握る男 (角川文庫)
原 宏一
KADOKAWA/角川書店
2015-03-25



両国の鮨屋、つかさ鮨に弟子入りした"ゲソ"こと徳武光一郎。人当たりの良い表の顔とは別に裏の顔を持ち、鮨屋を牛耳り、さらには日本の食品業界を牛耳るまでを、番頭として使えた金森の視点で語る。

いやあ、これは原宏一さんにしてはちょっと異色でした(良い意味で)。今まで読んだ原さんの作品は、ちょっとカッコ良いけど人情味溢れる、ハートウォーミングな印象を持っていたのですがこれは人生ノンストップ、中盤からは狂気さえ感じてしまう内容でした。ラストも決して後味良いものとは思わない、そんな感じです。

とにかくスピード感と、主人公のイヤらしさ(私にはそう感じましたが、これは人それぞれだと思います)、この2点に打ちのめされてひたすらに読み続けました。この種の人生ジェットコースターなストーリーは多々読んできたはずなのに、どこか違うんですよね。それは主人公のイヤらしさが徹底しているからなのでしょうか。ホント、読み終わってスッキリしない作品も久しぶりですよww。

いやあ、ホント、こんな作風も出来るんですねえ…、只々これしか言葉が出てこないのですよ。もう一度読んでみようかと思うくらい、一度読み始めると最後まで止まらない、主人公以上に原さんが"人たらし"なのではww。