2007年01月28日

レース数の変化

 先日、3歳未勝利戦のかわりとして、2回京都4日に1600万下として「羅生門ステークス」が新設されました。理由としては、このクラスの出走予定頭数が多いためということですが、もともと春競馬の番組発表の段階で、すでの今年の春競馬では、1600万下が昨年より10レースも新設されています。まあ、それでも足りなかったということかと思います。

 これは、以前こちらでも少し書きましたが、勝ち上がりのルールが変更になったため、現在、その影響が徐々に出ている段階で、これはそのひとつの現象としてということになります。勝てば基本的に昇級するというルールになったために、これまでは勝っても同級に留まるというパターンがかなり見られましたが、それが無くなり、基本的には上のクラスほど頭数が増える傾向がここしばらく出るはずです。

 現在は、1000万下を勝てば、必ず1600万下に昇級しますので、レースの数だけ昇級馬が発生します。以前は、その中の何頭かは再度1000万下に所属し、レース数ほどの頭数が昇級してくるということではなかったわけです。

 昨年末の時点での実際のレース数を調べてみますと、1000万下はほとんど変化していません。これは、1000万下と500万下のレースの数の比がそれほど大きくなかったためです。それにより、1000万下クラスの頭数としては、500万下から上がってくる頭数と1600万下へ出て行く頭数の差が(レース数と比較して)少なく、まだ均衡を保っていると言えます。逆に、1600万下のレースは以前はとても少なく、1000万下から上がって来る頭数にもう対応しきれなくなってきて、レース数増加となったということです。

 さて、これは現象をただ見ただけですが、中身をよく考えると、予想に役立つ可能性のあることも見えてきそうです。まず、500万下ですが、以前はこのクラスも、1勝馬の中には昇級しない馬もおり、ここでも勝ち得があったわけですが、現状ではそれも無くなり、こちらは完全な勝ち抜け状態となっており、在籍頭数はレース数分だけ減ってきます。となれば、以前よりもレベルの低下傾向は強くなっているはずで、これは予想に生かせるポイントかと思います。また、1000万下も同様で、降級以外では現級勝ち馬はいなくなりますので、こちらも以前よりは、クラス全体のレベルの低下のスピードは速くなっているはずです。もちろん、1600万下も同様で、クラスが増え、上がってくる馬のレベルも下がっていますので、全体的には以前よりも低下しますね。

 もちろん、だからとって、競走馬の全体の質が変化しているということは無いわけで、こちらも以前書きましたが、単純に言えば、各クラスのボーダーラインが全体的に低下し、以前よりは低い能力でも上のクラスに行けるようになってしまっているということです。逆に言えば、各クラス、特に上級クラスは相対的に頭数が増えますので、そのクラス内での層は厚くなりますから、平均的なレベルは低下しても、バラつきが大きくなる可能性もあります。メンバーによってはむしろ予想はしやすくなる可能性があると言えそうです。層が厚くなっても、レース数が増えますので、レベルが上がるということはありません。

 1600万下の馬は、オープンのハンデ戦に出走するケースもありますので、そちらも含めて1600万下のレースは今後も増加しますね。その分逆に500万下のレースが減ってくるかと思います。これは、夏競馬のクラス移動まで続き、その時点で一応一巡しますが、まだ適正な配分にはなっていないと思いますので、クラス間のレース数の変化はもう少し続くかと思います。また、各クラスの全体的なレベルが変化していますので、その夏競馬の降級時の対応も今後は違ってくるかもしれません。あとは、その以前に触れたときに紹介した4歳1勝馬の動向が4月あたりから要注意になりそうです。こちらはまたそのときにでも触れることにします。


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