2012年05月09日

 誰かに宛てて夜中に書いた手紙を、翌朝に読み直すとエラくこっぱずかしい事が書いてあって赤面した経験は、たいていの人は持っていますよね。しかし今、メールだけが交信手段の若者たちはどうなんでしょうか。

 と言うか、そもそも私たち大人も、改まって誰かに手紙なり郵便なりを書き、相手への依頼や気持ちなど思いのたけを届ける機会は、ほとんどなくなったようです。

 手紙や日記の形式を取る物語や小説は昔からたくさん存在するし、誰か読む人を想定して物を書くほうが、書きやすい時もあります。このおたよりも漠然と書いてるのでなく「保育園の保護者の皆さん」が主な対象であり、顔の見える範囲を想定しているので楽な時もあります。しかし、ここで通り一遍(いっぺん)なことを書いて済ませるのでなく、ホントは一人一人面談してじっくりと子育て等に関する持論をお伝えしたり、お聞きしたりすべきなのではないかと、ハタと考え込む時があります。なぜなら業界誌等で他の保育園・幼稚園の様子を見ると、やはり園の側からの「ウチのやり方」を前面に出すものが圧倒的で、保護者一人一人の考え方をまず聞き出し、それを考慮した方針を掲げる園はごく少数派だからです。
 言い換えると「お子さんを預けている以上は当園の方針に従ってもらいます!」で果たしていいのだろうかと、しばし考えるわけです。
 
 教育でも保育の世界でも、妙に自信たっぷりと「Aという育て方をすればBという結果が出る!」と豪語するような人はいますし、なかなか自信が持てない親がカリスマに頼りたくなる気持ちも分かります。また私は政治の世界にも関わっているので、教育分野でやたら大きなことを言う政治家が増えているのを肌で感じています。しかし、地道なコミュニケーションや自分の中での問い直しを経ずに断言(だんげん)口調(くちょう)で言われるような「教育論」など、しょせん「夜中に書いた手紙」であり、目が覚めたらこっぱずかしいだけです。
 戦いに負けたらいきなり教育方針が180度変わったことのある国に住んでいる私たちは、特に気をつけたいものですね。      園長敬白


*これは「こぶたの家保育園」園長として、私が毎月書いているものです。太字部分は、もちろん「大阪維新の会議員団」が用意したアホな条例案を当てこすっています。


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(21:29)

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