はじめに


Twitterで「Apple Music」などのワードで検索すると、1日に1人くらいは「Apple Musicを使い始めたらCDの同期ができなくなった!」とお困りの方がいるのに気づきます。たしかにiPhoneとかでApple Musicを始めて、しばらくして買ってきたCDを入れようかと、初代iPodから今までやっていたように、母艦であるPC/MacのiTunesにiPhoneをケーブルやWiFi接続して「同期」して音楽を入れようとするとできないんですよね。

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見慣れたこの画面が出てこない


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この画面が出るが、もうちょっと詳しく説明が欲しい・・・



これは何故かといえば同期という操作そのものが必要なくなったんですね。Apple Music環境では従来とiPhoneに音楽を入れる方法の考え方が変わりました。そこでこの記事ではApple Musicを使いつつ、CDからのリッピング音源も簡単に楽に同居させる方法を説明します。

この記事に検索してアクセスしている時点で、なんだかよくわからないけど同期できなくてイライラしているとは思いますが、あなたは何も悪くありません。悪いのは説明が足りてないAppleです。まずは落ち着いて、ゆっくりこの長ったらしい文章をよく読んで理解しましょう。きっと問題は解決します。



結論


結論を先に書いてしまえば「何もしなくてよくなります」 
iCloudを使って、自動クラウド同期してくれるので。

PC/MacのiTunesの設定で「Apple Music」と「iCloudミュージックライブラリ」をオンにすると、iCloudにiTunes内の全楽曲が10万曲までiCloud上にコピーされます。

それが終われば、以降はCDリッピングすれば、自動で曲がiCloudに上がって、自動的にiPhone側にもそれが表示されます。あとはApple Musicと同じようにストリーミングなりダウンロードなりして聴きましょう。


iCloudを使った、iTunesに音源追加からiPhoneへの反映までを動画にしました
(2019.1.7追加) 



※動画中で単曲に対してiCloudミュージックアップデートを行うシーンがありますが、これはWindows版にはない機能のようです。Windowsの人は「ファイル」→「ライブラリ」→「iCloudミュージックライブラリを更新」を実行して、ライブラリ全体の更新をしてください。



分かった人はこれ以降は読まなくてもいいですが、一応、細々とした説明、注意点を長々と書いていきます。


iCloudミュージックライブラリをオフにして同期する?? 嘘でしょ?


「Apple Music CD 同期」などのワードでGoogle検索をすると同様の問題の解決方法を解説したブログがすでにいくつか存在します。内容はだいたい以下のような感じです。


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  1. iPhone側のiCloudミュージックライブラリをオフにする
  2. するとiTunesとiPhoneの間で従来通り、CD音源の同期がUSBやWi-Fi接続で出来るようになる
  3. その後、iPhoneのiCloudミュージックライブラリをオンにして「ミュージックを残す」を選択
  4. iPhone上のApple MusicでDL済みだったデータは未DL状態になってるけど、再DLすればいいよ

この方法を紹介するブログは、比較的Apple Musicが始まった初期に書かれたものが多いようです。たしかにこの方法でも目的は達することができますが、さすがにCDを追加するたびに繰り返すのは面倒ではないでしょうか? 

これが正しい作法だとしたら設計した人は少々どうかしてると言わざるを得ません。これは昔からのiPodのやり方を、Apple Musicのシステムでなんとか強引に再現する方法です。でも、こんなことをする必要はありません。




これからの方法・音楽は iCloud経由で入れる


Apple Musicの環境では、iOSデバイスにCDリッピング音源を入れるのに、PC/Macといった母艦との同期ではなくて、クラウド経由で入れるという設計思想になっています。だからApple Musicを使ってる人は、CD音源をiPhoneに入れたいときに、CDをリッピングする以外は特別に何か操作しなくてもいいんです。

iTunesにある曲は全て(一応10万曲までという制限はある)、iCloudにコピーされます。そしてiPhone、iPad、Android、他のMacなどへはiCloudを通じて曲が同期されるのです。


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iCloud経由のメリット


「直接PCとつないで同期した方がシンプルだ」という人もいるかもしれませんが、例えばiPhoneとiPadなど複数台を同時利用している場合などは、1台ずつ同期していくよりもiCloudで同期した方がはるかに楽だと思います。

また従来方式では、母艦から転送していない曲は聴けませんが、iCloud同期ならば、 Apple Music部分はもちろん、CDをリッピングした音源でもライブラリ全曲にアクセス可能となるので、出先で急にあの曲が聴きたくなったというような場合でも、出先でダウンロード、ストリーミングで対応できます。いわば音楽の四次元ポケットみたいなものです。   

例えば私のMacのiTunesには32000曲ほど登録されているらしいのですが、これを従来の同期転送方式でiPhoneに入れようとしても、とても入りきりません。32GBモデルですし。ですがiCloud経由で、いわば曲の目次というか目録だけ持ち運んでいるので、電波さえあればいつでも32000曲のどれでも再生できるわけです。

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ちなみにiOSの設定の「ミュージック」内にある「自動的にダウンロード」をオフにしておかないと、ライブラリ全曲をダウンロードしようとしますので、ストレージ容量に合わせて設定してください。

iCloud経由のデメリット


iPhone側に曲を入れるのに、携帯電話回線を使うなり、Wi-Fiを使うなりインターネットを経由する必要があります。つまり携帯電話回線しか使えない人にとっては、パケット通信量的に厳しくなります。もっとも、そういう人はApple Musicに加入しないのかもしれませんが。

あと後述しますが、WAVやロスレスなどで高音質にリッピングした音源でも、 iCloudにコピーする際に、全て圧縮音源であるAAC形式(256kbps)になってしまいます。従来の母艦接続方式だとロスレス形式でも転送できたので、ここは明確に「今まで出来ていたことが出来なくなった」部分と言えます。音質を犠牲にして利便性を優先した形です(PCのiTunes内オリジナルファイルはそのままなので安心してください)。 

考え方を変えれば、曲による音質差を無くすためとも言えます。iPhoneの中に、AACの曲とロスレスの曲が混在している場合、混ぜて聴いているときに音質に統一感がないことが、聴いていてストレスになるかもしれません。



iCloud環境での作業の流れ


流れは以下の感じになります。大前提として当たり前ではありますが、iTunesとiOS機は同一のApple IDでログインしてください(iTunes Store、App Storeで使ってるIDです)。

  1. PC/MacのiTunesでCDをリッピングする。
  2. iTunesがiCloudミュージックライブラリと照合してマッチング・アップロード実行
  3. 少し待つだけでiPhoneのミュージックに自動で表示される
  4. iPhoneのミュージックでストリーミング再生でもダウンロードでもお好きにどうぞ

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iPhone側の準備


上にも書きましたが、iOSの「設定」→「ミュージック」で「自動的にダウンロード」をオフにしましょう。これをしないとダウンロードできるものは全部ダウンロードしようとします。数十曲、数百曲のライブラリなら大丈夫かもしれませんが、数千曲、数万曲だと最大容量のiPhoneでも無理です。

PC・MacのiTunesの準備


iTunesの設定で、Apple MusicとiCloudミュージックライブラリをオンにします。すると、あなたのiTunesライブラリの中の

  • CDをリッピングした音源も
  • iTunes Storeで買った音源も、
  • moraとかレコチョクとかで購入した音源も
  • e-onkyoとかで買ったハイレゾ音源も
  • ラジオなどを録音した音源も

DRMフリーなファイルならば全て iCloud経由で複数のデバイスにて使えるように、iCloud側にマッチング・アップロードといった処理が行われます。ただし、あなたのiTunesライブラリの大きさ(つまり曲数)にもよりますが


この最初の処理が「すごく長い」


この処理が完全に終わっていないと、iPhoneに曲が見えているけれどもグレーアウトしていて再生できないという状態になったりします

なので、おとなしくiTunes側の処理が完全に終わるまで待ちましょう(待ってる間も普通にiTunes側では再生はできます)。

ちなみにこの初回処理以降にも iCloudミュージックライブラリのオンオフはできますが、2回目以降はオンにしてもそんなに時間はかかりません。

またこのiCloudへの音源のマッチングやアップロード処理は、iCloudで契約している容量とは別腹でカウントされます。つまり無料のiCloud 5GBのアカウントのままで、10万曲までアップロード可能です。


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iTunesの右上でくるくる回っているときは処理中。プルダウンで進行具合も見える。


最初の処理が終わってしまえば、それ以降の楽曲追加の際は、追加した楽曲分だけの差分処理になっていきますので時間はさほどかかりません。リッピング完了してから、後述する手動操作をすることで数十秒ほどでミュージック側にも表示されます。最初だけ我慢してください。



いくつか注意する点が


ちなみに上記の処理を行うとアートワークが差し替わるとか、タグがめちゃめちゃに書き換わるとかトラブルが発生することもあるようです。検証を進めて解決策を別記事で書きましたので、トラブった方はご覧ください。 

重要・アルバム内は1つのアートワークで統一されてしまう

飛ぶのが面倒な人のために一応書いておくと、iCloudミュージックライブラリをオンにするとiTunesではアルバムの1曲目(先頭曲)のアートワークで2曲目以降が上書きされます

思いつく感じで想定されるケースは以下の感じでしょうか?
  • 多数のバージョン違いCDジャケットが存在するので、それらをアルバム内でカップリング曲に違うバージョンのアートワークを貼り付けていたなどの場合(再生曲が切り替わるごとにアートワーク表示が変わる)
  • ラジオ番組を録音・取り込みして各放送回ごとにゲスト写真や場面写真などをアートワークとして貼り込んでいたなどの場合(番組をアルバムにして、各放送回を1曲として運用)

これらのケースはiCloudミュージックライブラリをオフの状態では、何も考えず手動で埋め込んでいけば実現できますが、オンにした瞬間に、母艦たるiTunes上ではアルバム内1曲目のアートワークで、2曲目以降のアートワークが上書きされてしまいます。オフにしても戻りません。 

そしてオンにしたままの状態では2曲目以降を「曲の情報」の「アートワーク」で入れ直しても、すぐに1曲目のアートワークに切り替わってしまいます。回避策はありません。

とはいえ、こういう特殊ケースでなければ、iTunesで埋め込んだアートワークが全デバイスにiCloudで反映されます。リアルタイムで同期する様子を動画にしたのでよろしければご覧ください。





アップロード処理が終わってもiTunesで曲を削除してはいけない

また iCloudミュージックライブラリの処理が終わると、iTunesで「ダウンロードしたものを削除」することで、ライブラリに登録は残したまま曲データだけを削除することができます(つまりストリーミングオンリーにもできる)。

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ですが削除してしまうとストリーミングされるデータや、再ダウンロードできるファイルはAAC 256kbpsのファイルになってしまうので、基本的に絶対的にCDリッピング音源や、ハイレゾ音源といった高音質オリジナルファイルは削除しないようにしてください。下手をするとApple Musicを解約した時に元々はCDからリップした音源でも聴けなくなるトラブルになる可能性があります。


iCloudミュージックライブラリは音源ファイルの恒久的なバックアップ先ではないのです


あくまでもクラウドでの同期、ストリーミング再生をするための一時展開先なのです。恒久的なバックアップはあくまでもパソコンであると覚えておきましょう。


iPodも出始めの頃はこんな悲劇がありましたよね。
  1. iTunesから全曲iPodに転送してコピー完了する
  2. iPodに全曲あるからiTunesからは消していいと勘違いして消す
  3. 後日、曲が消えたiTunesにiPodをつなぐ
  4. 曲が消えた状態のiTunesに同期して、iPodからも曲が消える

(基本的にiTunesフォルダは安全のために丸ごとバックアップしておきましょう。Macの人はTime Machineをちゃんと設定して稼働させましょう。)



マッチング処理とは何か

iCloudミュージックライブラリへの処理は、手持ちのライブラリの楽曲を全てシンプルにアップロードわけではなく、「マッチング」という処理も行われます。これは手持ちの曲がApple Musicにある曲と「同じ」であると判定した場合は、アップロードは行われず、Apple Musicにある曲データを使うようになります。

こうすることでヒット曲など何百万人から同じ楽曲のファイルがアップロードされて、Appleのストレージを無駄に圧迫することを防ぐわけです。 ところが、この判定が微妙に間違うこともあり、いざ再生してみたら、曲が違うものに入れ替わってる!? という現象に出くわすこともあります。

発生頻度はあまり高くはありませんので、出くわしたらSNSでネタにして楽しむくらいにしてイライラするのはやめときましょう。 イライラするだけもったいないです。これといった回避方法ないので。遺伝子だってコピーミスするくらいです。世の中に完璧なものなんてありません。

アップロードすることができない曲の条件

ちなみに iCloudミュージックライブラリにアップロードできない音源というのもあります。
  • 元のファイルサイズが200MBを超える曲
  • 曲の長さが2時間を超える曲
  • 曲のビットレートが96kbps以下の曲


しつこいですが、もう一度確認・iTunesでApple Musicをオフにしてませんか

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Twitterで同期ができないと書いている人を見ると、iPhoneだけでApple Musicを使って、iTunesではApple Musicをオンにしていない人がかなり多いんです。iTunesではCDの取り込みだけ行って、iPhone、スマホでしか音楽聴かない人が増えてるんでしょうね。

これはこれで使えますが、母艦からクラウドにアップロードされる道が絶たれてしまいますから、CDリッピング音源はミュージックには当然のように表示されなくなります。基本的に、iTunes側でもApple MusicとiCloudミュージックライブラリはオンにしましょう





iCloud経由での音質


iCloudにアップされた音源はApple MusicやiTunes Storeと同等のAAC 256kbpsという形式になります。いわゆる圧縮音源であり、音質は気にならないという人もいれば、お話にならないと断ずる人もいます。 でもお話にならない人はそもそもApple Musicをはじめとしたストリーミングサービスには契約しないかもしれません。Apple Musicは圧縮音源ですからね。

ここで問題となるのは、以前の母艦との同期を行う方法では、CD音源をCDとほぼ同等の品質を保つ「Appleロスレス形式」でiPhoneに入れることもできたということです。

音質的な理由から配信は使わずにCDを購入するという人も多いと思います。以前の同期方式だとiTunes Storeで買ったものはAAC 256kbpsで、CDで購入したものはロスレスの高音質で、それぞれ混在してiPhoneに入れることができました。

しかし iCloudミュージックライブラリでは、今のところロスレスのままクラウド化する方法は用意されていません。すべてAACになります。iTunesではオリジナルのロスレスで聴けますが、iPhoneではAACでのストリーミング or ダウンロードになるわけです。

ストリーミング再生を含めてのクラウド化の時点で、現時点では音質という部分は犠牲になったとも言えるわけですが、多少変化球ですが解決策がないわけでもありません。


考えられるものとしては

  1. 諦める
  2. 上の「 iCloudミュージックライブラリをオフに?」の項目で説明した面倒な方法を使って、指定した曲をロスレスで転送する。指定しない曲はクラウドからAACを聴く
  3. ロスレスを使える別のアプリにiTunesファイル共有で曲を個別に入れる
  4. Apple MusicはiTunesでのみ使い、iPhoneは昔ながらのiPodスタイルで使う

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3の方法を説明します

上の例ではONKYO HF Playerを指定してCDからリッピングしたAppleロスレスの音源ファイルを転送しています。HF Playerは本来はハイレゾ再生のアプリですが、44.1kHzのCD音源でも転送して再生することが可能です。
 

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このようにiTunesファイル共有を使うことで、HF Playerにロスレス音源を転送することができました。ミュージックよりも高音質で再生することのできるアプリなので、ミュージックでロスレス再生するよりもいいんじゃないでしょうか。ちなみにMacの場合はAirDropを使って転送することも可能です。



iCloudでの同期を早くしたい時は


iCloudミュージックライブラリのアップデート(つまりリッピングした曲をiCloudにアップする)は基本的に自動で行われますが、リッピング後に待ってても一向に処理が始まらないこともあります。 処理が始まって終わらないことにはiPhoneで聴くことができません。手動でアップデート処理を始める方法も説明しておきます。


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ちなみに画像の曲はe-onkyoで購入したハイレゾ音源だがこれも iCloudでストリーミング化できる


画像の赤丸のところに点々な雲マークが表示されているときは、まだこの楽曲が iCloudミュージックライブラリに入ってないことを示しています。メニューの「ファイル」→「ライブラリ」→「 iCloudミュージックライブラリをアップデート」と手動操作することでライブラリ全体に対してアップデート処理を開始できます。


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Mac版だけ曲の時間が表示されているところをクリックでメニューが出せる



Mac版iTunesでは、曲上のメニューにある「 iCloudミュージックライブラリに追加」でも処理できます。この操作は指定した単曲が即時処理されるものの、その曲しか処理してくれません。1曲ならベストな方法ですが、アルバムとか複数の曲を一気に処理したいときは、ファイルメニューから操作することをお勧めします。 



今回のまとめ


  • Apple Musicでは曲転送のためにiPhoneとのLightningやWi-Fi接続での同期操作は必要ない
  • PC/MacのiTunesでも設定のApple Music、iCloudミュージックライブラリをオンにする。
  • iTunesに入れた音源は、なんでもかんでもiPhoneでストリーミング(もちろんダウンロードも)できるようになる
  • ただしiCloudミュージックライブラリをオンにすると、その瞬間にアルバム内のアートワークは1曲目のもので統一される。慈悲はない。
  • 音源のアップロードに必要なiCloudの容量は別腹扱い。有料で増やさなくても10万曲まで許される
  • 高音質のまま(ロスレスや非圧縮のまま)聴きたいときは工夫が必要
  • iCloudにアップロード後も、iTunes内のオリジナル音源ファイルは削除してはいけない。 iCloudミュージックライブラリをバックアップ先と考えてはダメ。あくまでもストリーミング可能にするための一時展開先。
  • 1秒でも早くiPhoneで聴きたいときは手動で iCloudミュージックライブラリをアップデートして更新すればOK
  • イライラしたり感情的にならないで、システムを理解して使おう

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