日々妄想 -書籍と家電の個人的記録-

一介のサラリーマンの日々の読書記録と家電レビューの覚え書きです。 文庫本を中心に、時々家電の衝動買い、さらにはへっぽこ登山まで?

2015年07月




製菓会社の広報宣伝部に異動となった山田が突然言われた一言、「お前は今日から当社のゆるキャラだ!」。あまりに突然のことに戸惑いつつも一生懸命職務を全うしようとする山田。縦割り冷たい視線、宣伝の失敗等の苦難を乗り越えて…。

いや、これは掴み一発勝負ですね。何だよ、一介の社員がそのままゆるキャラだなんて。そう感じてしまった時点で完全に作者の思うツボですねw。こんな感じで突拍子の無い話が突き進んでいくかと思っていたら、中身はある意味全うなお仕事系小説でした。どちらかと言えばもう青臭いくらいの。

良いなあと思ったのは、所々に山田の名言(?)が有るんですね。幾つか挙げていきます。"人生フルスイング"、"半径5メートルの範囲で変えていければ良い"等々。どうです、何か良くないですか?。何となく、部長が山田をゆるキャラに選んだ理由が分かるような気さえしてきましたよw。

無論、この手の小説につきものな個性豊かな同僚、恋愛話も盛り込まれていますので不足無し、お仕事小説の王道路線ですので文句無くオススメできるかと。

さて、現実の世界に戻って山田のような存在が周りにいるかと言うと…、うーん、難しいですね。山田のような発言の裏には打算が隠れていたりするし。今時、あまりに保守的な役員等はすぐに外されるし。現実の世界はやっぱり小説より厳しいや。

握る男 (角川文庫)
原 宏一
KADOKAWA/角川書店
2015-03-25



両国の鮨屋、つかさ鮨に弟子入りした"ゲソ"こと徳武光一郎。人当たりの良い表の顔とは別に裏の顔を持ち、鮨屋を牛耳り、さらには日本の食品業界を牛耳るまでを、番頭として使えた金森の視点で語る。

いやあ、これは原宏一さんにしてはちょっと異色でした(良い意味で)。今まで読んだ原さんの作品は、ちょっとカッコ良いけど人情味溢れる、ハートウォーミングな印象を持っていたのですがこれは人生ノンストップ、中盤からは狂気さえ感じてしまう内容でした。ラストも決して後味良いものとは思わない、そんな感じです。

とにかくスピード感と、主人公のイヤらしさ(私にはそう感じましたが、これは人それぞれだと思います)、この2点に打ちのめされてひたすらに読み続けました。この種の人生ジェットコースターなストーリーは多々読んできたはずなのに、どこか違うんですよね。それは主人公のイヤらしさが徹底しているからなのでしょうか。ホント、読み終わってスッキリしない作品も久しぶりですよww。

いやあ、ホント、こんな作風も出来るんですねえ…、只々これしか言葉が出てこないのですよ。もう一度読んでみようかと思うくらい、一度読み始めると最後まで止まらない、主人公以上に原さんが"人たらし"なのではww。

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