#KuTooとオタクに関連したことがいろいろあったこともあって、応援の意味を込めて買いました。
 ちなみに、購入にはKampa!で送ってもらったAmazonギフトカードを利用しました。Twitterアカウントを潰されたせいでいまは使えないサービスになってしまいましたが……。代替措置を早く検討しないといけませんね。

 ちなみに、#KuTooに関しては本ブログでも『なんでも「なんでも女性差別」という愚 #KuToo と混浴ツイートに関して』などで取り上げています。

 クソリプ展覧会へようこそ!
 さて、本書の内容の大半は実際のところクソリプ展覧会なるものに割かれています。まぁ、#KuTooの主張なんて「靴を強制するな」という一言で終わるもので長々と説明しなければいけないものではありませんし、本来このように社会運動にまで発展するのがそもそもおかしな話なわけです。

 じゃあなんで社会運動にまでなって「しまう」のかというと、本書に登場するクソリパーたちのようなのが社会に遍在しているからです。まぁ、直接顔を合わせてこのようなことをいう人は少ない(とはいえ存在している)んですが、メンタリティはクソリパーと大差ないようなのが大臣の席についていますしね。「セクハラ罪はない」の麻生しかり(『麻生太郎のセクハラ擁護発言は「ネットの議論」の本質をついている』参照)、パンプス強制をだめだと言い切れない根本厚労大臣しかり(『根本厚労相はパンプスパワハラを容認したのか、否定したのか #KuToo』参照)。

 興味深いのは、著者が指摘しているように、クソリプを送ってくる人の多くが「日本の国旗をアカウント名に」「皇紀」「日本大好き」な「普通の日本人」であるということです。「保守」「右翼」「愛国者」がどういう人間なのかはっきりしますね。愛国者を名乗るならば、同胞女性の苦境には人一倍敏感に反応しなければいけないような気がしますが、不思議です。まぁ、『沖縄・米兵の性犯罪もセカンドレイプの対象になる国』で取り上げたように、性犯罪被害にあった日本人女性よりもアメリカ人男性のほうを擁護するのが「愛国者」のふるまいらしいので。小林よしのりも外国で被害にあった女性を叩く漫画を描いていましたしね(『被告側代理人の弁護士の『伊藤詩織著 「Black Box」 が「妄想」である理由』が妄想である理由』参照)。私には理解できないことですが。

 ちなみに、このクソリプ博覧会に対して「著作権侵害だ!」的なクソリプがついているようですね。無限ループかよ。怖っ。どう見ても正当な引用の範囲ですし、正しく引用しようとするとかえってアカウント名がついていないと出典不明になるのでだめというおまけつき。第一アカウント名を晒されて困るようなリプを送らなければいいでしょう。

 「靴を強制するな」ってそんなに難しいことなのか
 書評しようとして、あまり書くことが思いつかずやはり意識したのですが、「靴を強制するな」ってそんなに難しいことなんですかね?
 別段#KuTooに関心がない人でも、不必要な服装の強制は問題であるという話は容易に理解できると思うのですが。少なくとも私はそうでしたし、だからこそわざわざ書評で書くことがほとんどなくて困っている有様なのです。

 まぁ、『性暴力表現を公から追放する論理』だって当たり前のことをわざわざ言語化したわけで、やろうと思えばできるんでしょうが……。

 興味深いのは、著者と労働政策の専門家である内藤忍氏、ハラスメント研究の第一人者である小林敦子氏それぞれとの対談です。内藤氏は40年前の研究を引き合いに出し、ヒールによる職場での転倒事故がそのころから問題視されていたことを説明します。そして小林氏は、そのことを裏付けるように、かつての経験談として、ヒールで階段から落ちたことが2回もあると述べています。それぞれの対談は別々に収録されたものでしょうが、ヒールの危険性を明らかにするうえでこれ以上ないケースとなっているといえるでしょう。

 幸い、靴の強制は問題であると社会の側が動きを見せ始めています。クソリパーがどう言おうが、社会は結局「正しいほうに」変わるということでしょう。

 石川優実 (2019). #KuToo 靴から考える本気のフェミニズム 現代書館