九段新報

犯罪学オタク、新橋九段によるブログです。 日常の出来事から世間を騒がすニュースまで犯罪学のフィルターを通してみていきます。

公安警察

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「逮捕者のうち4人は韓国籍」だったらどうした

 はい。また産経です。
 警察庁の白川靖浩官房審議官は21日の参院沖縄北方特別委員会で、沖縄県での米軍基地反対運動に関連して平成27年以降に沖縄県警が威力業務妨害などの容疑で41人を逮捕し、このうち4人が韓国籍だったと明らかにした。「逮捕した4人の国籍はいずれも韓国だ」と述べた。自民党の山田宏氏の質問に答えた。
 米軍基地反対運動をめぐっては、東村などの米軍北部訓練場や名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ周辺での抗議活動参加者による威力業務妨害事件が相次いで発生している。
 沖縄の米軍基地反対運動 「逮捕者のうち4人は韓国籍」と警察庁-産経新聞
 なぜこの記事が産経及びその読者にとってニュースバリューがあるように見えたのか、いくつか可能性があります。
 ちなみに、「威力業務妨害事件が相次いで発生している」とありますが、『よろしい、では「極左暴力集団」の定義を教えてくれ』でも指摘したように社会運動の参加者を微罪逮捕するのは警察の常道なので、その結果本来存在しえない事件が相次いでいるように見えることは普通にあります。「抗議活動コワイ!」と思うのは警察発表なんかを真に受けるお人よしだけです。

 韓国籍4人逮捕=反対派は韓国人と思っているのかもしれない
 一番可能性のあるのがこの考え方です。沖縄の基地反対派は中韓の工作員だ!式のデマは人気がありますから。当然ながら、逮捕者の中に4人の韓国人がいることは、抗議活動の参加者にどのくらい外国人がいるかの情報にはなりません。この4人で全員である可能性だってあるわけですし。
 「外国人がなんで日本で政治活動を!」という反応も極めて典型的に見られるわけですが、外国人でも自分の住むところに基地があり、それを問題だと考えれば反対運動に参加することは当然あるでしょう。そして、それを阻む法的根拠は何もありません。

 質疑の発端はネトウヨ議員だった

 これが記事の大元になった質疑の動画のようです。冒頭で反基地運動を「極左暴力集団に主導されている」と発言するなど、それだけで議員の首が3回飛んでおつりがくるようなことになっていますが、圧巻はその後です。
 反基地運動でハングルの横断幕が見られたことから始まり、運動に韓国籍の人間が参加していることを「異様」と断じています。言及があるように韓国にも米軍基地があり、それに反対する人もいるわけですが、山田議員には「同じ問題を抱えた者同士が国境を越えて連帯する」ことを想像するだけの力がないのか、単にネトウヨ支持者向けにかまととをしているのか。どちらにせよ碌でもないことです。

 反対運動へのスティグマを止めろ
 反対運動を極左暴力集団だの外国人が主導しているだの言いたい放題言うことは、溜飲は下がるのでしょうが火に油を注ぐだけです。本当に基地を必要だと思うのであれば、反発する人々と対話し理解を得ることこそが重要であるにもかかわらず、やっていることはその真逆です。
 何より反対運動の背後に何らかの組織が関わっているという考え方こそ、自民党の沖縄への蔑視を明らかにしています。反対運動に黒幕を設定するということは、沖縄県民が自発的に運動を行うことはあり得ないと見下しているということだからです。

よろしい、では「極左暴力集団」の定義を教えてくれ

 沖縄県の米軍基地周辺で展開されている反対運動について、警察庁の松本光弘警備局長は9日の参院内閣委員会で「反対運動を行っている者の一部には極左暴力集団も確認されていると承知している」と述べた。基地反対運動に過激派が関与している実態はこれまでも沖縄県警が指摘していたが、国レベルで認めたのは初めてとみられる。無所属の和田政宗氏に対する答弁。
 松本氏はまた、平成27年以降の検挙状況も説明。米軍北部訓練場(東村など)や名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ周辺での抗議活動参加者による威力業務妨害事件が32件あり、41人を逮捕したことを明らかにした。委員会終了後、和田氏は自身のツイッターに「極左暴力集団とはテロや殺人を行ってきた過激派を指す。こうした集団が基地反対運動に入り込んでいる事は極めて恐ろしい」と投稿した。防衛省幹部は同日、「県外から沖縄に入った過激派が、反基地運動を先鋭化させている側面もある」と指摘した。
 沖縄の反基地運動に「極左暴力集団を確認」 警察庁幹部が参院で答弁 国レベルで認めたのは初めて-産経新聞
 この件です。この記事を見て「ええ、暴力集団が!コワイ!」と思った人は権力を信用しすぎなので気をつけてください。

 そもそも「極左暴力集団」って何よ
 北海道警察のHPにはこのように説明があります。
 過激派(極左暴力集団)とは、平和で自由な民主主義社会を暴力で破壊、転覆しようと企てている反社会的な集団です。過激派は、その成立の経緯や信奉する理論などから様々なセクトに分かれています。中でも革マル派は、表面上暴力性を隠して市民運動に参加したり、主要産業の労働組合などへの浸透を図り、組織の拡大に向けた様々な活動を行っています。
 過激派(極左暴力集団)とは?-北海道警察HP
 お察しの通り、法的にあるいは操作的に明確な定義があるわけではありません。一体何を持って「極左」なのか、どこまで行ったら「暴力集団」なのかは謎に包まれています。
 裏を返せば、何を持って極左暴力集団とするかは警察に一任されているということになります。極左暴力集団という用語自体警察内で使われるだけの用語なので、警察が「この集団は極左暴力集団だ!」と言えば活動実態はどうあれ極左暴力集団ということになってしまいます。

 本当に極左暴力集団いるの?
 よしんば極左暴力集団が極めて明確に定義されていたとしても、問題は残ります。国会答弁で警備局長が認めたとのことですが、この認識が正しいか証明するものは何もないのです。証拠を求められる裁判所ではないので、言うだけタダというわけです。質問をした和田氏は「極めて恐ろしい」などとカマトトぶって書いていますが、基地反対派に過激な人間がいると印象付けるためになされた質問であることは明白でしょう。国会答弁で述べたというだけで真実であるかのように扱うのは、真実に対してあまりにも粗雑な態度です。

 威力業務妨害にしたって
 また産経新聞は威力業務妨害による逮捕者なども並べていますが、これも意味がない数字です。威力業務妨害をどのような基準で現行犯逮捕するかもやはり警察の一存であり、逮捕者を多数出して過激な運動であるという印象をつけたければ手当たり次第に捕まえて逮捕者を水増しして、後で釈放すればいいだけの話です。逮捕というと明確な基準の元に運用されているかのような印象がありますが、実際にはかなり警察の恣意的な基準で使われているのです。

 県公安委員会が高江で反対する市民について「犯罪勢力」と表現していたことがわかりました。これは沖縄平和市民連絡会が県公安委員会に情報公開請求を行い明らかになりました。
 文書では警視庁と5つの県警から派遣されている警察官の人数や派遣期間が非開示として黒塗りにされていました。その理由として「犯罪を敢行しようとする勢力がこれに応じた措置をとり警備実施に支障を及ぼす恐れがある」などと書かれていました。
 県公安委資料 反対市民を「犯罪勢力」-琉球朝日放送
 警察は過去にも、基地反対運動を「犯罪勢力」と表現するなどしてきたようです。犯罪者を捜査・逮捕する権力集団である警察が、犯罪性のスティグマを自身の都合のいいように活用し、スティグマを付与した集団への偏見を煽り同時に犯罪者そのものへの偏見をも煽る行為は、慎まれなければなりません。

【書評】日本の公安警察

 今回の書評は、情報公開の時流に取り残され何やってんだかよくわからない、ただ確かなことは禄でもなさそうな組織だぞということだけという謎の団体公安警察について基礎的な情報をまとめた良著です。
 本書の著者は公安担当の記者として長年公安警察を取材したジャーナリストです。

 そもそも、公安警察とは何か
 公安警察というのは、簡単に言えば警察組織の1部署です。通常殺人事件の捜査などを担当するのが刑事部と呼ばれるところであり、その対極に公安部という部署として存在しています。前にMOZUというドラマをやっていましたが、西島秀俊が公安部、香川照之が刑事部の人間ということになります。
 刑事部と違い、公安部の基本的な仕事は情報収集です。つまり、極左暴力集団(と公安部が思っている団体)やオウム関連の団体といったところに出向いて資料を集めてきたり、関係者を張り込んで動向を明らかにする仕事です。
 そのため、尾行や張り込みといった技術は刑事部の捜査員を凌駕します。刑事部の人間が張り込むのは、自分が監視されているとは考えてもいない素人である一方、公安部の相手はそれを前提に動いているプロの活動家だからです。
 一方で、公安部の捜査員の逮捕に対する認識はあまりにも杜撰なものがあります。刑事部の捜査員が、逮捕は犯人確保の最終手段であり一種のゴールとして認識している一方、公安部は逮捕を情報収集の手段としてしか見ていません。転び公防という言葉の存在が示すように、別件逮捕から組織の情報を抜き出すための取り締まりが常態化しています。

 公安はなぜ極右と仲良しなのか
 『【書評】これが犯罪? 「ビラ配りで逮捕」を考える』でも指摘したことですし、昨今のヘイトスピーチへのカウンターや、最近話題の反基地デモなどでも指摘されていることですが、公安警察というのは極右の活動家と親しい傾向にあります(デモなどの活動の警備にあたるのも公安部の仕事です)。本書を読めばわかるのですが、これは公安警察の辿った歴史的変遷の結果の必然とも言うべき現象です。
 公安警察の前身は戦前の特高警察です。特高警察を中心とする管理と抑圧の姿勢は、敗戦後のGHQ占領下でも変わりませんでした。警察の民主化などを盛り込んだGHQの人権指令からわずか2か月後、公安警察の直接の先祖である内務省警保局公安課が誕生します。このような経緯を知ると、あれだけの悲惨な敗北をもってしても懲りないのかと暗澹たる気持ちになりますね。
 さて、日本を民主化すべく奔走したGHQも、共産主義の台頭とともにその雲行きを怪しくします。反共的な政策へ転換していく中で、彼らの思惑が公安警察の思惑と合致、最終的にはそのようなアシストを背景に公安警察が誕生するという経緯を辿りました。
 そのような反共、国家主義的な思想を背景とするために、彼らにとって極右活動家は思想的な齟齬をきたさずに情報収集できる便利な相手となりました。もっとも、所詮相手は極右活動家ですから、利用しているつもりでも御しきることが出来ずに事件を起こさせてしまうような場合も少なくありませんでした。
 一方の極左活動家は、その思想が共産主義に近いために公安警察は病的なまでの敵愾心を抱いています。その敵意の醸成は、著者をして「洗脳教育」と表現するようなものだそうです。どちらがカルトなのか。

 公安調査庁
 本書が指摘するような人権上の大問題を抱えつつも、公安部はまだ日本の治安維持に貢献しているという擁護が何とか可能かもしれません。しかし、公安というのはよりろくでもないものが警察の外にも存在しています。これが公安調査庁と呼ばれる組織です。
 仕事の内容としては公安部とほぼ変わりません。違いがあるとすれば、公安部の持つ強制捜査権を持たないことで、いわば公安調査庁は公安部の劣化版ともいえるべき存在でしょう。そのため、彼らはリストラ対象と揶揄されることも往々にしてあります。
 そんな彼らは生き残りをかけて、自身の存在意義をアピールするためにとにかく手当たり次第に危険を煽っています。爆弾1つ投げつける度胸のない共産党を危険団体と言ってみたり(『警察によれば共産党は危険()団体らしいぞ!』に詳しいです)、最近では琉球大学と中国との文化交流を「中国が沖縄独立をもくろんで工作している!」と言いたててネトウヨ以外から失笑を買ったという事例もありました。
 しかし問題は、現在の日本ではこのようなネトウヨめいた稚拙で短絡的な見方をする人間が大多数を占め、公安とマインドを共有するような事態に陥っていることでしょう。よく平社員が経営者マインドを持つことを揶揄することがありますが、ただの国民が権力者マインドを持ってしまっていると言える状況です。

 このような問題含みの公安も、批判するためにはまず知らねばならないという状況にあるほど知られていないのが現状です。その視点で言えば、公安の基礎を詳らかにする本書は重要な物でしょう。

 青木 理(2011).日本の公安警察 講談社 

【書評】これが犯罪? 「ビラ配りで逮捕」を考える

 今回取り上げるのは岩波ブックレットの1冊。このシリーズは内容が簡潔なわりに詳しく、時流に合った話題を提供してくれるので重宝しています。下手な新書を読むよりはこっちを読む方が勉強になるでしょう。

 微罪逮捕とは
 本書で取り上げられているのが「微罪逮捕」の問題です。そもそも微罪逮捕とは、公安がデモ参加者の前でわざと転んで公務執行妨害で逮捕するように、極めて小さな、本来であれば逮捕不要な罪で逮捕しておいて、別件の捜査につなげるというものです。
 本書のタイトルには、ビラ配りでマンションに入ったところ住居侵入で逮捕され、起訴までされたという事例です。他にも、卒業式の直前に政治的な訴えをしたために、卒業式そのものの進行には影響しなかったものの業務妨害で逮捕された事例、部屋を借りる際に、部屋の使用用途の申請に誤りがあったために詐欺罪で逮捕された事例など、警察も暇だなと思われるような事例がいくつも挙げられています。

 選択的な正義
 一応、条文を語義通りに馬鹿正直に解釈すれば、微罪逮捕された事例の中には実際に法に触れると理解できるものもあります。例えば住居侵入は「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入」する行為と条文にあるので、ビラ配りを正当な理由ではないと解釈すれば法律違反とみなすことは可能なのです。
 しかし、問題は警察が他のビラ配りを逮捕していないという事実です。逮捕された人が配っていたビラは、自衛隊のイラク派兵に反対するものでしたが、ビラの内容が右翼的なものであれ、商業的なものであれ行為の本質は変わらないはずなのに、これらの事例では逮捕者は出ていません。
 その他の事例に関しても同様で、主張は違うが行為自体は同じである事例では逮捕者が出ていないという事実は、その行為の違法性が問題だったからではなく、主張の内容が警察にとって問題だったからであると推測するには十分な根拠と言えます。

 公安警察の仕事づくり
 このような微罪逮捕がまかり通る背景に、公安警察が自分たちの存在意義を示すために仕事を作ってると著者は指摘します。
 公安警察は、元々組織犯罪を取り締まる部署ですが、ある時期まではほとんど仕事がなく、左遷先とまで揶揄される状況にありました。
 その状況が変わったのが、オウムによる地下鉄サリン事件です。この事件に恐怖した国民や政府によって
、組織犯罪の取り締まりへの需要が増し、公安警察の地位が向上し、早い話が調子に乗るようになってきました。
 とはいえ、実際に日本では組織犯罪が滅多にないという事実は覆しようがありません。そこで公安はいろいろと情報収集をして、「危ない組織」を洗い出そうと躍起になりました。『警察によれば共産党は危険()団体らしいぞ!』でも指摘したように、共産党もその1つですし、本書で登場する組織もそのターゲットとなったのでしょう。戦前の軍部を思わせるような状況です。

 右翼と仲良し
 公安警察といえば、左翼への弾圧は積極的なのに右翼へのそれはそうでもないという問題もあります。現に本書で取り上げられた事例もすべてが左翼的な主張をする者が逮捕されたものですし、ヘイトスピーチのカウンターの現場でも、レイシストの暴行が見逃されたりといった問題が指摘されています。
 ヘイトスピーチ対策法も成立したことですし、それがなくとも右翼までターゲットにすれば仕事が2倍になって都合がいいようにも思えるのですが、なぜ公安は右翼はあまりターゲットにしないのでしょうが。
 その理由が、本書の中に一水会の顧問である鈴木邦夫氏の発言を引用する形で述べられています。氏曰く、公安は右翼と仲間意識を共有していて、右翼を育てている側面があるというのです。どうしてそういうことになったのかはさっぱりわかりませんが。

 このような問題に立ち向かう最後の砦は、裁判所が令状などの検察の請求をはねのけることですが、本書を見る限りあまり期待はできないようです。とすれば、やはり市民がありもしない犯罪に対する不安に踊らされずに、毅然と社会の中にある衝突を受け入れていくしかないのでしょう。

 内田雅敏(2005). これが犯罪? 「ビラ配りで逮捕」を考える 岩波書店

警察によれば共産党は危険()団体らしいぞ!


 ……だそうです。わー怖い。本当だったら気をつけなきゃ。共産党の選挙カーが通るだけで夜も眠れません。選挙カーは夜には走らないんですけど。
 でも具体的にはどういう危ない活動をしてるんでしょう。というわけで早速警察白書を見てみましょう。

 最近の動向
 まずは最新の平成26年版です。
4 日本共産党等の動向
(1)日本共産党の動向
① 第23回参議院議員通常選挙の結果
 日本共産党は、平成25年7月の第23回参議院議員通常選挙で、「比例代表で5議席絶対確保」、「650万票以上の得票」の目標を掲げ、沖縄選挙区を除く選挙区に46人、比例代表に17人の公認候補を擁立した。
 結果は、改選前3議席(いずれも比例代表)から、選挙区で3議席(東京、京都及び大阪)、比例代表で5議席の合計8議席を獲得し、非改選と合わせると11議席となった。とりわけ、選挙区に関しては、東京では12年ぶり、京都、大阪では15年ぶりに議席を回復した。
 日本共産党は、同年9月の第8回中央委員会総会(以下「8中総」という。)で、「二大政党づくり」の動きや「第三極」の動きが廃れて「自共対決」の構図が鮮明になるという客観的条件も議席の増加に有利に働いたとの認識を示す一方、「今回の躍進は、私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視する必要がある」などと総括した。
 ② 「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」の取組
 日本共産党は、8中総で提起した「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」に取り組んだ結果、期限である平成26年1月末までに約6,300人の新入党員と約1万3,000人の「しんぶん赤旗」読者を獲得したと公表した。また、26年1月の第26回党大会では、同年1月1日現在の党員数は約30万5,000人、「しんぶん赤旗」読者数は124万1,000人であることを公表した。
(2)日本民主青年同盟の動向
 日本民主青年同盟は、平成25年11月、東京都内で第37回全国大会を開催し、24年11月の第36回全国大会後の1年間で870人の同盟員を迎え、570人の機関紙読者を増やしたことを明らかにした。
 第37回全国大会には、日本共産党から山下芳生書記局長代行が出席して挨拶し、同党が、25年10月、「労働者の保護の強化を図るため」との理由で、「労働基準法等の一部を改正する法律案」を国会に提出したことを挙げ、「その背景には、雇用問題で社会にアピールしてきたみなさんの運動があります。民青と日本共産党にとって文字通りの「出番の時代」が始まったことに確信をもとう」などと呼び掛けた。
 平成26年版 警察白書 第6章 公安の維持と災害対策
 ……あれ。どこにも危なそうな活動が書かれていないぞ。しんぶん赤旗に国民を洗脳する暗号でも仕掛けられてない限りですが。
 ああそうか。今年は偶々大人しかっただけか。じゃあ平成25年版を見てみましょう。
 しかし結果として、平成26年の時と書いてあることは変わりませんでした。議席がどうとか、赤旗がどうとか、下手すれば共産党の広報よりも簡潔で親切なくらいです。嘘だと思うならリンクを飛んでみてくださいよ。拍子抜けしますから。
 一応警察が無能だとか、見逃している可能性も考えましたが、共産党の項の前にある極左暴力集団や右翼活動家の部分ではきちんと検挙者も出てますし、見逃すならわざわざマークする意味もないのでそういう訳ではなさそうです。

 昔はどうだったか
 わかりました。共産党は今はおとなしいけど昔はやんちゃだったんですよ。現に昔に獲得議席が多かったことを警察白書は明らかにしていますし、活動家が増えれば勢いづいて暴れるというのも自然に見えます。
 ではweb上で見られる警察白書の中で、最も古くに共産党の項目が登場する昭和49年の記述を見てみましょう。
 日本共産党は、昭和47年に引き続き、“70年代の前半に条件を整え、後半の遅くない時期に「民主連合政府」をつくって社会主義への道を切り開く”とする戦術的な統一戦線政府構想を実現するための体制づくりを主眼に多彩な活動を進めた。とりわけ、労働組合工作に力を入れ、日教組、自治労、国労、などの大単産や東京、大阪、京都などの有力地評で影響力を著しく強め、日本共産党色の濃い労働組合や「政党支持自由」の名の下に日本共産党も支持する労働組合が増加した。また、都市と農村の中間層対策にも力を入れ、公害闘争など各種の「市民運動」に対する指導介入を強めた。とりわけ、民商への指導を強化して商工会・商工会議所工作をめざし、また、専任の農村オルグを全国に配置するなどして農協工作を進展させた。そのほか、民青や代々木系全学連に対する指導を強化してそれぞれの組織の拡大を図った。このような活動により党勢力は、昭和48年11月の第12回党大会時の発表によると、党員30数万人、「赤旗」購読部数280万部以上と党史上最大のものとなったとしている。
 3年4箇月ぶりに開かれた第12回党大会では、「民主連合政府」構想がいよいよ“宣伝スローガン”から“実践スローガン”の段階に入ったという認識に立ち、その実現に向けて「民主連合政府綱領」をはじめ、大会決議、中央委員会報告などによって一層具体的な戦術を決定するとともに、新しい指導体制を確立した。この大会で決定された政権構想をめぐって日本共産党は、議会を重視し、平和革命路線を志向しているとする見方も一部にみられた。
 しかし、日本共産党は、党規約で明示している“党はマルクス・レーニン主義を理論的基礎とする労働者階級の前衛部隊である”という革命勢力としての基本的性格を変えなかった。更に、「民主連合政府」を踏み台にして「民族民主統一戦線政府」をつくり、「人民の民主主義革命」とそれに引き続く「社会主義革命」を遂行していくとする党綱領に明示する基本的革命路線も変えなかった。また、党綱領と一体をなす宮本顕治著「日本革命の展望」で明らかにしている「敵の出方論」に基づく革命の方針も変えなかった。
 これから先、日本共産党は、本格的な統一戦線の結成を最重点にすえ、統一戦線勢力の国会進出、警察・自衛隊対策、労働組合対策、青年対策、都市・農村の中間層対策、マスコミ・言論界工作、学術・文化界工作などに重点を志向した活動を推進し、「民主連合政府」樹立の機会をうかがうことになるものとみられる。
 昭和49年警察白書 第8章 公安の維持
 ……あれ。なんか工作はしていたみたいですが、極左暴力集団の様に火炎瓶を作ったり、右翼の様に包丁で誰かを刺したりはしなかったみたいですね。それに比べて共産党のなんと平和なこと。
 ちなみに例によって、他の年度も調べてみましたが共産党の悪事について書かれたものは見つかりませんでした。

 結局のところ
 そういう訳で、webで公開されている警察白書の該当部分を全て読みました。結果、見落としがないなら暴力犯罪という視点では共産党が危険であるという証拠は全く得られず、下手すればそれをもって共産党が平和な組織であることが証明されたと主張できます。
 警察が金をもらってて、広報のためにわざわざ書いていると言われた方がよほど説得力ある陰謀論だと思います。
 唯一犯罪チックなことが書かれているのは、平成6年の以下の記述くらいなもんです。
(1) ソ連資金問題等の中、総選挙でほぼ現状を維持
 平成5年4月以降、新聞等において、ソ連共産党の秘密文書に基づき、ソ連共産党が日本共産党に対して、昭和37年から38年の間に参議院選挙、党本部建設等の資金として約9,000万円(当時)を援助したものを含め、30年から38年の間に少なくとも2億円(当時)を援助していたなどと指摘された。
 共産党は、「かりにそういう『資金』の流れがあったとしても、それは、党として要請したり受け取ったりしたものではまったくない」と主張し、平成5年7月の総選挙では、厳しい情勢下にもかかわらず、前回に比べ、得票数、得票率、議席数とも徴減させるにとどまり、ほぼ現状を維持した(表8-4)。
 これなら爆弾の1つでも投げてくれた方が余程面白い検証になった気がします。マジで。
 あと平成元年のやつには「天皇制批判キャンペーンを強化し、革命党としての本質をみせた日本共産党」という見出しがあって期待したんですが、反対キャンペーンを行った程度でした。革命党としての本質を見せてなおその程度なので、火炎瓶とか一生無理かもしれません。

 警察が目をつけている=危険、ではない
 当たり前ですが、警察が目をつけているかどうかと、実際に危険かどうかは関係がありません。平々凡々な集団をマークしているのも流石に間抜けなので、大抵の場合は危険な集団をマークしてるんでしょうが、共産党のような例もあるわけです。
 逆に言えば警察がノーマークだったにも関わらずやばい集団だったみたいな例もあるわけで、まあ警察も人の子ですから、程度の話でしかありません。
 もっとも、今回の検証はあくまで暴力犯罪という視点だけなので、それ以外の角度から危険だと言える可能性までは否定できません。もしそんな部分があるなら、何年の警察白書のどこにそう書いてあるか後学のために教えていただきたいものです。

 付記: KAZUYAとは何者か
 と、検証はあれで終わりですが、こんなクソみたいな話題を提供してくれたKAZUYAなる人物は一体誰なんでしょう。嫌味の1つでも言いたい気分です。
 検証中にしっかり思い出しています。私が稀に訪れる大型書店のヘイト本コーナーに著書がありました。
 確か手に取ってパラパラ中を読んだことも覚えています。
 ちょうどその時開いたページに「自分のチャンネルに来た人にアンケートしました!これが日本から見た韓国の実態だ!」的なことが書いてあってそっと閉じました。勤勉で賢明な拙ブログ読者の皆様なら「サンプルの偏り」の一言が思い浮かぶのではないでしょうか。
 彼が出版した本は1冊だけではないようで、時代に迎合してちょっと過激なことを言うだけで本を書かせてもらえるのか、いーなーというのが率直な感想ですね。
 しかしそういうどこの馬の骨かわからない彼の愚にもつかない駄論を聞くために25万人がチャンネル登録しているというのは由々しき事態です。日本のお先は真っ暗だぁ。
犯罪心理学者(途上)、アマ小説家。カクヨム『アラフォー刑事と犯罪学者』『生徒会の相談役』『車椅子探偵とデスゲームな高校』犯罪学ブログ『九段新報』など。質問はhttps://t.co/jBpEHGhrd9へ
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