日々妄想 -書籍と家電の個人的記録-

一介のサラリーマンの日々の読書記録と家電レビューの覚え書きです。 文庫本を中心に、時々家電の衝動買い、さらにはへっぽこ登山まで?

2013年09月

東京箱庭鉄道 (祥伝社文庫)
原 宏一
祥伝社
2011-10-14


主人公の妹尾順平は、ある日突然謎の老人、日比野主人公氏からとんでもない依頼を受ける。400億円を使って、東京に鉄道を引いて欲しいと…。最初は疑心暗鬼だった順平だが、日比野老人の本気さに元同僚の木之元理恵、リエたちと共に計画を進める。日比野氏の要求は子供の頃に楽しんだ庭園鉄道のような、乗る人達が楽しくなるような鉄道。果たして順平達は日比野氏を満足させるような鉄道を敷設することは出来るのか…。

いや、今回も原宏一さんらしい、日々の日常の中であり得ない、けどももしかしたらあるかも?と思わせる絶妙な設定です、って絶対あり得ないかw。私は子供の頃は鉄ヲタでしたのでこの設定には狂喜乱舞、400億って東京では対した路線長にならないなあ、と完全に感情移入して読んでしましたw。当然、順平たちの計画も同様でどれも短い路線長で経済効果の高いものを、と進んで行くのですが、日比野氏からはNGが。もっと、誰もが乗って楽しいと感じる路線を、と…。この辺りの順平たちがが真剣に悩む下りが最高に良かったです。一体どんな路線を考えるのだろう、とワクワクしながら読んでいました。いや、今でも充分鉄ヲタですねww。

そして結末を書いてしまって申し訳ないのですが、結果的に鉄道は敷設されませんでした。そこには元皇族であった日比野氏の幼少の頃の辛い想い出が関係し、少し悲しい気持ちになってしまいます。そして順平に鉄道敷設の依頼を行った経緯も明らかとなり…。

物語の出だしは、東京に鉄道を作るという、少しファンタジーちっくな楽しく、そして順平達の真摯な計画作成が爽やかな物語だったのが結末には日比野氏の過去を絡めた人間模様を描く、少し寂しくもグッとくる展開へと変化しており、読み手を飽きさせない秀逸な作品に感じました。

それにしても、順平たちが計画していた路線はどれも魅力的で、良く練られていました。どれか一つでも良いので乗ってみたかったなあ、と元鉄ヲタは強く思うのでしたww。

今回はイヤホンの話です。ここ数年、イヤホンはBA(バランスト アーマチュア)型を愛用してきました。それもどちらかと言えば安めの。私自身の好みとして、低音域よりも中高音のクリアなものがあるため、ドライバーの少ないBA型の機種が非常にしっくりとくることが多いためでした。

先日、ちょっと時間が空いた際にイヤホンをいくつか試聴してきました。そんな中、10,000円以下の機種では定番と言われるSHUREのSE215とはどんなもんかと軽い気落ちで試してみたのですが…。いや、久しぶりに聞くダイナミック型の音圧の強さとノリの良さに、思わず買ってしまったわけで…。そんなわけで詳しくレビューしていきます。私が購入したのはSpecial Edition、通称SE215SPEのほうです。価格はノーマル仕様に比べて若干高めです。

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パッケージは可もなく不可も無く。まあこんなものでしょう。

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本体は鮮やかなトランスルーセントのブルー。ノーマルのSE215はクリアもしくはブラックで、お世辞にも質感の高さはあまり感じませんでしたので、どちからといえばこちらのSpcial Editionのほうが好みです。LRの区別がちょっと分かりにくいというか、本体にLRのプリントがあるのですが試聴機ではプリントが剥がれてしまっていたのでちょっと不安です。(ケーブルにも表記があります)

 
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またケーブルがSpecial Editionのほうが短く、取り回しが良いというのも大きなポイントでした。ノーマルバージョンは普段使いにはあまりにも長すぎます。ケーブルの分岐部、コネクタ部ともに非常に堅牢で、ひとによっては大きすぎ?と感じるかもしれませんが耐久性が高そうで好印象です。ただ、コネクタ部の径が太いため、iphone等でカバーを付けていると干渉するかもしれません。私の場合は大丈夫でした。

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付属品はシリコンとコンプライのイヤーピースがS,M,Lにクリーニングツール、ケースとこのクラスではまあ標準的。元々コンプライのイヤーピースを使っていたので使用感等に違和感はありません。ただ、イヤーピースを本体のステムから取ろうとすると、異常に硬いです。ステムを折りそうで不安です。まあそんなに付け外しはしませんので大丈夫でしょう。

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ケースは安っぽいという声もあるようですが、値段を考えれば十分です。

そしてこんな低価格の製品でもケーブルが脱着可能というのが良いです。万が一の断線に対する安心感が違います。それよりも使ってみて感じたのが、コネクタ接続によりケーブルが360°回転出来るという点が、ケーブルの取り回しにすごく便利です。

そしてSHUREと言えば、"SHURE掛け"と呼ばれる独特の装着方法。以外にすんなりと装着することが出来るようになりました。眼鏡をかけているとちょっとケーブルが邪魔かな。

肝心の音質と言えば、こりゃSHURE版の軽いドンシャリ機だな、という感じです。ノーマル仕様とSpecial Editionの違いは低音域の増強ということなのですが、重低音域からボーカルの低音部あたりまでがノーマル機に比べて強調されているかな、という印象。その分、高音域の伸びを感じにくくなっているかも、といった所。ただし高音域もしっかり聞くとそれなりに出ています。

いかんせん、ダイナミック型をしばらく使ってなかったので低音域の強さに圧倒されます。時には暴力的にまで感じることも。高音域は先ほど述べたように、それなりに出ているかな、と。音の分離性はあまり高くないかな、と感じます。そのため音を聞き分けるような、分析的な聴き方は向いていませんが、豊かな低音域と音楽をノリ良く楽しむには非常に良い感じです。

そしてさすがの遮音性です。今まででもかなり遮音性の高い機種を使用してきたのですが、こちらは圧倒的。場面によっては少し危険なくらいです。

こうして見てみると、10,000円以下の機種で考えれば音質面で一芸に秀でた機種は他にあっても、使い勝手、遮音性、耐久性等総合的に考慮するとこれしかない、といった印象です。弱点と言えば、強めに出る低音域に納得出来るか、独特の装着方法に慣れることが出来るか、といったところでしょうか。いや、最大の弱点は、これを使うと、SHUREの上位機種を試してみたくなってしまう、いわゆる"イヤホンスパイラル"に陥る危険性が高いということでしょうw。そういう私もSE535ltdが気になって仕方ありませんwww。

SHURE公式サイト
SHURE SE215 Special Edition(amazon)
SHURE SE215(amazon)

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)
池井戸 潤
小学館
2013-07-05



半沢直樹ですっかり有名となった池井戸潤さんの長編です。池井戸潤さんといえば、"最終退行" "バブル入社シリーズ"等の銀行ものがおなじみですが、本作の主人公、倉田太一もまた銀行員。しかし電子部品販売の中堅企業、ナカノ電子部品へ出向中。ある日、駅のホームでの割り込みを注意した後に、倉田家周辺で奇妙な嫌がらせが連発し始める…。物語は倉田家への嫌がらせと、ナカノ電子部品にて発覚した不正の追求が同時展開していき…。

やはり池井戸潤さんの作品は安定した面白さがあり、外れが無いなあといのが第一印象でした。ナカノ電子部品での不正の追求は、銀行シリーズに通じるものがあり手堅く面白いといった感じ。

しかしナカノ電子部品での出来事のプロットは、あくまで倉田家での戦いに対する息抜きというか、やはりメインは倉田家での展開。嫌がらせに対抗すべく、様々な手を案じていくとさらに発覚する新展開の連続。読んでいて全く飽きないと同時に、何気無い日常に潜む現代の闇のようなものを感じて少し恐ろしく感じてしまいました。駅での他人との些細なトラブルは誰にで起こり得る話。でもそれで逆恨みをかって…。何が起こるか分からない現代社会、全く他人事とも言い切れる話でもなく…。

池井戸さんの作品では、先ほど挙げた銀行シリーズに、"下町ロケット" "鉄の骨"といった最近の長編ものの2種類に分けることが出来るのかな、と個人的に思いますが、本作はまさにこの両者の中間というか、池井戸さんの魅力を存分に楽しめるお得な一冊であるように感じました。まずこの一冊を読んで、ナカノ電子部品のくだりが気に入ったのなら銀行シリーズを読み進めたり、倉田家のくだり惹かれたのであれば新作を中心に、と初めて池井戸さんの作品を読むには最適な作品かと。

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