日々妄想 -書籍と家電の個人的記録-

一介のサラリーマンの日々の読書記録と家電レビューの覚え書きです。 文庫本を中心に、時々家電の衝動買い、さらにはへっぽこ登山まで?

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侠飯3 怒濤の賄い篇 (文春文庫)
福澤 徹三
文藝春秋
2016-08-04



深夜ドラマになっている福澤徹三さんの人気シリーズ、侠飯の第3弾。今度はホンマもんのヤクザの組が舞台?。安定の面白さがありますので迷わず購入です。

半グレ集団の1人、渋川卓磨はヤクザ組長自宅を地上げせよと命令されたが、実は何と卓磨の祖父の家。祖父で渋川組の組長、渋川伊ノ吉は弱ってはいるものの昔気質の任侠。決してうんとは首を振らず、卓磨は見習いとして渋川組に住み込みで働く事に。そこに現れたのが柳刃と火野の例の2人組。1人1食300円以内決められている中で侠飯が炸裂する!!

いやあ、ストーリーはもう予定調和というか、3作目ともなるとプロットが固定化しちゃっており新鮮味は無くある意味水戸黄門的な流れであるのですが、舞台が本当の任侠である所が今回のミソ。任侠と言っても渋川組は暴力団指定すら受けられない弱小かつ、堅気には迷惑をかけない主義なのでまあ善良ww。柳刃が昔の任侠の流儀に則って渋川組に居候する流れがもう面白くって。今までで一番ツボにはまっている感じです。

そして相変わらずの美味そうな料理。今回一押しは鶏つくねピエンロー。ピエンローは妹尾河童さんのレシピで有名ですが、材料等に余分なものを入れてはいけない所がポイント。でも侠飯はアレンジしちゃうんですw。もうこの場面だけで福澤さん、分かってるなあとww。

まあストーリーは最後の一発逆転という流れは変わりませんし、ちょっとラブストーリーを絡めつつ、ダメ主人公が更生していく流れは変りませんので本作にサプライズを求めてはいけませんw。安心して読み進められる漢の料理小説であるとww。もちろんですが前作のキャラクターもちょっとだけ登場しますよ。

潜航せよ (角川文庫)
福田 和代
KADOKAWA/角川書店
2016-05-25



日本一運の無い自衛官、安濃シリーズの第2弾。って第1弾読んでないので全く先入観無しで読むことが出来ました。対馬は海栗島のレーダーサイトに配属となった安濃。対馬に向かう船で出会った漁師に誘われて…。

福田和代さんの作品。何冊かは読んだことはあるのですが安濃シリーズは初めてでした。うーん、第1弾の「迎撃せよ」から読むべきだったなあと少し後悔。ストーリー展開としてはこの種のアクション系小説では王道の展開だったのですが、第1弾から続く人間関係の濃さがあって100%楽しめなかったなあという印象。

ネタバレになる面があるのですが、レーダーサイトに配属された安濃何者かにすり替わっているのですが…。これは文庫本の裏書き等にも記載があって理解していたつもりだったのですがすっかり忘れてしまい…。偽者の安濃と気づいた時には本当に虚を突かれてビックリしてしまいましたww。

それくらい冒頭の描写が丁寧というか自然な訳でして、ストーリー展開もさることながら福田さんの筆力の高さが光るなあという感想を持ちました。いやあ、こりゃ1作目から読まないとね。

侠飯 (文春文庫)
福澤 徹三
文藝春秋
2014-12-04



タイトルは"おとこめし"と呼びます。何かイイっすね。就職活動中の大学生、若水良太は、自宅マンション前にてヤクザ同士の抗争に巻き込まれ、何故か組長の柳刃竜一を六畳一間の1kマンションに匿うことに。巨大な冷蔵庫を購入し、お取り寄せグルメにて次々と料理を作り出す竜一。果たして二人の結末は?

いやあ、不思議な作品でした。この種の料理小説であれば、章毎にキーとなる料理があり、そこに何らかのエピソードなり事件が絡んでくるものなのですが、本作ではその事件が無いんです!。まあ、些細な出来事はあるのですが(就職活動の面接、等)、端的に言ってしまえばオッさんが料理作って、大学生が飯食うだけ、という恐ろしい展開ですw。

だが、それが良いww。もう、何というか物語に広がる無骨さが堪らないです。"自分、不器用ですから..."といつ言い出してもおかしくない展開です。そして料理も無骨で、まさに漢の飯。だが、それが良いwww。とんでもなく美味しそうなんですよね。大体、最初の料理、というか飯の炊き方からもう来ています。米研ぎの1回目は良い水で、研ぎ方から炊き方まで…。一番印象的だったのは、カマバタですね。もう、どれも自分で真似できそうな次元なのがまた良いのです。

無論、ただ飯食っているだけではなく、竜一と出会って良太と周囲の友達が徐々に成長していく過程も描かれてますし、最後には竜一のあっと驚く展開もありますので、小説としても充分に楽しめる作品だと思います。しかし、何と言っても白眉なのは料理のシーンです。ホント、ただ飯食っているだけなのにこんなに楽しく読み進められるなんて…、恐るべし、福澤徹三ワールドといった感じでした。

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