夜半前後、小雪の可能性
みなさま、こんにちは。今夜⇒明朝に小さな崩れが想定されたため、9時起算資料出揃いを待って更新しました。12時台に本郷界隈を歩いた感触は、とにかく冷たい!!の、ひとこと。都区内北半分や城西城南の西端部、川崎市多摩丘陵地帯、多摩地方で初雪が舞った去る12月9日昼間の寒さに匹敵します。右に引用したのは12時東京地方気温・風実況図です。
続いて、MSMに基づいた天気分布予報図、気温分布予報図を左に引用しました。30N帯以南を前線や低気圧が東進中です。朝鮮半島東方から九州北東沖にも気圧の谷があって、上層正渦度移流帯が東日本太平洋側に執拗に残留します。また、多少の湿りを帯びた北東気流が関東地方へは流入します。9時高層観測によれば、舘野850T−6.1度。輪島では−10度台など東日本下層は低温場持続。よって、降水があればほぼ35Nライン以北で雪が舞うものと考えられます。降水有無に関してなんとも言えない面はあるものの、大手町初雪観測の機会到来ではあります。
明日明後日も北高型成分は残りますが、500T−30度以下寒気トラフの通過とその後背のリッジセンス接近から、本曇り⇒高曇りまたは薄曇りまで回復しそうです。850Tは相変わらず−6〜−9度で、曇り空越しの陽射しは弱々しく、昼間Txは上がっても7度程度(本日は概ね5度未満)かと見られます。
週後半の崩れ。関東平地、甲信、近畿や中国地方の山間部で雪の時間帯が降水前半主体にあることはほぼ確実視されます。気圧系の動きが遅いのは、東シベリアに纏まる上層温暖高気圧から南西へ延びる正偏差場の影響から日本付近の南北各層温度場の差異が小さくなって、一般流が弱化するだろうと想定されるからです。後追いで中国東北区南部⇒朝鮮半島北部⇒日本海指向の寒気トラフが深まりながら日本付近を通過するタイミングまで、かなり発達した南岸低気圧の動きは関東南東海域到達までかなり遅いものと思われます。この降水終盤は東北地方も含めて雨に変わる地帯が多そうですが、東北内陸、関東北部山沿い、信越山沿い、甲信中北部、岐阜県飛騨地方周辺では雪で降り通すかも知れません。その後、次の週末以降の寒気進入は山口県周辺を軸に西日本から各層気温急低下をもたらし、週明けは東北中部以南でとくに厳しい寒波となる可能性を思います。
南岸低気圧と雪雨の時間帯や地帯予想に関してはまた、事象が近づいた時点で詳しく解説します。
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アメダスや市内観測点のデータを見ると、市内では降水量0ミリながら、午前0時過ぎて気温が1℃台へと急降下しており、拙宅周辺の屋根も少し濡れていることから、小雪が舞った時間帯があったようです。今季4回目の降雪となりましたが、いずれも降水量としては0ミリで、とても乾燥を潤すとまではいきません。
今回は遠州灘からの降水雲の北への広がりが顕著で、箱根付近から東側にはエコーが広がらない、そんな状況が続き、普段南岸Lでは降雪の少ない静岡県西部平地でも本格的な雪の朝になっているようです。ARIMORI様が書かれていますように、上層トラフや正渦度移流、それに伴う、北緯33度付近の隠れた前線や低気圧による振る舞いが強く現れましたね。
さて、週末の低気圧、コースやタイミングにまだ各国ともまだばらついているようですが、関東では降水前半の20日には先行降水の形で降雪が始まるような気配は、各国モデルから感じられますので、要注意ですね。
しかし、伊勢市周辺と愛知県の西三河南部では、やや強いエコーと冷気が溜まりやすい地形のため、0℃ギリギリの気温で1.5mmの降水を観測しています。おそらく本格的な雪であろうと思います。低気圧や前線は北緯28度付近を進んでいるのに、愛知県にまで雪雲がかかるというのは少し驚きました。
低気圧の進むコースがおおよそきまったからといって、雪雲の広がる範囲は条件によって大きく変わるということなのでしょう。
管理人から:今晩は。以前の方式で前線を描画するしたら、遥か南沖の2つの低気圧の北側200〜300km付近にほぼこれら低気圧と同経度帯にキンクを有した停滞前線を想起します。その元凶は九州西方上層に近づいている短波トラフとその周辺から東へのびる上層正渦度移流帯なのでしょう。かなり古い記録になりますが、四国各県から浜松付近まで最深20〜30cmに達した大雪事例なども、こうした気圧配置でさらに北方寒気、南方暖気のせめぐ一帯が広かった場合なのでしょう。
先ほど所用で箱根を走っていたところ雪が降っていました。
標高800m超の箱根峠付近では車の外気温度計で-3℃、路上の気温表示は-5℃を示しており、路肩には2〜3cm程度の積雪がありました。
標高350mほどの宮の下付近まではしっかりとした降雪になっており0℃前後、ほぼ下りきった箱根湯本付近ではチラつく程度の降りで、2℃前後でした。
ちなみに小田原市街では5℃だったので、雪のまま届くかどうかは微妙ですね。
以上、皆様の参考になりますかどうか・・・
管理人から:今晩は。貴重なレポートを戴きまして、ありがとうございます。WNIさんへのレポートなどを見ると、23時台、西湘地方まで小雪が降り始めているようですね。赤外画像の雲帯北端や水蒸気画像暗域を見ると、上層寒気や中層乾燥域が南下してきているようです。層状雲による降雪は関東南岸部で北上を抑止される気配です。が、小規模ながら対流性による降雪域が一時、関東中部付近まで北上する可能性も一方で思います。
過去事例からは西日本広範囲と東日本南岸部、島嶼部北部で大雪になった際の分布に酷似しており、その場合には京浜、京葉でも小雪は舞いますが、積雪に至った例はごく限られています。
22時WPFでは遠州地方周辺の3km層のみ南風成分が高まっています。今夜は上層500T−30度領域が袋状に東日本側へ南下予想でした。つまり、上層トラフセンスに引っ張られたこの地帯3km層の風の動きの模様です。西日本では西または西北西風、東日本では北または北東風が3km層まで卓越しています。本質的にはエコーはあまり北上出来ないシチュエーションです。先述の南風領域は138E帯で群馬県までエコーを引き上げてはいますが、地形要因による収束性も加味していそうです。
結論的には日界過ぎ1時頃を中心として前後それぞれ1時間程度、ハラハラ小雪が舞うかも知れません。が、官署で初雪観測されるかどうかは微妙にも映ります。
去年のバレンタインだったろうか、東京都心で雪は降らないと予報で、何と大雪になったのを思い出しました。今度の金曜日の夕方から車で移動する時間があるので雨一本で済むように個人的に祈っています。どっちにしてもまとまった降水になりそうですね。
逆に雪一本だと大雪になっちゃいそうな気もしますが今のところそれはないみたいなのでホットしています。
一方、静岡県東部各地では21時までに1℃ほど急に下がっており、湿度も低く、恐らく小雪が降っているものと思われます。
小田原で雪を見るかは、今後の雪雲の北上具合次第ですが、残念ながら就寝中なので確かめるのは難しそうです。
20〜21日の南岸Lですが、予想天気図で見る限り典型的な関東大雪型で、ひろ様ご指摘のように少なくとも前半は雪になりそうに思います。一方、当地では南岸L型とは言え、Lのコースはやや陸地寄りにも見え、また降り始めの時間や北上する暖気の強さなどによって、雨の可能性も高そうに思います。そもそも、当地など近畿では南岸Lによる雪は数年に一度の稀な現象で、昨冬に2度も南岸Lによる積雪がありましたので、今年はどうかとも思っています。
今日の小田原は、昨日以上に寒い1日でした。Tn0℃前後〜Tx5℃前後。夕方から輪郭のはっきりしない雲に変わってきており、レーダーから、箱根の標高の高いところでは小雪も舞っていそうです。地上には、信長様の亀山市東部同様、届いていません。
当初の気象庁の予報よりも、降水雲が北にまで広がっていますね。寒気トラフ前面に当たる朝のうちまで、関東南部でも小雪となる所がありそうです。
週末の低気圧、各国のモデルも少しずつ揃ってきていますね。東海上からの寒気の呼び戻し効果も出る関東では、降水の前半(20日)は雪で降る可能性もそこそこ高いように、現段階では感じています。
地上気圧配置では東風が吹きそうですが、実際は西風が弱く吹いています。また、三重県下は南部中部を中心に大雪注意報が出ているところが多くなっています。山間部向けとはいえ少し大げさな気もします。雪が降ることさえ珍しい地方では、積もりそうも無い雪でもいちおう注意喚起するのでしょうか。雪が珍しいので皆さん目を凝らして観測しましょう、という意味での「注意」ということはさすがに無いと思いますが。
その乾燥注意報は20〜22日前後に終止符が打たれそうです。ようやく傘の出番になりますが、ECMWFの演算では大雨の可能性もあるため、むしろ被害が出ることも考えられます。また、久しぶりに働く傘たちも疲れることでしょう(笑)。
恵みの雨を待つ農家もおられると思うので、気象庁にはしっかり演算を解析して、予想を当ててもらいたいものです。
夏は猛暑→冬は寒冬傾向と、被災地泣かせの気候が連発しています。春の訪れは早くなって欲しいですね。
気象庁(千代田区大手町)、横浜地方気象台(中区)ともにハラハラと小雪が舞う確率が高まり、初雪を観測しそうです。関東南部の初雪観測は例年、冬型が不完全、あるいはとりわけ強力な際の収束帯による不安定性のものが多いように思います。南岸の擾乱や前線性の場合には比較的、年明け初雪のことも多く、両官署地点に関してはとりたてて驚くような遅さではないようにも感じます。
多くの地方の官署観測と地域実際とが大きく異なるように、本ブログでも何度もお伝えはしていますが、今夜降れば東京地方の今季降雪自体はこれで3〜4度目となります。
管理人から:こんにちは。降雪というのはその局地的な気温分布よりも、場全体の鉛直気温分布から雪線地上到達か空中雨転かが決まります。大事なことは気化蒸発の多寡と移流による気塊の移動です。よって一点、大手町周辺の気温条件だけで決まる訳ではありません。もうひとつ、今後の見通しに関して。東京地方をはじめ関東平野部の本格的な雪のシーズンとは1月下旬あたりから3月いっぱい。大手町の統計的な雪日数からは4月も10年間に2〜3日を数えます。一昨年4月17日に(3月29日頃にも降りましたが)降ったばかりでしたね。東京や横浜での雪日数0はベースとしては土台無理な話なのです。かりに突出した暖冬年であったとしても、(各層気圧配置=ほぼ気温分布パターン。の、ある意味での定着化以降の)春本番までは平地降雪に値する強度の寒気の入りはあるものです。これが、30Nそこそこの地帯ならば話はまた別です。
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