2008年09月06日

自閉症の空間感覚と海馬歯状回でのニューロン新生阻害で空間記憶の障害の記事

海馬の歯状回でのニューロンの新生が空間記憶に影響するという記事。

海馬の歯状回は、たぶん自閉症に関係し、追いかけているヒスタミンやGABAや亜鉛などが影響し、『海馬のCA3出力はパターン補完による記憶想起や新たな環境において速やかに記憶を取得する時に必要』という脆弱性のある海馬CA3とその前にありCA3に強く影響するところ。

我が家の息子はかなり空間感覚に優れたタイプの自閉症だとおもいますが、過去のことは一瞬一瞬の情報を情報処理して連続した空間内での連続した軌跡として鮮明に記憶しているみたいです。

一方、自閉症スペクトラムの中にはひどい方向音痴の方がおられ、一瞬一瞬の記憶は鮮明なのにそれが時間的に自動的にはつながらないのではおもいます。

このデフォルメされない空間ひとかたまりタイプと空間バラバラタイプ、他の情報処理にも同じ仕組みが使われ汎化というところではどちらも難しさがででるのではと。

自閉症スペクトラムには根本的なところでの情報処理の仕方に違いがあり、ここらの違いは海馬の歯状回の状態の違いを反映し、外からも分かる空間感覚がその人の情報処理の仕方を象徴しているのではないかと。

あと『海馬依存的な空間記憶や条件記憶の形成が障害されることが明らかになった。』の条件記憶とは(?)
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http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008090100033&genre=G1&area=K00
新しい細胞で空間記憶
京大グループ、マウスで証明
 成体の脳の中で新しくできる神経細胞(ニューロン)が空間記憶で機能していることを、京都大ウイルス研究所の影山龍一郎教授、今吉格研究員らのグループがマウスの実験で確かめ、英科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスで31日に発表した。

 脳の神経細胞の多くは胎生期に神経幹細胞が分化してできるが、成体になってからも脳の内部にある「海馬歯状回」と呼ばれる部分などで幹細胞から新たに作られ、学習や記憶などで働いていると考えられている。影山教授らは、新生した神経細胞を標識したり、選択的に死滅させる技術を開発、新生細胞が働く場所と機能を調べた。

 海馬歯状回では、新生細胞が既存の神経回路に追加するように組み込まれていた。神経細胞を新生できないマウスの行動を解析すると、1週間後にマウスにとって快適な穴の位置を忘れるなど、空間記憶に障害が起こった。

 神経細胞は、においの刺激信号を処理する脳の「嗅球(きゅうきゅう)」と呼ばれる部分でも新生されている。新生細胞ができないと既存の細胞が死んで細胞の数が減り構造が崩れるが、2カ月の観察では、においの記憶などで変化はなかった。長期的に確かめる必要があるという。
 (京都新聞)
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http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2008/080901_2.htm
成体脳におけるニューロン新生の生理的意義の解明 2008年9月1日

論文名「Roles of continuous neurogenesis in the structural and functional integrity of the adult forebrain」
(マウス成体前脳の構造および機能における継続的なニューロン新生の役割)

研究の背景 従来、ニューロンの産生は発生期においてしか行われないと考えられていたが、ヒトを含めた哺乳類の成体の脳においても神経幹細胞が存在し、側脳室周囲の脳室下帯や海馬の歯状回といった特定の領域では、ニューロンの新生が一生涯続いている事が解ってきた。成体脳において新たに産出されるニューロンの中には、既存の神経回路に組み込まれるものもあるが、このようなニューロン新生が個体にとってどのような生理的意義を持っているのかはよくわかっていなかった。高次脳機能との関係についても多くの議論がなされているが、実験的なアプローチがなされた例は少ない。これは成体の神経幹細胞や新生ニューロン特異的に遺伝子操作を行うことが困難であったことが大きな要因であると考えられる。

研究の内容 本研究チームは、薬剤投与により、成体脳に存在する神経幹細胞特異的に遺伝子組み換えを誘導できるトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。この Tgマウスを用いて、成体脳神経幹細胞から産生される新生ニューロンの選択的標識と除去を行った。

嗅球においては、12ヶ月の間に顆粒細胞の多くは新生ニューロンに置き換わっている事が明らかになった。また、新生ニューロンの供給を阻害したマウスの嗅球では、顆粒細胞の数が経時的に減少する事から、ニューロン新生は嗅球の顆粒細胞の数、及び神経回路の維持に必須である事が解った。

一方、海馬・歯状回においては、ニューロン新生により顆粒細胞の総数が増加した。新生ニューロンの供給を阻害しても歯状回の組織構造そのものには異常は見られなかったが、野生型マウスで観察される顆粒細胞の増加が見られなかった。これらの結果より、マウス成体脳におけるニューロン新生は、脳の構造と機能にとって重要な役割をしている事が解った。

特に、嗅球においては多くの顆粒細胞が新生ニューロンに置き換わっている事から、神経新生は嗅覚神経回路の再構成に寄与している可能性が示唆される。

一方、歯状回においては、既存の神経回路の増幅に寄与している可能性が示唆された。さらに、新生ニューロンの供給が途絶えたマウスに対して行動解析を行ったところ、臭いの識別や嗅覚記憶には顕著な異常は見られなかったが、海馬依存的な空間記憶や条件記憶の形成が障害されることが明らかになった。
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