中国を始め周辺諸国が領有権を主張する南シナ海南沙諸島。海上にある石油掘削リグが何者かに攻撃されたことにより、中国軍が出動。利権を東南アジア諸国に取られるくらいなら中国と組んだほうが良いと判断した台湾中国連合に対し、国連は日本に事件処理を依頼、海上自衛隊が出動。武器商人の怪しげな行動の中、海上自衛隊と中国台湾連合軍の衝突の時が迫る…。


と、ここまで書くと近未来の仮想戦記もののように想像しますが(私自身も本文を読むまではそう思っていました!)、時は1990年代、原作が刊行されたのは1993年なのでした…。そうです、過去の近未来の仮想戦記なんですね。さらに言えば旧作のタイトル(南沙諸島作戦発令)って、子供の頃に読んでるし…。


いや〜、今読むと新鮮ですww。何と言っても中国海軍の戦力が無きに等しい設定です。台湾海軍にすら一蹴されるレベル。ですので設定上は海上自衛隊vs台湾海軍がメインとなります。対して海上自衛隊の戦力は、、、あれっ、あまり今と変わりませんね。原作当時から20年の歳月が経ち、現実世界の激動ぶりには目を見張るものが有りますね。


もちろん仮想戦記ですから、トンデモ兵器も登場しますww。でも、一部は現実に登場してきている機能なのかな?。こちらも時代を感じますね。


内容を細かく見て行くと、当時から絶大な力を持っていた米軍はどうした?、とか、十分なエアカバー無しに艦船だけで南シナ海まで海上自衛隊が進出するか?等、ツッコミどころは満載なのですが、そんなことはどうでも良いのです。作者もあとがきで触れているように、20年前の仮想戦記を今の時代に楽しむ、これは有る意味古典の世界なのです。過去を懐かしむも良し、当時の未来予想と現在との比較を楽しむも良し、そういった作品なのです