さてさて。


田母神俊雄氏の事務所で、政治資金横領疑惑が発覚した事についての資料整理記事の続きです。


その1(島本順光氏経歴)はこちら
その2(島本順光氏経歴)はこちら
その3(都議選収支報告書)はこちら
その4(衆院選収支報告書)はこちら
その5(水島社長経歴・トランスデジタル事件)はこちら
その6(水島社長経歴・「南京の真実」映画製作)はこちら
その7(水島社長経歴・草莽全国地方議員の会)はこちら
その8(告訴についての解説)はこちら
その9(田母神事務所の通帳公開の意味について)はこちら
その10(石井義哲氏経歴)はこちら
その11(石井義哲氏経歴)はこちら
その12(犬伏秀一氏経歴)はこちら
その13(犬伏秀一氏経歴)はこちら



今回は、チャンネル桜について興味深いネタに当たりましたので
まとめて整理したいと思います。




チャンネル桜の手掛けた映画「南京の真実」ですが、
全三部作の映画を製作するとしておよそ3億5千万円の寄付金を集めました。
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そして2008年1月に第一部「七人の死刑囚」が公開された後、
「現在製作中」というアナウンスの下、実に7年半に渡って
実質的なペンディング状態となっているのは皆さんのご承知する通りです。


この「南京の真実」という映画を製作する為に、チャンネル桜が子会社として設立したのは
「株式会社チャンネル桜エンタテインメント」となります。

参考
「南京の真実」公式Web「株式会社チャンネル桜エンタテインメント 設立のご案内」

http://www.nankinnoshinjitsu.com/blog/2007/06/post_3.html
(魚拓)
http://megalodon.jp/2015-0720-1413-44/www.nankinnoshinjitsu.com/blog/2007/06/post_3.html

> TOPページにご案内のとおり、当製作委員会は、法人格ではないため、
>皆様からのご支援金すべてが水島個人扱いとなってしまうといった
>誤解が生じる恐れがございました。
>そこで、ご支援金を透明かつ有効に活用するために、
>かねてより法人化の準備を進めておりましたが、
>この度、当映画監督 水島総を代表取締役としました映画製作専門会社
>「株式会社チャンネル桜エンタテインメント」を設立いたしました。
>今後は、チャンネル桜エンタテインメントが、当映画の製作業務を行って参ります。


…まあ、映画製作資金は今日に至るまで一度も公開されておらず、
「透明化」どころかドブ川のごとく濁り不透明な訳ですが。


こうして設立された「株式会社チャンネル桜エンタテインメント」は、
2007年6月6日設立で、本店所在地はチャンネル桜と同じ
「東京都渋谷区渋谷一丁目1番16号」となっています。

代表取締役はチャンネル桜の社長でもある水島総氏。
そして取締役は3名を置いていて、
一人は水島総社長、そしてチャンネル桜のプロデューサーである井上敏治氏、
そしてもう一名は「児玉源太郎」という人物です。


「児玉源太郎」という名前で思い浮かぶのは、
あの明治の軍人で、台湾総督として見事な統治政策を実践し、
また日露戦争においては満州軍総参謀長として勝利を収めた
歴史上の人物だと思います。
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まあ、今話をしているのは現代の話ですから、
当然歴史上の「児玉源太郎」ではありませんw



チャンネル桜にも登場した事のある、こちらの「児玉源太郎」氏が
今回掘り下げたいと思っている人物です。
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そもそも「チャンネル桜エンタテインメント」については
「南京の真実」の映画製作の母体である事、そして寄付金の受付先である事、
代表を水島総氏が務める事くらいしか、
チャンネル桜ではアナウンスされていませんでした

ですからこの「児玉源太郎」氏がこの件での話題に上る事は、
これまでほぼありませんでした。
ですが、「チャンネル桜エンタテインメント」の商業登記簿では、
平成19年(2007年)6月6日の会社成立以来、2015年の現在に至るまで
一貫してずっと、この「児玉源太郎」氏は取締役を務めています


この「児玉源太郎」氏、チャンネル桜の手掛けたプロジェクトで、
いくつか「賛同者」として名前を見かける事ができます。


参考
「南京の真実」公式Web「賛同者一覧 ※平成20年1月24日現在 50音順 敬称略」

http://www.nankinnoshinjitsu.com/sandou.html
(魚拓)
http://megalodon.jp/2007-1230-1356-14/www.nankinnoshinjitsu.com/sandou.html
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>児玉源太郎(日本安全保障情報機構株式会社 代表取締役社長)

この様に「南京の真実」製作にあたっての「賛同者」のリストの中にも
その名前を見つける事ができます。


こちらは2009年頃にチャンネル桜が集めた
「首相の靖國神社参拝を支持する会」の賛同者リストですが。

参考
チャンネル桜「首相の靖國神社参拝を支持する会」

http://www.ch-sakura.jp/sakura/request_pm-yasukunivisit_list.pdf
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>児玉源太郎  安全保障政策調査会 理事

こちらでも名前を見る事ができますね。


また、2008年にはチャンネル桜が「日本インド親善友好訪問旅行実行委員会」なるものを作って
インド旅行の企画を立てているんですがw
参考
チャンネル桜「インドへ行こう!」

http://www.ch-sakura.jp/images/060301-go-india/india_narita.pdf
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>私たちは日本・インド友好親善訪問旅行に参加し、賛同します
>※平成 18 年 3 月 2 日現在

>児玉源太郎(大誠エンジニアリング株式会社会長)


ここにも名前が載っています。


ご覧の通り「児玉源太郎」氏は
2007年から2008年前後にチャンネル桜関連のプロジェクトに良く名前が登場しています。

ここで見られる「児玉源太郎」氏の肩書きをまとめると

・日本安全保障情報機構株式会社 代表取締役社長
・安全保障政策調査会 理事・事務局長
・大誠エンジニアリング株式会社 会長


となります。ここに
・株式会社チャンネル桜エンタテインメント 取締役

と、この肩書きが加わる訳ですね。
では、この「児玉源太郎」氏の関わる会社の所在地などを
簡単にまとめて並べてみましょうか。


■株式会社チャンネル桜エンタテインメント
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1丁目1-16 若草ビルA館

■日本安全保障情報機構株式会社
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1丁目1-16 若草ビルA館 1F
03-5766-2011

■安全保障政策調査会
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル 4F
03-3358-2038

■大誠エンジニアリング株式会社
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル 5F
03-3358-1821



まず「チャンネル桜エンタテインメント」と
「日本安全保障情報機構」についてですが、どちらも
「東京都渋谷区渋谷1丁目1-16 若草ビルA館」に入居しています。
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以下、若草ビルのテナント表示看板です。

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こちら2007年当時

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こちらは2013年12月当時のものです。

参考
ホドロフスキの記録帳「[社会]某若草ビル」

http://d.hatena.ne.jp/Jodorowsky/touch/20090401/1238541097
東京カオスエリアコレクション(TCC)「若草ビルA館・B館」
http://geinoumap.blog.fc2.com/blog-entry-1151.html?sp

チャンネル桜がこの若草ビルに移転してきたのが2004年5月ですから、
もしかしたら設立当初から「日本安全保障情報機構」は同居していたのかもしれません。
ちなみにこちらが「若草ビルA館」の間取り図です。
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事務所テナントとしては、普通だと思いますが、
この「28.80平方メートル」を、同じ占有面積の一般住居で表示してみると。
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こうなりますw

この広さの「チャンネル桜」の本社がある1Fに、
「日本安全保障情報機構」の場所が存在したとしても、
良くて机一個分くらいなのでは、と思われます。
下手をすれば登記上の住所だけで、机すら存在してないかもしれませんw


これらの状況を見て、
「児玉源太郎」氏と、チャンネル桜の水島総社長の関係を否定することはできない
と言う事はご理解いただけると思います。



すると「児玉源太郎」氏の関連会社で残るのは
「安全保障政策調査会」および「大誠エンジニアリング」となります。
この二つは「東京都新宿区坂町26-19 KKビル」と
これまた同じビルにテナントとして入居しています。
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ご覧の通り、この「東京都新宿区坂町26-19」という場所は、
市ヶ谷の防衛庁、そして陸上自衛隊および航空自衛隊の駐屯地の目の前という立地です。
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こちらのKKビルにテナントとして入居している企業や団体をざっと並べてみると。


■特定非営利活動法人日本戦略研究フォーラム
http://www.jfss.gr.jp/old/index.html
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル 4F
03-5363-9091
 ※現在は近くの新宿区市谷本村町3-28に移転

■株式会社朝雲新聞社
http://www.asagumo-news.com/
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル 3F
03-3225-3841
 ※防衛省・自衛隊、安全保障関連の新聞、書籍の出版、販売
  「自衛隊装備年鑑」などを出している

■弘済企業株式会社
http://www.ryouritsu.jp/hiroba//search_dtl.php?cn=34002&n=弘済企業株式会社
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル
03-3226-5811(代表)
 ※自衛隊員向けの保険代理店業務など

■コーサイ・サービス株式会社
http://www.ksi-service.co.jp/
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル 4F
03-3354-1350
 ※自衛隊員への福利厚生サービス提供を目的とする会社
  保険、葬儀、引越しなどを仲介するなどしている


■大誠エンジニアリング株式会社
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル 5F?
03-3358-1821
 ※自衛隊輸入装備品マニュアル翻訳及び関連規定書等への編集
  装備品パーツの輸入に関わる調整等業務(輸入代理店業務等)

■安全保障政策調査会
〒160-0002
東京都新宿区坂町26-19 KKビル 4F?
03-3358-2038



はい。見事に自衛隊関連の企業や団体ばかりな訳です。
しかも、「日本戦略研究フォーラム」が入っていたビルです。

「日本戦略研究フォーラム」と言うのは元々、
自民党の副総裁だった金丸信氏が作った「日本戦略センター」の流れを汲むと言われています。
「日米の安全に関わる研究会」として軍需産業に関わる人達があつまるシンクタンクですね。
「日本戦略センター」は竹下派、そして小沢派と主導権が移るも、
小沢一郎氏が野党に下野した事によって、その役割を失っていきます。

その後継団体として、瀬島龍三氏が音頭を取って作ったのが
現在の「日本戦略研究フォーラム」となります。
こちらには多くの防衛族が参加をしていますね。
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とまあ、防衛軍需産業に対して役割を果たしていた
「日本戦略研究フォーラム」ですが、その関連の団体がかつて
「東京都新宿区坂町26-19 KKビル 4F」に存在していた訳です。

そして「チャンネル桜エンタテインメント」取締役の「児玉源太郎」氏が
理事そして事務局長を務める「安全保障政策調査会」も同じく
「東京都新宿区坂町26-19 KKビル 4F」に存在した訳で。

詳細はともかく、狭いビルのオフィスの同じフロアに同居していた2つ、
しかも同じ防衛関連のものが、全く関係が無いという話は通らない
でしょうね。


さらにこの「KKビル 4F」には「コーサイ・サービス」があります。
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ごらんの通り、自衛隊の隊員やOBに向けて、
住宅、保険、引越し、葬祭といった「福利厚生サービス」の支援を行う会社なんですね。

>コーサイ・サービス株式会社は、1974年(昭和49年)11月、元防衛事務次官加藤陽三氏が中心となり、
>「自衛隊員の皆様のため」「退職隊員の皆様のため」「御家族の皆様のため」真心を込めた
>福利厚生サービスを提供することを理念として設立いたしました。


ごらんの通り、自衛隊のOBが設立した会社であり、
顧客も社員も自衛隊で賄われているであろうことは容易に想像がつきます。


ここで思い出すのは、田母神事務所の横領問題で話題となった
鈴木新氏が、かつて自衛隊関連の保険の案内業務を行っていた、という情報です。
この情報自体が裏づけの確認が取れていませんし、
コーサイ・サービスと鈴木氏を関連付ける情報も無いのですが、
一言で言うならば「奇遇だな」と。


そしてこのビルの3Fには「朝雲新聞社」があります。
こちらは防衛専門誌「朝雲」を出している新聞社であり、
「自衛隊装備年鑑」のような防衛庁から受託して出しているような出版物も出しています。
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朝雲新聞社とチャンネル桜、で思い出すのは、
トランスデジタル子会社のメディア241が製作発表をした
「ガンバレ自衛隊!・安全保障アワー」の発表会&披露パーティーですね。
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このパーティには名だたる自衛隊を始めとする防衛関連の人達が登場していますが、
当日は朝雲新聞社の社長も列席し、「番組制作に協力する朝雲新聞社」として挨拶を行っていました
このパーティの様子も朝雲新聞で取り上げていましたね。
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この「ガンバレ自衛隊!・安全保障アワー」について取り上げていたのは、
確か産経新聞とこの朝雲新聞くらいだったと思いますが。



そして本丸。
「児玉源太郎」氏が会長を務める「大誠エンジニアリング」です。
この会社はいわゆる「翻訳業」の会社です。

それでこの会社が防衛庁相手に何をするのか、と言うと、
自衛隊の輸入装備品のマニュアルを翻訳したり、
それを自衛隊の関連の規定書などへ注記したり説明を挿入したり、という業務ができる訳で。
また、装備品パーツの輸入に関わる調整という、いわゆる「輸入代理店業務」は
相手国の語学が役に立つのは言うまでもありません。

そして、この「大誠エンジニアリング」なんですけど、
主に自衛隊関連で、数々の入札を落札して、防衛庁より業務委託を受けています。
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この様な感じで、防衛庁の調達業務に関して業務委託を受託して
結構な金額の利益を上げている企業
なんですね。


ここで思い出して頂きたいのが「防衛システム研究所」です。
この「防衛システム研究所」というのは、自衛隊の調達部門OBを集めて
防衛省の入札への支援を行うのが真の業務である会社
です。
ですから会社の構成メンバーも、自衛隊の装備や調達部門出身者がほとんどです。

「防衛システム研究所」と「大誠エンジニアリング」の関係性はソースがありませんが、
同じく「自衛隊調達の落札」という共通項があるだけに、きな臭さを感じます。

ましてや「防衛システム研究所」の島本順光氏は、
「日戦研フォーラム」の前身の「日本戦略センター」の中核であった
田村秀昭参議の政策秘書という「番頭」だった訳ですから。



と、まあ、これらの事で何が分かるか、といいますと、
チャンネル桜、すなわち水島総社長の保守人脈、自衛隊人脈の供給先の一端について、
どうやらそのパイプが確認できた
、という事ですね。

特に「日本戦略研究フォーラム」についてはそのシンクタンクという性格上、
自衛隊出身者や防衛関連の政治家を始め、学者や研究者など幅広い保守人材の宝庫です。
水島社長も「政策提言委員」として名前を連ねていますが、
「児玉源太郎」氏の存在によって、水島社長と「日戦研フォーラム」のつながりは強化された
と見て良い
のではないでしょうか。


実質休眠状態である「チャンネル桜エンタテインメント」の取締役である「児玉源太郎」氏。
そしてその児玉氏が社長を務める「日本安全保障情報機構」という会社が、
決してスペースが余っているとは思えないチャンネル桜本社内に長年存在し続けている事。
これらの不思議な状況も「人脈のつながり確保」が理由と考えれば納得が行きます。


この確認によって、2007年から2008年以降について、
「チャンネル桜」が主導で行ったプロジェクトの人脈などを検証する際に
大きなヒントとなるのではないか、と思われます。

例えば2014年の都知事選の選対を構成した人脈の解明ですとか…


詳細は今後掘り下げていく事にしますが、
とりあえず今回はその端緒を見つける事ができたので、
取り急ぎまとめた次第です。


本人が何を言われてもビクともしなくとも、
周囲が折れれは、本人も安穏とはしていられないでしょうから…



ではまた。