九段新報

犯罪学オタク、新橋九段によるブログです。 日常の出来事から世間を騒がすニュースまで犯罪学のフィルターを通してみていきます。

警察

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【記事評】特集 公安警察の闇(週刊金曜日2019年5月17日(1232)号)

今回は週刊金曜日が興味深い特集『公安警察の闇』を組んでいたので、その一連の記事をまとめて取り上げます。

 公安警察というのは、先年のコナンの映画でも取り上げられた、警察組織の一部です。警察にはざっくりと刑事警察と公安警察の2つにわけることができ、一般的に刑事ドラマに出てきたり通報を受けて事件を捜査したりするのは刑事警察の方です。俗にいう「捜査一課」というのは、正確には「刑事部捜査第一課」と言うべきなのでしょう。

 ある元警備公安警察官の告白
 じゃあ事件を捜査する方じゃない警察、公安警察が何をしているのかというと、特集記事の1つ目で紹介されているように、主な業務は犯罪傾向のある組織の監視と情報収集……というのが「表向き」の建前です。

 実際には、公安警察が重大な組織犯罪を防げた実績はほとんどありません。まぁ、アメリカだって散々電話などを傍受したのにそれでテロを防げた事例が1件もないといわれているくらいですから、そもそも組織犯罪の未然防止が難しいというのはあるのですが、日本に関しては主たる原因は、単に公安の無能に由来するでしょう。

 彼らの無能さの最大の象徴は、監視団体だと称してずっと日本共産党を追いかけている点です。この点は『警察によれば共産党は危険()団体らしいぞ!』でも論じましたが、ネトウヨ以外からはいい物笑いの種です。ずっと追いかけていますが、彼らの「暴力革命」の証拠は未だに見つかってません。本当に暴力革命を目論むならそもそも公党になって政治家を国会に送り込むなんてまどろっこしい真似はしないので、当然です。

 左翼団体だって、調べれば共産党よりももっと危険な集団はいくらかいるだろうに、なぜ共産党に執着するのかはよくわかりません。『日本の公安警察』は、公安警察の発展がGHQの反共主義とともにあったことを指摘していますが、現状の公安の態度はもはやそれでは説明できないような気も。

 ちなみに、驚きだったのが、公安は組織の人間を引き抜く活動を捜査員に自腹を切らせてやっているということです。ただのブラック企業じゃん。

 労組の破壊を狙う「特高型弾圧」が始まった
 しかし、無能なだけならまだ笑って済ませればいいのでましです。昨今の公安の振る舞いは無能を超えて有害です。その最たる例が、生コンクリート製造とその関連企業の従業員によって組織される労働組合である全日建関西地区生コン支部への弾圧です。

 ニュースでこの組織の組合員が逮捕されたという話をちらっと聞いたことがある人も少なくはないでしょう。逮捕と聞くと我々は悪いことをしたのだろうと思いがちですが、実際にはそうではありません。
 記事によれば、従業員が営業の際、相手の会社に対して多少強い言葉を使った(しかも本当に行ったかも定かではない)ことを理由に何か月も後になって恐喝未遂で逮捕したり、企業の前でその企業のコンプライアンス体制を批判するビラを配ったりしたことを理由に威力業務妨害で逮捕したりしています。これらの行為に違法性がないことは判例などからも明らかです。

 労働組合関係者を逮捕した理由は、組合活動の弾圧にほかなりません。記事では、捜査員が逮捕した容疑者に対して、逮捕容疑に関する取り調べをろくに行わず、労働組合からの脱退を執拗に要求し、中には家族を脅したりする事例もあることが紹介されています。
 国を守るはずの公安警察が、実際には資本家の先兵のようなかたちで動いている実態が明らかになっています。

 官邸を牛耳る杉田・北村の「公安人脈」
 警視庁での証拠保全手続が実施された公安の集団暴行事件
 新潟知事選挙で尾行や逮捕 原発反対派への圧力か

 残り3つの記事、1つ目は公安警察の「強さ」の理由を探っています。官邸の都合のいいように情報を流したりといった操作に、公安出身の官僚である杉田和博内閣官房副長官と北村滋内閣情報官が関わっているという疑惑ですが、インタビューを受けたライターの森功氏は、安倍首相は政策に全く明るくないので、首相の指示ではないだろうとばっさり。であれば、部下の「忖度」でしょうか。言わずとも都合のいい動きをするというのはほとんどやくざの世界です。

 2つ目では、公安警察の捜査官が、学生団体の主催する集会の会場に入ろうとした学生に対して暴行を働いたという国家公務員暴行陵虐事件を紹介しています。事件があったのは2016年ですが、地検は19年の3月にこれを不起訴としました。暴行の現場を録画したビデオが残っているにも関わらずです。しかも警視庁は証拠を一切法廷へ提出せず、東京地裁が警視庁内での証拠保全手続きを行うという前代未聞の事態に発展しました。

 最後の記事では、ある候補を応援していた関係者がかなり以前の罪状で逮捕され、選挙が終わったとたんに不起訴になるという不可解な事例を紹介しています。逮捕という「印象操作」が目的だったのは明白でしょう。

 このような公安の暴走は、それぞれで本来公安の活動を批判的に検討すべき役割のものたちがその役割を果たせていないことに由来します。裁判所は明らかに無理のある逮捕令状も簡単に認めてしまい、また公安のいちゃもんに近い起訴罪状も有罪にしてしまう事例があります。またマスコミも、単に逮捕したということだけを垂れ流す機械に終始しており、そこに批判的な報道をしようというマスメディアに求められる姿勢は全く見られません。

 本来、公安に限らず、権力組織の活動は市民の目によって厳しく監視されるべきです。

池袋事故の運転手に関する報道のあれこれ

 東京・池袋で4月19日、高齢男性が運転する乗用車が暴走して、自転車に乗っていた母娘が亡くなった事故をめぐり、インターネット上で「上級国民」という言葉が数多く書き込まれている。
●運転していた男性は旧通産省の官僚だった
 この事故で、乗用車を運転していたのは、元旧通産省の官僚で、大手企業の役員を経て、勲章を受けた80代男性だ。
 男性の実名報道が一部しかなかったり、あったとしても「さん」付けだったことや、事故直後に逮捕されていないことから、ネット上で「上級国民だから逮捕されないのか」といった反発が上がった。
 検察庁のホームページによると、捜査手続では、容疑者の身柄を拘束しないまま手続をすすめる「在宅事件」と、被疑者の身柄を拘束(逮捕・勾留)して手続をすすめる「身柄事件」がある。
 いずれによるかは、(1)犯罪の重大性・悪質性、(2)逃亡のおそれ、(3)証拠隠滅のおそれなど、事情を総合して判断することになっている。
 報道によると、男性は骨折して入院しており、警視庁はその回復を待って、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで話を聞くという。共同通信は「警視庁は証拠隠滅の恐れがないと判断、男性を逮捕せず任意で捜査を進める」と報じている。
 つまり、「上級国民」かどうかは関係ないのだ。
 池袋事故「上級国民だから逮捕されない」 運転手の高齢男性めぐりネットで憶測-弁護士ドットコムニュース
 この件です。

 逮捕されないのは妥当だが……
 まず、この運転手が逮捕されない件に関して、特に同時期に発生した事故の運転手が現行犯逮捕されたことと比較して、おかしいのではないかという声が聴かれました。

 しかし、引用した記事の解説にあるように、今回の事故で逮捕しないのは妥当でしょう。よく事故の処理では、加害者となった運転手を現行犯でとりあえず逮捕するということがあるようなのですが、病院に搬送された時点で現行犯ではなくなるでしょう。また骨折で入院した高齢者が証拠隠滅をしたり逃亡したりする恐れもないでしょうし、そもそも事故の証拠はすぐに警察におさえられてしまうので隠滅しようとしてもできないでしょう。

 ただし、警察がカジュアルに逮捕権を乱用しているのではないかという点はその通りですし、そういう背景の中、条件が重なって今回のように逮捕しないケースが出てくると、おかしいのではないかという不満が出てくるのは自然でしょう。ですが、ここで文句を言うべきは「そもそも逮捕しすぎ」という点であって、「もっと逮捕しろ」ではないはずです。むしろそれは、逮捕権を気楽に使いたい警察の思うつぼともいえましょう。

 実名報道もおかしい
 また、今回の事件に関する報道で、逮捕された事故の加害者の名前が流布する一方、池袋の事故では名前が出ないという点にも不満が噴出していますが、これも同様の背景があります。
 そもそも報道は、加害者と目されているとはいえ起訴すらされていない人の名前を配慮も一切なく電波に乗せすぎなのです。このような報道の犯罪は、『【書評】新版犯罪報道の犯罪』や『川崎事件における週刊新潮の実名報道に大義はない』などで論じられていますが、有害であって公益や大義名分は一切ありません。
 ゆえに、今回の恣意的ともいえる名前の出す出さないの判断に対して我々が言うべきなのは、あいつの名前を出せでなく、そもそも名前を出すなということなのです。

 社会的制裁とか
 また、池袋の事故でのあと、運転手が自身のSNSアカウントを消去するなどの火消しに走ったということも言われています。しかし今までのSNS上でのあれこれを考えれば、残念ながら適切な判断だったと言わざるを得ないでしょう。というか、気づいた人はそもそもなんで気づけたんでしょうね……。

 私の考えでは、ある種の犯罪に対する制裁はあくまで法律に則って下されるべきであり、いわゆる「社会的制裁」に価値をおいてはならないと思います。もし「社会的制裁」が意味を持つようになれば、社会的制裁を勘案して実際の刑罰を割り引くということになりますし(実際なってるし)、そうなれば同じ犯罪を犯しても社会的制裁で失うものが多いとみなされる地位の高い人たちが軽い刑罰で済み、失うものが少ない弱い立場の人が過大な刑罰を負うという不均衡も生じかねません。

 何らかの事件の報道に接して、これはおかしいと思うことがあれば、まずはそのおかしさの中身をよくよく検討してみることが大切です。そうでなければ、本当は恣意的な逮捕の乱用が問題なのに、さらに逮捕しろなどと逆の方向に不満を述べてしまうような事態も起こりかねません。

 2019/04/28追記
 池袋の事故なのに渋谷と書いていたので表記並びにタイトルを改めました。何でTwitter上で渋谷といわれていたのかはわかりませんが。現場が曖昧だったんでしょうか?

2019年度版痴漢対応ワーストグランプリ【出場:カンコー・埼玉県警】

 2019年もまだ1か月たってないのですが、すでに痴漢の問題に関して批判が相次ぐ事例をいくつも確認する事態となっています。このほかにもいろいろ性差別に関する話題が持ち上がっており、すでに2018年を超えるかのようなペースで問題が積み重なっている状態です。

 痴漢に関しては、本ブログでもすでに『本当に効果のある痴漢対策選手権』といった記事で、対策と称するあれやこれやをまとめて論じたことがあります。これがもう2015年の話なので、そろそろまた開催してもいいでしょう。題して2019年版痴漢対応ワーストグランプリ。ただし1月時点なので、今後増えるかもしれませんが。
 1月時点での出場者は学生服メーカーのカンコーと埼玉県警です。いやもう警察がエントリーかい!というのはおいておいて。

 カンコー、伝家の宝刀「ご不快メソッド」を使った!
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 学生服メーカーのカンコーが批判されたのは、上掲のポスターが原因です。服装が性犯罪を誘発するという犯罪学の知見に真っ向から反するフェイク(この点に関しては『【完全保存版】犯罪学の常識エビデンス集』を参照)をばらまき、かつただでさえ自身を責めがちな性犯罪被害者をさらに追い詰めるように「あなたのせいで」と書く無神経な文言に批判が殺到しました。
 この件でカンコーは謝罪をしましたが……
 この度、弊社が作成した防犯啓蒙ポスターについてSNS上で問題提起がなされたことを契機として、その表現についてご批判を含むご意見をいただいております。
 このポスターを目にされ、ご不快な思いをされた方々に深くお詫び申し上げます。また、関係各所に多大なるご迷惑、ご心配をおかけし申し訳ありませんでした。このポスター作成の経緯及び今後の対策についてご報告申し上げます。
 「自分が『カワイイ』と思った短いスカートによって性犯罪を誘発してしまいます。」との記載のあるポスターは、弊社が2012年に作成したものです。当時、警察による中学・高校の生徒向けのセミナー等において、警察の方々が、生徒の皆さんが被害に遭うことがないよう、自ら身を守る意識を高めるための講話や護身術など自主防衛に必要な知識の普及に尽力をされていました。弊社は、このような活動に共感し、中学生や高校生の皆さんに深く関わる企業として何かできないかと考え、生徒の皆さん向けに共同でセミナーを実施する等して防犯の啓蒙活動を行ってまいりました。当該ポスターは、その一環として作成し、複数の学校で掲示を呼びかけたものです。
 当該ポスターにつき、女性蔑視や軽視を意図するものではなく、性犯罪が生じた場合、犯罪責任はすべて加害者にあり、被害者には何も落ち度がないことを前提とした上で「防犯意識の投げかけ」をすることを目的としておりました。しかし、「短いスカートが性犯罪を誘発」との表現は、ご指摘をいただいております通り、被害にあう女性側にも非があるとの意味と捉えられます。このような表現を目にされた方々に大変ご不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。「生徒の皆さんを守りたい」という想いで行ってきた活動が、このような結果になってしまったことを深く反省しております。
 お詫びとご報告-カンコー
 と、伝統的戦略「ご不快メソッド」を発動してしまいます。
 そりゃ、このポスターを見た人はおおむね不快になるでしょうけど、このポスターが批判されているのは「不快だから」というわけではありません。「不快にさせてごめんなさい」というのは、暗に問題の責任を不快だと思った側に転嫁し、かつ批判されている要点から目をそらすごまかしの戦略です。

 またそれ以外にも酷い点がいくつも見られます。まず謝罪文の後段で「女性蔑視や軽視を意図するものではなく」と言っていますが、意図がなかったら許されるというものではないことは明白です。差別問題などでよくみられる言い訳の類ですが、批判者が問題にしているのは結果として出力された言葉であって、出力が同じならば意図がどうあれ傷つくことには変わりはないのです。
 加えて、「犯罪責任はすべて加害者にあり、被害者には何も落ち度がないことを前提とした上で」と述べていますが、もちろん信じられません。この前提がおさえられていればあのような書き方には当然ならないからです。
 よしんば制服によって加害者が欲情し、それによって性犯罪が引き起こされるのが事実だとして、だからといって制服を着た被害者が悪いということにはなりません。そもそも被害者が悪くないという前提に立つならば、潜在的被害者である女子高生に注意喚起するという手段をとること自体ずれているのです。

 実際のところ、制服が痴漢を誘発している側面はある程度あるだろうと思います。それはもちろん、制服で興奮した加害者が~とかではなく、制服を着ているということが「登校時間を守らなければいけない」という制約があることの合図になり、故に通報されにくいだろうという推測を呼ぶことはあるようです。現に、とりわけ受験シーズンにおいては、時間に遅れられないから通報されないはずだと痴漢常習犯たちが制服の女子高生を狙おうと情報交換するツイートが散見されるほどです。

 しかし高校生たちは、校則によって制服を着ることをおおむね強制される存在であります。つまり「痴漢を誘発しうる服装」を着ることを半ば強制された存在であると解釈することができ、カンコーというまさにこの服装を売りつけている企業が、一方ではその制服を理由に性犯罪の責任を被害者に転嫁しているというさまはあまりにもグロテスクと言えるでしょう。

 警察でそれかよ!
 さて、カンコーの話題でもうお腹いっぱいな気がしますが、そうは問屋が卸さないのがヘル日本です。まだ1月なのにワースト選手権にまさかまさかの警察が殴り込みとなりました。
 電車内の痴漢を減らそうと、県警は四~八日まで県内の主要駅で利用客らに注意喚起する痴漢犯罪防止キャンペーンを実施する。県警鉄道警察隊によると、痴漢の相談件数は微増傾向にあり、「痴漢犯罪の多くは身近な電車内で発生している。被害者も目撃者も勇気を持って通報、相談してほしい」と呼びかける。 (西川正志)
 鉄道警察隊によると、二〇一七年に県内を走る電車内や鉄道施設での痴漢の相談件数は、前年比十九件増の百七十九件。このうち百七十件が車内での被害を訴えていた。盗撮は二十八件あり、体液をかけられたり、衣服を切られたりした被害は百十三件だった。
 同隊によると、痴漢や盗撮などの犯罪の特徴は、午前六~八時、午後五~七時の通勤通学時に被害が集中し、十~二十代の若い女性を中心に制服姿の女子生徒が狙われるケースが多いという。
 被害件数は薄着になる春ごろから増え始め、夏休みの七、八月は減少、九月から再び増加する傾向がある。今年も一~三月の相談件数は毎月十~十八件で推移したが、四月は三十一件と急増した。
 これらの特徴を踏まえ、県警は毎年六月と九月にキャンペーンを展開。今回は大宮、川越、浦和など県内の主要七駅で、朝の通勤通学時間に高校生らが被害防止や積極的な通報を呼びかける。
 さらに継続的に痴漢被害に遭っている人と一緒に警察官が電車に乗り込み、犯人の現行犯逮捕を目指す同行警乗も強化する。
 電車内の痴漢を減らせ きょうから7駅でキャンペーン-東京新聞
 いやお前らが捕まえろよ、の一言。埼玉県警はあほの集まりでしょうか。
 警察は積極的に犯罪を捜査し、犯人を逮捕するだけの権力とリソースを持つ組織です。であれば、県警が自ら痴漢を捕まえるべく動くべきところでしょう。しかし被害者に通報を求める体たらく。これは痴漢を捕まえられない原因を通報しなかった被害者や目撃者に転嫁する行為です。

 しかもここでも、服装が痴漢を誘発するというフェイクをばらまく有様。警察ですよ?犯罪捜査の専門組織ですよ?犯罪と縁遠い民間企業ならまだしも。埼玉県警は警視庁の報告書もまともに読んでいないことが明らかになりました。
 ちなみに、春に件数が増えるのは薄着のせいではないだろうと私は見ています。そもそもここで報告されている件数はあくまで通報された件数であり、真の発生件数ではないことにまずは留意すべきです。であれば、春には発生件数が増えるのではなく、単に通報件数が増えると考えるほうが妥当ではないかと思います。おそらく春は入学入社の時期であり、ある意味痴漢に「慣れていない」、つまり警察の不適切な対応などを経験しておらず痴漢にあっても通報をあきらめる動機の少ない人が被害にあうから通報が増えるだけではないかと思います。夏に減るのは、夏休み時期で学生の被害が減るためではないかと。少なくとも、服装のせいであるというナイーブすぎる解釈は今日日大学生でもしません。

 このキャンペーンにしいて評価する点があるとすれば、同行警乗のシステムです。むしろこちらを積極的に推すべきだったはずです。

 加えて、この記事を書いた東京新聞も無神経ではないかと言わざるを得ません。基本的な知見にすら背くような頓珍漢なキャンペーンを警察が張っているのであれば、それを批判するのがメディアの仕事であるはずなのに、無批判に記事を書いてしまうのはいかがなものでしょうか。

 というわけで、広範に批判を繰り広げました。願わくばこれ以上選手権を開催しないで済みますように。
犯罪心理学者(途上)、アマ小説家。カクヨム『アラフォー刑事と犯罪学者』『生徒会の相談役』『車椅子探偵とデスゲームな高校』犯罪学ブログ『九段新報』など。質問はhttps://t.co/jBpEHGhrd9へ
E-mailアドレス
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