多世界の歩行者

       小説や専門書の感想だったり映画の感想、考えた事などを書いています。 人様に読んでいただくような文章ではないのであしからず。         《ネタバレを含んでいる場合がありますのでご注意ください!》

村上春樹の作品次は何をよもうか考えていたところ、TVピープルという名前だけ見てこれは面白そうだと思ったので読んでみることにした。

この本も短篇集でTVピープル飛行機_あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか我らの時代のフォークロア_高度資本主義前史加納クレタゾンビ眠りという五作品が収録されていてどの話も不気味さがあったし、現実感もありとても面白かった。

その中でも私は我らの時代のフォークロア眠りという作品が、とても気に入ったので感想を書いていこうと思う。まず我らの時代のフォークロアは自分の中ではラブストーリーだと思っている、勉強も運動もなんでも出来る男と同じようになんでも出来る女が付き合っていく中で、男の考えと女の考えが少しづつずれていく話を描いているのだと思う。男は肉体的なつながりお求め女に詰め寄り、女は自分で決めたルールを絶対に曲げずに男と女について固定観念を抱いているというこの二人の話だ。

フォークロアとは「地域コミュニティや特定の民族によって創作され伝承されてきた有形無形の文化遺産」のことで、つまり昔が貞淑を守ることを美徳とするような時代から、現在のように自由恋愛主義で恋愛するのも結婚するのも自由である時代との時代の分かれ目を表現しているのだと思う。

 そして眠りについては不眠症になった女が眠らないことによって自分の生活自体が自動的なものと考えるようになり家族についてもだんだん偏見を持つようになり、肉体もだんだん別人のように変わっていく様子を描いた作品で、睡眠のとらないことによる生活の変化によって人間自体の変化はとても恐ろしいように感じた。たしかに眠らないことによって人生の長さが三分の一長くなりそのことによって充実した生活が遅れるかもしれないが、それでも眠ることによって良いこともたくさんあると思う、例えば睡眠を取ることによって昨日と今日の境界線をひけるし、そのことによって昨日あった悪いことは今日はだいぶ薄まるという効果もあると思う(本文で述べてたようなリフレシュの効果で)。だから私はこの作品は考えさせられたし怖いとも思った。

ここまで自分でなんとなく考えてきたが、異論は認める(笑)
とにもかくにも結構わかりずらい内容のところもなくはなかったけど、おもしろかった。これからも村上春樹の作品を読んでいきたいと思う。

私がこの本を読んだ理由は、まず村上春樹の作品を読みたかったことと、ただ単に買おうと思って本屋の本棚を見ていたら、一番は端に東京奇譚集があったというだけの理由だ。

村上春樹の作品を海辺のカフカぐらいしか、まともに読んだことがない自分には村上春樹はなんとなくよみづらい感じがしていたが、短篇集だとすんなり読めたので自分の中では短篇集のほうがいいなぁと感じた。

東京奇譚集の中で一番気に入った話は品川猿でした。ほかにもハナレイ・ベイなども結構好きでしたが、最も印象に残って引き込まれたのは、品川猿が一番だったと思います。
品川猿は普通に何事も無く成長し就職し結婚したOLの安藤みずきは、名前を聞かれると自分の名前を聞かれると頭が真っ白になるという状態になり、自分の過去を思い出しながら原因を探っていく、という大雑把に言うとそんな感じだと思いますが、私は大して読解力もないので適当になるが、この話は名前というものの重要性についてを表現している作品ではないかと思った。主人公の安藤みずきは最初は名前が無くて困るもののブレスレットを作ってからは何事も無く過ごしているが、私がもしそのような状況になってしまった場合あわてふためくのだろうと思う。そういう意味でこの主人公は異質なのかなぁと思ってみたり・・・。

とにかく東京奇譚集は、読みやすくて面白かった。こういう感じなら村上春樹の作品をもっと読んでいけると思う。
東京奇譚集 (新潮文庫)
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この本を読もうとしたきっかけは2chの某スレのまとめを見て読み始めましたが、想像以上にキャラの設定や世界観など特徴的でしたし、内容にもすごく引き込まれた。

 まず主人公は波濤学という無愛想でナギナタをやっているために、男勝りになってしまい周りと一線を引いて馴染めない少女と、周りの生き物全てがロボットに見えてしまう鞠井紫という少女を中心に描かれていた。

 まずクオリアとはなんなのか、私も知らなかったが文中によると「感覚質と、訳されるそれは『頭の中で生まれる感じ』のことであり、紫色をのあの『感じ』_同じ色を見ても、人によって、状況によって、受け取り方は同じでなく様々になる」ということらしい。人間が人間に見える普通に人と、人間がロボットに見える鞠井紫との感覚の差や、おもしろく時にはシリアスに描かれていることにとても現実的に感じたし、いっぽうで非現実でもあるように感じた。

 この作品は三部構成になっていて
・鞠井についてのエトセトラ
・1/10000000000のキス
・If
 一部は名前のとおりキャラクターの紹介であり、二部に向けてのきっかけになっているが一部だけ読んでも結構満足できた。そして二部がこのラノベの面白いところでもあり、難しいところでもある。二部を一言で言うと運命を変えるために運命に立ち向かうというこどだと、自分の中では解釈している。

 とにもかくにも紫色のクオリアは面白かった、結構難解なところが多くてついていけない感じはあったけどSFファンならついていけると思う。
紫色のクオリア (電撃文庫)
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