2009年06月03日

毎週のようにコロコロ変わる自分の音楽嗜好を省みると、自分は本当に音楽好きなんだろうか、という疑問が頭をかすめることがあります。ただの「音楽情報」オタクなだけ、本質を何も分かっちゃいない、と自虐的なことまで考えたり。

話が暗いトーンで始まりましたが(笑)
でもどうなんでしょうねー。昨日まで大好きだったものを急に聴かなくなったりしますし。最近ブラックミュージック(ジャズ含む)とブラジル音楽しか聴く気しねーとか嘯いておきながら今日、本屋でロッキンオンをガン読みしてたら急にダイナソーJr(新作出る!)聴きたくなって帰ってから爆音で聴いたり。

中古屋で何時間もウロウロして店員にウザがられたり、そんな自分がイヤになったりもしますけど、こればっかりは自然の行為につき、どうしようもないと思うんですけどね。

マーシャル・マクルーハン広告代理店そんな折、ひと月ほど前から発売予告(珍しい)があって、楽しみにしていた本がようやく刊行されました。

もう手にされた方も多いかと思います。小西康陽著「マーシャル・マクハルーン広告代理店 ディスクガイド200枚」です。

またディスクガイド本を買ってしまった。。これが俺の音楽嗜好をまた混乱させる要因になることは分かってはいるんですけどね。でも小西氏となれば話は別です。

まあ別に俺は小西氏のシンパでもピチカートファンでもありませんが、彼の音楽に対しての真摯な姿勢と言いますか、レコードに対しての接し方がいち音楽ファンとして非常に好きなんです。彼のライナーノーツとか特に。

今までもこのシリーズで菊地成孔氏セレクトのやつとかかなり面白くて愛読していましたので、軽く期待してはいたんですが、そこはやはり小西氏ですんで、こちらの予想を遥かに上回る、ムカつくくらいスタイリッシュかつ独創的な仕上がり。つーか完全に特別扱いじゃないですか!学研も気合が違うなぁ。笑

で、読み始めたらやっぱ止まりません。頭が痛くなるくらい一気に読みふけってしまいました。俺やっぱレコード本好きなんだなぁ。。

具体的な内容は直接手にとってご覧になっていただくとして、俺個人の感想としましては、やはりこの人は少々独善的な、しかし熱狂的な音楽ファンなんだということ。そして自分の作品を誰よりも愛し、それをしっかりPRするのも忘れていない、音楽家、ビジネスマン的な側面を持ち合わせているということ。これは昔から変わっていないなぁと感じました。特にピチカートが二人になってからの彼は宣伝マンとしての力がありましたからね。
後者的な側面は少々意見が分かれると思いますが、彼が愛した(ている)音楽に対してのコメント文には本当に感心させられるし、表現が素敵だと思います。(ネタバレですがコルトレーンとニック・ドレイク対比とか!)軽すぎず、重すぎず。

結果、ここ最近買ったジャズやレアグルーヴ系ディスクガイドみたいな辞書的なものでは全くない、ディスクガイドらしからぬ内容で、単に読み物として楽しませていただきました。もちろん、ここから新たに仕入れるネタもあると思いますが。

なんつうか、オトナの余裕ってヤツですかね。。ちょいムカつきつつもうらやましく感じてしまいました。俺ももう少しオトナになりたい。ガッついてばかりですからね。。

kura_mokura_mo at 22:20│コメント(4)トラックバック(0)Book | etc.

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この記事へのコメント

1. Posted by chitlin   2009年06月04日 00:56
どもども、お久しぶりです。
ROはまたLed Zeppelinが表紙ですね、特集も過去を振り返ってと。

この単行本は気になっていました。Nana Mouskouriという眼鏡歌手のCDを試しに買って聴いてみようかと検討中なんです。
200枚ですから、ほかにも欲しくなりそうなのが出てきそうでちょっと戸惑っちゃいそうですよ。
2. Posted by kura_mo   2009年06月04日 20:13
>chitlinさん
お久しぶりです♪
ロッキンオンの最近の傾向なんすかね?買う気なくします。このテの特集の時は実際買ってませんし。
つか渋谷陽一関与しすぎ。それは自分の雑誌でやってほしい。

ナナ・ムスクーリですね!俺もあのジャケにグッときちゃいまして、購入予定です。
やっぱり、自分では気付かないような音楽を知るきっかけになりますよね。
3. Posted by モスコ   2009年06月04日 22:51
おや、本のレビューとはめずらしいですね!
私もこれ楽しみにしておりました!
だけど今日は楽しみにしていた別の本(JAPANのキヨシロー本!)を買って満喫しておりましたっ。
小西さんのは明日買おう♪

小西さんの本は『これは恋ではない』が非常に好きです。
だけど最近出たそれの待望の続編本はなんだか音楽の話が少なくてちょっとパスしてましたので
この本に期待しておりました。
音楽の内容云々はちょっと自分の好みとはかけ離れてるものも多数紹介されているだろうけど
やっぱりその圧倒的な知識とセンスと文章力(PR力と言ってもよいのでしょう)に惹かれますね。
音楽が死ぬほど好きな人の文章を読むのが大好きです(笑)

4. Posted by kura_mo   2009年06月04日 23:18
>モスコさん
そうですね。本のエントリは初、かな?まあ結局音楽本ですけどね(笑)
期待を裏切らない出来ですよ。
なんていうか俺みたいにブレてない、確固たる「好き」を持っている人って凄いというか尊敬します。音楽の好みにしたって、特定のものが好きな人の好きさ加減って清いですしね。ただ自分にはできねーなぁ。。
俺もいつも音楽のことしか考えてないんですけどね。。この差はいったい何?

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