだけで、ワニが泳いでいるのが見えるほど面白ポイントなのだが、蚊にたかられておかしくなりそうなので遊べないのが残念だ。
魚釣りしている人たちは、この蚊の猛攻を気にしないのだろうか?

町を出てから30kmは道路の拡張工事をしており、車両通行禁止だけど舗装も済んでいるので非常に走りやすい。
しかし、30km過ぎると整地も済んでいない手つかずの草地になったので、全面開通するのは5年以上はかかりそうだ。
17時前、74km走ってガソリンスタンドに到着。
3~5m/sの南の向かい風で、アベレージが16,9km/hしか出なかったので思ったよりも進まなかった。
この先進んでも何もないので、従業員にお願いして敷地の脇にテントを張らせてもらう。
売店はエアコンが効いていて実に快適だ。
スタンド泊はあまり好きじゃないので滅多にしないが、たまにはこういうのも良いだろう。

翌日も南の向かい風。
この時期は毎日南風なのだろうか。
向かい風だけでも嫌だと言うのに、狭い道なので反対車線をトラックが猛スピードで通るたび、トラックを追うように強い風が正面からぶつかってくるので、そのたびに顔を下げて歯を食いしばらなければ吹き飛ばされてしまいそうだ。
そう言えば、この煽られる風の名前って付いているのだろうか?
(調べたけど見当たらないので、もし知っている方がいたら教えてください。)
もし無かったら、曳き波に対して曳き風とかはどうだろうか?

18時Resistenciaに到着。
セントロの近くにホステルがあったので行って見たが、どこにも見当たらないし、地元の人もそんな名前のホステルは知らないと言う。
オフラインマップには時折こんなことがあるから困りもんだ。
ホステルの場所を聞いた人が、近くに安宿があるのを教えてくれたのでそっちへ向かう。
Hotel Luxor一泊430ソルで、部屋にWi-Fiは届かないがベッドが広いのが気に入り、この宿に決定。
レシステンシアから先は向きを変え西進するので風の影響は楽になりそうだ。
とりあえず、ワイン飲んでゆっくり休もう。


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渡し船
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クロリンダに向かう道
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フォルモーサの旧駅舎にあった列車
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快適
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平らすぎて、橋に上がる為の緩い坂にも看板が
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日陰は大事
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レシステンシアの街並み

2/23~3/2
Iguazu~Asuncion

もろもろの準備を終え、半年ぶりに走り出す。
3月のパラグアイは夏の終わりと言えども、連日40度の猛暑が続く灼熱の日々で、自転車で走る以前に長時間日向に出ているだけで危険な天候だ。
体が慣れていれば良いが、運動不足で荷物満載の自転車を漕ぐのはかなりしんどいものがある。
首都アスンシオンまでは、ここまで走ってきた道と同じで、ひたすら細かいアップダウンが続き、自転車を破壊させた路側帯にあるミニTOPEも健在だ。
この暑さの中走りっぱなしでは命の危険があるので、日陰で休み休み走りたいのだが、集落を抜け両脇に大豆畑が広がる地帯では日陰が無く、ガードレールの無い道では自転車を止め休む事さえできない。
汗がたらたらと流れているうちは良いが、次第に汗はかかなくなり、吐き気と頭痛が襲ってきたら要注意。
脱水症状&熱中症一歩手前で、無理にでも日陰に行き休まなければならないが、行けども行けどもどこまでも広がる大豆畑。
流石は大豆の輸出量世界第4位のパラグアイだ。
なんて悠長な事言っている余裕は無く、限界ギリギリのところまで来ている。
そしてようやく見つけたSOS用の電話機のある電信柱の細い影を見つけ、体の幅ほどの日陰だが体を縮めて30分ほど意識が遠のく形で仮眠をとる。
何とか休息をとることができたので休憩後走り出そうと、自転車を停めてた30cmほどの傾斜から引き上げようとしたが、足に力を入れた瞬間太ももに激痛が走る。
「ぐぁっ!」
この痛みは良く知っている。
熱中症の時にかかるこむら返り(熱痙攣)の前兆だ。
この痛みが出たまま足に力を入れたら最後。こむら返りを起こし立つ事さえ困難になる。
自転車を支える手を離し斜面に腰かければ多少は楽になるが、自転車を倒したくない一心で足の筋肉に負担がかからないよう、元々止めていた電信柱まで慎重に動き、太ももに痛みが走れば動くのをやめ、1m1分の速度で慎重に進み、自転車を立てかけた所でもう一度休息をとる。

熱痙攣の原因の一つは血中の塩分濃度が下がる事で筋肉の収縮が起きて痙攣に繋がているので、水分だけでなく塩分も適度に摂取しなければいけない。
以前は汗を多くかく場所を走るときはフロントバッグに塩を入れ、足を休めた時に時折なめていたが、久しく走っていなかったので、サイドバッグに入れたままで摂取するのを忘れてしまっていたのだ。
再び仮眠をとった後傾斜の緩い場所から足に負担がかからないように慎重に上がり、無事こむら返りを起こさずに車道に出ることができた。
しかし、登りが来るたびに太ももに痛みが走り、何度も足を止めマッサージしてほぐしながらゆっくりゆっくりと進み、痛みの間隔が短くなったころガソリンスタンドがあったので、日陰を求めてピットイン。
休んでいるとテレレ(アイスマテ茶)を飲んでいた従業員が冷たい水を分けてくれたので、冷水でのどを潤す。
「かぁーーっ、うっめぇぇーーー!」
地獄に仏とはこの事。
冷やしただけの水だが、熱中症ギリギリの所で飲むキンキンに冷えた水は最高にうまい。
体力を少し回復させラストスパートをかけたらやっぱり登りで足がつったので、水を飲んで少し休んだくらいでは、回復はしない様だ。
そして18時半やっとこさ今日の目的地、Doctor Juan Eulogio Estigarribiaに到着。
安い宿を探す気力も無いので、目に付いたホテル(一泊2000円弱)に投宿しエアコンを全開にして部屋を冷やしつつ、シャワーで汗を流す。
道自体はTOPEが鬱陶しいぐらいでそこまでひどい勾配の坂があるわけではないが、寒いのより暑い方が好きな僕でも、久しぶりに走るのにこの暑さは少々しんどい。
せめて35度くらいまで落ちてくれないと、体力が持たないや。

翌日は目を覚ましても、足が痛くてやってられないので無理をせず連泊。

三日目、復活はしたけど今度は空模様が怪しい。
天気予報によれば昼から雨らしいので、とりあえず35km先のCaaguazuを目指す。
35kmなら楽勝と思いきや向かい風が強く、遅々とし進まない。
おまけに雲の合間から日差しの出ている時間は相変わらず暑く、午前中走っただけでもうフラフラだ。
9時すぎに出発し、カアグアズには12時半到着。
風と日差しのせいで時速は10kmちょっと。280km先のアスンシオンまで4日あれば着くと思ったが、このペースでは何日かかるやら。
町に着いたタイミングで雨雲が覆いだしたので、降られる前にとバスターミナル近くの一泊5万グアラニー(900円)のホテルに逃げ込む。
荷物を部屋に上げている途中で湿った強い風が吹き出し、一気に雷を伴った嵐に。まさに間一髪。
でも、雨が降ったおかげで気温が下がり過ごしやすくなったので、ホテルにいる間降る分には有難い。
と、思ったけど翌日も雨の為又足止めを食らってしまった。昨日あまり走ってないから進みたかったのだけど、まぁ雨じゃしょうがない、しょうがない。

カアグアスに着いた三日目翌日には雨が上がったので出発。
先日までは青空に積乱雲と夏色の空だったが、今日は空気が冷え巻雲が伸びて秋の気配を漂わせてる。
暦的にはそろそろ秋に入り涼しくなるはずだから、この先走りやすくなるだろう。
町を出ると両脇に並木が続き、木陰を抜ける風が気持ちよい。
しかし、その木陰があだとなり、道路に落ちた影のせいでミニTOPEが発見しづらく常に気を張らなくてはいけないので、やはりパラグアイの道は最低だ。

40km走って昼休憩。
ポジョ屋しかない為、昨晩に続いて鳥の丸焼きだ。
昨晩は1/2とユカで12000グアラニー、今日は1/4とユカそれにジュースを付けて15000グアラニーと、300円で腹一杯食えるのでありがたい。
飯を食い終わったら日陰まで走り、木陰で昼寝。
やっぱ自転車旅って自由で良いなぁ。
16時に売店を見つけたのでアイス休憩。
うーん、朝の気温と雲を見て秋の気配がと思ったが、気配だけして実態は無くまだまだ夏の存在感が強いなぁ。
itacurubi de cardillerで見つけた宿は値下げしてくれた上、チェックイン時には氷の入った水を、出発時には前日に渡した2リットルのペットボトルに水を入れて冷蔵庫で冷やしてくれたりと、親切な宿であった。

アスンシオンの日本人宿『らぱちょ』まで90km。
今日中に行けるだろうと踏んでいたが、走り出して20kmでハンガーノック気味で力が出ず、エナジーバーを齧って走るも時すでに遅し、1kmもない坂ですら何度も足を止め中々進まない。
13時Caucupeで昼飯。
胃が満たされたのでこれで体力が戻って走りだせるかと思ったが、一時間もしないで今度は日差しが強すぎてダウン。
バス停で一時間ほど寝てから坂を下る。
下った先にあった電光掲示板の温度計は38度と表示されている。
15時で38度って、今日の最高気温は一体何度あったんだ!?
もう今日中にアスンシオンに着くのは無理なので、Yapacariで宿を探してみたが見つからず、地図上には鉄道駅が表示されていたので行っては見たが、既に廃駅となり機関車が一台止まっているだけであった。
らぱちょのオーナーに聞いたところ、一度廃線になったのを観光用に復活させたが、観光客がいな過ぎてすぐに廃線になったそうで、なんともパラグアイらしいエピソードである。
17時30分、残り20km。
無理すればまだ行けない距離でもないが、夕方に都心を走るのは交通や治安の面でよろしくないので、一日お預けとなった。

アスンシオン市街に入り中心に向かう途中、国道が突然道が狭くなりそのままメルカド(市場)の中に突入。
両脇に八百屋や果物屋が並び、車二台がやっとな狭い道を首都に向かう路線バスや長距離バスが走り、路線バスは数十mごとに乗客を乗降させるため停まるので渋滞が起きている。
今まで色んな都心を走ってきたが、首都に入るメイン国道が、メルカドの中を通る国はパラグアイが初だ。
メルカドを抜けると片側二車線道に変わり、中央を南米の都心ではお馴染みのメトロバスの専用道路とバス停が作りかけで放置されている。
話を聞けばどうやら途中で会社が逃げたらしい。
水不足で毎日断水するくせに、水道管があちこちで壊れて道路には常に小川が流れていたり、排水溝が少ないので雨がちょっと降るだけで車道が水没するなど、公共工事がろくにできていない所も含め、本当パラグアイのダメな所が全開の道であった。

そんなこんなで昼過ぎらぱちょ到着。
パラグアイアの道はクソだったが人柄は良く、メルカドの中を走っていた時ですらクラクションを鳴らす人はおらず、信号も守って走っていた。
これがペルーだったらアスンシオンに着くまで今日だけでも10回は怒鳴り散らしていただろう。
そのおかげですべてを許せる気がするパラグアイ路だった。


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大豆畑
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2/7~2/22

ブラジルのサルバドールからイグアスの滝があるフォスドイグアスに飛行機で向かい、そこからバスで自転車を置いているパラグアイのイグアス居住区に向かう。
しかし、その前に現在自転車はリムが割れた状態で保管してあり、首都アスンシオンではカンチブレーキ用リムが入手できなかったため、パラグアイに入国する前にブラジルで探す必要がある。

中南米では26インチは主流ではなく27インチ~29インチ、もしくは700Cが多く、その上使用者の少ないカンチ用となれば、在庫はかなり少ないだろう。
探すのに苦労するかと多いきや、宿の近くにある自転車屋であっさり見つかり、難なく課題をクリア。
組み立てるくらいならパラグアイでもできるだろうと、新品のリムをもってイグアスにある民宿小林へ。

半年ぶりに再開した自転車は、砂埃と錆で汚れきってしまっていた。
出発前にシートを被せていくか悩んだが、湿気がたまって錆びるのが嫌だったので、シートを被せずに置いておいたが、それでもダメだったようで、これはメンテナンスに時間がかかりそうだ。
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左が継続 中央が交換対象 右が新品

まずはリムを直すべく、壊れたリムからスポークとハブを外し、この時に曲がっていたスポークは日本から持ってきている新しいスポークと交換し仮組。
ふれとりなどこの先の調整は自信が無いので、仮組した状態でブラジルとの国境にあるシウダーデルエステの町の自転車屋で調整してもらい、当日に完成したのを受け取り宿に戻る。
意気揚々と新しいフロントタイヤを取り付け、メンテナンスに移ろうとしたら、今度は後輪のスポークが外れていることに気づく。
リアのリムもダメになったかと外れたスポークを見てみると、ハブのスポークを通す穴の部分が欠けていた。
前々から穴の部分に亀裂が入っていたのは知っていたが、フロントリアが壊れた状態で進んでいたのが良くなかったようだ。
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上が新品。
厚みが無いので弱そうだ。
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ニューリム
(300km程走った後撮影)

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再びバスに乗りエステの町でハブを探す。
エステには自転車屋が10軒ちかくあるのですぐに見つかると思ったが、36H用は聞いたことのないメーカーのが一つ見つかっただけで、SHIMANO製は何処にも置いていない。
怪しげなメーカーでは耐久性が心配なので、ブラジルで探そうとリムを買った自転車屋に行くと、これまた難なくSHIMANO製のハブが見つかったのでブラジルにて交換。
ハブはバラで売っておらず前後セットなので、それならば一緒にフロントのハブも交換しておけば良かったと後悔。
今回購入したのはSHIMANO ALIVIO M430と低価格(80レアル≒2350円)なシリーズではあるが、強度的には問題ないだろう。


自転車作成時は先駆者達の話やブログを読んで頑丈なパーツを組んだが、海外では先進国以外まともなパーツが手に入らないことが多い。
それでも、大抵の国で応用の利く規格を選んでいるので、あとは怪しげなパーツの耐久性を信じて進むしか他は無い。
今回3万km走って初のハブ・リム交換となったが、頑丈と噂のサンリングルのリムから謎メーカーのリムに交換し、果たしてどのくらい持つのだろうか。
とりあえず、サンリングルのライノライトは3万kmはもったので、頑丈と断言。
と、できないのが旅行用自転車作成における難しい所。
イカダを一緒に下ったハマは同じライノライトで6万kmもったというし、早い人は1万Kmもたずに割れた人もいる。
荷物の多さ、路面状況で差はでるし、そもそもの新品の状態での個体差もあるので、長距離チャリダー100人くらいにアンケートを取って平均値を出してみないと何とも言えないのである。
それでも、今リムのメーカーを問われたならばサンリングルのライノライトをお勧めするだろう。
コイツの難点は、日本では入手が難しいと言う点だが。


スポークは継続してDT Swiss『チャンピオン2.0』を使用。
ここまで一度も折れていない。
スポークの折れに関しては、スポークの強度よりも、重要なのは組む人の腕なんじゃないかと思う今日この頃。
日本を旅していた時にスポークが折れた時は、当時は携帯が無かったので、公衆電話でタウンページ見ながら片っ端から自転車屋さんに電話をかけて探すも、半分以上の店で断られた思い出も。
海外で折れたスポークを直してもらった後、他のスポークが次から次へと折れだしたり、そもそも長さの違うスポークで組まれたなんて笑い話もあるので、この辺も検証する必要があるだろう。


前後のリムは直ったので、次は錆び取り。
キャリアをばらしてから、スチールウールで磨いて錆を落とし、傷ついたメッキの上に油を塗りこむ。
磨くだけで一日作業。
そして最後はサドルをワックスで磨き上げ完成。

早速試走に出かけたが、かってにギアが変わりまともに走れない。
調べてみると、チェーンのコマ同士が一部固まって居たため、ディレイラーを通過する時に干渉していたのが原因。
洗浄キットは無いので、一度外してガソリンで洗い固まった部分をほぐしてから、オイルをさして洗浄完了。

時間はかかったが、一通りの修理、メンテナンスが終わり準備が整った。
これでようやく走行開始ができそうだ。

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宿の猫
Sin título

宿のヤモリ
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イグアス居住区の看板




1/18~2/3
ベレンからパラグアイに戻ろうかと思ったが、折角ここまで来たので行きたいけど自転車じゃ距離的に行けなかった場所を観光。



1,レンソイス・マラニャンセス国立公園
白砂漠の中に季節限定で出現する湖の景色が有名。
雨季の終わりから乾季始まりの6月~9月が良いらしいが、1月でも湖はできており観光客も少ないので狙い目。
昼と夕方の二つのツアーがあり、昼のツアーは参加者が僕一人だったので、各湖で写真を気兼ねなくとることができた。
観光拠点となるバヘリーニャスを流れる川ではピーコックバスが釣れるらしいので、居心地も良いしのんびり釣りするのも良いだろう。
ツアー代は2019年1月で各70ソル

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2,Chapada Diamantina N.P シャパーダ・ジアマンチーナ国立公園
ベレン滞在時にネットしている時に見つけた国立公園。
日本名の呼び名が、今一つはっきりしない。
メキシコのセノーテのような透き通った洞窟の泉や、テーブルマウンテンなどがあり、日本人には知名度が低いが、ブラジル人には人気スポットらしい。
広範囲に渡って観光スポットが広がるので、いくつかをチョイスして二日間観光。
テーブルマウンテンは、ベネズエラのロライマと比べると高さも規模も小さいが、眺めは良いしふもとまで車で行き30分ほどで登頂できるので、危険なベネズエラに行って出国できないリスクを考えれば、ここの選択肢もありか?
日帰り二日間で440ソル 昼食付き
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拠点となるレンソイス村(砂漠のレンソイスとは別でサルバドールから西に400km
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3,サルバドール
音楽の町。
町の至るところから太鼓のリズムが聞こえる賑やかな町で、マイケルジャクソンンの"They Don't Care About Us"のPVに使われた町。
海に面しているのでメルカドで海産物が手に入る。
カポエイラ&アフロヘア―発祥の地。
日本人宿『なお宿』があり、2月または3月にあるカーニバルに太鼓のグループとして参加することもできる。
街並みや景色が綺麗で居心地よく、南米の中でトップ5に入る程気に入った町。
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ジャックフルーツ(ブラジルではジャッカ)手がベタベタになるが甘くて美味い
ハイチュウのような味
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海の神様を祀る日で、海にバラを流している

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