72e875bd.jpg藤田敏八監督、梶芽衣子主演「修羅雪姫」に続く第二弾「修羅雪姫・怨み恋歌」。小池一夫原作、上村一夫劇画の映画化。

小説アニメの映画実写化の類いで、梶の「修羅雪姫」ほど実写イメージに失敗なし、むしろ大成功な事例を私は知りません(^^;)。☆梶芽衣子の鹿島雪の姿佇まいが、本当にの劇画イメージそのままで、顔つき風貌が上村一夫の劇画世界から、そのままスクリーンに現れたみたいで。

また無口で無愛想な凛とした主人公は、時代や社会に媚びない強い女主人公で間違いなくウケる。☆イケてる映画主人公は劇中にて決して、しゃべり過ぎてはいけない…軽薄で俗っぽい・おしゃべり主人公はダメた(^^;)。

話の内容は一作目より、むしろ・この「怨み恋歌」の方が好きかも。☆「私的」な怨念復讐ではなく、国家の思想統制で弾圧される社会主義者、無政府主義者や貧民街の住民らに対する「公的」正義の義憤の共感に「修羅雪姫」の雪が最後に乗る話。

70年代の学生運動、労働運動、被差別部落問題などを意識した話の流れか。☆もしくは「怨み恋歌」の恋の怨みとは、無政府主義者の活動家、伊丹十三と、その弟の貧民街の医者、原田芳雄に対する梶の恋ゆえの「怨みはらします」なのか…。

悪役大臣の安部徹、秘密警察の岸田森、殺し屋の南原宏治のトリオのうち、岸田が「いかにも」な勧善懲悪図式に乗っ取った、自己の台詞回しに陶酔するキザな悪役で、岸田が実際に力入れてやってた子ども向け変身特撮ヒーローの悪役雰囲気を本作に無遠慮に持ち込んで、ややマイナス。☆他方、南原は・いつもながらの天性の悪役で安心して観られる。

言うまでもなく、本作タイトル及び主演キャラクター名の「修羅雪姫」とは、童話「白雪姫」のもじり。☆劇中、岸田も伊丹も梶のことを普通にと何度も「修羅雪姫」と呼んでるけど、本作設定の明治時代の日露戦争終わった辺りの実際の日本人は当時、西洋メルヘン童話の元ネタ「白雪姫」の話、普通に知ってたのかな(^^;)。

冒頭、墓参り参道にての殺陣と海の浜辺の格闘場面まで、出演者クレジットが出るまでの出だしの映像が素晴らしい。☆人物所作、背景の具合、光の加減…始まりから数分の・ここまでは映画として作りが完璧(^^)。

そんなわけで「修羅雪姫・怨み恋歌」(1974年)は☆4つ。