チャリダー久保田の世界楽翔〜世界一周自転車旅行記〜

自転車による世界一周に向けた準備の話や、旅の話など

2015年12月

12/12~12/13

前回の記事でも書いたが、パナマからコロンビアへは陸路で抜けられないので、飛行機か船で移動しなければならない。
飛行機で移動する場合、自転車をばらして箱詰めしたり荷物をまとめたりと非常にめんどくさい。
その点、船なら荷物をつけたまま乗せることができるので、できれば船で移動したいと考えていた。
しかし、船はレジャーボートのような小さな船で、パナマシティーの北西にある『コロン』からコロンビアの港町『カルタヘナ』に向けて、カリブの島々に寄りながら数日かけて航海する便しかない。 
これはこれで非常に魅力的なのだが、欠点が一つ。小さい船のため、自転車は船上に保管され、航海中は塩を被るというのだ。
表面の錆ならまだしも、自転車の内部に海水が入ると致命的なので、このコースは除外した。
そこへ昨年の冬、彗星のごとく現れたのが『Ferry Express』 というパナマのフェリー会社。
今までの小さなボートと違って、貨物も載せられるような大型のフェリーが運航を開始し、カリブ海を快適に航海できると旅人の間で話題になり、これは朗報と多くの旅人、特にチャリダーやライダー達はパナマからはこの会社を使おうと計画を組んでいた。
しかし、今年の春突如フェリーの運休が知らされ、予定を組んでいた旅人たちは急きょ移動手段の変更を余儀なくされ、大きなダメージを受けることになった。
運休後様々なうわさが流れたが、その中の一つにフェリー会社の窓口に「次の冬に会いましょう」と張り紙があったと、どこかで耳にした。
会社のHPやフェイスブックにはその情報がなく、更新が止まったままの状態なので、実際に行ってみないとわからない。
というわけで、運航再開というかすかな希望を胸に、パナマシティーに到着後、オフィスへ向かう。宿からオフィスへは歩いて10分の距離。過度な期待をせずに向かうと、オフィスがあるはずの場所には看板がなく、すでに撤退した後のようだった。
撤退したならしたで、WEB上でそう書けばいいものを、いつまでページを残しておくから紛らわしいことになるのだ。
彗星のごとく現れたフェリー会社は、彗星のごとくさっと消えてしまい、フェリーでコロンビアに行く案は断たれ、めんどくさいが飛行機で行くことに。
初めはフェリーと同じ、コロンビアの『カルタヘナ』に向かおうと思っていたが、値段が高かったので、カルタヘナから450kmほど南に下った『メデジン』という都市に行く安い便をネットで予約する。

コロンビアに空路で入国するには出国チケットが必要なため、適当な出国日を指定したパナマとの往復のチケットを予約し、当日窓口で自転車等の荷物にかかる超過料金を支払う。
預け荷物は23kg×2まで無料だが、もちろんその範囲で納めることはできないので、+100ドル程度の出費は覚悟をしていた。
少しでも軽くしておこうと、パナマのホテルに食材や調味料を置いていき、2kgぐらいは軽くしていたはずだが、計量時の数値を見て自分が一番驚いた。
自転車の箱には工具のほか、寝袋やテントを詰め込んでいたので、かなり重くなり、一箱で38kg(自転車だけで20kg)。サイドバックをまとめた袋は28kgで、機内持ち込みのバックパックは9kgなので、トータルで75kg。
移動時はそこに食糧や水、コンロ用のガソリンが足されるので、常時80kgはあったことになり、80kgといえば僕の体重の1,5倍以上にあたる。
なるほど道理で坂がきついわけだ。さらに、今は予備タイヤ2本積んでいるだけだが、アンティグアに着く前は予備タイヤを4本積んでいたので、さらに2kg上乗せされ、もう頭がおかしいと言われても仕方がない重量があった事になる。
「なんでそんなに重いの?」
と聞かれれば、こう答えるしかない。
「なんでだろう?僕もわからない。」
僕だけでなく日本人チャリダー全般に言えることなのだが、外国人のチャリダーに比べやたらと荷物が多い。
「荷物の積み方で日本人チャリダーは見分けがつく」と石田ゆうすけさんが著書で述べていたような気がするが(間違っていたらすみません)、本当にその通りで、移動距離に関係なく日本人はとにかく積んでいる人が多い。
予備タイヤなど日本人ぐらいしか積んでいないのではないか?
以前欧米人のチャリダーこんなことを言われた。
「なんでタイヤ積んでるの?駄目になったらその時に買えばいいじゃん。」
確かにそうだが、
「人里離れた場所でバーストしたら?」「タイヤが売ってなかったら?」「質のいいタイヤが手に入らない」様々な理由があるが、日本人ばかりが積んでいることから、最終的にはこれはもう国民性の違いという言葉でしか説明できないかもしれない。
あと何が重いかと考えると、やはり『本』だろうか。
今持っている本が文庫10冊、新書2冊、B6版コミック3冊、A5版コミック1冊、ソフトカバー2冊、スペイン語辞書1冊。
この先アンデス山脈や砂漠が待ち受けているので、少しは軽くしないといけないと思うが、読み終わったら旅人同士や宿で交換したりするので、なかなか減らない上、最後まで残しておく本が何冊かあるので、やはりずっと重たいままであろう。

一体超過料金はいくらだろうと思っていると、係員は重量計の隣に設置してあるパネルを指さし、預け荷物は最大で32㎏×2個までと言う。
機内持ち込みは10㎏までなので、トータルで74㎏までしか持ち込めないことになり、荷物を分けなおしたとしても1㎏オーバーしている。
その上、自転車の箱や荷物をまとめた袋は、空港内に設置してある巨大なラップでぐるぐる巻きにしてあるので、入れなおすのにも時間がかかるし、巻くのに47ドルかかっているので手を加えたくない。
はじめは「32㎏以上は乗せられないのよー」と担当者は困った顔で言っていたが、上司に確認をとり超超過料金を払えば乗せられることが分かった。
大人一人のパナマとコロンビアの往復が165ドルに対し、片道の荷物代が200ドルと人よりも高くつき、予想以上の出費だったが、仕方ないのでしぶしぶと支払いを済ませて搭乗口へ向かう。
隣国へ飛ぶだけなので飛行時間は短く、1時間半でコロンビアのメデジン近くにある『Jose Maria Cordova空港』に20時に到着。
町までは40kmあるので、この日は空港内の片隅で一泊し、翌朝町に向けて走り出す。
メデジンに行くルートはいくつもあるのだが、地図を見ると、空港の標高が2200mでメデジンが1500mと700mの高低差がある。下るだけで行けると思いきや、コースによっては2600mまで上がる道もあるので、多少上るものの比較的楽そうな北周りのコースをとる。
道は片側一車線だが、路肩は広く舗装状態もいいので走りやすそうだ。
旅人からコロンビアはサイクリストが多いと聞いていたが、道にはサイクルウェアをまとって気合の入った老若男女様々なサイクリストが、イベントでもしているのか?と思うほど走っている。
すれ違う時や追い越される時も陽気にあいさつを交わし、これだけでコロンビアに対していいイメージを持つようになった。
峠を越えて、町まであと10kmというところで、傾斜のきつい盆地に南北に延びる町が現れた。
レンガとオレンジの瓦で彩られた、どこか中東の雰囲気を醸し出す町には、高層マンションがいくつも建ち並んでいる。
街中を走り、日本人宿『shuhari』に14時に到着。
路肩が狭い場所も一部あったが、サイクリストが多く自転車への理解があるからか、クラクションを鳴らされることが一度もなかった。鳴らす必要がない場所でも、とりあえず鳴らしてくるニカラグア人に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいものだ。
治安が悪いと言われるコロンビアだが、スラム街に近づかず、日没後に出歩かなければ、滅多なことはないらしいので、年明けまでメデジンでのんびり過ごそうと思う。
幸先よく南米のスタートを切れたので、この調子でウシュアイアまで大きなトラブルなく走り抜けたいものだ。

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パナマ総まとめ 
Panama

走行期間
2015年11/28〜12/12
15日間
累計:514日目

走行距離
544km
累計:15730km

入国と出国 
In:Paso Canoas→(パナマ)Villa Flores
Out:Ciudad de Panama(Tocumen空港)→(コロンビア)Medellin (Jose Maria Cordova空港)
ビザ不要  
入出国税無し
出国スタンプもなし

言語:スペイン語 

通貨:$(ドル)
    独自の通貨がなく、米ドルが流通
    ただし1ドル硬貨のみパナマのオリジナルが流通し、アメリカの1ドル硬貨は使用不可

パンク
0回
累計:13回

装備トラブル
無し

人的トラブル
挨拶後に「金をくれ」としつこくいってくる人に2回会う

寝床
ホテルを利用$20~30
Wi-Fi無いところが多い
安宿が少ない
バス停やガソリンスタンドでも野宿

パナマシティーのホテル
$15のホステルが多いが、満室が多い
新市街にある『EL MACHICO HOSTEL』(エル マチコ ホステル)のドミは$15~で、広いプールとビリヤード付き
ホットシャワーや朝食セルフサービスもあり、従業員も親切。
何より、歩いて数分の距離に自転車屋さんがあるので、自転車用の箱をもらいに行くのに非常に便利。
$9で空港への送迎サービスあり。自転車を乗せても同じ値段
 
道路状況
拡張工事中
完成すれば片側2車線の走りやすい道になるはず 

天候
夕方から雨
ジャングルでは強烈な雨が降る 

食事
食堂で$4前後で食べられる
 
水 
生水が飲める
食堂でもタダでお冷が出てくる

動物
飼い犬にしょっちゅう追っかけられる


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旧市街か新市街を望む

中米初のパナマの地下鉄

「パナマの入国はチェックが厳しい」
そんな話を旅人からよく聞く。
空路のみならず、陸路で入国する際にも出国のチケットが必要となり、さらには銀行の残高証明もしくは現金💲500が必要らしい。
パナマとコロンビアは地続きなのだが、国境付近のダリエン地峡と呼ばれる一帯は、ゲリラの巣窟となっているので、飛行機もしくは船でなければコロンビアへは入国できなくなっている。
飛行機にしろ船にしろ、入国時点で出国予定の立てられるチャリダーなんて、滅多にいるわけもなく、もちろん僕も予定は未定だ。
しかし、先人のチャリダー達の話では、係員に自転車で旅をしていると伝えれば、出国チケットは不要との話を聞いていたので、💲500だけ用意してをイミグレへと向かう。
バスのチケットでも売っているかのような小さな窓口しかないパナマのイミグレで、係員にパスポートを渡す。
「出国チケットを見せて。」
自転車を指さしながら、
「自転車旅行だからチケットは持っていないんだ」
「そう、じゃあいいわ。」
(スタンプぽん)
「はいどうぞ」
肩透かしを食らったようにあっけなくスタンプをもらい、本当にスタンプが押されたかまじまじと確認してしまった。
しっかりと押されているのを確認したのち、国境のゲートを通過する。
用意した💲500は国境では必要なかったが、パナマには自国の通貨がなく、ドルのみが流通しているので、パナマの銀行でおろす手間が省けるので問題はない。
国境を抜けると景色、というよりかは道ががらりと変わる。
コスタリカの狭い道とは正反対に、片側二車線で広い路肩のある道がすっと伸びている。
パナマは都会のイメージがあったので、「流石はパナマ」と感心しながら、久しぶりに広い路肩を気分良く走ることができた。
この時はまだこの道がいつまでも続くものだと思っていたのだが・・・

国境から60kmほど進んだDavidを過ぎると、2車線あった道が1車線となり路肩も消えて、道が急に狭くなった。狭いというか拡張工事のため通常よりも狭くなっているといった方が正解か。
話によると、この先から首都までの道を拡張するために大規模な工事が続いているそうだ。
いつから工事が始まっているかは知らないが、思っていたより工事は進んでおり、舗装済みの2車線路を片側通行規制している場所が多いので、車の通らない車線をのびのびと走れる部分が多かった。
しかし、全く手つかずの部分は、
「何十年手入れしていないの?」
と不思議に思うほど崩壊している区間があった。
10㎝以上の隆起と陥没。巨大な穴に砂利だらけの道。アイスフィールズパークウェイ等カナダの道も悪かったが、それを超えて今旅の中では一番状態の悪い道が続く。
入って10分もせずに、振動による負担で腰に激痛が走り、苦痛に表情がゆがむ。
それに追い打ちをかけるようにアップダウンが永遠と続く。
メインで使う国道1号線は地図で見る限り、標高の高い部分がないのでそこまでの坂はないと思っていたのだが、パナマには小さな川が無数に流れており、川を越えるたびに標高を下げ、川を越えたらまた標高を上げと、下りの勢いだけでは登り切れない程度の微妙な長さのアップダウンが非常に多く、僕の嫌いなタイプの道が続いている。
そして、この暑さだ。
連日35度前後の夏日。ジャングルの中は蒸し暑く、毎日6リットル近くの水分を補給しても足りないくらいで、熱射病ぎりぎりの日々が続き、シティー200km手前からは向かい風のおまけつき。

中米最後の国は厳しい試練が多かったが12月7日、ついに中米のゴールパナマ運河に到着した。
写真で見る運河は、狭い運河を大型船がぎりぎりを通過し、水門で水位を変えていく場面が多いので、てっきり運河全体が狭いのかと思っていたが、運河にかかる橋から眺めると、そんな事は当然なく、水門以外の場所では200m程度の川幅があり、大型船がゆっくりと進んでいる。
河口から6km上流にかかる橋から運河を越えて、運河沿いに下った後パナマシティーに入る。
そこには強大なビル群がそびえ立ち、大都会が広がっている。
交通量の多いジャンクションに苦労しながらも、車を交わしながら新市街地へと向かい、17時頃新市街地に入る。
しかし、あらかじめ目星をつけていたホステルは満室で、別の宿も潰れていたり見つからなかったりと、宿探しに2時間以上かかる。
日は沈みこれ以上走るのは嫌になったので、やけのやんぱち最初に目に着いた一泊💲50のB&Bに投宿し、宿探しで無駄に疲れた体をベッドに横たえ、軽く目をつむる。 
アラスカをスタートしてから1年と5か月。一部の国を飛ばしたが距離にして16000km。
本当のゴールには程遠いが、ひとまず小さなゴールには無事到着。
感傷に浸るほどのことでもないが、時間がかかった分達成感はそれなりには感じるものだ。
祝杯を上げたいところだが、翌日には安宿に移動しなければならないので、安宿情報をひたすら調べて目星をつけなおす。
折角の夜なのに、ゆっくりできないのもまた一つの思い出だ。

翌日一泊💲15の宿に移り、今度こそ腰を落ち着ける。
ただ、パナマシティーではゆっくりする時間はそんななく、コロンビア行きのルートを決めそれに合わせた荷造りもしなくてはいけないので、今回は沈没せずさっくと南米に向かって動き出そう。

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コスタリカ総まとめ 
Costa Rica

走行期間
2015年11/13〜11/28
16日間
累計:510日目

走行距離
578km
累計:15186km

入国と出国 
In:(コスタリカ)Sapoa→Penas Blancas
Out:Paso Canoas→(パナマ)Villa Flores
ビザ不要  
出国税$8

言語:スペイン語 

通貨:1コロン(₡)≒0,23円  
    ホテルやスーパ―ではドルの利用も可

パンク
0回
累計:13回

装備トラブル
無し

人的トラブル
中米の中では比較的安全

寝床
ホテルを利用$10~20
Wi-Fiはあり

道路状況
坂多い

天候
猛烈な雨が降る日もあり
11月いっぱいは雨季 

食事
食堂でも3000₡近くするうえ、印象に残るほど美味しくもまずくもない
ケポスのバスターミナルにある牛肉と野菜のスープ(2000₡)が唯一美味しかったコスタリカ料理
 
水 
沸騰させれば飲める。 
生水は中る

動物
虫いっぱい
飼い犬うるさい

イミグレ
出国のイミグレの場所が判りづらい。何故町中にあるんだ!?
そして出国税を払う場所はさらに判りづらい。イミグレ裏手の駐車場に停まっているワゴン車なんてわかるか!!

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