2012年06月12日

どこが問題になるかが問題

まずは問題から

ある病気は1%の人間にかかります。その病気に罹患しているかどうかは検査薬を使って調べます。
検査薬は90%の確率で正しい検査結果を出します。
あなたが検査薬を使うと、陽性の検査結果が出ました。
あなたが本当に罹患している可能性は50%よりも高いでしょうか?





結構有名な問題ですね。
イメージ的には「90%の精度の検査薬なんだから、当然50%以上だろ」となりそうなものです。
しかし、答えは50%よりも低くなります。
一応解説をしておくと以下のような感じ。
10000人の人間がいるとします。罹患しているのはこのうち1%なので100人だけです。
この100人が検査薬を使うと90人が陽性、10人が陰性とでます。
90%が正しい結果で、10%が誤った結果だから、当然ですね。
残りの9900人が検査薬を使うと990人が陽性、8910人が陰性とでます。
陽性の反応が出る人の合計は10000人中1080人。
その中で実際に罹患しているのは90人だけなので、確率は8.3%ということです。
つまり、陽性だと診断されても、本当に罹患している可能性は非常に低いということになります。


さて、この問題を出題する時の意図としては
「90%の確率で正しい結果を出す薬でも、実際の正解率は8.3%だよ。びっくりだね」
ということだと思うのですが、もう一歩先に進んでみます。

なぜ、人はこの問題で間違えるのでしょうか?
多くの人が論理的な思考ができていない、ということだけで片付けられるのでしょうか?

この問題のミソは「90%の確率で正しい検査結果を出します」の部分にあるのではないでしょうか。
人は「90%の確率で正しい検査結果を出します」と聞いた時、
「罹患している人間のうち10%は陰性と判断されてしまう」というイメージを持ちやすいと思います。
しかし、「罹患していない人間の中の10%が陽性と判断されてしまう」というイメージを持ちにくいと思うのです。
つまり、この問題は論理的思考というよりも、その部分のイメージの差異をついた問題だと思うのです。

それでは、上記の誤解がないように問題を改変してみます。
以下が、熊谷オリジナルの問題です。

袋の中に99個の黒い石と1個の白い石を入れます。
袋の中から石を一つ選び、握ったまま袋の外に出します。
袋の近くには占い師がいて、占い師は手に握られた石の色を当てることができます。
ただし、その占い師は10%の確率で黒と白を言い間違えます。
占い師は「手の中の石の色は白だ」と言いました。さて、本当に白の可能性は50%より高いか?

どうでしょうか。最初に出した問題と全く同じ思考で解く問題です。
ですが、こっちの方が正解率は高い気がします。
どうだろう? そうでもないのかな?
というように、そんなことを考えた雨の日でした。まる。

kumatomiyabi at 20:36│