米軍属女性暴行殺人事件で殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪で起訴されている元米海兵隊員のケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)が犯行について「(事件が起きたあの場所に)あの時居合わせた彼女(被害女性)が悪かった」との認識を示していることが14日、分かった。13日付の米軍準機関紙「星条旗」が被告の弁護人を務める高江洲歳満弁護士を通じて同被告の見解を報じた。被害女性への責任転嫁とも受け止められる認識に、女性団体などは反発を強めている。
(中略)
 同紙によると、ケネス被告は「棒で殴った上で意識を失わせ、スーツケースに入れてホテルに連れ込み暴行しようとした」として、それ以上の危害を加える意図はなかったとした。日本の法制度では女性暴行は親告罪で、被害者による通報率も低いとして「逮捕されることについては全く心配していなかった」とした。
 米軍属暴行殺人 「彼女が悪かった」被告、弁護士に話す-琉球新報
 この記事の話題です。
 星条旗新聞の記事というのは読んでいないのですが、琉球新報の記事を読む限りは性犯罪に共通する傾向である「他責」を地位協定が拍車をかけたと見るべきでしょう。

 「逮捕されない」ことの悪影響
 地位協定において最も悪影響を及ぼしていると考えられるのが、「基地に逃げてしまえば逮捕されない」という状況です。
 犯罪心理学の研究においては、罰の確実性が犯罪を防止するということが指摘されています。いくら罰が重くとも、罰せられない確率がそれなりにあるのであれば人間はその可能性に飛びつくというわけです。
 地位協定というのは、犯罪者が罰せられないことをいわば公的に認めているような状況なので、この悪影響は計り知れないでしょう。

 基地が必要であればこそ地位協定の破棄を
 私は米軍基地があまり必要だと思っていない人間なので、当然地位協定も必要性を感じないのですが、この問題というはむしろ基地が必要だと思っている側の人間が積極的に解決していかなければならないはずではないでしょうか。
 言うまでもなく、地位協定の存在は米軍と沖縄住民との間に亀裂を生んでいます。犯罪者が裁かれないという不公平な状況があれば当然でしょう。そういった亀裂というのは、方々で起きている基地の建設反対運動などに繋がっています。そのような運動が起これば当然基地の建設などは遅れ、時間と資金を浪費します。また建物が出来上がるのが遅れればそれだけ防衛力にも悪影響が生じるはずです(基地が重要であるという過程にたてばの話)。
 結局のところ、地位協定の存在による悪影響を最も心配すべきなのは基地の存在を重視し必要だと考える側の人々のはずです。であるならばこの問題への解決策を導きだし、軋轢を解消しようと動くべきなのもやはり基地を重視する人々であるはずなのです。
 しかし実際にはそうはなっていません。本当に彼らは米軍基地を防衛戦略上重視しているのでしょうかね?