以前からこの3枚のLPの音源の違いが気になっていましたが、このたび調べてみました。
オン・ステージ/尾崎紀世彦

ライブ/尾崎紀世彦

尾崎紀世彦ベストアルバム

1972年10月24日から28日まで日生劇場で開催された「尾崎紀世彦リサイタ
ル」
は、レコードを聴き直す度にその素晴らしさに圧倒されます。

「ベスト・アルバム」は「オン・ステージ」と同じ音源だと思い込んでいましたが、
オリオン座さんに「ジ・エンド」のライブ版が収録されていると教えていただき驚きました。

「オン・ステージ」と「ライブ」に収録されている曲は全く同じ音源のものと、
別テイクのものが混ざっています。
今回聞き比べてみて、新たに「雪が降る」も別テイクだと気付きました。
前奏後に歌い始める時の間の取り方が違うので「あれっ?」と思いましたが
何よりも顕著なのはワンコーラス後の台詞で、語り方が全然違います。

コンサートのセットリストを使って、以下にまとめてみました。

(第1部)
黒いジャガー   「オン・ステージ」「ライブ」で同テイク。
愛はひとり   「オン・ステージ」「ライブ」で同テイク
母と子の絆   「オン・ステージ」「ライブ」「ベスト・アルバム」で同テイク
My Boy   (セットリストにあるが)未収録
明日に架ける橋   「ライブ」「ベスト・アルバム」で同テイク
You've Got A Friend   未収録
 
(尾崎+シンガース・スリー)
Tristesser   未収録
ハワイアン・ウエディング・ソング   「オン・ステージ」

枯葉   「オン・ステージ」「ベスト・アルバム」で同テイク。「ライブ」は別テイク
雪が降る   「オン・ステージ」「ライブ」は別テイク

(第2部)
ハッシャバイ・マウンテン   未収録
サマー・タイム   未収録
ラブ   「オン・ステージ」「ベスト・アルバム」で同テイク。
ある愛の詩   未収録
ラバース・コンチェルト   未収録
プラウド・メアリー   「オン・ステージ」 
時には母のない子のように   「オン・ステージ」 
ゴッド・ア・トラベル・オン   未収録
メドレー        
  別れの夜明け   「ライブ」
  愛する人はひとり   「ライブ」
  心の炎燃やしただけで   「ライブ」
  また逢う日まで   「ライブ」
あなたに賭ける   「オン・ステージ」
ゴッドファーザー〜愛のテーマ   「ライブ」 
My Way   「オン・ステージ」「ライブ」「ベスト・アルバム」で同テイク
The End   「ベスト・アルバム」 未CD化
忘れないわ   「オン・ステージ」「ライブ」で同テイク
さよならをもう一度   「オン・ステージ」「ライブ」で同テイク


以上ですが、お宝探しのようで楽しい作業でした。
そして今までモヤモヤしていた疑問が解消されてスッキリしました。

別テイクの曲
「枯葉」(←以前にオリオン座さんから教えて頂いていました) 「雪が降る」

セットリストにあるのにレコードに未収録の曲や、CD化されていない曲が多いのが非常にもったいなくて、
新たなるCD化を心から希望します。宝物の音源ですから。
特に「ある愛の詩」などはユニバーサルからマスターテープを買い取りたい気分です。

セットリストにあるのにレコード未収録の曲
「My Boy」「You've Got A Friend」「ハッシャバイ・マウンテン」「サマー・タイム」「Tristesser」「ある愛の詩」「ラバース・コンチェルト」「ゴッド・ア・トラベル・オン」

レコードからCD化されていないライブ曲
「The End」 

それでも未収録、未CD化と書いた曲以外はCD「尾崎紀世彦の世界」に収録されたのですから
祝杯をあげてもいいかもしれません。

CD「尾崎紀世彦の世界」収録の曲
「愛はひとり」「母と子の絆」「明日に架ける橋」「ハワイアン・ウエディング・ソング」「枯葉(オン・ステージ版)」「メドレー(別れの夜明け、愛する人はひとり、心の炎燃やしただけで、また逢う日まで)」「あなたに賭ける」「My Way」「アンコールナンバー(忘れないわ、さよならをもう一度)」

「尾崎紀世彦オン・ステージ」の曲目
(CD「尾崎紀世彦の世界」に収録された曲は赤い文字
A面
1) 黒いジャガーのテーマ  
2) 愛はひとり
3) 母と子の絆
4) ハワイアン・ウェディング・ソング
5) 枯 葉

6) 雪が降る
B面
1) ラブ    
2) プラウド・メアリー
3) 時には母のない子のように
4) あなたに賭ける 
5) マイ・ウェイ
6) 忘れないわ〜 さよならをもう一度


「尾崎紀世彦ライブ」の曲目
(CD「尾崎紀世彦の世界」に収録された曲は赤い文字
A面
1) 黒いジャガーのテーマ 
2) 愛はひとり 
3) 母と子の絆
4) 明日に架ける橋
  
5) 枯 葉
6) 雪が降る
B面
1) メドレー
   別れの夜明け
   愛する人はひとり
   こころの炎燃やしただけで
   また逢う日まで

2) ゴッドファーザー・愛のテーマ 
3) マイ・ウェイ
4) 忘れないわ〜 さよならをもう一度


「尾崎紀世彦ベスト・アルバム」の曲目
(CD「尾崎紀世彦の世界」に収録された曲は赤い文字
B面
1)明日に架ける橋 
2)母と子の絆  
3)枯葉
   
4)ラブ 
5)マイ・ウェイ 
6)ジ・エンド 

前田憲男さんはピアノ演奏だけでなく、このコンサート全体の構成・演出と
音楽監督・編曲をなさっています。
ドラムスは猪俣猛さんですし、ベストのメンバーだったのですね。

演奏者
前田憲男  (ピアノ)
猪俣猛   (ドラムス)
水谷公生  (エレキ・ギター)
大原繁仁  (オルガン/エレキ・ピアノ)
鈴木武久  (トランペット)
吉田謙二  (トランペット)
中沢忠孝  (トロンボーン)
清水万紀夫 (サックス)
ジェイク・コンセプション  (サックス)
金山 功  (パーカッション)
多忠昭カルテット

コーラスのコータローさんはザ・ワンダースの朝紘一さんかもしれません。
でしたらコーラス相手として慣れているしバッチリでしたね。

コーラス
シンガース・スリー+ヒデ+コータロー


日生劇場は、中学生だった私が母に連れられて初めて行った尾崎紀世彦さんのコンサートでもあり、とても思い出深いです。
パンフレットにチケットが2枚はさまっていましたが、10月25日1階E列22番と23番でした。
どなたか近くの席にいらっしゃいませんでしたか?(^^)
白いタキシードのキヨが「雪が降る」を歌いながらステージの袖に去っていく後ろ姿が、
今でも目に焼き付いています。

↓もう1枚のレコードもチェックしなくてはと思います。お宝音源が隠れているかもしれません。
ライブ/尾崎紀世彦

何年たっても人々の心を魅了してやまない尾崎紀世彦さんの歌声です。
(追記)
上記FX−8024は「ライブ」4FX−8003と全部同じ音源でした。

(追記)
「オン・ステージ」のLPに10月27日、28日に実況収録と書いてあります。
「ライブ」のほうには記載がありませんでした。
2日間の録音を2枚のレコードに分けて収録したのか、もしくは24〜26日の収録だったのか不明です。

(追記)
MKさんがバックミュージシャンについて教えてくださいましたので、そのまま引用させていただきます。

『バックのミュージシャンについて紹介します。まずコーラスのシンガーズ・スリーですが
当時、歌謡曲やCMのコーラス要員として超売れっ子のスタジオ・ミュージシャンです。
リードは伊集加代子さんといい、ネスカフェや11PMの印象的なスキャットが有名です。キヨと「ハワイアン・ウエディングソング」を唄っているのも彼女ではないでしょうか。次にヒデ・コータローのヒデはヒデ夕樹さんといい、「人造人間キカイダ―」「海のトリトン」などアニメソングの傑作を数多く唄っています。コータローは間違いなく、盟友ワンダースの朝さんです。』