山川旅人日記

富山県を中心に、歴史・読書・山川めぐりetcを書き込みます。

演劇再開❢文学座公演 鄭義信作『大空の虹をみると私の心は躍る』(8/4)

【コシノヒガンザクラの緑陰】呉羽山緑化植物園にて。昼頃でも涼しい風が吹いていました。

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1月のこまつ座公演『犬の仇討』を最後に延期していましたが、7か月ぶりに再開されました。

・・・赤字続きの映画館をたたもうと職探しを始めた館主。そこに、とうに家を出ていた息子が舞い戻ってくる。秋空の下、映画館はラスト・ショーを迎える。

戦後に始まった映画館は映画や舞台に良く似合うようです。前館主(祖父)・父(館主)・子どもの男家族の意思疎通難、LGBT、いじめ、自死、引き籠り、老親介護の問題など難しいテーマをはらみつつ、家族関係の再出発を探るのでした。

大きなウサギの縫いぐるみの登場、女性従業員の鋭いツッコミ、意外な恋愛関係成立などユーモアたっぷりでした。
「雨に唄えば」、「網走番外地」の歌・演技も見ごたえがありました。

登場人物それぞれが台風一過でラスト・ショーののち、新しい一歩を踏み出そうとします。演劇はそこでコロナ後の世界に向けて、呼びかけます。それは随所で引用されるワーズワースの詩「虹」が「私の心は躍る、空に虹を見るとき・・・」とうたったように、子どもであれ高齢者であれ、明日への希望を大切にしようということでした。
演劇・音楽などが消失していた数か月を振り返るとき、公演の有難さを身にしみて感じました。
困難なこの7か月の間を耐えて公演を実現した劇団の皆さんに感謝します。

演劇と映画の関係を描いたところでは、来年2月に原田マハ原作『キネマの神様』、全国公開中の大林宜彦監督遺作である映画『海辺の映画館-キネマの玉手箱』と話題が多く、ウイズ・コロナ時代の要注目作品です

午前11時過ぎのNHK・FM「弾き語り」で『死んだ男の残したものは』。
小原孝のピアノ演奏、石川セリのボサノバ風の歌ともにが泣かせました。







[研修会]Hさん『旧近代美術館について』(2020/7/31)

今日で梅雨明けだという。長い7月でした。
7月31日(金)蝉が高く鳴いていた呉羽山「豊栄稲荷神社」にて研修会を実施しました。
報告はHさん「富山県、旧・近代美術館(近美)について」。Hさんは建設当時の事情に詳しい会員です。以下に要点を記します。

近美の施工期間1979年7月~1980年10月。開館1981年7月4日、閉館2016年12月28日

建設に至る経緯
全国的に置県100周年記念事業として美術館建設ブームが見られた。それらは首長のレガシー作り、郷土出身作家の紹介、一点の大作を中心とした常設展、大手新聞社の巡回展企画など共通点が多かった。その中にあって近美は初代館長に評論家の小川正孝を迎え、20世紀美術の流れを代表する作品を収集し、世界的な視野を持った美術館として異彩を放った。収集作品には「富山詣で」をしないと出会えない作品も多かった。
主なものでは、ピカソ、シャガール、ルオー、ロートレック、1980年以降ではステラ、エルンスト、リヒタ、キング、シュルレアリスムではミロ、エルンストetc.。抽象絵画評論の滝口修造(富山県出身)コーナー、世界ポスター展(「世界5大ポスター展」とも評価された)もあった。
石川県が具象なら富山県は抽象でという対抗意識もあった!?


設計建築の困難や工夫
建築場所は常願寺川にあるため豊富すぎる地下水が大問題だった。早期施工の必要から、経験と度胸で乗り切った。東京の町工場の技術の高さ(今でいう下町ロケット的)に助けられたり、難題に挑戦することで初めて技術が発達することを実感したりという話もよく聞いた。第23回(1982年)BCS賞受賞。

近美が閉館となり、富山県美術館に引き継がれた。近美の先進的な伝統を受け継いだ運営を期待している。親しみ易く入場者数を競うだけでなく、理念の高さを保つことを忘れないでほしい。
また、他県の美術館はリニューアルして利用されており、近美の建物はまだまだ存在価値がある。かねてから嘱望されていた県立歴史博物館として再利用することを望む!!

かなり具体的な話が多く、興味深く拝聴しました。それぞれの近美への思い、感謝、県政との関係、美術館の在り方、前衛作品の見方など、多々考えさせる問題提起もありました。
県立歴史博物館構想については異議なし!!

次回までに猛暑、新型コロナなどハードルが予想されますが、乗り越えて再会しましょう。



イベントなど自粛が続きましたが、今週から演劇公演が再開されます。ところが演劇団体はこの間収入が途絶し、打撃大で困っているという。劇団員はアルバイトでやり繰りするも、このご時世でアルバイト先も不足。支援のカンパ宜しくという連絡も聞きました。
心ある方々のご賛同をお願いします。

【7月31日、梅雨明け間近の富山平野】


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松田亜有子「音楽を飾った絵画十選」(日経連載)

長期入院の友人を見舞いに行こうとしたら、親族以外はダメとのこと。半年近く顔を見ておらず、こんなことで最後となるかも知れない厳しさを知らされます。共通の友人が最近亡くなったこともあり、コロナ禍とは、多くの人が「あの時が最後だったっとは・・・」という残念な思いを抱く時代のように思えます。

音楽会などすべて中止延期となり、味気ない日々ですが、日経連載のこの記事で大いに楽しみました。
文化欄連載の松田亜有子『音楽を飾った絵画十選』は7月16日に始まり、本日7月29日終了になりました。松田は音楽プロデューサー。

名画が画家にインスピレーションを与えた作品の組み合わせが、意外性やロマンに富み、飽きさせないものでした。
後々のために記録しておきます。
①葛飾北斎「神奈川沖浪裏」⇒ドビュッシー「海」、ラヴェル「洋上の小船」
②ヴァトー「シテール島への巡礼」⇒ドビュッシー「喜びの島」
③ラファエロ「聖母の結婚」⇒リスト「巡礼の年 第2年『イタリア』」
④ルドン「閉じた眼」⇒武満徹「閉じた眼」
⑤ゴッホ「星月夜」⇒ドゥティユー「音色・空間・運動」
⑥ゴヤ「藁人形」⇒グラナドス「ゴイェスカス(ゴヤ風の意)」
⑦ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」⇒レスピーギ「ボッティチェリーの3枚の絵」
⑧グリューネヴァルト「イーゼンハイム祭壇画」⇒ヒンデミット「交響曲 画家マティス」
⑨ベラスケス「マルガリータ王女」⇒ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
⑩ベックリン「帰郷」⇒ラフマニノフ「前奏曲作品32第10番」

簡潔な紹介ですが、音楽家の人生の山場で、名画との遭遇によりインスピレーションを得て名曲が誕生したという劇的な解説もあり、連載再開が待ち遠しい思いです。

新聞では7月27日(月)朝日新聞「復興予算から接待の裏金、下請けが捻出、ゼネコン幹部に還流」(1・2面)が圧倒的な存在感を発揮しました。弱者、被災者が苦しみ、金の亡者が高笑いするというアベ政治末期を象徴する特ダネでした。

【キスゲ(ユウスゲ)】
先日の中央植物園で撮ったものです。昨今はそろそろ梅雨明け近しという天候です。立山弘法から登ればニッコウキスゲが迎えてくれる頃だろうと期待しながら見直していました。


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ギャラリー
  • 演劇再開❢文学座公演 鄭義信作『大空の虹をみると私の心は躍る』(8/4)
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  • [映画]佐々木美佳監督『タゴール・ソングス』(富山市総曲輪通、ほとり座)
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  • 発掘速報展「富山市の中世城館!!」(富山市・安田城跡資料館)
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